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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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第10巻(酉の巻)
> 第1篇 千軍万馬 > 第17章 乱れ髪
<<< 固門開
(B)
(N)
常世馬場 >>>
第一七章
乱
(
みだ
)
れ
髪
(
がみ
)
〔四四七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第1篇 千軍万馬
よみ(新仮名遣い):
せんぐんばんば
章:
第17章 乱れ髪
よみ(新仮名遣い):
みだれがみ
通し章番号:
447
口述日:
1922(大正11)年02月23日(旧01月27日)
口述場所:
筆録者:
桜井重雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
ロッキー城
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
城内に進み入った固虎は、逆国別に出会う。固虎は、宣伝使・淤縢山津見を生け捕って帰ったと告げて、「日の出神」に注進するようにと伝えた。
大自在天の「日の出神」が現れ、固虎と淤縢山津見に面会した。淤縢山津見は元大自在天の部下・醜国別である。
淤縢山津見は大自在天に、自分が今三五教の宣伝使となっているのは、三五教に潜入して、内情を探るためだ、と答えた。そして、伊弉冊命に化けているのは大国姫であろう、と企みを問いただして明かさせた。
しかし大自在天は二人が松・竹・梅の三姉妹の宣伝使を捕らえてこなかったことを疑い、問い詰めた。二人は困惑してしまうが、そこへ照彦が蚊々虎の姿となって現れ、松・竹・梅の宣伝使を差し出した。
そして昨年、常世城からロッキー山に護送されてきたのは、目の国の月・雪・花の三姉妹であって、これは常世城で常世神王の影武者をしている広国別の謀反の証拠である、と大自在天に信じさせた。
怒った大自在天は、逆国別に命じて、広国別捕縛の軍を常世城に向けた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-24 20:18:14
OBC :
rm1017
愛善世界社版:
134頁
八幡書店版:
第2輯 439頁
修補版:
校定版:
140頁
普及版:
63頁
初版:
ページ備考:
001
固山彦
(
かたやまひこ
)
は
何
(
なん
)
の
憚
(
はばか
)
る
気色
(
けしき
)
もなく、
002
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
奥殿
(
おくでん
)
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
る。
003
この
時
(
とき
)
、
004
逆国別
(
さかくにわけ
)
は
玄関
(
げんくわん
)
に
現
(
あら
)
はれ、
005
逆国別
『ホー、
006
固虎彦
(
かたとらひこ
)
殿
(
どの
)
、
007
貴下
(
きか
)
は
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
命
(
めい
)
によつて、
008
軍隊
(
ぐんたい
)
を
召
(
めし
)
つれ、
009
『
目
(
め
)
』の
国
(
くに
)
に
出陣
(
しゆつぢん
)
されしと
聞
(
き
)
いてゐた。
010
黄泉島
(
よもつじま
)
に
味方
(
みかた
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
出陣
(
しゆつぢん
)
して、
011
今
(
いま
)
はロッキー
城
(
じやう
)
常世城
(
とこよじやう
)
、
012
共
(
とも
)
に
守
(
まも
)
り
甚
(
はなは
)
だ
手薄
(
てうす
)
となつてゐる。
013
然
(
しか
)
るに
貴下
(
きか
)
は
常世城
(
とこよじやう
)
に
帰
(
かへ
)
らず、
014
ここに
出張
(
しゆつちやう
)
されしは
何
(
なに
)
かの
仔細
(
しさい
)
あらむ。
015
つぶさに
物語
(
ものがた
)
られたし』
016
固山彦
(
かたやまひこ
)
(固虎)
『お
前
(
まへ
)
は
逆国別
(
さかくにわけ
)
、
017
これには
深
(
ふか
)
い
仔細
(
しさい
)
がある。
018
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
019
常世城
(
とこよじやう
)
の
固虎彦
(
かたとらひこ
)
、
020
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
を
生擒
(
いけど
)
り
帰
(
かへ
)
つたりと
奏上
(
そうじやう
)
せよ』
021
逆国別
(
さかくにわけ
)
は、
022
逆国別
『
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
023
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
申上
(
まをしあ
)
げ、
024
お
指図
(
さしづ
)
をうけます』
025
と
踵
(
きびす
)
をかへして
奥
(
おく
)
に
入
(
い
)
つた。
026
二人
(
ふたり
)
は
案内
(
あんない
)
もなく
玄関
(
げんくわん
)
に
靴
(
くつ
)
と
草鞋
(
わらぢ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
て、
027
一間
(
ひとま
)
に
入
(
い
)
つて
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めゐたるに、
028
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
四五
(
しご
)
の
従者
(
じゆうしや
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ、
029
儼然
(
げんぜん
)
としてこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
030
日の出神(に化けた大国彦)
『ホー、
031
固虎彦
(
かたとらひこ
)
、
032
何用
(
なによう
)
あつて
来
(
こ
)
られしぞ』
033
固山彦(固虎)
『これには
深
(
ふか
)
い
様子
(
やうす
)
も
御座
(
ござ
)
れば、
034
暫
(
しばら
)
く
余人
(
よじん
)
を
遠
(
とほ
)
ざけ
給
(
たま
)
へ』
035
日の出神(に化けた大国彦)
『
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
、
036
この
場
(
ば
)
を
遠
(
とほ
)
ざかり、
037
居間
(
ゐま
)
に
帰
(
かへ
)
つて
休息
(
きうそく
)
いたせ』
038
一同
『ハイ』
039
と
答
(
こた
)
へて
一同
(
いちどう
)
は、
040
この
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
る。
041
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
(に化けた大国彦)
『イヤ、
042
汝
(
なんぢ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
非
(
あら
)
ずや』
043
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
(醜国別)
『
然
(
しか
)
り、
044
吾
(
われ
)
は
昔
(
むかし
)
、
045
貴下
(
きか
)
に
仕
(
つか
)
へたる
醜国別
(
しこくにわけ
)
、
046
今
(
いま
)
は
三五教
(
あななひけう
)
に
偽
(
いつは
)
つて
宣伝使
(
せんでんし
)
となり、
047
敵
(
てき
)
の
様子
(
やうす
)
を
窺
(
うかが
)
ひゐる
者
(
もの
)
、
048
如何
(
いか
)
に
機略
(
きりやく
)
縦横
(
じうわう
)
の
貴下
(
きか
)
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
と
雖
(
いへど
)
も、
049
遠
(
とほ
)
く
慮
(
おもんぱか
)
る
所
(
ところ
)
なかる
可
(
べ
)
からず。
050
吾
(
われ
)
は
旧恩
(
きうおん
)
に
報
(
むく
)
ゆるためワザと
三五教
(
あななひけう
)
に
入
(
い
)
り、
051
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
の
様子
(
やうす
)
を
探知
(
たんち
)
し
帰
(
かへ
)
りたる
者
(
もの
)
、
052
必
(
かなら
)
ず
疑
(
うたが
)
ひ
給
(
たま
)
ふことなく、
053
胸襟
(
きようきん
)
をひらいて
語
(
かた
)
らせ
給
(
たま
)
へ。
054
貴下
(
きか
)
は
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
名乗
(
なの
)
らせ
給
(
たま
)
へども、
055
その
実
(
じつ
)
は
神力
(
しんりき
)
無双
(
むさう
)
の
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこの
)
命
(
みこと
)
に
坐
(
ま
)
しますこと、
056
一点
(
いつてん
)
の
疑
(
うたが
)
ひの
余地
(
よち
)
なし。
057
また
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
と
称
(
とな
)
へ
給
(
たま
)
ふは、
058
貴下
(
きか
)
の
御
(
おん
)
妃
(
ひ
)
大国姫
(
おほくにひめ
)
なる
事
(
こと
)
判然
(
はんぜん
)
せり。
059
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
は、
060
包
(
つつ
)
みかくさず、
061
一切
(
いつさい
)
の
計画
(
けいくわく
)
を
詳細
(
しやうさい
)
に
物語
(
ものがた
)
られたし』
062
日の出神(に化けた大国彦)
『
汝
(
なんぢ
)
が
推量
(
すゐりやう
)
に
違
(
たが
)
はず、
063
吾
(
われ
)
は
大自在天
(
だいじざいてん
)
なり。
064
吾
(
わが
)
神謀
(
しんぼう
)
鬼策
(
きさく
)
には
汝
(
なんぢ
)
も
驚
(
おどろ
)
きしならむ』
065
淤縢山津見(醜国別)
『
吾々
(
われわれ
)
は
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と
化
(
ば
)
け
込
(
こ
)
み、
066
艱難
(
かんなん
)
辛苦
(
しんく
)
を
致
(
いた
)
す
位
(
くらゐ
)
のもの、
067
貴下
(
きか
)
の
計画
(
けいくわく
)
は
略
(
ほ
)
ぼ
承知
(
しようち
)
の
上
(
うへ
)
の
事
(
こと
)
なり。
068
今
(
いま
)
この
固虎彦
(
かたとらひこ
)
は
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
広国別
(
ひろくにわけ
)
の
命
(
めい
)
を
奉
(
ほう
)
じ、
069
吾
(
われ
)
を
召捕
(
めしと
)
らむために『
目
(
め
)
』の
国
(
くに
)
に
数多
(
あまた
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
りしも、
070
漸
(
やうや
)
く
吾
(
わが
)
胸中
(
きようちう
)
を
悟
(
さと
)
りヤツト
安堵
(
あんど
)
し、
071
一切
(
いつさい
)
を
打明
(
うちあ
)
けて
吾
(
われ
)
を
本城
(
ほんじやう
)
に
導
(
みちび
)
きたる
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
、
072
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
つたる
固虎
(
かたとら
)
が
働
(
はたら
)
き。
073
随分
(
ずゐぶん
)
お
賞
(
ほ
)
めの
言葉
(
ことば
)
を
賜
(
たまは
)
りたし』
074
日の出神(に化けた大国彦)
『イヤ
両人
(
りやうにん
)
の
真心
(
まごころ
)
には
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
つた。
075
併
(
しか
)
しながら、
076
汝
(
なんぢ
)
が
伴
(
ともな
)
ひし
松
(
まつ
)
、
077
竹
(
たけ
)
、
078
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
079
及
(
およ
)
び
蚊々虎
(
かがとら
)
は
如何
(
いかが
)
されしや』
080
この
言葉
(
ことば
)
に
両人
(
りやうにん
)
はグツとつまり、
081
両人(淤縢山津見、固山彦)
『
彼
(
かれ
)
ら
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
慮
(
おもんばか
)
る
処
(
ところ
)
あり、
082
或
(
あ
)
る
所
(
ところ
)
に
秘
(
ひ
)
め
置
(
お
)
きたり。
083
後
(
ご
)
して
御
(
おん
)
目
(
め
)
にかけ
申
(
まを
)
さむ』
084
日の出神(に化けた大国彦)
『
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
会
(
あ
)
ひたきものだ。
085
その
所在
(
ありか
)
を
今
(
いま
)
ここに
於
(
おい
)
て
吾
(
われ
)
に
報告
(
はうこく
)
されよ。
086
吾
(
われ
)
は
適当
(
てきたう
)
なる
者
(
もの
)
を
遣
(
つか
)
はして、
087
之
(
これ
)
を
本城
(
ほんじやう
)
に
迎
(
むか
)
へ
還
(
かへ
)
らしめむ。
088
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
所在
(
ありか
)
知
(
し
)
れざる
間
(
あひだ
)
は、
089
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
を
疑
(
うたが
)
ふの
余地
(
よち
)
充分
(
じうぶん
)
なり。
090
早
(
はや
)
く
所在
(
ありか
)
を
知
(
し
)
らせよ』
091
固山彦
(
かたやまひこ
)
『ここ
四五
(
しご
)
日
(
にち
)
の
猶予
(
いうよ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
092
日の出神(に化けた大国彦)
『
汝
(
なんぢ
)
が
言
(
い
)
ふ
如
(
ごと
)
く、
093
真
(
しん
)
に
吾々
(
われわれ
)
の
為
(
た
)
めに、
094
今
(
いま
)
まで
暗々裡
(
あんあんり
)
に
活動
(
くわつどう
)
せしこと
真
(
まこと
)
なりとせば、
095
その
所在
(
ありか
)
の
知
(
し
)
れざる
筈
(
はず
)
なし。
096
返答
(
へんたふ
)
し
得
(
え
)
ざるは
汝
(
なんぢ
)
ら
帰順
(
きじゆん
)
せしと
偽
(
いつは
)
り、
097
心
(
こころ
)
を
合
(
あは
)
せ、
098
手薄
(
てうす
)
のロッキー
城
(
じやう
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
せしめむとの
悪計
(
あくけい
)
ならむ。
099
返答
(
へんたふ
)
次第
(
しだい
)
によつては
容赦
(
ようしや
)
し
難
(
がた
)
し。
100
サア
早
(
はや
)
く
告
(
つ
)
げよ』
101
と
稍
(
やや
)
声
(
こゑ
)
をはげまし
厳
(
きび
)
しく
問
(
と
)
ひ
詰
(
つ
)
められ、
102
二人
(
ふたり
)
は
蚊々虎
(
かがとら
)
および
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
に、
103
山中
(
さんちう
)
に
於
(
おい
)
て
煙
(
けむり
)
と
消
(
き
)
えられ、
104
その
所在
(
ありか
)
を
知
(
し
)
らず、
105
その
返答
(
へんたふ
)
に
苦
(
くる
)
しみ、
106
顔色
(
がんしよく
)
を
変
(
へん
)
じ、
107
心中
(
しんちう
)
に「サア
失敗
(
しくじ
)
つたり」と
思
(
おも
)
ひ
煩
(
わづら
)
ふ
折
(
をり
)
からに、
108
中門
(
なかもん
)
を
開
(
ひら
)
いて
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
る
照彦
(
てるひこ
)
は、
109
俄
(
にはか
)
に
蚊々虎
(
かがとら
)
の
姿
(
すがた
)
と
変
(
へん
)
じ、
110
月
(
つき
)
、
111
雪
(
ゆき
)
、
112
花
(
はな
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
113
蚊々虎(に化けた照彦)
『
吾
(
われ
)
は
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
、
114
今
(
いま
)
は
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
旧
(
もと
)
の
家来
(
けらい
)
蚊々虎
(
かがとら
)
にて
候
(
さふらふ
)
。
115
月
(
つき
)
、
116
雪
(
ゆき
)
、
117
花
(
はな
)
と
偽
(
いつは
)
つて、
118
三五教
(
あななひけう
)
を
宣伝
(
せんでん
)
し、
119
天下
(
てんか
)
を
惑
(
まどは
)
す
松
(
まつ
)
、
120
竹
(
たけ
)
、
121
梅
(
うめ
)
の
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
を
召連
(
めしつ
)
れ、
122
この
場
(
ば
)
に
引連
(
ひきつ
)
れ
参
(
まゐ
)
りたり。
123
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く、
124
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
、
125
実検
(
じつけん
)
せられよ』
126
と
呼
(
よ
)
ばはり
居
(
ゐ
)
る。
127
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
を
始
(
はじ
)
め
固山彦
(
かたやまひこ
)
、
128
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は、
129
寝耳
(
ねみみ
)
に
水
(
みづ
)
の
面持
(
おももち
)
にて
互
(
たがひ
)
に
顔
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はせ、
130
黙然
(
もくねん
)
として
控
(
ひか
)
へゐる。
131
照彦
(
てるひこ
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
132
この
場
(
ば
)
にドシドシと
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
133
蚊々虎(に化けた照彦)
『ヤア、
134
これはこれは
大国彦
(
おほくにひこ
)
様
(
さま
)
、
135
吾
(
われ
)
こそは
旧臣
(
きうしん
)
の
蚊々虎
(
かがとら
)
でございます。
136
漸
(
やうや
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
尋
(
たづ
)
ね
求
(
もと
)
めて、
137
これに
参
(
まゐ
)
りました。
138
ここに
現
(
あらは
)
れたる
固虎彦
(
かたとらひこ
)
、
139
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
二人
(
ふたり
)
も、
140
この
事
(
こと
)
はよく
御存
(
ごぞん
)
じの
筈
(
はず
)
です。
141
仔細
(
しさい
)
に
御
(
お
)
調
(
しらべ
)
を
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
142
といふより
早
(
はや
)
く、
143
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
の
被面布
(
ひめんぷ
)
を
取
(
と
)
り
除
(
のぞ
)
けば、
144
一同
(
いちどう
)
は
思
(
おも
)
はず、
145
一同
『ヤア』
146
と
声
(
こゑ
)
をあげたまま、
147
黙然
(
もくねん
)
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
顔
(
かほ
)
を
看守
(
みまも
)
つてゐる。
148
暫
(
しばら
)
くあつて、
149
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
の
顔
(
かほ
)
を
熟視
(
じゆくし
)
した
上
(
うへ
)
、
150
日の出神(に化けた大国彦)
『
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
151
汝
(
なんぢ
)
は
松代姫
(
まつよひめ
)
、
152
竹野姫
(
たけのひめ
)
、
153
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
に
相違
(
さうゐ
)
なきや。
154
去年
(
きよねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
、
155
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
より
松
(
まつ
)
、
156
竹
(
たけ
)
、
157
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
なりと
申
(
まを
)
し
立
(
た
)
て、
158
本城
(
ほんじやう
)
に
送
(
おく
)
り
来
(
きた
)
れる
三五教
(
あななひけう
)
の
松
(
まつ
)
、
159
竹
(
たけ
)
、
160
梅
(
うめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
比
(
くら
)
ぶれば、
161
容貌
(
ようばう
)
骨格
(
こつかく
)
その
他
(
た
)
において
非常
(
ひじやう
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
点
(
てん
)
あり。
162
汝
(
なんぢ
)
は
果
(
はた
)
して
松
(
まつ
)
、
163
竹
(
たけ
)
、
164
梅
(
うめ
)
に
相違
(
さうゐ
)
なきや』
165
松竹梅の三人
『
妾
(
わらは
)
等
(
ら
)
は
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
の
城主
(
じやうしゆ
)
正鹿
(
まさか
)
山津見
(
やまづみの
)
神
(
かみ
)
の
娘
(
むすめ
)
、
166
松
(
まつ
)
、
167
竹
(
たけ
)
、
168
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
に
相違
(
さうゐ
)
これなく
候
(
さふらふ
)
。
169
妾
(
わらは
)
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
170
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
て
常世城
(
とこよじやう
)
に
捕
(
とら
)
はれし
事
(
こと
)
もなければ、
171
従
(
したが
)
つて
本城
(
ほんじやう
)
に
来
(
きた
)
りし
事
(
こと
)
もなし。
172
何
(
なに
)
かの
間違
(
まちが
)
ひにはおはさずや』
173
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み、
174
首
(
かうべ
)
を
傾
(
かたむ
)
け
思案
(
しあん
)
に
沈
(
しづ
)
む。
175
固山彦
(
かたやまひこ
)
『モシ、
176
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
、
177
昨年
(
さくねん
)
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
より
送
(
おく
)
り
来
(
きた
)
りし
松
(
まつ
)
、
178
竹
(
たけ
)
、
179
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
180
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
の
如
(
ごと
)
く
何時
(
いつ
)
とはなしにこの
警護
(
けいご
)
厳
(
きび
)
しき
中
(
なか
)
を
煙
(
けむり
)
の
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
りしは、
181
要
(
えう
)
するに
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
広国別
(
ひろくにわけ
)
が
妖術
(
えうじゆつ
)
にて、
182
彼
(
かれ
)
は
表面
(
へうめん
)
貴下
(
きか
)
に
随従
(
ずゐじう
)
する
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
せかけ、
183
密
(
ひそ
)
かに
天教山
(
てんけうざん
)
に
款
(
くわん
)
を
通
(
つう
)
じ、
184
貴下
(
きか
)
等
(
ら
)
の
計画
(
けいくわく
)
を
根底
(
こんてい
)
より
覆
(
くつが
)
へさむとするの
悪辣
(
あくらつ
)
なる
計略
(
けいりやく
)
を
企
(
たく
)
みをる
者
(
もの
)
。
185
拙者
(
せつしや
)
はその
計略
(
けいりやく
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
を
存
(
ぞん
)
じをれば、
186
広国別
(
ひろくにわけ
)
に
迫
(
せま
)
つて、
187
その
不都合
(
ふつがふ
)
を
詰責
(
きつせき
)
せし
処
(
ところ
)
、
188
広国別
(
ひろくにわけ
)
は
終
(
つひ
)
に
兜
(
かぶと
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、
189
賤
(
いや
)
しき
門番
(
もんばん
)
の
固虎
(
かたとら
)
をして
口
(
くち
)
ふさぎのため
重職
(
ぢうしよく
)
を
授
(
さづ
)
けたるは、
190
全
(
まつた
)
くその
奸計
(
かんけい
)
の
他
(
た
)
に
洩
(
も
)
れざらむがための
彼
(
かれ
)
の
術策
(
じゆつさく
)
。
191
昨冬
(
さくとう
)
松
(
まつ
)
、
192
竹
(
たけ
)
、
193
梅
(
うめ
)
と
称
(
しよう
)
したるは、
194
広国別
(
ひろくにわけ
)
が
魔術
(
まじゆつ
)
によつて
現
(
あら
)
はれたる
悪狐
(
あくこ
)
の
所為
(
しよゐ
)
なれば、
195
必
(
かなら
)
ず
御
(
ご
)
油断
(
ゆだん
)
あつてはなりませぬ』
196
と
言葉
(
ことば
)
巧
(
たくみ
)
に
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
てたり。
197
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
はこれを
聞
(
き
)
くとともに、
198
怒髪天
(
どはつてん
)
を
衝
(
つ
)
き、
199
日の出神(に化けた大国彦)
『ヤアヤア
逆国別
(
さかくにわけ
)
、
200
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
家来
(
けらい
)
を
差
(
さ
)
し
向
(
む
)
け、
201
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
を
召捕
(
めしと
)
りかへれ』
202
と
大音声
(
だいおんじやう
)
に
呼
(
よば
)
はれば、
203
逆国別
『ハイ』
204
と
答
(
こた
)
へて
逆国別
(
さかくにわけ
)
はその
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
205
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
命
(
めい
)
の
まに
まに
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
部下
(
ぶか
)
を
引率
(
ひきつ
)
れ、
206
常世城
(
とこよじやう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
207
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り、
208
あわただしく
出張
(
しゆつちやう
)
する。
209
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
申上
(
まをしあ
)
げます。
210
実
(
じつ
)
に
油断
(
ゆだん
)
のならぬは
人心
(
ひとごころ
)
、
211
一切
(
いつさい
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
打明
(
うちあ
)
け、
212
御
(
ご
)
信任
(
しんにん
)
浅
(
あさ
)
からざる
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
広国別
(
ひろくにわけ
)
は、
213
かかる
腹黒
(
はらぐろ
)
き
者
(
もの
)
とは
思
(
おも
)
はれなかつたでせう。
214
吾々
(
われわれ
)
も
初
(
はじ
)
めて
固虎彦
(
かたとらひこ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
きまして
驚
(
おどろ
)
きました。
215
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
かけによらぬものとは、
216
よく
言
(
い
)
つたものですワ』
217
日の出神(に化けた大国彦)
『さうだ、
218
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
かけによらぬものだ。
219
醜国別
(
しこくにわけ
)
が
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
となつて
三五教
(
あななひけう
)
のウラを
かき
、
220
広国別
(
ひろくにわけ
)
が
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
となつて
此
(
この
)
方
(
はう
)
のウラを
かき
、
221
天教山
(
てんけうざん
)
に
款
(
くわん
)
を
通
(
つう
)
ずるのも
同
(
おな
)
じ
道理
(
だうり
)
だ。
222
敵
(
てき
)
の
中
(
なか
)
にも
味方
(
みかた
)
あり、
223
味方
(
みかた
)
の
中
(
なか
)
にも
敵
(
てき
)
ありとはこの
事
(
こと
)
だのう』
224
淤縢山津見
『
私
(
わたくし
)
を
信
(
しん
)
じて
下
(
くだ
)
さいますか』
225
固山彦
(
かたやまひこ
)
『
吾々
(
われわれ
)
が
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
であつたら、
226
容易
(
ようい
)
に
信
(
しん
)
じないなア。
227
ハヽヽヽヽヽ』
228
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
『
固虎
(
かたとら
)
さま、
229
あまり
口
(
くち
)
が
過
(
す
)
ぎますよ。
230
あなた、
231
そんな
顔
(
かほ
)
して
居
(
を
)
つて、
232
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
の
三五教
(
あななひけう
)
に
款
(
くわん
)
を
通
(
つう
)
じてゐるのでせう。
233
アハヽヽヽヽ』
234
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
(に化けた大国彦)
『
何
(
なん
)
だか
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らぬやうになつて
来
(
き
)
た。
235
狐
(
きつね
)
につままれたやうだワイ』
236
(
大正一一・二・二三
旧一・二七
桜井重雄
録)
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【第17章 乱れ髪|第10巻|霊主体従|霊界物語|/rm1017】
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