霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第10巻(酉の巻)
> 第1篇 千軍万馬 > 第12章 山上瞰下
<<< 狐火
(B)
(N)
蟹の将軍 >>>
第一二章
山上
(
さんじやう
)
瞰下
(
かんか
)
〔四四二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第1篇 千軍万馬
よみ(新仮名遣い):
せんぐんばんば
章:
第12章 山上瞰下
よみ(新仮名遣い):
さんじょうかんか
通し章番号:
442
口述日:
1922(大正11)年02月22日(旧01月26日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
シラ山山脈の峠
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
一行は固虎の案内で、シラ山山脈を越えている。ロッキー山は西にそびえている。
珍山彦は淤縢山津見に、ロッキー山の伊弉冊命が本物かどうか、問いかけている。淤縢山津見は竜宮城で別れるときに、伊弉冊命が「ロッキー山に行く」と言っていたことを信じていた。
固虎も常世の国の人民一般は、ロッキー山に現れたのが真の伊弉冊命であると信じている、と言う。
珍山彦は、神様の経綸は表もあり裏もある、と言って、注意を促す。また、ロッキー山に行ってみて、現実が思っていたとおりと違っていても、信仰をぐらつかせることがあってはならない、と諭した。
固虎は、昨冬にここにいる松・竹・梅と同じ名前の宣伝使が常世城に囚われてきて、そのときの騒動で自分は門番から上役に変えられた、とこれまでの経緯を語った。
すると、ロッキー山の方から鬨の声が聞こえてきた。一行はシラ山の山頂でそれぞれ袂を分かち、各自行動することになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-14 20:52:43
OBC :
rm1012
愛善世界社版:
100頁
八幡書店版:
第2輯 426頁
修補版:
校定版:
104頁
普及版:
46頁
初版:
ページ備考:
001
固虎
(
かたとら
)
の
案内
(
あんない
)
にてシラ
山
(
やま
)
山脈
(
さんみやく
)
を
春風
(
はるかぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、
002
漸
(
やうや
)
うにしてその
峠
(
たうげ
)
の
巓
(
いただき
)
に
達
(
たつ
)
したり。
003
東
(
ひがし
)
には
漂渺
(
へうべう
)
たる
大海原
(
おほうなばら
)
、
004
際限
(
さいげん
)
もなく
展開
(
てんかい
)
し、
005
西
(
にし
)
に
聳
(
そび
)
ゆるロッキーの
山
(
やま
)
は、
006
中腹
(
ちうふく
)
より
山巓
(
さんてん
)
にかけて、
007
或
(
あるひ
)
は
濃
(
こ
)
く、
008
或
(
あるひ
)
は
淡
(
あは
)
き
叢雲
(
むらくも
)
に
包
(
つつ
)
まれてゐる。
009
一行
(
いつかう
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
峠
(
たうげ
)
の
青草
(
あをくさ
)
萠
(
も
)
ゆる
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
め、
010
四方
(
よも
)
の
景色
(
けしき
)
に
眼
(
め
)
を
新
(
あたら
)
しく
洗
(
あら
)
ふ。
011
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『ホー、
012
淤縢山
(
おどやま
)
さま、
013
貴方
(
あなた
)
は
矢張
(
やつぱ
)
りロッキー
山
(
ざん
)
に
伊邪那美
(
いざなみの
)
尊
(
みこと
)
、
014
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
坐
(
ま
)
しますと
信
(
しん
)
じて
居
(
ゐ
)
ますか』
015
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『
無論
(
むろん
)
の
事
(
こと
)
です。
016
之
(
これ
)
がどうして
信
(
しん
)
ぜられずに
居
(
を
)
れませうか。
017
現
(
げん
)
に
竜宮城
(
りうぐうじやう
)
から
御
(
お
)
供
(
とも
)
して
海上
(
かいじやう
)
で
別
(
わか
)
れた
時
(
とき
)
、
018
之
(
これ
)
からロッキー
山
(
ざん
)
に
行
(
い
)
つて
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
す、
019
とお
口
(
くち
)
づから
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
を
承
(
うけたま
)
はつたのですから』
020
珍山彦
『
成程
(
なるほど
)
、
021
それも
無理
(
むり
)
のないことだが、
022
私
(
わたくし
)
の
神懸
(
かむがか
)
りで
言
(
い
)
つた
事
(
こと
)
は、
023
如何
(
どう
)
しても
信
(
しん
)
じませぬか』
024
淤縢山津見
『
信
(
しん
)
じない
事
(
こと
)
もないですが、
025
今
(
いま
)
の
処
(
ところ
)
では
五里
(
ごり
)
霧中
(
むちゆう
)
に
彷徨
(
はうくわう
)
するとでも
言
(
い
)
ふやうな
心理
(
しんり
)
状態
(
じやうたい
)
です』
026
珍山彦
『
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
は、
027
その
大体
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て
一定
(
いつてい
)
不変
(
ふへん
)
であつても、
028
其処
(
そこ
)
には
又
(
また
)
裏
(
うら
)
もあり
表
(
おもて
)
もあるものだ。
029
奥
(
おく
)
の
奥
(
おく
)
にも
奥
(
おく
)
があれば、
030
底
(
そこ
)
の
底
(
そこ
)
にも
底
(
そこ
)
がないほど
深
(
ふか
)
い
底
(
そこ
)
のあるもの、
031
そこ
の
処
(
ところ
)
をよく
審神
(
さには
)
せぬと
大変
(
たいへん
)
な
間違
(
まちが
)
ひが
起
(
おこ
)
りますよ。
032
それだから
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
033
見直
(
みなほ
)
し、
034
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し、
035
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せと
神歌
(
しんか
)
に
示
(
しめ
)
されてあるのですよ』
036
淤縢山津見
『ハア、
037
その
真偽
(
しんぎ
)
、
038
当否
(
たうひ
)
は
時
(
とき
)
の
問題
(
もんだい
)
です。
039
吾々
(
われわれ
)
は
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く
万難
(
ばんなん
)
を
排
(
はい
)
して
敵
(
てき
)
の
厳
(
きび
)
しき
警戒
(
けいかい
)
を
突破
(
とつぱ
)
し、
040
ロッキー
山
(
ざん
)
に
登
(
のぼ
)
つてその
消息
(
せうそく
)
を
探
(
さぐ
)
つて
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
ふのです』
041
珍山彦
『
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
すと
済
(
す
)
まぬが、
042
貴方
(
あなた
)
の
心
(
こころ
)
の
裡
(
うち
)
は
恰度
(
ちやうど
)
、
043
あのロッキー
山
(
ざん
)
の
様
(
やう
)
ですよ。
044
半分
(
はんぶん
)
は
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれ、
045
半分
(
はんぶん
)
は
春
(
はる
)
の
野山
(
のやま
)
の
生地
(
きぢ
)
を
顕
(
あら
)
はして
居
(
ゐ
)
るのと
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
だ。
046
心
(
こころ
)
の
雲
(
くも
)
を
晴
(
は
)
らさねば、
047
真実
(
ほんたう
)
の
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
は
ハツキリ
しない。
048
この
固虎
(
かたとら
)
に
聞
(
き
)
いたら
一番
(
いちばん
)
よく
分
(
わか
)
るであらう』
049
固虎
(
かたとら
)
『いえ、
050
私
(
わたくし
)
も
確
(
たしか
)
な
事
(
こと
)
は
申上
(
まをしあ
)
げられませぬが、
051
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
仰
(
あふ
)
せによれば、
052
伊邪那美
(
いざなみ
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
、
053
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
は、
054
ロッキー
山
(
ざん
)
に
居
(
を
)
られるとの
事
(
こと
)
、
055
常世城
(
とこよじやう
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
056
一般
(
いつぱん
)
の
人民
(
じんみん
)
も
左様
(
さやう
)
だと
思
(
おも
)
つて
確
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
居
(
を
)
ります。
057
吾々
(
われわれ
)
も、
058
どちらかと
言
(
い
)
へば、
059
信
(
しん
)
じて
居
(
を
)
る
方
(
はう
)
の
仲間
(
なかま
)
ですよ』
060
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『
淤縢山
(
おどやま
)
さまと
云
(
い
)
ひ、
061
固虎
(
かたとら
)
さまと
云
(
い
)
ひ、
062
実
(
じつ
)
に
曖昧
(
あいまい
)
模糊
(
もこ
)
の
考
(
かんが
)
へですな。
063
貴方
(
あなた
)
の
精神
(
せいしん
)
は
不安
(
ふあん
)
ではありませぬか。
064
よくマア、
065
そんな
頼
(
たよ
)
りない
事
(
こと
)
で
信念
(
しんねん
)
が
続
(
つづ
)
くかと、
066
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
はれてなりませぬワ』
067
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
つても、
068
愚昧
(
ぐまい
)
な
吾々
(
われわれ
)
人間
(
にんげん
)
の
考
(
かんが
)
へで、
069
広大
(
くわうだい
)
無辺
(
むへん
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
が
ハツキリ
と
分
(
わか
)
るべきものでない。
070
寧
(
むし
)
ろ
分
(
わか
)
らないのが
当然
(
たうぜん
)
だらうと
思
(
おも
)
ひます。
071
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
に
対
(
たい
)
して
審神
(
さには
)
をしたり、
072
或
(
あるひ
)
は
批評
(
ひへう
)
をするのは、
073
人間
(
にんげん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として
僣越
(
せんえつ
)
だと
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
ります。
074
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
刹那心
(
せつなしん
)
で、
075
行
(
ゆ
)
く
処
(
ところ
)
まで
行
(
ゆ
)
かなくては
分
(
わか
)
らない』
076
珍山彦
『
若
(
も
)
し
伊邪那美
(
いざなみの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
077
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
が
贋物
(
にせもの
)
であつたら、
078
その
時
(
とき
)
貴方
(
あなた
)
は
如何
(
どう
)
致
(
いた
)
しますか』
079
淤縢山津見
『その
時
(
とき
)
始
(
はじ
)
めて
心
(
こころ
)
の
雲霧
(
くもきり
)
が
晴
(
は
)
れ、
080
心
(
こころ
)
の
海
(
うみ
)
に
真如
(
しんによ
)
の
日月
(
じつげつ
)
が
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
るのです。
081
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
惟神
(
かむながら
)
です』
082
珍山彦
『
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てる
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
はありますまいか』
083
淤縢山津見
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
通
(
とほ
)
り、
084
その
時
(
とき
)
こそは
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し、
085
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
覚悟
(
かくご
)
です』
086
珍山彦
『ホー、
087
そのお
考
(
かんが
)
へならば
貴方
(
あなた
)
も
宣伝使
(
せんでんし
)
の
及第点
(
きふだいてん
)
が
得
(
え
)
られますよ。
088
大変
(
たいへん
)
に
信仰
(
しんかう
)
の
持
(
も
)
ち
方
(
かた
)
が
変
(
かは
)
つて
来
(
き
)
ましたなア。
089
信仰
(
しんかう
)
の
力
(
ちから
)
は
山
(
やま
)
をも
動
(
うご
)
かすと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるが、
090
貴方
(
あなた
)
はあの
山
(
やま
)
を
自分
(
じぶん
)
の
前
(
まへ
)
に
引寄
(
ひきよ
)
せるだけの
信仰力
(
しんかうりよく
)
をもつて
居
(
ゐ
)
ますか』
091
淤縢山津見
『
到底
(
たうてい
)
そんな
事
(
こと
)
は
霊的
(
れいてき
)
の
事
(
こと
)
で、
092
現実
(
げんじつ
)
的
(
てき
)
には
出来
(
でき
)
ますまい。
093
貴方
(
あなた
)
は
出来
(
でき
)
ますか』
094
珍山彦
『
出来
(
でき
)
ますとも、
095
霊界
(
れいかい
)
のみでない、
096
現実
(
げんじつ
)
的
(
てき
)
に
私
(
わたくし
)
の
前
(
まへ
)
に
山
(
やま
)
を
引寄
(
ひきよ
)
せて
見
(
み
)
せませう。
097
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
も
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
に
跟
(
つ
)
いて
御
(
お
)
出
(
い
)
でなさい。
098
手
(
て
)
を
翻
(
ひるがへ
)
せば
雨
(
あめ
)
となり、
099
手
(
て
)
を
覆
(
くつが
)
へせば
雲
(
くも
)
となる、
100
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
、
101
万々一
(
まんまんいち
)
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
によつて
動
(
うご
)
いて
来
(
こ
)
なかつた
時
(
とき
)
は、
102
山
(
やま
)
の
神
(
かみ
)
さまに
何
(
なに
)
か
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
があつてお
忙
(
いそが
)
しいのだらうから、
103
こちらの
方
(
はう
)
から
歩
(
ある
)
いて
往
(
い
)
つて
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
引寄
(
ひきよ
)
せるまでの
事
(
こと
)
ですよ』
104
淤縢山津見
『
大抵
(
たいてい
)
ソンナ
事
(
こと
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
105
それなら
吾々
(
われわれ
)
も
海
(
うみ
)
でも
引寄
(
ひきよ
)
せるワ』
106
珍山彦
『オー、
107
固虎
(
かたとら
)
さま、
108
貴方
(
あなた
)
は
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで、
109
悪神
(
わるがみ
)
の
眷属
(
けんぞく
)
となつて
大変
(
たいへん
)
に
吾々
(
われわれ
)
を
苦
(
くる
)
しめようとされたが、
110
ようマア
俄
(
にはか
)
に
掌
(
てのひら
)
を
返
(
かへ
)
した
様
(
やう
)
に
変
(
かは
)
つたものですなア』
111
固虎
(
かたとら
)
『
手
(
て
)
を
翻
(
ひるがへ
)
せば
雨
(
あめ
)
となり、
112
手
(
て
)
を
覆
(
くつが
)
へせば
雲
(
くも
)
となる』
113
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『オイオイ、
114
真似
(
まね
)
をしてはいかぬよ。
115
悪
(
あく
)
なら
悪
(
あく
)
、
116
善
(
ぜん
)
なら
善
(
ぜん
)
、
117
何処迄
(
どこまで
)
もつき
通
(
とほ
)
したら
如何
(
どう
)
だ。
118
悪
(
わる
)
かつたと
思
(
おも
)
つて、
119
俄
(
にはか
)
に
精神
(
せいしん
)
を
燕
(
つばめ
)
返
(
かへ
)
しにすると
言
(
い
)
ふのは、
120
日頃
(
ひごろ
)
剛毅
(
がうき
)
の
固虎
(
かたとら
)
さまにも
似合
(
にあ
)
はぬではないか』
121
固虎
『これは
心得
(
こころえ
)
ぬ
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
言葉
(
ことば
)
、
122
悪
(
あく
)
を
謬
(
あやま
)
つて
善
(
ぜん
)
と
信
(
しん
)
じた
時
(
とき
)
は、
123
何処
(
どこ
)
までも
猛進
(
まうしん
)
するのが
男
(
をとこ
)
の
本領
(
ほんりやう
)
だ。
124
悪
(
わる
)
かつたと
思
(
おも
)
つて
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
は、
125
忽
(
たちま
)
ち
見直
(
みなほ
)
し、
126
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し、
127
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
すのが
誠
(
まこと
)
の
男
(
をとこ
)
ではありますまいか』
128
珍山彦
『
変説
(
へんせつ
)
改論
(
かいろん
)
の
御
(
ご
)
本尊
(
ほんぞん
)
、
129
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しは
結構
(
けつこう
)
だ。
130
角
(
つの
)
の
生
(
は
)
えた
牛雲別
(
うしくもわけ
)
や
嘴
(
くちばし
)
の
鋭
(
するど
)
い
鷹取別
(
たかとりわけ
)
を
離
(
はな
)
れて、
131
牛
(
うし
)
を
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
り
換
(
か
)
へ
のり
直
(
なほ
)
すと
云
(
い
)
ふやうなものだなア』
132
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『アツハツハヽヽ、
133
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い』
134
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『
固虎
(
かたとら
)
さま、
135
またロッキー
山
(
ざん
)
へ
行
(
い
)
つたら、
136
燕
(
つばめ
)
返
(
かへ
)
しではないかなア。
137
変説
(
へんせつ
)
改論
(
かいろん
)
の
張本
(
ちやうほん
)
だから
案
(
あん
)
じられたものだよ』
138
固虎
(
かたとら
)
『
巌
(
いは
)
より
堅
(
かた
)
い
固虎
(
かたとら
)
の
鉄
(
てつ
)
の
様
(
やう
)
な
腹中
(
はらわた
)
を
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さい。
139
さう
馬鹿
(
ばか
)
にしたものぢやありませぬよ。
140
かたがた
以
(
もつ
)
て
無礼
(
ぶれい
)
千万
(
せんばん
)
なことを
仰有
(
おつしや
)
いますが、
141
それに
就
(
つい
)
ても
合点
(
がてん
)
のゆかぬは、
142
常世城
(
とこよじやう
)
の
昨冬
(
さくとう
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
、
143
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
御座
(
ござ
)
る
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
と
同
(
おな
)
じ
名
(
な
)
のついた
宣伝使
(
せんでんし
)
が、
144
間
(
はざま
)
の
国
(
くに
)
から
召捕
(
めしと
)
られて
常世城
(
とこよじやう
)
に
入
(
い
)
り、
145
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
大変
(
たいへん
)
なお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
りであつた
処
(
ところ
)
、
146
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
煙
(
けむり
)
の
様
(
やう
)
になつて
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたのです。
147
そのとき
私
(
わたくし
)
は
門番
(
もんばん
)
をやつて
居
(
ゐ
)
ましたが、
148
照彦
(
てるひこ
)
と
言
(
い
)
ふ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
も
召捕
(
めしと
)
られて、
149
これまた
不思議
(
ふしぎ
)
や、
150
煙
(
けむり
)
となつて
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
ひ、
151
種々
(
いろいろ
)
な
不思議
(
ふしぎ
)
を
現
(
あら
)
はし、
152
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
や
鷹取別
(
たかとりわけ
)
等
(
ら
)
を
心
(
こころ
)
の
侭
(
まま
)
に
散々
(
さんざん
)
の
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
はし、
153
私
(
わたくし
)
はその
時
(
とき
)
の
罰
(
ばつ
)
によつて、
154
門番
(
もんばん
)
から
常世城
(
とこよじやう
)
の
上役人
(
うはやくにん
)
に
落
(
おと
)
されましたのか、
155
上
(
あ
)
げられたのか、
156
イヤハヤ、
157
もう
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
ですよ。
158
之
(
これ
)
が
所謂
(
いはゆる
)
、
159
迷宮
(
めいきう
)
と
云
(
い
)
ふのでせうか。
160
門番
(
もんばん
)
も
俄
(
にはか
)
に
天
(
てん
)
に
上
(
のぼ
)
つて
羽振
(
はぶ
)
りを
利
(
き
)
かし、
161
大勢
(
おほぜい
)
の
家来
(
けらい
)
を
連
(
つ
)
れてカリガネ
半島
(
はんたう
)
に
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
を
囲
(
かこ
)
んで
一
(
ひと
)
つ
手柄
(
てがら
)
をしようと
思
(
おも
)
つたらあの
有様
(
ありさま
)
、
162
改心
(
かいしん
)
せずには
居
(
を
)
れないぢやありませぬか』
163
珍山彦
『
怖
(
こは
)
さ、
164
恐
(
おそ
)
ろしさ、
165
生命
(
いのち
)
が
惜
(
を
)
しさの
改心
(
かいしん
)
は
真実
(
ほんたう
)
の
改心
(
かいしん
)
ぢやない、
166
怪心
(
くわいしん
)
だ。
167
固虎
(
かたとら
)
、
168
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しなさい』
169
この
時
(
とき
)
ロッキー
山
(
ざん
)
の
方
(
はう
)
に
当
(
あた
)
つて
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
170
一行
(
いつかう
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は、
171
一同
『ヨー
危機
(
きき
)
一髪
(
いつぱつ
)
だ。
172
皆
(
みな
)
さま、
173
之
(
これ
)
から
各自
(
めいめい
)
に
覚悟
(
かくご
)
致
(
いた
)
しませう』
174
と
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひに
山頂
(
さんちやう
)
に
向
(
むか
)
つて
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ち、
175
愈
(
いよいよ
)
ロッキー
山
(
ざん
)
に
対
(
たい
)
して
自由
(
じいう
)
行動
(
かうどう
)
をとる
事
(
こと
)
となれり。
176
嗚呼
(
ああ
)
この
結果
(
けつくわ
)
は
如何
(
いかん
)
。
177
心許
(
こころもと
)
なくまた
心強
(
こころづよ
)
し。
178
(
大正一一・二・二二
旧一・二六
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 狐火
(B)
(N)
蟹の将軍 >>>
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第10巻(酉の巻)
> 第1篇 千軍万馬 > 第12章 山上瞰下
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第12章 山上瞰下|第10巻|霊主体従|霊界物語|/rm1012】
合言葉「みろく」を入力して下さい→