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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第9巻(申の巻)
序歌
凡例
総説歌
第1篇 長途の旅
第1章 都落
第2章 エデンの渡
第3章 三笠丸
第4章 大足彦
第5章 海上の神姿
第6章 刹那信心
第7章 地獄の沙汰
第2篇 一陽来復
第8章 再生の思
第9章 鴛鴦の衾
第10章 言葉の車
第11章 蓬莱山
第3篇 天涯万里
第12章 鹿島立
第13章 訣別の歌
第14章 闇の谷底
第15章 団子理屈
第16章 蛸釣られ
第17章 甦生
第4篇 千山万水
第18章 初陣
第19章 悔悟の涙
第20章 心の鏡
第21章 志芸山祇
第22章 晩夏の風
第23章 高照山
第24章 玉川の滝
第25章 窟の宿替
第26章 巴の舞
第5篇 百花爛漫
第27章 月光照梅
第28章 窟の邂逅
第29章 九人娘
第30章 救の神
第31章 七人の女
第32章 一絃琴
第33章 栗毛の駒
第34章 森林の囁
第35章 秋の月
第36章 偽神憑
第37章 凱歌
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(二)
余白歌
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第9巻(申の巻)
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<<< 窟の邂逅
(B)
(N)
救の神 >>>
第二九章
九人
(
くにん
)
娘
(
むすめ
)
〔四二二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
篇:
第5篇 百花爛漫
よみ(新仮名遣い):
ひゃっからんまん
章:
第29章 九人娘
よみ(新仮名遣い):
くにんむすめ
通し章番号:
422
口述日:
1922(大正11)年02月16日(旧01月20日)
口述場所:
筆録者:
東尾吉雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
春山彦が三人の宣伝使をかくまっていることが知れて、同僚の照山彦、竹山彦が家来を引き連れて、捕縛にやってきたのであった。
春山彦は、照山彦・竹山彦を待たせておいて、その間に妻の夏姫を呼び、自分の娘たち、秋月姫・深雪姫・橘姫を宣伝使の変わりに差し出そうと提案した。
夏姫はただ涙にくれていたが、そこへ娘たちはいつの間にか宣伝使の服をつけて両親の前に現れ、自ら身代わりになろうと決心の色を表した。
そこへ松・竹・梅の三姉妹の宣伝使が現れ、春山彦一家の心遣いに感謝しつつも、やはり自分たちが自ら縄につこうと、縛吏の待つ部屋に行こうとする。親子は宣伝使にすがって止めようとする。
照山彦、竹山彦は待ちきれずに春山彦を呼びたてて、宣伝使の引渡しを要求した。松・竹・梅の三姉妹はその場に現れて、自ら縄につき、引かれて行った。春山彦と夏姫はわっとその場に泣き伏した。
そこへ、春山彦の三人の娘と、今引かれて行ったはずの三姉妹の宣伝使が、何事かとやってきた。春山彦夫婦は自分の娘たちも三宣伝使も無事でいることに驚き、思案にくれている。
果たして、捕縛されて行った三姉妹の宣伝使は、何神の化身であろうか。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-23 23:29:10
OBC :
rm0929
愛善世界社版:
228頁
八幡書店版:
第2輯 356頁
修補版:
校定版:
237頁
普及版:
96頁
初版:
ページ備考:
001
十六夜
(
のちのよ
)
の
初冬
(
しよとう
)
の
月
(
つき
)
は、
002
御空
(
みそら
)
に
皎々
(
かうかう
)
と
輝
(
かがや
)
いてゐる。
003
春山彦
(
はるやまひこ
)
の
門前
(
もんぜん
)
には、
004
照山彦
(
てるやまひこ
)
、
005
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
二人
(
ふたり
)
が
数多
(
あまた
)
の
家来
(
けらい
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れ、
006
突棒
(
つくぼう
)
、
007
刺股
(
さすまた
)
、
008
十手
(
じつて
)
、
009
弓矢
(
ゆみや
)
を
携
(
たづさ
)
へながら、
010
門戸
(
もんこ
)
を
押
(
お
)
し
破
(
やぶ
)
り
進
(
すす
)
み
来
(
き
)
たり、
011
大音声
(
だいおんじやう
)
。
012
照山彦、竹山彦
『
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
在宅
(
ざいたく
)
か』
013
と
呼
(
よ
)
ばはるにぞ、
014
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
静
(
しづ
)
かに
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
を
押開
(
おしひら
)
き、
015
春山彦
『これはこれは、
016
何方
(
どなた
)
かと
思
(
おも
)
へば
照山彦
(
てるやまひこ
)
、
017
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
御
(
ご
)
両所
(
りやうしよ
)
様
(
さま
)
、
018
数多
(
あまた
)
の
供人
(
ともびと
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れ、
019
この
真夜中
(
まよなか
)
に、
020
よくもよくも
御
(
ご
)
入来
(
じゆらい
)
下
(
くだ
)
さいました』
021
照山彦
『オー、
022
今日
(
こんにち
)
はよく
来
(
き
)
たのではない。
023
照山彦
(
てるやまひこ
)
は
汝
(
なんぢ
)
の
為
(
ため
)
には
悪
(
わる
)
く
来
(
き
)
たのだ。
024
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ながら
今日
(
こんにち
)
の
役目
(
やくめ
)
、
025
申
(
まを
)
し
渡
(
わた
)
す
仔細
(
しさい
)
がある、
026
奥
(
おく
)
へ
案内
(
あんない
)
を
致
(
いた
)
せ』
027
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
導
(
みちび
)
き
一間
(
ひとま
)
に
入
(
い
)
る。
028
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
数多
(
あまた
)
の
部下
(
ぶか
)
に
向
(
むか
)
ひ、
029
竹山彦
『その
方
(
はう
)
共
(
ども
)
はこの
館
(
やかた
)
を
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
けよ。
030
必
(
かなら
)
ずともに
油断
(
ゆだん
)
を
致
(
いた
)
すな』
031
と
言
(
い
)
ひ
置
(
お
)
いて
正座
(
しやうざ
)
になほるを
春山彦
(
はるやまひこ
)
は、
032
春山彦
『
貴方
(
あなた
)
は
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
家来
(
けらい
)
、
033
この
真夜中
(
まよなか
)
に
何
(
なに
)
御用
(
ごよう
)
あつてお
越
(
こ
)
しになりました。
034
御用
(
ごよう
)
の
次第
(
しだい
)
を
仰
(
あふ
)
せ
聞
(
き
)
けられ
下
(
くだ
)
さいますれば
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます』
035
照山彦
(
てるやまひこ
)
は
威儀
(
ゐぎ
)
を
正
(
ただ
)
し、
036
春山彦
(
はるやまひこ
)
をグツと
睨
(
ね
)
めつけ、
037
照山彦
『
吾々
(
われわれ
)
が
今日
(
こんにち
)
参
(
まゐ
)
つたのは
余
(
よ
)
の
儀
(
ぎ
)
ではない。
038
その
方
(
はう
)
はこの
はざま
の
国
(
くに
)
の
目付役
(
めつけやく
)
を
致
(
いた
)
しながら
君命
(
くんめい
)
に
背
(
そむ
)
き、
039
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
040
松
(
まつ
)
、
041
竹
(
たけ
)
、
042
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
密
(
ひそ
)
かに
隠匿
(
かくま
)
ひ
置
(
お
)
くと
聞
(
き
)
く。
043
この
里人
(
さとびと
)
の
密告
(
みつこく
)
によつて、
044
確
(
たし
)
かな
証拠
(
せうこ
)
が
握
(
にぎ
)
つてある
以上
(
いじやう
)
は、
045
否応
(
いやおう
)
は
言
(
い
)
はれまい。
046
ジタバタしてももう
敵
(
かな
)
はぬ。
047
百千万
(
ひやくせんまん
)
言
(
げん
)
の
言
(
い
)
ひ
訳
(
わけ
)
も、
048
空
(
そら
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
と
聞
(
き
)
き
流
(
なが
)
すこの
照山彦
(
てるやまひこ
)
だ』
049
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
威儀
(
ゐぎ
)
儼然
(
げんぜん
)
として、
050
竹山彦
『かうなつた
以上
(
いじやう
)
は
百年目
(
ひやくねんめ
)
だ、
051
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
をこの
場
(
ば
)
へ
引摺
(
ひきず
)
り
出
(
だ
)
して
渡
(
わた
)
さばよし、
052
何
(
なん
)
の
彼
(
かん
)
のと
躊躇
(
ちうちよ
)
に
及
(
およ
)
ばば、
053
汝
(
なんぢ
)
も
諸共
(
もろとも
)
引
(
ひ
)
き
縛
(
しば
)
つて
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
054
拷問
(
がうもん
)
を
致
(
いた
)
してでも
白状
(
はくじやう
)
させる。
055
サア
春山彦
(
はるやまひこ
)
、
056
返答
(
へんたふ
)
は
何
(
ど
)
うだ』
057
春山彦
『これはこれは、
058
寝耳
(
ねみみ
)
に
水
(
みづ
)
の
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
御
(
おん
)
仰
(
あふ
)
せ、
059
モウかうなる
上
(
うへ
)
は
是非
(
ぜひ
)
に
及
(
およ
)
ばぬ。
060
可愛
(
かあい
)
らしい
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもかけ
替
(
か
)
へのない
吾
(
わが
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
……イヤ
娘
(
むすめ
)
のやうに
可愛
(
かあい
)
がつて
居
(
ゐ
)
る
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
をこれへお
渡
(
わた
)
し
申
(
まを
)
す。
061
それについても
種々
(
いろいろ
)
の
仕度
(
したく
)
もござれば、
062
半刻
(
はんとき
)
ばかりの
御
(
ご
)
猶予
(
いうよ
)
をお
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します』
063
照山彦
(
てるやまひこ
)
『イヤ、
064
その
手
(
て
)
は
喰
(
く
)
はぬ。
065
ゴテゴテと
暇取
(
ひまど
)
らせ、
066
風
(
かぜ
)
を
喰
(
くら
)
つてこの
家
(
や
)
を
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せる
汝
(
なんぢ
)
の
企
(
たく
)
み、
067
屋敷
(
やしき
)
の
廻
(
まは
)
りには
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
配下
(
はいか
)
をつけて
置
(
お
)
いたれば、
068
蚤
(
のみ
)
の
飛
(
と
)
び
出
(
で
)
る
隙
(
すき
)
もない。
069
キリキリチヤツと
渡
(
わた
)
したが
為
(
ため
)
であらうぞよ』
070
竹山彦
『イヤ、
071
照山彦
(
てるやまひこ
)
殿
(
どの
)
、
072
仰
(
あふ
)
せの
如
(
ごと
)
くもはや
遁走
(
とんそう
)
の
憂
(
うれ
)
ひもなければ、
073
半刻
(
はんとき
)
ばかりの
猶予
(
いうよ
)
を
与
(
あた
)
へ、
074
吾々
(
われわれ
)
はここに
休息
(
きうそく
)
して
待
(
ま
)
つことに
致
(
いた
)
さう、
075
竹山彦
(
たけやまひこ
)
がお
請合
(
うけあひ
)
申
(
まを
)
す』
076
照山彦
『しからば
半刻
(
はんとき
)
の
猶予
(
いうよ
)
を
与
(
あた
)
ふる。
077
その
間
(
ま
)
に
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
をこれへズラリと
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
せよ』
078
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
胸
(
むね
)
に
鎹
(
かすがひ
)
打
(
う
)
たるる
心地
(
ここち
)
。
079
春山彦
『
承知
(
しようち
)
いたしました』
080
と
落
(
お
)
つる
涙
(
なみだ
)
をかくしつつ、
081
この
場
(
ば
)
を
悠然
(
いうぜん
)
として
立去
(
たちさ
)
り、
082
別殿
(
べつでん
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
083
妻
(
つま
)
の
夏姫
(
なつひめ
)
は
様子
(
やうす
)
如何
(
いか
)
にと
案
(
あん
)
じ
煩
(
わづら
)
ふ
折
(
を
)
りしも、
084
春山彦
(
はるやまひこ
)
の
常
(
つね
)
ならぬ
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て、
085
夏姫
『
思
(
おも
)
ひがけなき
夜中
(
やちう
)
のお
使者
(
ししや
)
、
086
様子
(
やうす
)
は
如何
(
いかが
)
でございますか』
087
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
吐息
(
といき
)
をつきながら、
088
春山彦
『
女房
(
にようばう
)
、
089
汝
(
そなた
)
に
一生
(
いつしやう
)
の
願
(
ねが
)
ひがある。
090
聞
(
き
)
いては
呉
(
く
)
れようまいかなア』
091
夏姫
『これは
又
(
また
)
、
092
あらたまつたお
言葉
(
ことば
)
、
093
夫
(
をつと
)
の
言葉
(
ことば
)
を
女房
(
にようばう
)
として、
094
どうして
背
(
そむ
)
きませう。
095
何
(
なん
)
なりと
叶
(
かな
)
ふ
事
(
こと
)
ならば
仰
(
あふ
)
せ
付
(
つ
)
け
下
(
くだ
)
さいませ』
096
春山彦
『オー
夏姫
(
なつひめ
)
、
097
よく
言
(
い
)
うて
呉
(
く
)
れた。
098
夫婦
(
ふうふ
)
の
者
(
もの
)
が
長
(
なが
)
の
年月
(
としつき
)
、
099
蝶
(
てふ
)
よ
花
(
はな
)
よと
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げた
秋月姫
(
あきづきひめ
)
、
100
深雪姫
(
みゆきひめ
)
、
101
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
生命
(
いのち
)
を
与
(
く
)
れよ』
102
夏姫
『エヽ』
103
春山彦
『
返事
(
へんじ
)
がないは、
104
否
(
いや
)
と
申
(
まを
)
すのか。
105
野山
(
のやま
)
の
猛
(
たけ
)
き
獣
(
けもの
)
さへも、
106
子
(
こ
)
を
思
(
おも
)
はざるものがあらうか。
107
焼野
(
やけの
)
の
雉子
(
きぎす
)
、
108
夜
(
よる
)
の
鶴
(
つる
)
、
109
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに、
110
蝶
(
てふ
)
よ
花
(
はな
)
よと
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げ、
111
莟
(
つぼみ
)
の
花
(
はな
)
の
開
(
ひら
)
きかけたる、
112
月
(
つき
)
雪
(
ゆき
)
花
(
はな
)
の
三人
(
みたり
)
の
娘
(
むすめ
)
をば、
113
宣伝使
(
せんでんし
)
の
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
てたいばかりの
夫
(
をつと
)
が
頼
(
たの
)
み、
114
どうぞ
得心
(
とくしん
)
して
呉
(
く
)
れ。
115
わが
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
は
世界
(
せかい
)
の
為
(
ため
)
には
働
(
はたら
)
きの
出来
(
でき
)
ぬお
嬢
(
ぢやう
)
育
(
そだ
)
ちに
引
(
ひ
)
き
代
(
か
)
へて、
116
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
にまします
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
娘子
(
むすめご
)
は
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
となつて
衆生
(
しうじやう
)
済度
(
さいど
)
を
遊
(
あそ
)
ばす、
117
その
清
(
きよ
)
き
御
(
おん
)
志
(
こころざし
)
、
118
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば、
119
これがどうして
鷹取別
(
たかとりわけ
)
に
渡
(
わた
)
されようか。
120
今
(
いま
)
まで
尽
(
つく
)
した
親切
(
しんせつ
)
が
却
(
かへ
)
つて
仇
(
あだ
)
となつたるか。
121
あゝどうしたらこの
場
(
ば
)
の
苦
(
くる
)
しみを
免
(
のが
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ようぞ。
122
サア
夏姫
(
なつひめ
)
返答
(
へんたふ
)
を
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れよ』
123
夏姫
(
なつひめ
)
はさし
伏向
(
うつむ
)
いて
何
(
なん
)
の
応答
(
いらへ
)
もなく
涙
(
なみだ
)
を
袖
(
そで
)
に
拭
(
ぬぐ
)
ふのみ。
124
この
時
(
とき
)
一間
(
ひとま
)
を
開
(
あ
)
けて
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
は、
125
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
に
宣伝使
(
せんでんし
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
け、
126
月、雪、花
『お
父
(
とう
)
さま、
127
お
母
(
かあ
)
さま、
128
吾々
(
われわれ
)
姉妹
(
きやうだい
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
の
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
つて、
129
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
引
(
ひ
)
かれて
参
(
まゐ
)
ります。
130
老少
(
らうせう
)
不定
(
ふぢやう
)
は
世
(
よ
)
の
習
(
なら
)
ひ、
131
随分
(
ずゐぶん
)
まめ
で
暮
(
くら
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
132
と
袖
(
そで
)
に
涙
(
なみだ
)
をかくして、
133
畳
(
たたみ
)
に
手
(
て
)
をつき
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
る。
134
春山彦
(
はるやまひこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るより
吾子
(
わがこ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
決心
(
けつしん
)
に
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
り、
135
一度
(
いちど
)
にワツと
泣
(
な
)
かむとせしが、
136
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し、
137
聞
(
きこ
)
えては
一大事
(
いちだいじ
)
と、
138
涙
(
なみだ
)
をかくす
苦
(
くる
)
しさ。
139
かかる
処
(
ところ
)
へ
松竹梅
(
まつたけうめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
140
松、竹、梅
『
委細
(
ゐさい
)
の
様子
(
やうす
)
は
残
(
のこ
)
らず
聞
(
き
)
きました。
141
海山
(
うみやま
)
の
御恩
(
ごおん
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて、
142
まだその
上
(
うへ
)
に
勿体
(
もつたい
)
なや、
143
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもかけ
替
(
が
)
へのない
可愛
(
かあい
)
い
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘子
(
むすめご
)
を
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
てて、
144
妾
(
わらは
)
達
(
たち
)
を
助
(
たす
)
けて
遣
(
や
)
らうとの
思召
(
おぼしめし
)
は、
145
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
にか
忘
(
わす
)
れませう。
146
あゝそのお
心
(
こころ
)
は
千倍
(
せんばい
)
にも
万倍
(
まんばい
)
にも
受
(
う
)
けまする。
147
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘子
(
むすめご
)
様
(
さま
)
、
148
よくもそこまで
思
(
おも
)
うて
下
(
くだ
)
さいました。
149
併
(
しか
)
しながら
吾々
(
われわれ
)
は、
150
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
ける
宣伝使
(
せんでんし
)
の
役
(
やく
)
、
151
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
にも
敵
(
かたき
)
を
詐
(
いつは
)
つて
替
(
か
)
へ
玉
(
だま
)
を
使
(
つか
)
ひ、
152
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘子
(
むすめご
)
を
敵
(
てき
)
に
渡
(
わた
)
すといふ
事
(
こと
)
が、
153
どうして
忍
(
しの
)
ばれませうか。
154
その
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
は
有難
(
ありがた
)
うございますが、
155
かへつて
吾々
(
われわれ
)
の
心
(
こころ
)
を
痛
(
いた
)
めます。
156
大事
(
だいじ
)
の
娘子
(
むすめご
)
を
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
てさして、
157
吾々
(
われわれ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
はどうしておめおめとこの
世
(
よ
)
に
生
(
い
)
きて
居
(
を
)
られませうか。
158
どうぞこればかりは
思
(
おも
)
ひ
止
(
と
)
まつて
下
(
くだ
)
さいませ。
159
わらは
達
(
たち
)
は
天晴
(
あつぱ
)
れと
名乗
(
なの
)
つて
参
(
まゐ
)
ります』
160
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
161
照山彦
(
てるやまひこ
)
の
居間
(
ゐま
)
に
行
(
ゆ
)
かむとするを、
162
親子
(
おやこ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
に
縋
(
すが
)
りつき、
163
春山彦
(
はるやまひこ
)
はあわてて、
164
春山彦
『マア
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ。
165
折角
(
せつかく
)
の
娘
(
むすめ
)
が
志
(
こころざし
)
、
166
あなたは
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
為
(
ため
)
にこの
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
はねばならぬお
役
(
やく
)
。
167
その
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
つた
娘
(
むすめ
)
は、
168
まことに
光栄
(
くわうえい
)
の
至
(
いた
)
り、
169
喜
(
よろこ
)
んで
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
たしていただきます。
170
どうか
娘
(
むすめ
)
の
志
(
こころざし
)
を
叶
(
かな
)
へさして
下
(
くだ
)
さいませ』
171
と
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
る。
172
照山彦
(
てるやまひこ
)
は
大音声
(
だいおんじやう
)
、
173
照山彦
『アイヤ
春山彦
(
はるやまひこ
)
、
174
時
(
とき
)
が
迫
(
せま
)
つた。
175
早
(
はや
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
をこの
場
(
ば
)
へ
連
(
つ
)
れ
出
(
いだ
)
せ。
176
何
(
なに
)
をぐづぐづ
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
るか』
177
と
呶鳴
(
どな
)
り
声
(
ごゑ
)
。
178
春山彦
『ハイハイ、
179
暫
(
しばら
)
くお
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さいませ。
180
今
(
いま
)
直
(
すぐ
)
に
参
(
まゐ
)
ります』
181
竹山彦
(
たけやまひこ
)
『
何
(
なに
)
をぐづぐづ
埒
(
らち
)
の
明
(
あ
)
かぬこと。
182
早
(
はや
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
をこれへ
出
(
だ
)
せ』
183
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
是非
(
ぜひ
)
もなく、
184
二人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
に
立現
(
たちあら
)
はれ、
185
春山彦
『
只今
(
ただいま
)
これへ
連
(
つ
)
れ
参
(
まゐ
)
ります。
186
よく
御
(
ご
)
実検
(
じつけん
)
下
(
くだ
)
さいませ』
187
竹山彦
(
たけやまひこ
)
『オー、
188
早
(
はや
)
く
出
(
だ
)
せ。
189
ここの
家
(
うち
)
には
秋月姫
(
あきづきひめ
)
、
190
深雪姫
(
みゆきひめ
)
、
191
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
があると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
聞
(
き
)
いてゐる。
192
その
娘
(
むすめ
)
の
顔
(
かほ
)
をよく
見知
(
みし
)
つたる
竹山彦
(
たけやまひこ
)
、
193
身代
(
みがは
)
りを
出
(
だ
)
さうなどと
量見
(
りやうけん
)
違
(
ちが
)
ひいたして、
194
あとで
吠面
(
ほえづら
)
をかわくな』
195
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
進退
(
しんたい
)
これ
谷
(
きは
)
まり、
196
如何
(
いかが
)
はせむと
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に、
197
春山彦
『
野立彦
(
のだちひこの
)
命
(
みこと
)
、
198
野立姫
(
のだちひめの
)
命
(
みこと
)
、
199
木花姫
(
このはなひめの
)
命
(
みこと
)
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ』
200
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
念
(
ねん
)
じ
入
(
い
)
る。
201
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
はこの
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
202
松、竹、梅
『オー
照山彦
(
てるやまひこ
)
、
203
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
御
(
お
)
使
(
つかひ
)
とやら、
204
妾
(
わらは
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
205
昔
(
むかし
)
はヱルサレムに
於
(
おい
)
て
時
(
とき
)
めき
渡
(
わた
)
る
天使長
(
てんしちやう
)
桃上彦
(
ももがみひこの
)
命
(
みこと
)
の
娘
(
むすめ
)
と
生
(
うま
)
れた、
206
松代姫
(
まつよひめ
)
、
207
竹野姫
(
たけのひめ
)
、
208
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の、
209
今
(
いま
)
は
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
210
わが
顔
(
かほ
)
をよく
検
(
あらた
)
めて
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
211
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
前
(
まへ
)
に
手柄
(
てがら
)
をいたされよ。
212
ヤー、
213
春山彦
(
はるやまひこ
)
、
214
汝
(
なんぢ
)
の
志
(
こころざし
)
、
215
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
にかは
忘
(
わす
)
れむ。
216
妾
(
わらは
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
今
(
いま
)
捕
(
とら
)
はれて
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
到
(
いた
)
ると
雖
(
いへど
)
も、
217
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みにて、
218
再
(
ふたた
)
び
御
(
おん
)
目
(
め
)
にかかることもあらむ。
219
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
むつまじく
達者
(
たつしや
)
に
暮
(
くら
)
して
下
(
くだ
)
されませ』
220
春山彦
(
はるやまひこ
)
は
涙
(
なみだ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひながら、
221
春山彦
『これはこれは
勿体
(
もつたい
)
なき
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
言葉
(
ことば
)
、
222
どうぞ
御
(
ご
)
無事
(
ぶじ
)
で
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ』
223
照山彦
(
てるやまひこ
)
『エー、
224
グヅグヅと、
225
何
(
なに
)
をベソベソ、
226
早
(
はや
)
くこの
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
らぬか。
227
竹山彦
(
たけやまひこ
)
殿
(
どの
)
、
228
よく
調
(
しら
)
べられよ』
229
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
顔
(
かほ
)
をトツクと
眺
(
なが
)
め、
230
竹山彦
『オー、
231
これは
秋月姫
(
あきづきひめ
)
でもない、
232
深雪姫
(
みゆきひめ
)
でもない、
233
また
橘姫
(
たちばなひめ
)
でもない。
234
擬
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
なき
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
にきまつた。
235
アイヤ、
236
春山彦
(
はるやまひこ
)
、
237
今日
(
こんにち
)
までこの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
隠匿
(
かくま
)
うた
罪
(
つみ
)
は
赦
(
ゆる
)
して
遣
(
つか
)
はす。
238
今後
(
こんご
)
は
気
(
き
)
をつけて
再
(
ふたた
)
びかやうな
不都合
(
ふつがふ
)
な
事
(
こと
)
はいたすでないぞよ』
239
と、
240
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
無理
(
むり
)
矢理
(
やり
)
に
駕籠
(
かご
)
に
乗
(
の
)
せ、
241
大勢
(
おほぜい
)
の
家来
(
けらい
)
に
兒
(
かつ
)
がせながら、
242
凱歌
(
がいか
)
を
奏
(
そう
)
して
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
243
春山彦
(
はるやまひこ
)
、
244
夏姫
(
なつひめ
)
は、
245
ワツとばかりに
声
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
りあげ
泣
(
な
)
き
伏
(
ふ
)
す。
246
この
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、
247
月
(
つき
)
、
248
雪
(
ゆき
)
、
249
花
(
はな
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
と、
250
松
(
まつ
)
、
251
竹
(
たけ
)
、
252
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
253
この
場
(
ば
)
にあわただしく
走
(
は
)
せ
来
(
きた
)
り、
254
月、雪、花
『オー、
255
父上
(
ちちうへ
)
、
256
母上
(
ははうへ
)
』
257
松、竹、梅
『
春山彦
(
はるやまひこ
)
どの、
258
夏姫
(
なつひめ
)
様
(
さま
)
』
259
と
声
(
こゑ
)
かけられて
夫婦
(
ふうふ
)
は
頭
(
かしら
)
を
上
(
あ
)
げ、
260
ハツとばかりに
二度
(
にど
)
吃驚
(
びつくり
)
、
261
夢
(
ゆめ
)
か
現
(
うつつ
)
か
幻
(
まぼろし
)
か、
262
合点
(
がてん
)
ゆかぬと
夫婦
(
ふうふ
)
は
顔
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せ、
263
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れゐたる。
264
あゝ
今
(
いま
)
引
(
ひ
)
かれて
行
(
い
)
つた
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
265
何神
(
なにがみ
)
の
化身
(
けしん
)
なるか、
266
いぶかしき。
267
(
大正一一・二・一六
旧一・二〇
東尾吉雄
録)
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