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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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第10巻(酉の巻)
> 第3篇 邪神征服 > 第35章 アルタイ窟
<<< 唐櫃
(B)
(N)
意想外 >>>
第三五章 アルタイ
窟
(
くつ
)
〔四六五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第3篇 邪神征服
よみ(新仮名遣い):
じゃしんせいふく
章:
第35章 アルタイ窟
よみ(新仮名遣い):
あるたいくつ
通し章番号:
465
口述日:
1922(大正11)年02月27日(旧02月01日)
口述場所:
筆録者:
岩田久太郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
梅ケ香姫は、酋長の娘・清姫の身代わりとなって、唐櫃に入った。石凝姥神と時公は唐櫃を担いで、村人と共にアルタイ山に向かった。
アルタイ山の山口にさしかかると、にわかに空は黒く曇り、ものすごい山おろしが吹きすさんできた。村人たちはいっせいに逃げ出した。石凝姥神と時公は、近くの茂みに潜んで、様子を窺っている。
するとアルタイ山一帯に青い火がまたたきはじめ、その中でもひときわ大きな火が唐櫃に向かって降りてきた。しかし唐櫃の中から宣伝歌が聞こえてくると、火光は唐櫃の上を回るだけで降りてこない。
宣伝歌がさらに大きくなると、アルタイ山の青火は次第に小さくなって消えていってしまった。唐櫃の上を回っていた大きな青い火光も、西南の方向に逃げていってしまった。
石凝姥神は梅ケ香姫の唐櫃を開け、悪神が逃げ去ったことを告げた。梅ケ香姫は、石凝姥神を蛇掴に擬して、討ってかかる真似をする。石凝姥神は防戦する。
暗闇の中、梅ケ香姫は時公の近くにばったりと倒れた。時公は驚いて、蛇掴に命乞いをする。それを聞いた石凝姥神は、蛇掴の声色を使って時公をからかいだした。
時公は窮地に陥って、石凝姥神や梅ケ香姫の悪口を並べ立て出した。石凝姥神は元の声に戻って時公をたしなめた。
そうこうするうちに夜が明けてきた。見ると、そこら中に鬼の形をした岩石が散乱している。石凝姥神は辺りの岩で石鎚をつくり、鬼の石像を片っ端から打って砕いて回った。不思議にも、鬼の石からは血煙がさかんに噴出した。
すべての鬼の石像の首を落とすと、三人は凱歌を上げながら村に帰ってきた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-16 02:22:14
OBC :
rm1035
愛善世界社版:
270頁
八幡書店版:
第2輯 488頁
修補版:
校定版:
277頁
普及版:
123頁
初版:
ページ備考:
001
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
、
002
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
二人
(
ふたり
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
に、
003
酋長
(
しうちやう
)
鉄彦
(
かなひこ
)
を
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
の
者
(
もの
)
は、
004
やつと
安心
(
あんしん
)
の
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
でおろし、
005
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
意見
(
いけん
)
を
容
(
い
)
れ、
006
清姫
(
きよひめ
)
の
身代
(
みがは
)
りをこしらへ、
007
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
を
唐櫃
(
からびつ
)
の
中
(
なか
)
に
納
(
をさ
)
めて、
008
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
と
時公
(
ときこう
)
の
門番
(
もんばん
)
は
唐櫃
(
からびつ
)
を
舁
(
かつ
)
ぎ、
009
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
に
送
(
おく
)
られて、
010
アルタイ
山
(
さん
)
の
山口
(
やまぐち
)
にさしかかれば、
011
忽
(
たちま
)
ち
一天
(
いつてん
)
深黒
(
しんこく
)
に
彩
(
いろど
)
られ、
012
烈
(
はげ
)
しき
山颪
(
やまおろし
)
は
岩石
(
がんせき
)
も
飛
(
と
)
ばさむ
許
(
ばか
)
りに
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
んで
来
(
き
)
た。
013
一同
(
いちどう
)
は
風
(
かぜ
)
に
逆
(
さか
)
らひながら、
014
漸
(
やうや
)
くにして
山寨
(
さんさい
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
み
着
(
つ
)
き、
015
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
を
納
(
をさ
)
めたる
唐櫃
(
からびつ
)
を
岩窟
(
がんくつ
)
の
前
(
まへ
)
に
静
(
しづか
)
に
据
(
す
)
ゑ、
016
村人
(
むらびと
)
は
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて
倒
(
こ
)
けつ
輾
(
まろ
)
びつ
闇
(
やみ
)
の
山路
(
やまみち
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
017
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
、
018
時公
(
ときこう
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
019
間近
(
まぢか
)
の
茂
(
しげ
)
みの
中
(
なか
)
に
身
(
み
)
を
横
(
よこ
)
たへて、
020
様子
(
やうす
)
如何
(
いか
)
にと
窺
(
うかが
)
ひ
居
(
ゐ
)
る。
021
暫
(
しばら
)
くあつてアルタイ
山
(
さん
)
の
一面
(
いちめん
)
に、
022
大空
(
おほぞら
)
の
星
(
ほし
)
の
如
(
ごと
)
く
青
(
あを
)
き
火光
(
くわくわう
)
が
瞬
(
またた
)
き
始
(
はじ
)
め、
023
中
(
なか
)
より
一層
(
いつそう
)
大
(
だい
)
なる
松火
(
たいまつ
)
の
如
(
ごと
)
き
火
(
ひ
)
は、
024
ブウンブウンと
唸
(
うな
)
りを
立
(
た
)
てて
唐櫃
(
からびつ
)
の
上空
(
じやうくう
)
を、
025
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
駆
(
か
)
け
廻
(
まは
)
り
駆
(
か
)
け
廻
(
まは
)
る
事
(
こと
)
ほとんど
一時
(
ひととき
)
ばかり、
026
唐櫃
(
からびつ
)
の
中
(
なか
)
よりは
幽
(
かす
)
かなる
宣伝歌
(
せんでんか
)
響
(
ひび
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
027
この
声
(
こゑ
)
に
恐
(
おそ
)
れてや、
028
大
(
だい
)
なる
火光
(
くわくわう
)
は
上空
(
じやうくう
)
を
廻
(
まは
)
るのみにて、
029
容易
(
ようい
)
に
下
(
お
)
りて
来
(
こ
)
ない。
030
数百千
(
すうひやくせん
)
の
山
(
やま
)
の
青白
(
あをじろ
)
き
火
(
ひ
)
は
追々
(
おひおひ
)
に
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ、
031
咫尺
(
しせき
)
も
弁
(
べん
)
ぜざる
闇黒
(
あんこく
)
と
変
(
へん
)
じ、
032
松火
(
たいまつ
)
の
火
(
ひ
)
は
追々
(
おひおひ
)
と
光
(
ひかり
)
薄
(
うす
)
く
小
(
ちひ
)
さくなり
行
(
ゆ
)
く。
033
宣伝歌
(
せんでんか
)
は
唐櫃
(
からびつ
)
の
中
(
なか
)
より
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
と
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
く
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
034
一塊
(
いつくわい
)
の
火
(
ひ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
上空
(
じやうくう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
昇
(
のぼ
)
り、
035
西南
(
せいなん
)
の
天
(
てん
)
を
指
(
さ
)
して
帯
(
おび
)
を
引
(
ひ
)
きつつ
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
く。
036
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
はこの
態
(
てい
)
を
見
(
み
)
て
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
み、
037
石凝姥神
『オイ、
038
時公
(
ときこう
)
、
039
今
(
いま
)
の
火
(
ひ
)
を
見
(
み
)
たか、
040
随分
(
ずゐぶん
)
立派
(
りつぱ
)
なものだのう。
041
到底
(
たうてい
)
アルタイ
山
(
さん
)
でなければ、
042
コンナ
立派
(
りつぱ
)
な
火
(
ひ
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないぞ』
043
時公
(
ときこう
)
『ハイ、
044
ドウも
恐
(
おそ
)
ろしい
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いました。
045
何
(
なん
)
だか
身体
(
からだ
)
が
縮
(
ちぢ
)
かむ
様
(
やう
)
で、
046
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
動
(
うご
)
きませぬ』
047
石凝姥神
『
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
奴
(
やつ
)
だなア。
048
貴様
(
きさま
)
一寸
(
ちよつと
)
声
(
こゑ
)
を
当
(
あて
)
に、
049
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
だが
唐櫃
(
からびつ
)
のそばへ
寄
(
よ
)
つて、
050
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
はどうして
居
(
を
)
るか、
051
調
(
しら
)
べて
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れぬか』
052
時公
『ヘイ、
053
イイエ、
054
滅相
(
めつさう
)
な、
055
ドウして
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
ちますものか』
056
石凝姥神
『ソレナラ
俺
(
おれ
)
が
行
(
い
)
つて
来
(
く
)
るから、
057
貴様
(
きさま
)
はここに
隠
(
かく
)
れて
居
(
を
)
れ』
058
と
云
(
い
)
つて
立上
(
たちあが
)
らむとするを
時公
(
ときこう
)
は、
059
時公
『モシモシ、
060
私
(
わたくし
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
061
コンナ
処
(
ところ
)
に
一人
(
ひとり
)
放
(
ほ
)
つとけぼりを
喰
(
く
)
はされては
堪
(
た
)
まりませぬワ』
062
石凝姥
(
いしこりどめ
)
『
貴様
(
きさま
)
、
063
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
動
(
うご
)
かぬと
云
(
い
)
つたぢやないか。
064
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
けと
云
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で、
065
此
(
この
)
闇
(
くら
)
がりに
負
(
お
)
うてやる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
066
仕方
(
しかた
)
がない。
067
マア
神妙
(
しんめう
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
るがよい』
068
時公
『イヤ、
069
ソレナラ、
070
立
(
た
)
つて
御
(
お
)
供
(
とも
)
を
致
(
いた
)
します』
071
石凝姥神
『ナンダ、
072
なまくらな
奴
(
やつ
)
だ、
073
臆病者
(
おくびやうもの
)
だな、
074
サア
来
(
こ
)
い』
075
と
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて、
076
唐櫃
(
からびつ
)
の
前
(
まへ
)
に
探
(
さぐ
)
りさぐり
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
077
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
は
唐櫃
(
からびつ
)
の
外
(
そと
)
に
洩
(
も
)
れ
聞
(
きこ
)
えてゐる。
078
石凝姥
(
いしこりどめ
)
『オー、
079
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
殿
(
どの
)
、
080
悪神
(
あくがみ
)
は
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
つた
様
(
やう
)
です』
081
と
云
(
い
)
ひながら、
082
唐櫃
(
からびつ
)
の
蓋
(
ふた
)
をパツと
取
(
と
)
れば、
083
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
白装束
(
しろしやうぞく
)
の
侭
(
まま
)
髪
(
かみ
)
振
(
ふ
)
り
乱
(
みだ
)
し、
084
双刃
(
もろは
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
闇
(
やみ
)
にピカつかせながらスツクと
起
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
085
梅ケ香姫
『ヤアー、
086
アルタイ
山
(
さん
)
に
巣
(
す
)
を
構
(
かま
)
へ、
087
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
ふ
悪神
(
あくがみ
)
蛇掴
(
へびつかみ
)
、
088
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れよ』
089
と
矢庭
(
やには
)
に
声
(
こゑ
)
する
方
(
はう
)
に
向
(
むか
)
つて
迫
(
せま
)
り
来
(
きた
)
る
其
(
その
)
権幕
(
けんまく
)
に、
090
時公
(
ときこう
)
はキヤツと
叫
(
さけ
)
びてその
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れ
伏
(
ふ
)
す。
091
石凝姥神
『ホー、
092
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
殿
(
どの
)
、
093
お
鎮
(
しづ
)
まりなさい、
094
拙者
(
せつしや
)
は
石凝姥
(
いしこりどめ
)
です。
095
悪魔
(
あくま
)
は
最早
(
もはや
)
西南
(
せいなん
)
の
天
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つて
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
となり
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
りました』
096
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『ヤー、
097
蛇掴
(
へびつかみ
)
、
098
汝
(
なんぢ
)
は
吾
(
わが
)
宣伝歌
(
せんでんか
)
に
恐
(
おそ
)
れ、
099
再
(
ふたた
)
び
計略
(
けいりやく
)
を
以
(
もつ
)
て
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
と
佯
(
いつは
)
り、
100
吾
(
われ
)
を
籠絡
(
ろうらく
)
せむとするか。
101
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れよ』
102
と
剣
(
つるぎ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
放
(
はな
)
つて、
103
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り
立
(
た
)
て
振
(
ふ
)
り
立
(
た
)
て
迫
(
せま
)
り
来
(
きた
)
る。
104
石凝姥
(
いしこりどめ
)
は
後
(
あと
)
しざりしながら、
105
石凝姥神
『マアマア、
106
待
(
ま
)
つた
待
(
ま
)
つた、
107
本物
(
ほんもの
)
だ』
108
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『
此
(
この
)
期
(
ご
)
に
及
(
およ
)
んで
小賢
(
こざか
)
しき
其
(
その
)
云
(
い
)
ひ
訳
(
わけ
)
、
109
聞
(
き
)
く
耳
(
みみ
)
持
(
も
)
たぬ』
110
と
白装束
(
しろしやうぞく
)
の
侭
(
まま
)
、
111
石凝姥
(
いしこりどめ
)
に
向
(
むか
)
つて
斬
(
き
)
つてかかる。
112
石凝姥
(
いしこりどめ
)
は
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
113
闇中
(
あんちゆう
)
に
幽
(
かす
)
かに
見
(
み
)
ゆる
白
(
しろ
)
き
唐櫃
(
からびつ
)
の
蓋
(
ふた
)
を
取
(
と
)
つて
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
刃
(
やいば
)
を
受
(
う
)
け
止
(
と
)
め、
114
石凝姥神
『
石凝姥
(
いしこりどめ
)
だ
石凝姥
(
いしこりどめ
)
だ』
115
と
頻
(
しき
)
りに
叫
(
さけ
)
ぶ。
116
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
岩角
(
いはかど
)
に
躓
(
つまづ
)
きバタリとその
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れたるが、
117
あたかも
時公
(
ときこう
)
の
倒
(
たふ
)
れたる
一
(
いつ
)
尺
(
しやく
)
ばかり
傍
(
そば
)
なりしかば、
118
時公
(
ときこう
)
は
又
(
また
)
もやキヤツと
声
(
こゑ
)
立
(
た
)
て、
119
時公
『ヘヽ
蛇掴
(
へびつかみ
)
様
(
さま
)
、
120
ワヽ
私
(
わたくし
)
は
時公
(
ときこう
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
121
貴方
(
あなた
)
のお
好
(
す
)
きな
餌食
(
ゑじき
)
を
御
(
お
)
供
(
そな
)
へに
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
、
122
どうぞ
命
(
いのち
)
ばかりは
御
(
お
)
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいませ。
123
お
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬか
知
(
し
)
りませぬが、
124
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
を
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
しますれば、
125
清姫
(
きよひめ
)
ではなくて、
126
なんでも
酸
(
す
)
い
酸
(
す
)
い
名
(
な
)
のついた
風来者
(
ふうらいもの
)
の
乞食姫
(
こじきひめ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
127
併
(
しか
)
し
食
(
く
)
つてみな
味
(
あぢ
)
は
分
(
わか
)
りませぬ。
128
お
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らねば、
129
又
(
また
)
明日
(
あす
)
の
晩
(
ばん
)
に
本真物
(
ほんまもの
)
を
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
ます。
130
是
(
これ
)
でよければ、
131
どうぞ
辛抱
(
しんばう
)
して、
132
私
(
わたくし
)
はお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいなー』
133
石凝姥
(
いしこりどめ
)
は
暗中
(
あんちう
)
より、
134
石凝姥神
『ホー、
135
時公
(
ときこう
)
の
奴
(
やつ
)
、
136
不埒
(
ふらち
)
千万
(
せんばん
)
な、
137
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
清姫
(
きよひめ
)
の
身代
(
みがは
)
りを
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
たなア。
138
身代
(
みがは
)
りで
済
(
す
)
むものなら、
139
男
(
をとこ
)
でも
女
(
をんな
)
でもかまはぬ。
140
この
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
スツ
ぱくて
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
口
(
くち
)
に
合
(
あ
)
はぬ。
141
貴様
(
きさま
)
の
肉
(
にく
)
はポツテリ
肥
(
こ
)
えてウマさうだから、
142
これから
貴様
(
きさま
)
を
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
にならうかい』
143
時公
(
ときこう
)
『ソヽヽヽヽそれは
違
(
ちが
)
ひます、
144
そんな
約束
(
やくそく
)
ぢやなかつたに、
145
マヽ
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ。
146
食
(
く
)
はれる
此
(
この
)
身
(
み
)
は
厭
(
いと
)
はねども、
147
内
(
うち
)
に
残
(
のこ
)
つた
女房
(
にようばう
)
が
嘸
(
さぞ
)
歎
(
なげ
)
く
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いませう。
148
命
(
いのち
)
ばかりはお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいませ。
149
アヽ、
150
こんな
事
(
こと
)
になると
知
(
し
)
つたら、
151
三五教
(
あななひけう
)
の
奴乞食
(
どこじき
)
の
様
(
やう
)
な、
152
石凝姥
(
いしこりどめ
)
とやらの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
くぢやなかつたのに、
153
是
(
これ
)
から
彼奴
(
あいつ
)
を
私
(
わたくし
)
が
平
(
たひら
)
げて、
154
貴方
(
あなた
)
の
恨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らしますから、
155
どうぞお
助
(
たす
)
けを
願
(
ねが
)
ひます』
156
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
闇
(
くら
)
がりより、
157
梅ケ香姫
『ホヽホヽホヽ』
158
時公
(
ときこう
)
『なんだ、
159
アタいやらしい。
160
ホヽホヽ
処
(
どころ
)
かい、
161
今
(
いま
)
食
(
く
)
はれかけて
居
(
を
)
るとこぢや。
162
お
前
(
まへ
)
は
替玉
(
かへだま
)
で、
163
蛇掴
(
へびつかみ
)
様
(
さま
)
のお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬとて、
164
助
(
たす
)
かつて
嬉
(
うれ
)
しからうが、
165
俺
(
おれ
)
の
身
(
み
)
にもなつて
見
(
み
)
たがよい。
166
千騎
(
せんき
)
一騎
(
いつき
)
の
背中
(
せなか
)
に
腹
(
はら
)
の
替
(
か
)
へられぬ、
167
苦
(
くる
)
しい
場合
(
ばあひ
)
になつて
居
(
を
)
るのに、
168
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
ける
宣伝使
(
せんでんし
)
が
笑
(
わら
)
ふと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるものか。
169
馬鹿
(
ばか
)
にするない。
170
もう
斯
(
か
)
うなつては
破
(
やぶ
)
れかぶれだ。
171
俺
(
おれ
)
が
食
(
く
)
はれる
前
(
まへ
)
に
貴様
(
きさま
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
つて
腹癒
(
はらい
)
せをしてやらう』
172
梅ケ香姫
『ホヽホヽホヽ、
173
時公
(
ときこう
)
さま、
174
貴方
(
あなた
)
口
(
くち
)
ばつかり
御
(
お
)
達者
(
たつしや
)
ですなア、
175
御
(
お
)
手足
(
てあし
)
が
動
(
うご
)
きますか』
176
時公
『ウヽ
動
(
うご
)
かいでかい、
177
動
(
うご
)
かして
見
(
み
)
せてやらう、
178
かう
見
(
み
)
えても、
179
もとは
時野川
(
ときのがは
)
と
云
(
い
)
つて、
180
小角力
(
こずまふ
)
の
一
(
ひと
)
つもとつた
者
(
もの
)
だ。
181
乞食
(
こじき
)
女
(
をんな
)
の
阿魔女
(
あまつちよろ
)
奴
(
め
)
が
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しよるのだ。
182
それにつけても
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
奴
(
やつ
)
、
183
偉
(
えら
)
さうな
法螺
(
ほら
)
ばかり
吹
(
ふ
)
きよつて
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げて
仕舞
(
しま
)
ひよつた。
184
どうせ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
碌
(
ろく
)
な
奴
(
やつ
)
があるものか。
185
ほんたうにドエライ
目
(
め
)
に
遭
(
あ
)
はせよつたワイ』
186
石凝姥
(
いしこりどめ
)
作
(
つく
)
り
声
(
ごゑ
)
をして、
187
石凝姥神
『コラコラ
時公
(
ときこう
)
、
188
頬桁
(
ほほげた
)
が
過
(
す
)
ぎるぞ。
189
舌
(
した
)
から
抜
(
ぬ
)
かうか』
190
時公
(
ときこう
)
『
下
(
した
)
からも
上
(
うへ
)
からもありませぬ。
191
私
(
わたくし
)
の
様
(
やう
)
な
骨
(
ほね
)
の
硬
(
かた
)
い
味
(
あぢ
)
のないものを
食
(
く
)
つた
処
(
ところ
)
で、
192
胸
(
むね
)
が
悪
(
わる
)
くなるばかりです。
193
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
よりもう
一段
(
いちだん
)
酸
(
す
)
い
酸
(
す
)
い、
194
粋
(
すゐ
)
な
男
(
をとこ
)
と
内
(
うち
)
の
嬶
(
かかあ
)
が
申
(
まを
)
します』
195
石凝姥神
『その
酸
(
す
)
い
奴
(
やつ
)
が
喰
(
く
)
つて
見
(
み
)
たいのだ』
196
時公
『
矢張
(
やつぱ
)
り
嘘
(
うそ
)
です、
197
酸
(
す
)
い
奴
(
やつ
)
は
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
』
198
石凝姥
(
いしこりどめ
)
は
元
(
もと
)
の
声
(
こゑ
)
になつて、
199
石凝姥神
『オイ
時公
(
ときこう
)
、
200
随分
(
ずゐぶん
)
俺
(
おれ
)
の
悪口
(
わるぐち
)
をよく
囀
(
さへづ
)
つたなア。
201
とうの
昔
(
むかし
)
に
蛇掴
(
へびつかみ
)
はアーメニヤの
方
(
はう
)
へ
逃
(
に
)
げて
仕舞
(
しま
)
つたよ。
202
最前
(
さいぜん
)
から
蛇掴
(
へびつかみ
)
と
云
(
い
)
つたのは、
203
暗
(
くら
)
がりを
幸
(
さいは
)
ひ、
204
俺
(
おれ
)
が
一
(
ひと
)
つ
貴様
(
きさま
)
の
肝
(
きも
)
と
心
(
こころ
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
を
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
たのだ。
205
貴様
(
きさま
)
はまだまだ
改心
(
かいしん
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
を
)
らぬワイ』
206
時公
『ハイハイ、
207
ほんま
物
(
もの
)
ですか。
208
ほんま
物
(
もの
)
なら
今
(
いま
)
から
改心
(
かいしん
)
いたしますから
赦
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいな』
209
石凝姥神
『
蛇掴
(
へびつかみ
)
の
肉体
(
にくたい
)
は
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
つたが、
210
其
(
その
)
霊
(
れい
)
が
俺
(
おれ
)
に
憑
(
うつ
)
つて、
211
貴様
(
きさま
)
を
喰
(
く
)
へと
云
(
い
)
ふのだ。
212
必
(
かなら
)
ず
石凝姥
(
いしこりどめ
)
を
鬼
(
おに
)
の
様
(
やう
)
な
奴
(
やつ
)
と
恨
(
うら
)
めて
呉
(
く
)
れなよ。
213
俺
(
おれ
)
に
憑
(
うつ
)
つた
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
が、
214
貴様
(
きさま
)
をこれから
喰
(
く
)
ふのだよ』
215
時公
『あなた、
216
そんな
殺生
(
せつしやう
)
な
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
を
去
(
いな
)
して
下
(
くだ
)
され』
217
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『ホヽホヽホヽ』
218
時公
(
ときこう
)
『コレコレ
梅ケ香
(
うめがか
)
さま、
219
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづ
)
れ
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
だ。
220
かうして
三
(
さん
)
人
(
にん
)
この
深山
(
しんざん
)
に
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たのも
深
(
ふか
)
い
因縁
(
いんねん
)
があつての
事
(
こと
)
でせう。
221
貴女
(
あなた
)
宣伝使
(
せんでんし
)
なら、
222
あの
副
(
ふく
)
とか
守
(
しゆ
)
とか
云
(
い
)
ふものを
去
(
いな
)
して
下
(
くだ
)
さいな』
223
梅ケ香姫
『ホヽホヽホヽ』
224
石凝姥
(
いしこりどめ
)
『アハヽヽヽヽ、
225
嘘
(
うそ
)
だ
嘘
(
うそ
)
だ』
226
時公
(
ときこう
)
『ウヽ、
227
ウヽソウですか』
228
石凝姥神
『
洒落
(
しやれ
)
処
(
どころ
)
でないワイ。
229
もう
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
ける、
230
サアサア
支度
(
したく
)
だ
支度
(
したく
)
だ。
231
梅ケ香
(
うめがか
)
様
(
さま
)
、
232
貴女
(
あなた
)
は
女
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
だから、
233
此
(
この
)
唐櫃
(
からびつ
)
にお
這入
(
はい
)
りなさい。
234
私
(
わたくし
)
と
時公
(
ときこう
)
と
舁
(
かつ
)
いで
帰
(
かへ
)
ります』
235
時公
『
舁
(
かつ
)
げと
云
(
い
)
つたつて
腰
(
こし
)
が
抜
(
ぬ
)
けて
舁
(
かつ
)
げませぬ』
236
かくする
中
(
うち
)
、
237
東雲
(
しののめ
)
の
空
(
そら
)
紅
(
くれなゐ
)
を
潮
(
てう
)
し、
238
あたりはホンノリと
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れた。
239
見
(
み
)
れば
辺
(
あた
)
りには
大小
(
だいせう
)
の
鬼
(
おに
)
の
形
(
かたち
)
したる
岩石
(
がんせき
)
が、
240
そこら
一面
(
いちめん
)
に
散乱
(
さんらん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
241
石凝姥
(
いしこりどめの
)
神
(
かみ
)
は
辺
(
あた
)
りの
手頃
(
てごろ
)
の
細長
(
ほそなが
)
き
岩片
(
がんぺん
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、
242
之
(
これ
)
に
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかけ
頭槌
(
くぶつち
)
を
作
(
つく
)
り、
243
鬼
(
おに
)
の
化石
(
くわせき
)
を
片
(
かた
)
つ
端
(
ぱし
)
より
頭
(
あたま
)
を
目
(
め
)
がけて
叩
(
たた
)
き
割
(
わ
)
れば、
244
不思議
(
ふしぎ
)
や、
245
其
(
その
)
石
(
いし
)
よりは
霧
(
きり
)
の
如
(
ごと
)
く、
246
血煙
(
ちけむり
)
盛
(
さか
)
んに
噴出
(
ふんしゆつ
)
す。
247
幾十百
(
いくじふひやく
)
とも
限
(
かぎ
)
りなき
鬼
(
おに
)
の
化石
(
くわせき
)
を
一
(
ひと
)
つも
残
(
のこ
)
らず
首
(
くび
)
を
斬
(
き
)
り、
248
ここに
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
悠々
(
いういう
)
として
山
(
やま
)
を
下
(
くだ
)
り、
249
再
(
ふたた
)
び
鉄谷村
(
かなたにむら
)
の
酋長
(
しうちやう
)
鉄彦
(
かなひこ
)
の
家居
(
いへゐ
)
をさして
悠然
(
いうぜん
)
として
凱歌
(
がいか
)
をあげて
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
る。
250
(
大正一一・二・二七
旧二・一
岩田久太郎
録)
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