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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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<<< 言霊別
(B)
(N)
乱れ髪 >>>
第一六章
固門開
(
こもんかい
)
〔四四六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第1篇 千軍万馬
よみ(新仮名遣い):
せんぐんばんば
章:
第16章 固門開
よみ(新仮名遣い):
こもんかい
通し章番号:
446
口述日:
1922(大正11)年02月23日(旧01月27日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
ロッキー城
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
淤縢山津見は固虎に固山彦と名を与えて、ロッキー城に忍び込もうとした。固虎は出征から戻ってきた振りをして、ロッキー城の門を開けさせようとする。
門を開けさせた固虎は、淤縢山津見を伴って場内へ進み入る。門番たちが喧嘩を始めたところへ、またしても後から門を激しく叩く者がある。そして、ついに強力に任せて門を打ち破って中へ入ってきたのは、照彦であった。
門番たちは照彦に恐れをなして震えている。照彦はゆうゆうと美人の女宣伝使たちを従えて場内に入っていった。その歌う宣伝歌に、門番たちは大地に縮み上がってしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-15 22:32:13
OBC :
rm1016
愛善世界社版:
125頁
八幡書店版:
第2輯 436頁
修補版:
校定版:
130頁
普及版:
58頁
初版:
ページ備考:
001
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
を
東西
(
とうざい
)
に、
002
分
(
わか
)
ちて
立
(
た
)
てるロッキーの、
003
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
に
濃
(
こ
)
き
淡
(
あは
)
き、
004
雲
(
くも
)
を
透
(
すか
)
してひらひらと、
005
白地
(
しろぢ
)
に
葵
(
あふひ
)
の
百旗
(
ももはた
)
千旗
(
ちはた
)
、
006
翩翻
(
へんぼん
)
としてひるがへり、
007
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
も
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
008
シラ
山峠
(
やまたうげ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
に、
009
全
(
まつた
)
く
帰順
(
きじゆん
)
を
表
(
へう
)
したる、
010
心
(
こころ
)
も
固
(
かた
)
き
固虎
(
かたとら
)
に、
011
固山彦
(
かたやまひこ
)
と
名
(
な
)
を
与
(
あた
)
へ、
012
ロッキー
城
(
じやう
)
を
蹂躙
(
じうりん
)
し、
013
醜女
(
しこめ
)
探女
(
さぐめ
)
の
計略
(
けいりやく
)
を、
014
根底
(
こんてい
)
より
覆
(
くつが
)
へさむと、
015
猫
(
ねこ
)
を
冠
(
かぶ
)
りて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
016
ここはロッキー
城
(
じやう
)
の
表門
(
おもてもん
)
である。
017
美山別
(
みやまわけ
)
、
018
竹島彦
(
たけしまひこ
)
等
(
ら
)
の
勇将
(
ゆうしやう
)
は、
019
獅虎
(
しこ
)
の
如
(
ごと
)
き
猛卒
(
まうそつ
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
黄泉島
(
よもつじま
)
の
戦闘
(
せんとう
)
に
出陣
(
しゆつぢん
)
したる
事
(
こと
)
とて、
020
城内
(
じやうない
)
の
守兵
(
しゆへい
)
は
甚
(
はなは
)
だ
手薄
(
てうす
)
になつてゐる。
021
それが
為
(
た
)
め
警戒
(
けいかい
)
は
益々
(
ますます
)
厳
(
げん
)
にして、
022
昼
(
ひる
)
と
雖
(
いへど
)
も
表門
(
おもてもん
)
を
容易
(
ようい
)
に
開
(
ひら
)
かず、
023
鎌彦
(
かまひこ
)
、
024
笠彦
(
かさひこ
)
の
両人
(
りやうにん
)
をして、
025
数人
(
すうにん
)
の
門番
(
もんばん
)
と
共
(
とも
)
に
厳守
(
げんしゆ
)
せしめてゐた。
026
固山彦
(
かたやまひこ
)
は
大音声
(
だいおんじやう
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて、
027
固山彦(固虎)
『ヤア
門番
(
もんばん
)
、
028
この
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
け。
029
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
命
(
めい
)
に
依
(
よ
)
り、
030
目
(
め
)
の
国
(
くに
)
カリガネ
半島
(
はんたう
)
に
於
(
おい
)
て
生擒
(
いけどり
)
にしたる
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
を
始
(
はじ
)
め、
031
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
召伴
(
めしつ
)
れ
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
れり』
032
と
呼
(
よば
)
はれば、
033
主人
(
しゆじん
)
の
威光
(
ゐくわう
)
を
真向
(
まつかう
)
に
被
(
かぶ
)
つて
笠彦
(
かさひこ
)
は
居丈高
(
ゐたけだか
)
になり、
034
笠彦
『オー、
035
さういふ
声
(
こゑ
)
は
常世城
(
とこよじやう
)
の
上役
(
うはやく
)
固虎彦
(
かたとらひこ
)
に
非
(
あら
)
ずや。
036
貴下
(
きか
)
は
常世城
(
とこよじやう
)
の
勇将
(
ゆうしやう
)
として
目
(
め
)
の
国
(
くに
)
に
出陣
(
しゆつぢん
)
されしもの、
037
何故
(
なにゆゑ
)
に
常世城
(
とこよじやう
)
に
還
(
かへ
)
らず
本城
(
ほんじやう
)
に
来
(
きた
)
りしか。
038
その
委細
(
ゐさい
)
をつぶさに
物語
(
ものがた
)
られよ。
039
様子
(
やうす
)
の
如何
(
いかん
)
に
依
(
よ
)
つてはこの
門
(
もん
)
絶対
(
ぜつたい
)
に
開
(
ひら
)
く
可
(
べか
)
らず』
040
と
呶鳴
(
どな
)
り
付
(
つ
)
けたり。
041
固山彦
(
かたやまひこ
)
は
大声
(
おほごゑ
)
にて、
042
固山彦(固虎)
『
卑
(
いや
)
しき
門番
(
もんばん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として、
043
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
従神
(
じゆうしん
)
固虎彦
(
かたとらひこ
)
に
向
(
むか
)
つて
無礼
(
ぶれい
)
の
雑言
(
ざふごん
)
、
044
四
(
し
)
の
五
(
ご
)
の
言
(
い
)
はず
速
(
すみや
)
かにこの
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
け。
045
否
(
いな
)
むに
於
(
おい
)
ては
危急
(
ききふ
)
存亡
(
そんばう
)
の
場合
(
ばあひ
)
だ、
046
一刻
(
いつこく
)
の
猶予
(
いうよ
)
もならず。
047
固虎彦
(
かたとらひこ
)
の
鉄
(
てつ
)
より
固
(
かた
)
きこの
腕
(
うで
)
を
以
(
もつ
)
て
叩
(
たた
)
き
破
(
やぶ
)
つて
這入
(
はい
)
つて
見
(
み
)
せうぞ』
048
笠彦
(
かさひこ
)
『オイ
鎌彦
(
かまひこ
)
、
049
何
(
ど
)
うしよう。
050
偉
(
えら
)
い
勢
(
いきほひ
)
ぢやないか。
051
こんな
場合
(
ばあひ
)
は
門番
(
もんばん
)
の
吾々
(
われわれ
)
には
判断
(
はんだん
)
がつかぬ。
052
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
に、
053
どんな
御
(
お
)
叱
(
しか
)
りを
受
(
う
)
けるかも
解
(
わか
)
らぬなり、
054
鎌彦
(
かまひこ
)
、
055
貴様
(
きさま
)
は
奥
(
おく
)
へ
行
(
い
)
つて
開門
(
かいもん
)
の
許
(
ゆる
)
しを
受
(
う
)
けて
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れないか』
056
鎌彦
(
かまひこ
)
『
何
(
なに
)
、
057
構
(
かま
)
ふものか。
058
開
(
あ
)
けてやれ』
059
笠彦
『
若
(
も
)
しも
固虎彦
(
かたとらひこ
)
が
寝返
(
ねがへ
)
りを
打
(
う
)
つて、
060
敵
(
てき
)
の
間者
(
かんじや
)
にでもなつてゐたら
大変
(
たいへん
)
だからな』
061
鎌彦
『
何
(
なに
)
、
062
構
(
かま
)
ふことがあるものか。
063
開
(
あ
)
けるに
限
(
かぎ
)
る』
064
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
065
自
(
みづか
)
ら
門
(
もん
)
の
閂
(
かんぬき
)
を
外
(
はづ
)
し、
066
左右
(
さいう
)
にサラリと
戸
(
と
)
を
開
(
ひら
)
けば、
067
固山彦
(
かたやまひこ
)
は、
068
固山彦(固虎)
『サア、
069
淤縢山
(
おどやま
)
さま、
070
漸
(
やうや
)
く
門
(
もん
)
が
開
(
あ
)
きました。
071
ヤア
笠彦
(
かさひこ
)
、
072
大儀
(
たいぎ
)
であつた。
073
貴様
(
きさま
)
は
何時
(
いつ
)
も
主人
(
しゆじん
)
を
笠
(
かさ
)
に
被
(
き
)
て
威張
(
ゐば
)
る
奴
(
やつ
)
だが、
074
矢張
(
やつぱ
)
り
癖
(
くせ
)
は
治
(
なほ
)
らぬと
見
(
み
)
えるのー』
075
笠彦
(
かさひこ
)
『ハイハイ、
076
貴方
(
あなた
)
のやうな
結構
(
けつこう
)
な、
077
立派
(
りつぱ
)
な、
078
勇将
(
ゆうしやう
)
の
御
(
お
)
越
(
こ
)
し、
079
御
(
お
)
通
(
とほ
)
し
申
(
まを
)
したいは
胸
(
むね
)
一
(
いつ
)
ぱいでございますが、
080
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つてもこの
鎌彦
(
かまひこ
)
奴
(
め
)
が
頑張
(
ぐわんば
)
るものですから、
081
つい
手間
(
てま
)
を
取
(
と
)
りまして
申訳
(
まをしわけ
)
がありませぬ。
082
吾々
(
われわれ
)
の
如
(
ごと
)
き
微々
(
びび
)
たる
門番
(
もんばん
)
、
083
三軍
(
さんぐん
)
を
指揮
(
しき
)
し
給
(
たま
)
ふ
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
向
(
むか
)
つて、
084
一言
(
いちげん
)
半句
(
はんく
)
にても
抵抗
(
ていかう
)
致
(
いた
)
すは、
085
恰
(
あたか
)
も
蟷螂
(
とうろう
)
が
斧
(
をの
)
を
揮
(
ふる
)
つて
竜車
(
りうしや
)
に
向
(
むか
)
ふやうなもの、
086
到底
(
たうてい
)
駄目
(
だめ
)
だから
早
(
はや
)
く
御
(
お
)
開
(
あ
)
け
申
(
まを
)
せと
言
(
い
)
ふに、
087
鎌彦
(
かまひこ
)
の
奴
(
やつ
)
、
088
蟷螂
(
かまきり
)
のやうな
勇気
(
ゆうき
)
を
出
(
だ
)
しよつて、
089
容易
(
ようい
)
に
開
(
あ
)
けないのです。
090
本当
(
ほんたう
)
に
訳
(
わけ
)
の
解
(
わか
)
らぬ
奴
(
やつ
)
ですから』
091
鎌彦
(
かまひこ
)
『
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ひよるのだ、
092
腰抜
(
こしぬ
)
け
野郎
(
やらう
)
奴
(
め
)
、
093
貴様
(
きさま
)
が
拒
(
こば
)
んだのぢやないか、
094
俺
(
おれ
)
はちつとも
構
(
かま
)
はぬ、
095
御
(
お
)
開
(
あ
)
け
申
(
まを
)
せと
言
(
い
)
つて
居
(
を
)
るのに、
096
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
御
(
お
)
叱
(
しか
)
りが
怖
(
こは
)
いとか、
097
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
目玉
(
めだま
)
が
光
(
ひか
)
るとか
云
(
い
)
ひよつて、
098
邪魔
(
じやま
)
をし
居
(
を
)
つた
癖
(
くせ
)
に、
099
何
(
なん
)
だい
今
(
いま
)
の
ざま
は。
100
少
(
すこ
)
し
強
(
つよ
)
い
者
(
もの
)
には
直
(
すぐ
)
に
犬
(
いぬ
)
のやうに
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
り
居
(
を
)
つて、
101
見
(
み
)
えた
嘘
(
うそ
)
を
云
(
い
)
ひ、
102
自分
(
じぶん
)
の
不調法
(
ぶてうはふ
)
を
同役
(
どうやく
)
の
俺
(
おれ
)
に
塗
(
ぬ
)
りつけやうとは
不届
(
ふとど
)
き
千万
(
せんばん
)
な
奴
(
やつ
)
。
103
以後
(
いご
)
の
みせしめ
、
104
この
鎌公
(
かまこう
)
の
鉄拳
(
てつけん
)
を
喰
(
くら
)
へ』
105
といふより
早
(
はや
)
く、
106
笠彦
(
かさひこ
)
の
横面
(
よこづら
)
を
はり
飛
(
と
)
ばせば、
107
笠彦
(
かさひこ
)
は
大肌脱
(
おほはだぬぎ
)
となつて、
108
笠彦
『ヤイ
鎌
(
かま
)
、
109
馬鹿
(
ばか
)
にしよるない。
110
貴様
(
きさま
)
こそ
強
(
つよ
)
いと
見
(
み
)
たら
尾
(
を
)
を
下
(
さ
)
げて、
111
心
(
こころ
)
にもない
追従
(
つゐしやう
)
をべらべらと
喋
(
しやべ
)
くりよつて、
112
よし
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
れ。
113
この
笠彦
(
かさひこ
)
が
貴様
(
きさま
)
の
笠
(
かさ
)
の
台
(
だい
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
いてやるから』
114
と
首筋
(
くびすぢ
)
目掛
(
めが
)
けて
飛
(
と
)
びついた。
115
二人
(
ふたり
)
は
組
(
く
)
んづ
組
(
く
)
まれつ、
116
上
(
うへ
)
へなり
下
(
した
)
になり
争
(
あらそ
)
うてゐる。
117
固虎
(
かたとら
)
の
固山彦
(
かたやまひこ
)
は、
118
両手
(
りやうて
)
に
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
め、
119
肩肘
(
かたひぢ
)
怒
(
いか
)
らしながら
大股
(
おほまた
)
に
のそり
のそりと
中門
(
なかもん
)
目
(
め
)
がけて
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
120
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は
二人
(
ふたり
)
の
格闘
(
かくとう
)
を
見返
(
みかへ
)
り
見返
(
みかへ
)
り、
121
中門
(
なかもん
)
を
開
(
ひら
)
いて
二人
(
ふたり
)
とも
奥
(
おく
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
122
又
(
また
)
もや
表門
(
おもてもん
)
を
破
(
わ
)
るるばかりに
打
(
う
)
ち
叩
(
たた
)
くものがある。
123
この
時
(
とき
)
四五
(
しご
)
の
門番
(
もんばん
)
は、
124
門番
『オイオイ、
125
笠公
(
かさこう
)
、
126
鎌公
(
かまこう
)
、
127
何
(
ど
)
うしよう。
128
開
(
あ
)
けようか、
129
開
(
あ
)
けよまいか。
130
喧嘩
(
けんくわ
)
してゐるやうな
場合
(
ばあひ
)
ぢやない。
131
あんな
強
(
つよ
)
い
奴
(
やつ
)
が
二人
(
ふたり
)
まで
奥
(
おく
)
へ
通
(
とほ
)
つて
了
(
しま
)
つた。
132
吾々
(
われわれ
)
は
何
(
ど
)
うなる
事
(
こと
)
かと
思
(
おも
)
つて
大変
(
たいへん
)
心配
(
しんぱい
)
して
居
(
を
)
るのだ。
133
それに
又
(
また
)
もや
偉
(
えら
)
い
勢
(
いきほひ
)
で
門
(
もん
)
が
破
(
やぶ
)
れる
程
(
ほど
)
叩
(
たた
)
いて
居
(
ゐ
)
るぞ。
134
喧嘩
(
けんくわ
)
どころの
騒
(
さわ
)
ぎぢやない。
135
早
(
はや
)
く
止
(
や
)
めぬかい』
136
笠彦
(
かさひこ
)
『
門
(
もん
)
も
糞
(
くそ
)
もあつたものかい。
137
何
(
ど
)
うなと
勝手
(
かつて
)
にせい。
138
俺
(
おれ
)
は
鎌彦
(
かまひこ
)
の
首
(
くび
)
を
引
(
ひ
)
き
抜
(
ぬ
)
かねば
置
(
お
)
かぬのだ』
139
鎌彦
(
かまひこ
)
『オイ
笠
(
かさ
)
、
140
喧嘩
(
けんくわ
)
は
中止
(
ちゆうし
)
して
明日
(
あす
)
まで
延
(
の
)
ばしたら
何
(
ど
)
うだ。
141
兄弟
(
けいてい
)
墻
(
かき
)
に
鬩
(
せめ
)
ぐとも
外
(
そと
)
その
侮
(
あなど
)
りを
防
(
ふせ
)
ぐといふことがあるぞ。
142
平穏
(
へいおん
)
無事
(
ぶじ
)
の
時
(
とき
)
には
何程
(
なにほど
)
仇
(
かたき
)
のやうに
喧嘩
(
けんくわ
)
をしてゐた
兄弟
(
きやうだい
)
でも、
143
サア
強敵
(
きやうてき
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には、
144
犬
(
いぬ
)
と
猿
(
さる
)
とのやうな
兄弟
(
きやうだい
)
が
腹
(
はら
)
を
合
(
あは
)
して
敵
(
てき
)
に
当
(
あた
)
るものだ。
145
貴様
(
きさま
)
も
謂
(
い
)
はば
兄弟
(
きやうだい
)
だ。
146
貴様
(
きさま
)
は
俺
(
おれ
)
の
弟
(
おとうと
)
だ。
147
兄
(
あに
)
の
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
いて
首
(
くび
)
を
放
(
はな
)
せ』
148
笠彦
『
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ひよるのだ、
149
弟
(
おとうと
)
もあつたものかい。
150
貴様
(
きさま
)
は
俺
(
おれ
)
の
奴
(
やつこ
)
になつて
尻拭
(
しりふき
)
をすると
云
(
い
)
へ。
151
そしたら
首
(
くび
)
を
放
(
はな
)
してやらう。
152
首
(
くび
)
も
廻
(
まは
)
らぬやうな
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
当
(
あた
)
つて、
153
まだ
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
くか』
154
門
(
もん
)
を
叩
(
たた
)
く
音
(
おと
)
は
益々
(
ますます
)
激
(
はげ
)
しくなり
来
(
きた
)
り、
155
四五
(
しご
)
の
門番
(
もんばん
)
はガタガタ
慄
(
ふる
)
へながら、
156
門番
『オイオイ、
157
笠彦
(
かさひこ
)
、
158
早
(
はや
)
く
放
(
はな
)
さぬか。
159
放
(
はな
)
さな
放
(
はな
)
さぬで、
160
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
が
寄
(
よ
)
つて
掛
(
かか
)
つて
貴様
(
きさま
)
を
打
(
う
)
ちのめすが、
161
それでも
放
(
はな
)
さぬか』
162
笠彦
(
かさひこ
)
『
放
(
はな
)
せと
云
(
い
)
つたつて、
163
鎌彦
(
かまひこ
)
を
始
(
はじ
)
め
訳
(
わけ
)
の
解
(
わか
)
らぬ
奴
(
やつ
)
ばかりで、
164
話
(
はな
)
せるやうな
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
奴
(
やつ
)
が
一疋
(
いつぴき
)
でも
居
(
を
)
るかい。
165
はな
しとうても
はな
されぬワイ。
166
もつと
身魂
(
みたま
)
を
研
(
みが
)
け、
167
研
(
みが
)
けたら
大
(
だい
)
は
宇宙
(
うちう
)
の
真理
(
しんり
)
より、
168
小
(
せう
)
は
蚤
(
のみ
)
の
腸
(
はらわた
)
まで
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
るこの
方
(
はう
)
、
169
はな
して
聞
(
き
)
かしてやらう』
170
鎌彦
(
かまひこ
)
『オイ
執拗
(
しつこ
)
いぞ、
171
いい
加減
(
かげん
)
に
洒落
(
しやれ
)
て
置
(
お
)
け。
172
そんな
時
(
とき
)
ぢやなからう。
173
大奥
(
おほおく
)
は
今
(
いま
)
大騒動
(
おほさうどう
)
が
始
(
はじ
)
まつてゐる。
174
さうして
門
(
もん
)
には
獅子
(
しし
)
とも
虎
(
とら
)
とも
狼
(
おほかみ
)
ともわからぬやうな
強
(
つよ
)
い
奴
(
やつ
)
が、
175
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
つはもの
)
の
出陣
(
しゆつぢん
)
した
後
(
あと
)
を
狙
(
ねら
)
つて
攻
(
せ
)
めて
来
(
き
)
て
居
(
を
)
るのだ。
176
前門
(
ぜんもん
)
には
虎
(
とら
)
、
177
後門
(
こうもん
)
には
狼
(
おほかみ
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
を
)
る
危急
(
ききふ
)
存亡
(
そんばう
)
のこの
場合
(
ばあひ
)
、
178
喧嘩
(
けんくわ
)
どころの
騒
(
さわ
)
ぎぢやなからう』
179
笠彦
『ナンでもよいワイ。
180
俺
(
おれ
)
の
奴
(
やつこ
)
さまになるか』
181
門
(
もん
)
は
強力
(
がうりき
)
無双
(
むそう
)
の
男
(
をとこ
)
に
押破
(
おしやぶ
)
られ、
182
閂
(
かんぬき
)
は
めき
めきめきと
音
(
おと
)
して
裂
(
さ
)
けた。
183
四五
(
しご
)
の
門番
(
もんばん
)
はこの
物音
(
ものおと
)
に
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
184
大地
(
だいち
)
に
坐
(
すわ
)
つたまま
慄
(
ふる
)
へてゐる。
185
門
(
もん
)
ひき
開
(
あ
)
けて
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
、
186
花
(
はな
)
を
欺
(
あざむ
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
と
共
(
とも
)
に
悠々
(
いういう
)
としてこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
187
この
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
て、
188
照彦(戸山津見)
『オイ、
189
その
方
(
はう
)
は
何
(
なに
)
を
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
るか。
190
其処
(
そこ
)
は
地
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
だ』
191
一同
(
いちどう
)
『ハイ、
192
畏
(
かしこ
)
まつて
御
(
お
)
迎
(
むか
)
へを
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
ります』
193
照彦(戸山津見)
『それには
及
(
およ
)
ばぬ。
194
早
(
はや
)
く
立
(
た
)
つて
案内
(
あんない
)
いたせ』
195
一同
『ハイ、
196
何分
(
なにぶん
)
笠公
(
かさこう
)
と
鎌公
(
かまこう
)
の
門番頭
(
もんばんがしら
)
が
組付
(
くみつ
)
き
合
(
あ
)
ひを
始
(
はじ
)
めて
離
(
はな
)
れないものですから
困
(
こま
)
つてをります。
197
立
(
た
)
つても
居
(
ゐ
)
ても
居
(
を
)
られないので、
198
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑ、
199
胴
(
どう
)
を
据
(
す
)
ゑて
泰然
(
たいぜん
)
自若
(
じじやく
)
と
構
(
かま
)
へて
居
(
を
)
るのです』
200
照彦(戸山津見)
『
貴様
(
きさま
)
らは
慄
(
ふる
)
うてゐるぢやないか。
201
早
(
はや
)
く
立
(
た
)
つて
案内
(
あんない
)
いたせ』
202
一同
『
たつ
て
立
(
た
)
てと
仰有
(
おつしや
)
るなら
立
(
た
)
たぬことはありませぬ。
203
何卒
(
どうぞ
)
笠公
(
かさこう
)
と
鎌公
(
かまこう
)
に
掛合
(
かけあ
)
うて
下
(
くだ
)
さい』
204
照彦(戸山津見)
『
妙
(
めう
)
な
奴
(
やつ
)
だな。
205
オイ、
206
笠
(
かさ
)
とか
鎌
(
かま
)
とかいふ
門番
(
もんばん
)
、
207
何
(
なに
)
を
争
(
あらそ
)
うてゐるか』
208
笠彦
(
かさひこ
)
『ヤア、
209
誰
(
たれ
)
かと
思
(
おも
)
へば
去年
(
きよねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
210
常世城
(
とこよじやう
)
に
唐丸
(
たうまる
)
駕籠
(
かご
)
に
乗
(
の
)
せられて
来
(
き
)
よつた
照彦
(
てるひこ
)
の
奴
(
やつ
)
ぢやないか。
211
オイ、
212
鎌公
(
かまこう
)
、
213
大変
(
たいへん
)
な
奴
(
やつ
)
がやつて
来
(
き
)
たぞ。
214
もう
喧嘩
(
けんくわ
)
は
中止
(
ちゆうし
)
だ。
215
また
改
(
あらた
)
めて
明日
(
あす
)
にしようかい。
216
貴様
(
きさま
)
も
生命
(
いのち
)
冥加
(
みやうが
)
のある
奴
(
やつ
)
だ。
217
この
照彦
(
てるひこ
)
の
奴
(
やつ
)
を
生擒
(
いけどり
)
にして
常世城
(
とこよじやう
)
に
送
(
おく
)
つてやらうか』
218
と
云
(
い
)
つて
首
(
くび
)
を
放
(
はな
)
す。
219
照彦
(
てるひこ
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
美人
(
びじん
)
を
随
(
したが
)
へ、
220
悠々
(
いういう
)
として
委細
(
ゐさい
)
構
(
かま
)
はず
中門
(
なかもん
)
目
(
め
)
がけて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
221
鎌
(
かま
)
と
笠
(
かさ
)
は
此
(
この
)
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
て、
222
鎌公、笠彦
『オイ、
223
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
、
224
中門
(
なかもん
)
指
(
さ
)
して
行
(
ゆ
)
き
居
(
を
)
るぞ。
225
襟髪
(
えりがみ
)
とつて
引戻
(
ひきもど
)
せ』
226
一同
(
いちどう
)
『
引戻
(
ひきもど
)
したいは
山々
(
やまやま
)
だが
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
たぬ。
227
笠公
(
かさこう
)
、
228
鎌公
(
かまこう
)
、
229
喧嘩
(
けんくわ
)
をするだけの
元気
(
げんき
)
があるなら、
230
二人
(
ふたり
)
一緒
(
いつしよ
)
になつて
彼奴
(
あいつ
)
の
足
(
あし
)
をさらへて、
231
ひつくり
返
(
かへ
)
し
縛
(
しば
)
り
上
(
あ
)
げて
常世城
(
とこよじやう
)
へ
送
(
おく
)
りなさい』
232
笠彦
(
かさひこ
)
『オイ、
233
鎌公
(
かまこう
)
、
234
貴様
(
きさま
)
は
首
(
くび
)
のないとこだつた。
235
死
(
し
)
んだと
思
(
おも
)
つて、
236
一
(
いち
)
か
八
(
ばち
)
か
早
(
はや
)
く
追
(
お
)
ひかけて
飛
(
と
)
びついてでも
捉
(
つか
)
まへないか』
237
鎌公
(
かまこう
)
『
何
(
なん
)
だか
気分
(
きぶん
)
が
悪
(
わる
)
い、
238
医者
(
いしや
)
にでも
診察
(
しんさつ
)
して
貰
(
もら
)
つて、
239
医者
(
いしや
)
が
行
(
い
)
つてもよいと
吐
(
ぬか
)
したら
飛
(
と
)
びつきに
行
(
ゆ
)
かうかい』
240
笠彦
『ソンナことを
云
(
い
)
つてる
場合
(
ばあひ
)
かい、
241
呆
(
とぼ
)
けやがるな。
242
俺
(
おれ
)
が
けしかけ
てやるから
行
(
ゆ
)
け
行
(
ゆ
)
け。
243
犬
(
いぬ
)
でも
けしかけ
が
上手
(
じやうず
)
だと、
244
自分
(
じぶん
)
の
身体
(
からだ
)
の
五倍
(
ごばい
)
も
十倍
(
じふばい
)
もある
猪
(
しし
)
に
向
(
むか
)
つて
飛
(
と
)
びつくものだ。
245
けしかけ
も
上手
(
じやうず
)
でないと
犬
(
いぬ
)
は
弱
(
よわ
)
いものだ』
246
鎌公
『
馬鹿
(
ばか
)
にするない、
247
人
(
ひと
)
を
犬
(
いぬ
)
にたとへやがつて』
248
笠彦
『
貴様
(
きさま
)
、
249
何時
(
いつ
)
でも
口癖
(
くちぐせ
)
のやうに、
250
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
の
為
(
ため
)
には
粉骨
(
ふんこつ
)
砕身
(
さいしん
)
だとか、
251
犬馬
(
けんば
)
の
労
(
らう
)
を
吝
(
をし
)
まぬとか
吐
(
ほざ
)
いたぢやないか。
252
犬馬
(
けんば
)
の
労
(
らう
)
を
尽
(
つく
)
すのは
今
(
いま
)
この
時
(
とき
)
だ。
253
口
(
くち
)
ばつかり
矢釜敷
(
やかまし
)
く
囀
(
さへづ
)
りよつて、
254
肝腎
(
かんじん
)
要
(
かなめ
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
尾
(
を
)
を
股
(
また
)
に
はさ
んで、
255
すつこん
でゐる
野良犬
(
のらいぬ
)
奴
(
め
)
が、
256
早
(
はや
)
く
行
(
ゆ
)
け。
257
オツシオツシ』
258
中門
(
なかもん
)
の
内
(
うち
)
に
男女
(
だんぢよ
)
の
涼
(
すず
)
しき
宣伝歌
(
せんでんか
)
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
るを、
259
門番
(
もんばん
)
一同
(
いちどう
)
は
顔
(
かほ
)
をしかめ、
260
耳
(
みみ
)
に
手
(
て
)
を
当
(
あ
)
てて
地
(
ち
)
に
かぶり
つき
縮
(
ちぢ
)
み
居
(
ゐ
)
る。
261
大奥
(
おほおく
)
の
模様
(
もやう
)
は
如何
(
いかん
)
、
262
心許
(
こころもと
)
なし。
263
(
大正一一・二・二三
旧一・二七
外山豊二
録)
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