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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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第10巻(酉の巻)
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<<< 注目国
(B)
(N)
山上瞰下 >>>
第一一章
狐火
(
きつねび
)
〔四四一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第1篇 千軍万馬
よみ(新仮名遣い):
せんぐんばんば
章:
第11章 狐火
よみ(新仮名遣い):
きつねび
通し章番号:
441
口述日:
1922(大正11)年02月22日(旧01月26日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
カリガネ半島
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一同は、カリガネ半島に上陸した。一同がこれまでの旅程を話し合っていると、前方より人馬の物音が聞こえてきた。
常世城が宣伝使捕縛のために使わした軍隊であった。この軍を指揮していたのは、固虎であった。固虎は一同を取り囲み、上空からは天の鳥船で天を覆い、宣伝使たちを威嚇した。
珍山彦は吹き出して、爆弾を投下するならやってみよ、と怒鳴り返すと、懐から火打ちを出して、枯れ葉につけた。珍山彦の焚き火は、常世城の爆撃の合図と同じであった。
固虎は自分たちが爆撃されてしまうのを恐れて、慌てて珍山彦の焚き火を消すように部下たちに下知した。しかし三姉妹たちが、向かってくる兵士たちを掴んでカリガネ湾にどんどん放り込む。
上空の鳥船は、珍山彦の焚き火を合図と勘違いし、次々に爆弾を投下し始めた。味方の爆弾で、固虎の兵士たちは死傷して、惨憺たる光景を表した。
固虎軍の兵士たちは、口々に降参と改心を申し出る。宣伝使たちが宣伝歌を歌い始めると、固虎をはじめとする兵士たちも歌い舞い始めた。知らず知らずに、爆弾で破れた体も元に戻り、負傷の跡形もなくなっていた。
固虎は翻然として悟り、三五教に改心して、ロッキー山への道案内を務めることとなった。固虎は後に、固山津見という神名をいただき、大活躍をすることになる。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-15 22:05:38
OBC :
rm1011
愛善世界社版:
90頁
八幡書店版:
第2輯 423頁
修補版:
校定版:
94頁
普及版:
42頁
初版:
ページ備考:
001
川田
(
かはた
)
の
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れたる
002
常磐
(
ときは
)
の
森
(
もり
)
の
岩
(
いは
)
の
根
(
ね
)
に
003
心
(
こころ
)
も
堅
(
かた
)
き
五柱
(
いつはしら
)
004
珍山彦
(
うづやまひこ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
005
浪
(
なみ
)
の
響
(
ひびき
)
や
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
006
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
007
ミロクの
御代
(
みよ
)
を
松代姫
(
まつよひめ
)
008
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
や
竹野姫
(
たけのひめ
)
009
ここに
五
(
ご
)
人
(
にん
)
はいそいそと
010
アナウ
の
高原
(
かうげん
)
打
(
う
)
ち
越
(
こ
)
えて
011
シラ
山峠
(
やまたうげ
)
の
東麓
(
とうろく
)
を
012
こと
問
(
と
)
ひあはす
コトド
川
(
がは
)
013
湯津
(
ゆつ
)
石村
(
いはむら
)
にたばしれる
014
血潮
(
ちしほ
)
に
染
(
そ
)
むる
曲神
(
まがかみ
)
の
015
苦
(
くる
)
しき
悩
(
なや
)
みを
洗
(
あら
)
はむと
016
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
も
カリガネ
の
017
たより
渚
(
なぎさ
)
のカリガネ
湾
(
わん
)
018
東
(
ひがし
)
を
指
(
さ
)
して
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
019
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこそ
雄々
(
をを
)
しけれ。
020
南北
(
なんぽく
)
に
帯
(
おび
)
の
如
(
ごと
)
く
延長
(
えんちやう
)
せるカリガネ
半島
(
はんたう
)
に、
021
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
上陸
(
じやうりく
)
した。
022
宣伝使
(
せんでんし
)
の
影
(
かげ
)
は
細
(
ほそ
)
き
竹
(
たけ
)
の
如
(
ごと
)
く、
023
長
(
なが
)
く
地上
(
ちじやう
)
に
東
(
ひがし
)
に
向
(
むか
)
つて
倒
(
たふ
)
れる。
024
遉
(
さすが
)
に
長
(
なが
)
き
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
も、
025
カリガネ
湾
(
わん
)
の
彼方
(
あなた
)
に
舂
(
うすづ
)
き
始
(
はじ
)
めた。
026
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
、
027
寝
(
ね
)
て
進
(
すす
)
む
人
(
ひと
)
、
028
十曜
(
とえう
)
の
紋
(
もん
)
の
十人
(
とたり
)
連
(
づれ
)
、
029
日没
(
にちぼつ
)
と
共
(
とも
)
に
惜
(
を
)
しき
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げにける。
030
靄
(
もや
)
に
包
(
つつ
)
まれたる
浪
(
なみ
)
を
分
(
わ
)
けて、
031
十四夜
(
いざよひ
)
の
月
(
つき
)
は
東天
(
とうてん
)
に
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
めぬ。
032
照
(
て
)
りもせず
曇
(
くも
)
りも
果
(
は
)
てぬ
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
の
朧月夜
(
おぼろづきよ
)
に、
033
又
(
また
)
もや
微
(
かすか
)
な
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
は
西枕
(
にしまくら
)
に
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
た。
034
蚊々虎
(
かがとら
)
は、
035
蚊々虎(珍山彦)
『ホー
淤縢山
(
おどやま
)
さま、
036
吾々
(
われわれ
)
は
常磐
(
ときは
)
の
森
(
もり
)
から、
037
斯
(
か
)
うぶらぶらと、
038
シラ
山峠
(
やまたうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
を
廻
(
めぐ
)
つて、
039
音
(
おと
)
に
響
(
ひび
)
いたコトド
川
(
かは
)
をやうやう
渡
(
わた
)
り、
040
草
(
くさ
)
の
褥
(
しとね
)
の
仮枕
(
かりまくら
)
、
041
沈
(
しづ
)
んだ
浮世
(
うきよ
)
をカリガネの、
042
入江
(
いりえ
)
を
渡
(
わた
)
つて
十人
(
とたり
)
連
(
づれ
)
、
043
アヽ
世
(
よ
)
は
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
るるとともに、
044
親密
(
しんみつ
)
な
五
(
ご
)
人
(
にん
)
に
分
(
わか
)
れ、
045
ヤレ
淋
(
さび
)
しやと
思
(
おも
)
ふ
間
(
ま
)
もなく、
046
又
(
また
)
もや
五
(
ご
)
人
(
にん
)
のおつきあひが
出来
(
でき
)
た。
047
矢張
(
やつぱ
)
り
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
神歌
(
しんか
)
ではないが、
048
十
(
とう
)
でなければ
治
(
をさ
)
まらぬ。
049
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
い
海山
(
うみやま
)
越
(
こ
)
えて、
050
どうやらかうやら
此地
(
ここ
)
まで
青息
(
あをいき
)
吐息
(
といき
)
の
為体
(
ていたらく
)
でやつて
来
(
き
)
た。
051
心
(
こころ
)
も
荒
(
あら
)
き
荒浪
(
あらなみ
)
の、
052
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
053
松
(
まつ
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
松代姫
(
まつよひめ
)
、
054
ミロクさまがお
上
(
あが
)
りになつた。
055
サアサア、
056
これから
言霊姫
(
ことたまひめ
)
の
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
ふ
常世国
(
とこよぐに
)
、
057
常世
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
を
とことん
まで
晴
(
は
)
らして、
058
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
に
改心
(
かいしん
)
させねば
吾々
(
われわれ
)
の
役目
(
やくめ
)
がすまぬ。
059
烏羽玉
(
うばたま
)
の
夜
(
よ
)
も、
060
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
シラ
山
(
やま
)
山脈
(
さんみやく
)
、
061
サアサアこれから
行
(
ゆ
)
きませう』
062
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『モシモシ
珍山彦
(
うづやまひこ
)
様
(
さま
)
、
063
吾々
(
われわれ
)
は
今
(
いま
)
まで
五人
(
ごにん
)
連
(
づ
)
れで
来
(
き
)
た
筈
(
はず
)
だ。
064
それにあなたは
十人
(
とたり
)
連
(
づ
)
れと
云
(
い
)
ひましたねえ。
065
いつも
途方
(
とはう
)
途轍
(
とてつ
)
もない
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
いて
吾々
(
われわれ
)
に
栃麺棒
(
とちめんぼう
)
を
振
(
ふ
)
らすのですか』
066
珍山彦
(
うづやまひこ
)
(蚊々虎)
『
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
で
十人
(
とたり
)
連
(
づ
)
れぢや、
067
神
(
かみ
)
のお
蔭
(
かげ
)
がなければ、
068
矢張
(
やつぱ
)
り
男女
(
だんぢよ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
だ。
069
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
のお
蔭
(
かげ
)
にはづれたと
思
(
おも
)
へば、
070
今度
(
こんど
)
はミロク
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
でまた
元
(
もと
)
の
十人
(
とたり
)
連
(
づ
)
れ。
071
情
(
つれ
)
ない
浮世
(
うきよ
)
と
人
(
ひと
)
は
言
(
い
)
へども、
072
蛸
(
たこ
)
さへ
釣
(
つ
)
れる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
073
貴下
(
きか
)
も
深山
(
みやま
)
の
谷底
(
たにぞこ
)
で、
074
照彦
(
てるひこの
)
神
(
かみ
)
に
蛸
(
たこ
)
をつられたさうですなア』
075
淤縢山津見
『その
話
(
はなし
)
は
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さるな。
076
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
くこのシラ
山峠
(
やまたうげ
)
を
向
(
むか
)
ふに
渡
(
わた
)
つて、
077
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
へ
参
(
まゐ
)
りませう。
078
実
(
じつ
)
は
アナウ
高原
(
かうげん
)
を
渡
(
わた
)
つて、
079
テキサス
の
方
(
はう
)
から
常世城
(
とこよじやう
)
の
背面
(
はいめん
)
に
出
(
で
)
る
考
(
かんが
)
へでしたが、
080
何
(
なん
)
だか
俄
(
にはか
)
に
足
(
あし
)
が
東
(
ひがし
)
に
向
(
むか
)
つて、
081
川田
(
かはた
)
の
町
(
まち
)
で
不思議
(
ふしぎ
)
にも
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姫
(
ひめ
)
に
出会
(
であ
)
ひ、
082
又
(
また
)
もや
常磐
(
ときは
)
の
森
(
もり
)
で
貴下
(
きか
)
にお
目
(
め
)
にかかつたのも、
083
何
(
なに
)
かの
霊界
(
かくりよ
)
からの
御
(
お
)
指揮
(
さしづ
)
でせう』
084
と
話
(
はな
)
す
折
(
をり
)
しも、
085
前方
(
ぜんぱう
)
より
幾百
(
いくひやく
)
とも
知
(
し
)
れぬ
人馬
(
じんば
)
の
物音
(
ものおと
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
086
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
又
(
また
)
もや
敵
(
てき
)
の
襲来
(
しふらい
)
かと、
087
腹帯
(
はらおび
)
を
締
(
し
)
め、
088
直
(
ただち
)
に
月光
(
げつくわう
)
に
向
(
むか
)
つて
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
せ、
089
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
090
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて
宣伝歌
(
せんでんか
)
をうたひける。
091
追
(
お
)
ひおひ
近
(
ちか
)
づき
来
(
きた
)
る
群衆
(
ぐんしう
)
の
中
(
なか
)
より、
092
一人
(
ひとり
)
の
棟梁
(
とうりやう
)
らしきもの
現
(
あら
)
はれ、
093
固虎
『ヤアヤア、
094
それに
居
(
を
)
る
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
であらう。
095
テツキリ
松
(
まつ
)
、
096
竹
(
たけ
)
、
097
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
に
相違
(
さうゐ
)
はあるまい。
098
常世城
(
とこよじやう
)
を
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じやう
)
じて
逃
(
に
)
げ
出
(
いだ
)
し、
099
又
(
また
)
もやこのカリガネ
半島
(
はんたう
)
に
来
(
きた
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ふ
不届
(
ふとどき
)
至極
(
しごく
)
の
奴
(
やつ
)
。
100
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
命
(
めい
)
に
依
(
よ
)
つて、
101
腕力
(
わんりよく
)
鉄
(
てつ
)
より
固
(
かた
)
き
固虎
(
かた
とら
)
が
召捕
(
めしとり
)
に
向
(
むか
)
うたり。
102
サア
尋常
(
じんじやう
)
に
縛
(
ばく
)
に
就
(
つ
)
くか。
103
否
(
いな
)
と
申
(
まを
)
さば、
104
この
槍
(
やり
)
の
キツ
尖
(
さき
)
にて
貫
(
つらぬ
)
かうか。
105
返答
(
へんたふ
)
如何
(
いか
)
に』
106
と
馬
(
うま
)
を
進
(
すす
)
ませ
呶鳴
(
どな
)
りつつ
迫
(
せま
)
り
来
(
きた
)
る。
107
一行
(
いつかう
)
は
何
(
なん
)
の
応答
(
いらへ
)
もなく、
108
黙然
(
もくねん
)
として
佇立
(
ちよりつ
)
し
居
(
ゐ
)
たるに、
109
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
る
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
、
110
追
(
お
)
ひおひ
身辺
(
しんぺん
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り
来
(
きた
)
る。
111
空
(
そら
)
には
数十
(
すうじふ
)
の
天
(
あま
)
の
鳥船
(
とりふね
)
天
(
てん
)
を
覆
(
おほ
)
ひて
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
ひ、
112
威嚇
(
ゐくわく
)
運動
(
うんどう
)
が
開始
(
かいし
)
されて
居
(
ゐ
)
る。
113
固虎
(
かたとら
)
は、
114
固虎
『ヤア、
115
汝
(
なんぢ
)
らは
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
威勢
(
ゐせい
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
116
一言
(
いちげん
)
半句
(
はんく
)
も
言葉
(
ことば
)
はなく、
117
がたがた
慄
(
ふる
)
うて
居
(
を
)
るのか。
118
今
(
いま
)
にこの
固虎
(
かたとら
)
が
合図
(
あひづ
)
を
致
(
いた
)
さば、
119
空
(
そら
)
の
鳥船
(
とりふね
)
より
下
(
おろ
)
す
投弾
(
なげだま
)
に、
120
汝
(
なんぢ
)
ら
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
身体
(
しんたい
)
は
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みぢん
)
。
121
微塵
(
みじん
)
となつて
滅
(
ほろ
)
ぶるよりも、
122
一寸
(
いつすん
)
延
(
の
)
びれば
尋
(
ひろ
)
とやら、
123
一息
(
ひといき
)
の
間
(
ま
)
も
命
(
いのち
)
が
惜
(
を
)
しからう。
124
サア
此
(
この
)
方
(
はう
)
に
四
(
し
)
の
五
(
ご
)
の
吐
(
ぬか
)
さず
随
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い。
125
六
(
ろく
)
でもない
事
(
こと
)
囀
(
さへづ
)
つても、
126
この
方
(
はう
)
はエエ
七面倒
(
しちめんだう
)
くさい、
127
頤
(
あご
)
を
叩
(
たた
)
くと
八
(
は
)
り
倒
(
たふ
)
して
九
(
く
)
て
仕舞
(
しま
)
ふのだ。
128
十
(
と
)
こよの
国
(
くに
)
の
固虎
(
かたとら
)
の
旭日
(
きよくじつ
)
昇天
(
しようてん
)
の
御
(
ご
)
威勢
(
ゐせい
)
を
知
(
し
)
らぬか』
129
と
空威張
(
からゐばり
)
に
威張
(
ゐば
)
り
散
(
ち
)
らして
呶鳴
(
どな
)
り
居
(
ゐ
)
る。
130
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
吹
(
ふ
)
き
出
(
いだ
)
し、
131
珍山彦(蚊々虎)
『ウワハヽヽヽ、
132
ヤア
固虎
(
かたとら
)
、
133
ほざい
たりなほざいたりな、
134
ロッキー
山
(
ざん
)
に
常世城
(
とこよじやう
)
に、
135
巣
(
す
)
を
構
(
かま
)
へたる
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
の
奴
(
やつ
)
ども、
136
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
何
(
なん
)
と
心得
(
こころえ
)
てをるか、
137
世界
(
せかい
)
に
名高
(
なだか
)
い
三五教
(
あななひけう
)
の
蚊々虎
(
かがとら
)
さまとは
俺
(
おれ
)
の
事
(
こと
)
だ。
138
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
いて
一同
(
いちどう
)
の
奴
(
やつ
)
、
139
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
すな。
140
何程
(
なにほど
)
上
(
うへ
)
から
爆弾
(
ばくだん
)
を
投
(
な
)
げたとて、
141
それが
何
(
なに
)
恐
(
おそ
)
ろしいか。
142
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
合図
(
あひづ
)
を
致
(
いた
)
して、
143
爆弾
(
ばくだん
)
を
投
(
な
)
げさせよ。
144
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
神変
(
しんぺん
)
不可思議
(
ふかしぎ
)
の
神力
(
しんりき
)
備
(
そな
)
はる、
145
いづの
みたまの
五人
(
ごにん
)
連
(
づ
)
れ。
146
貴様
(
きさま
)
の
方
(
はう
)
は
烏合
(
うがふ
)
の
衆
(
しう
)
だ。
147
うごうご
致
(
いた
)
した
密集
(
みつしふ
)
部隊
(
ぶたい
)
へ、
148
爆弾
(
ばくだん
)
投下
(
とうか
)
は
此
(
この
)
方
(
はう
)
にもつて
来
(
こ
)
いだ。
149
敵
(
てき
)
の
武器
(
ぶき
)
をもつて
敵
(
てき
)
を
滅
(
ほろ
)
ぼすとはこの
事
(
こと
)
だ。
150
サア、
151
貴様
(
きさま
)
の
用
(
もち
)
ふる
合図
(
あひづ
)
は
此
(
この
)
方
(
はう
)
がやつてやらう。
152
自縄
(
じじよう
)
自縛
(
じばく
)
、
153
自滅
(
じめつ
)
の
端
(
たん
)
を
開
(
ひら
)
く
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
』
154
と
云
(
い
)
ひながら、
155
蚊々虎
(
かがとら
)
は
懐
(
ふところ
)
より
火打
(
ひうち
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
し、
156
火口
(
ほくち
)
に
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
し、
157
枯葉
(
かれは
)
を
集
(
あつ
)
めて
三箇所
(
さんかしよ
)
に
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
き
出
(
だ
)
せば、
158
固虎
(
かたとら
)
は、
159
固虎
『ヤア、
160
そりや
大変
(
たいへん
)
だ。
161
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
合図
(
あひづ
)
をどうして
知
(
し
)
つたか。
162
味方
(
みかた
)
の
武器
(
ぶき
)
で
味方
(
みかた
)
が
滅
(
ほろび
)
る。
163
耐
(
たま
)
らぬ
耐
(
たま
)
らぬ、
164
ヤイヤイ、
165
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
ども、
166
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
くあの
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
せよ』
167
一同
(
いちどう
)
は
焚火
(
たきび
)
に
向
(
むか
)
つて
消
(
け
)
しにかからうとする
奴
(
やつ
)
を、
168
松
(
まつ
)
、
169
竹
(
たけ
)
、
170
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
171
三ケ所
(
さんかしよ
)
の
火
(
ひ
)
の
傍
(
そば
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
172
寄
(
よ
)
り
来
(
く
)
る
奴
(
やつ
)
を
手玉
(
てだま
)
に
取
(
と
)
つて、
173
一々
(
いちいち
)
カリガネ
湾
(
わん
)
に
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
む。
174
忽
(
たちま
)
ち
轟然
(
がうぜん
)
たる
響
(
ひびき
)
聞
(
きこ
)
えて、
175
爆弾
(
ばくだん
)
は
密集
(
みつしふ
)
部隊
(
ぶたい
)
の
頭上
(
づじやう
)
に
破裂
(
はれつ
)
せしかば、
176
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
いて
死傷
(
ししやう
)
算
(
さん
)
なく、
177
命
(
いのち
)
辛々
(
からがら
)
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
くもあり、
178
その
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れて
呻
(
うめ
)
く
声
(
こゑ
)
、
179
此処
(
ここ
)
彼処
(
かしこ
)
に
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
180
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
大音声
(
だいおんじやう
)
、
181
珍山彦(蚊々虎)
『ヤアヤア、
182
固虎
(
かたとら
)
の
部下
(
ぶか
)
の
者
(
もの
)
共
(
ども
)
、
183
改心
(
かいしん
)
したか。
184
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
し、
185
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
186
鼻
(
はな
)
を
挫
(
くじ
)
かれ、
187
口
(
くち
)
は
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
かれ、
188
眼球
(
めだま
)
は
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
し、
189
耳
(
みみ
)
はちぎれ、
190
腕
(
うで
)
は
折
(
を
)
れ、
191
足
(
あし
)
は
むし
られ、
192
実
(
じつ
)
に
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
千万
(
せんばん
)
なるよ。
193
今
(
いま
)
この
場
(
ば
)
に
於
(
おい
)
て
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
さばよし、
194
否
(
いや
)
と
云
(
い
)
ふなら、
195
ま
一度
(
いちど
)
合図
(
あひづ
)
をしようか』
196
一同
(
いちどう
)
の
中
(
なか
)
より、
197
泣
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
を
絞
(
しぼ
)
りながら、
198
固虎の部下
『
蚊々虎
(
かがとら
)
様
(
さま
)
、
199
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
200
私
(
わたくし
)
は
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
します。
201
どうぞ
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さいませ』
202
珍山彦(蚊々虎)
『
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
した
奴
(
やつ
)
は、
203
この
場
(
ば
)
で
罪
(
つみ
)
を
赦
(
ゆる
)
してやらう。
204
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
すほど
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
結構
(
けつこう
)
はない。
205
サア
一同
(
いちどう
)
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
後
(
あと
)
に
随
(
つ
)
いて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
へ』
206
一同
(
いちどう
)
『
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
やロッキーの
207
山
(
やま
)
に
隠
(
かく
)
るる
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
208
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
に
狙
(
ねら
)
はれて
209
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
を
乱
(
みだ
)
さむと
210
鼻息
(
はないき
)
高
(
たか
)
き
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
211
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
の
腰
(
こし
)
抜
(
ぬ
)
かし
212
鼻
(
はな
)
みしや
がれたその
家来
(
けらい
)
213
肩
(
かた
)
で
風
(
かぜ
)
切
(
き
)
る
固虎
(
かたとら
)
が
214
部下
(
てした
)
の
者
(
もの
)
よ、よつく
聞
(
き
)
け
215
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
216
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
217
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
218
曲津
(
まがつ
)
の
砦
(
とりで
)
は
破
(
やぶ
)
るとも
219
三五教
(
あななひけう
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
220
口
(
くち
)
は
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
け
鼻
(
はな
)
曲
(
まが
)
り
221
眼球
(
めだま
)
は
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
し
耳
(
みみ
)
ちぎれ
222
腕
(
かいな
)
は
折
(
を
)
れて
足
(
あし
)
はとれ
223
子供
(
こども
)
の
玩具
(
おもちや
)
の
人形箱
(
にんぎやうばこ
)
224
ぶち
開
(
あ
)
けたやうな
今
(
いま
)
の
態
(
ざま
)
225
改心
(
かいしん
)
するのは
此
(
この
)
時
(
とき
)
ぞ
226
改心
(
かいしん
)
するのは
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
227
月日
(
つきひ
)
は
空
(
そら
)
に
蚊々虎
(
かがとら
)
の
228
宣
(
の
)
る
言霊
(
ことたま
)
に
耳
(
みみ
)
澄
(
す
)
ませ
229
口
(
くち
)
を
清
(
きよ
)
めて
目
(
め
)
を
洗
(
あら
)
ひ
230
鼻
(
はな
)
を
低
(
ひ
)
くして
天地
(
あめつち
)
の
231
神
(
かみ
)
を
称
(
たた
)
ふる
神言
(
かみごと
)
を
232
一度
(
いちど
)
に
宣
(
の
)
れよ
皆
(
みな
)
のもの
233
のれよのれのれ
皇神
(
すめかみ
)
の
234
救
(
すく
)
ひの
船
(
ふね
)
に
皆
(
みな
)
乗
(
の
)
れよ
235
ロッキー
山
(
ざん
)
に
現
(
あら
)
はれし
236
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
伊弉冊
(
いざなみ
)
の
237
神
(
かみ
)
と
申
(
まを
)
すは
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
す
238
大蛇
(
をろち
)
や
金狐
(
きんこ
)
の
化身
(
けしん
)
ぞや
239
早
(
は
)
や
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませ
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませ
240
心
(
こころ
)
にかかる
村雲
(
むらくも
)
を
241
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
に
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
242
清
(
きよ
)
めて
救
(
すく
)
ふ
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
243
国
(
くに
)
てふ
国
(
くに
)
は
多
(
おほ
)
けれど
244
神
(
かみ
)
てふ
神
(
かみ
)
は
多
(
おほ
)
けれど
245
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
は
常久
(
とことは
)
に
246
暗
(
やみ
)
ではおけぬ
神
(
かみ
)
の
胸
(
むね
)
247
ロッキー
山
(
ざん
)
の
曲神
(
まがかみ
)
の
248
醜
(
しこ
)
の
企
(
たく
)
みを
此
(
この
)
侭
(
まま
)
に
249
捨
(
す
)
ててはおかぬ
神心
(
かみごころ
)
250
この
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
251
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
252
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
253
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
254
鬼
(
おに
)
や
大蛇
(
をろち
)
や
曲神
(
まがかみ
)
の
255
醜
(
しこ
)
の
猛
(
たけ
)
びを
皇神
(
すめかみ
)
の
256
救
(
すくひ
)
の
舟
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
257
心
(
こころ
)
を
直
(
なほ
)
せよ
諸人
(
もろびと
)
よ
258
この
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
す
麻柱
(
あななひ
)
の
259
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
りし
方船
(
はこぶね
)
は
260
どこにも
一
(
ひと
)
つ
穴
(
あな
)
はない
261
あな
有難
(
ありがた
)
や
尊
(
たふと
)
やと
262
左
(
ひだり
)
右
(
みぎ
)
りの
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
せ
263
祈
(
いの
)
れよ
祈
(
いの
)
れカリガネの
264
この
島人
(
しまびと
)
や
固虎
(
かたとら
)
の
265
部下
(
てした
)
のものよ
逸早
(
いちはや
)
く
266
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませ
267
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
に
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませ
268
日
(
ひ
)
は
照
(
て
)
る
光
(
ひか
)
る
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
269
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
270
常夜
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
を
照
(
てら
)
せども
271
行方
(
ゆくへ
)
も
知
(
し
)
らぬ
荒浪
(
あらなみ
)
の
272
中
(
なか
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
醜船
(
しこぶね
)
の
273
舵
(
かぢ
)
を
取
(
と
)
られて
人心
(
ひとごころ
)
274
心
(
こころ
)
の
海
(
うみ
)
に
日月
(
じつげつ
)
の
275
光
(
ひかり
)
湛
(
たた
)
へて
黄泉島
(
よもつじま
)
276
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
の
戦
(
たたかひ
)
に
277
力
(
ちから
)
を
尽
(
つく
)
せ
身
(
み
)
を
尽
(
つく
)
せ
278
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りは
目
(
ま
)
のあたり
279
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みは
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り』
280
と
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ふ。
281
固虎
(
かたとら
)
を
始
(
はじ
)
め
部下
(
ぶか
)
の
者
(
もの
)
共
(
ども
)
は
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず、
282
蚊々虎
(
かがとら
)
の
言霊車
(
ことたまぐるま
)
に
乗
(
の
)
せられて、
283
自分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
と
知
(
し
)
りながら、
284
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずに
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふ。
285
目
(
め
)
も
鼻
(
はな
)
も
口
(
くち
)
も
耳
(
みみ
)
も
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も、
286
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
救
(
すく
)
はれ、
287
元
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りの
完全
(
くわんぜん
)
な
肉体
(
にくたい
)
に
還元
(
くわんげん
)
して、
288
負傷
(
ふしやう
)
の
痕
(
あと
)
さへ
止
(
とど
)
めざるこそ
不可思議
(
ふかしぎ
)
なる。
289
これより
固虎
(
かたとら
)
は、
290
珍山彦
(
うづやまひこ
)
の
歌
(
うた
)
に
感
(
かん
)
じ、
291
翻然
(
ほんぜん
)
として
悟
(
さと
)
り、
292
道案内
(
みちあんない
)
となつてロッキー
山
(
ざん
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
293
固虎
(
かたとら
)
は
後
(
のち
)
に
固山
(
かたやま
)
津見
(
づみ
)
の
神名
(
しんめい
)
を
戴
(
いただ
)
き、
294
神界
(
しんかい
)
のために
大活動
(
だいくわつどう
)
を
為
(
な
)
すに
至
(
いた
)
れり。
295
(
大正一一・二・二二
旧一・二六
加藤明子
録)
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(B)
(N)
山上瞰下 >>>
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