霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一八章 常世(とこよ)馬場(ばんば)〔四四八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻 篇:第1篇 千軍万馬 よみ(新仮名遣い):せんぐんばんば
章:第18章 常世馬場 よみ(新仮名遣い):とこよばんば 通し章番号:448
口述日:1922(大正11)年02月23日(旧01月27日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年8月20日
概要: 舞台:常世城 あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
常世城では門番たちが、のんきに話しにふけっていた。そこへ、ロッキー山からやってきた逆国別が到着した。
門を開けさせた逆国別は、城の出入り口を兵士たちに見晴らせて、乗馬のまま中門を潜り進んで行く。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-09-15 02:34:47 文字数:2661 OBC :rm1018
愛善世界社版:142頁 八幡書店版:第2輯 442頁 修補版: 校定版:149頁 普及版:67頁 初版: ページ備考:
001 春日(はるひ)に照(て)れる常世城(とこよじやう)、002霞(かすみ)棚引(たなび)く天守閣(てんしゆかく)、003ロッキー山(ざん)とロッキー城(じやう)、004常世(とこよ)の城(しろ)の三(み)つ葵(あふひ)、005日(ひ)の出神(でのかみ)の自在天(じざいてん)、006大国彦(おほくにひこ)の疑(うたが)ひ受(う)けしとは露白旗(つゆしらはた)の、007ばたばた風(かぜ)に翻(ひるが)へる、008様子(やうす)も知(し)らぬ門番(もんばん)は広(ひろ)き馬場(ばんば)の芝生(しばふ)の上(うへ)に、009身(み)を横(よこ)たへて雑談(ざつだん)に耽(ふけ)り居(ゐ)る。010高彦(たかひこ)は、
011高彦『オイ倉彦(くらひこ)、012去年(きよねん)の冬(ふゆ)だつたかねえ、013松(まつ)、014竹(たけ)、015梅(うめ)の天女(てんによ)のやうな宣伝使(せんでんし)がやつて来(き)て、016常世(とこよ)神王(しんわう)さまが、017ほくほくもので、018終(おしまひ)には逆上(のぼせあが)つて門番(もんばん)の縮尻(しくじ)つた奴(やつ)を重役(ぢゆうやく)にしたり、019一生(いつしやう)懸命(けんめい)に働(はたら)いた立派(りつぱ)なお役人(やくにん)を門番(もんばん)に昇級(しようきふ)さしたり、020照彦(てるひこ)といふ化物(ばけもの)が出(で)て来(き)て荒(あ)れ廻(まは)す、021月(つき)、022雪(ゆき)、023花(はな)と云(い)ふ途方(とはう)途轍(とてつ)もない別嬪(べつぴん)がやつて来(き)て、024この広(ひろ)い常世(とこよ)の城(しろ)は、025日々(にちにち)百花(ひやくくわ)爛漫(らんまん)たる弥生(やよひ)の陽気(やうき)に満(み)ちて、026糸竹(しちく)管絃(くわんげん)の響(ひび)きに、027吾々(われわれ)も耳(みみ)の穴(あな)の掃除(さうぢ)をしたものだが、028コロリ転変(てんぺん)の世(よ)の中(なか)、029城(しろ)の中(なか)だと思(おも)うて居(ゐ)たら、030神王(しんわう)さまを始(はじ)め、031吾々(われわれ)迄(まで)が、032この馬場(ばんば)だつたね、033夜露(よつゆ)に曝(さら)されて馬鹿(ばか)を見(み)たことがある。034狐(きつね)の声(こゑ)が、035彼方(あちら)にも此方(こちら)にもコンコン、036クワイクワイ聞(きこ)えると思(おも)へば、037駕籠(かご)に乗(の)つて来(き)た照彦(てるひこ)も、038六(ろく)人(にん)の娘(むすめ)も煙(けむり)になつて消(き)えてしまふなり、039怪体(けつたい)な事(こと)があつたものだ[※第10巻第5章「狐々怪々」章末のエピソード]。040横歩(よこある)きの上手(じやうず)な蟹彦(かにひこ)奴(め)が、041豪(えら)さうに竹島彦(たけしまひこ)と名乗(なの)つて、042沢山(たくさん)の軍隊(ぐんたい)を引率(いんそつ)して黄泉島(よもつじま)へ出陣(しゆつぢん)する、043まるで世(よ)の中(なか)はクラリ転変(てんぺん)だ。044又(また)あんな事(こと)があると、045門番(もんばん)だつて馬鹿(ばか)にならぬワ。046待(ま)てば海路(うなぢ)の風(かぜ)があると云(い)ふ事(こと)だ。047ロッキー山(ざん)も常世城(とこよじやう)も皆(みな)出陣(しゆつじん)して仕舞(しま)つて、048後(あと)に人物(じんぶつ)が払底(ふつてい)と来(き)て居(ゐ)るのだから、049きつと選抜(せんばつ)されて高彦(たかひこ)が鷹取別(たかとりわけ)におなり遊(あそ)ばすかも知(し)れないよ』
050倉彦(くらひこ)『貴様(きさま)、051日(ひ)が永(なが)いので夢(ゆめ)でも見(み)て居(ゐ)るのか。052高彦(たかひこ)が鷹取別(たかとりわけ)になつて、053化物(ばけもの)の火(ひ)の玉(たま)に鼻(はな)を挫(くじ)かれて、054鼻(はな)ビシヤゲ彦(ひこ)となるも面白(おもしろ)からう』
055高彦『何(なに)、056鼻(はな)位(くらゐ)べしやげたつて構(かま)ふものか、057鷹取別(たかとりわけ)は矢張(やは)り鷹取別(たかとりわけ)ぢや。058三軍(さんぐん)の将(しやう)として威風(ゐふう)堂々(だうだう)四辺(あたり)を払(はら)ひ、059黄泉島(よもつじま)に数多(あまた)の軍(ぐん)を引率(いんそつ)して出(で)た美々(びび)しい姿(すがた)は、060この高彦(たかひこ)の目(め)から見(み)ても実(じつ)に羨望(せんばう)の至(いた)りだつたよ』
061倉彦『欲(よく)の熊高彦(くまたかひこ)、062股(また)裂(さ)けると云(い)ふ事(こと)を知(し)つて居(ゐ)るかい』
063高彦『めくらの、064ぼんくらの、065なまくら彦(ひこ)、066何(なに)を吐(ぬか)しよるのだ。067人(ひと)の出世(しゆつせ)は運(うん)にあるのだ。068俺(おれ)の運(うん)が貴様(きさま)に分(わか)るか』
069倉彦『貴様(きさま)のウンを知(し)らぬものがあるかい。070この間(あひだ)も雪隠(せつちん)に行(ゆ)くのが邪魔(じやま)くさいと云(い)ひよつて、071橋(はし)の袂(たもと)で行灯(あんど)のかきたて坊子(ばうし)のやうな形(かたち)をした、072どえらい左巻(ひだりまき)を垂(た)れたぢやないか。073沢山(たくさん)の金蠅(きんばへ)が出(で)て来(き)よつて、074ブンブンと黒(くろ)くなるほどたかつて居(ゐ)た。075貴様(きさま)は鷹取別(たかとりわけ)ぢやないはへたかり彦(ひこ)の糞野郎(くそやらう)だなア』
076高彦『困(こま)つた奴(やつ)だなア。077運(うん)と云(い)ふ事(こと)はそんなものぢやないワイ』
078倉彦『それなら何(なん)だ』
079高彦『運(うん)と云(い)うたら、080雲(くも)の上(うへ)まで出世(しゆつせ)をする事(こと)だ。081それにどんな望(のぞ)みでも、082ここの大将(たいしやう)の常世(とこよ)神王(しんわう)さまが諾(うん)と云(い)つたら最後(さいご)、083あの横歩(よこある)きの糞垂腰(ばばたれごし)の蟹彦(かにひこ)でも上役(うはやく)になつたぢやないか。084どうだ分(わか)つたか、085運(うん)の因縁(いんねん)が』
086倉彦『あゝさうか、087ウンと云(い)へば出世(しゆつせ)が出来(でき)るのだな。088それなら貴様(きさま)を常世(とこよ)神王(しんわう)の上役(うはやく)、089脇立(わきだち)にしてやらう、090ウン、091ウン、092ウン』
093高彦『何(なん)だ、094雪隠(せつちん)に這入(はい)つて跨(また)げたやうな声(こゑ)を出(だ)しよつて、095そんな運(うん)が何(なん)になるか』
096 かく雑談(ざつだん)に耽(ふけ)る折(をり)しも、097数十騎(すうじつき)の馬(うま)に跨(またが)り、098此方(こなた)に向(むか)つて勢(いきほひ)よく進(すす)み来(きた)る者(もの)あり。
099二人『イヨー、100ロッキー城(じやう)から又(また)何(なん)だか上使(じやうし)がやつて来(き)たぞ。101かうしては居(を)られない、102早(はや)く這入(はい)つて門(もん)を閉(し)めるのだ』
103と二人(ふたり)は狼狽(あわ)てて門(もん)の内(うち)に飛(と)び込(こ)み、104閂(かんぬき)をがたりと入(い)れ、
105高彦(たかひこ)『サア、106運(うん)の開(ひら)け口(ぐち)だ。107この門(もん)開(ひら)けといつたが最後(さいご)、108ウンと云(い)うて開(ひら)くのだよ』
109倉彦(くらひこ)『オイオイ、110さう心(こころ)易(やす)く開(ひら)いちや価値(かち)がないぞ。111蟹彦(かにひこ)のやうに出世(しゆつせ)をしようと思(おも)へば、112力(ちから)一(いつ)ぱい、113頑張(ぐわんば)つて見(み)るのだ』
114 かかる所(ところ)へ、115逆国別(さかくにわけ)は数多(あまた)の部下(ぶか)を引(ひ)き連(つ)れ門前(もんぜん)に現(あら)はれ、
116逆国別『ロッキー山(ざん)の館(やかた)の姫神(ひめがみ)伊諾冊(いざなみの)大神(おほかみ)、117ロッキー城(じやう)の御(おん)大将(たいしやう)日(ひ)の出神(でのかみ)の御(ご)上使(じやうし)逆国別(さかくにわけ)、118常世(とこよ)神王(しんわう)に急用(きふよう)あり、119一(いち)時(じ)も早(はや)くこの門(もん)を開(ひら)け』
120二人(ふたり)『ヤア、121お出(い)でたお出(い)でた、122いよいよ運(うん)の開(ひら)け口(ぐち)、123これだから辛(つら)い門番(もんばん)も辛抱(しんばう)せいと云(い)ふのだ。124犬(いぬ)も歩(ある)けば棒(ぼう)に当(あた)る』
125と訳(わけ)も知(し)らずに喜(よろこ)んで居(ゐ)る。126門外(もんぐわい)よりは声(こゑ)高(たか)く、
127逆国別『ヤア、128何故(なぜ)この門(もん)開(あ)けぬか、129門番(もんばん)は眠(ねむ)つて居(ゐ)るのか』
130高彦(たかひこ)『オー、131ロッキー山(ざん)の上使(じやうし)とかや、132大切(たいせつ)なる役目(やくめ)を蒙(かうむ)るこの門番(もんばん)、133昼(ひる)の日中(ひなか)に眠(ねむ)る奴(やつ)があつて耐(たま)らうか。134何程(なにほど)立派(りつぱ)な御(ご)上使(じやうし)でも、135此(この)門(もん)の開(あ)け閉(た)ては、136門番(もんばん)の権利(けんり)だ。137頭(あたま)ごなしに呶鳴(どな)り立(た)てな、138駄目(だめ)だぞ』
139倉彦(くらひこ)『オイ、140もつとカスリ声(ごゑ)を出(だ)さぬか。141そんな間抜(まぬ)けた、142竹筒(たけづつ)を吹(ふ)いたやうな声(こゑ)では、143おちこぼれがないぞ。144底抜(そこぬ)け野郎(やらう)』
145 門外(もんぐわい)より、
146逆国別『早(はや)く開(あ)けよ、147時(とき)が迫(せま)つた』
148と頻(しき)りに叩(たた)く。149両人(りやうにん)は、
150二人『オイ、151兎(と)も角(かく)開(あ)けての上(うへ)の御(ご)分別(ふんべつ)だ』
152と閂(かんぬき)を外(はづ)し、153左右(さいう)にパツと表門(おもてもん)を開(ひら)く。154逆国別(さかくにわけ)は乗馬(じやうば)の侭(まま)門(もん)を潜(くぐ)り入(い)り、
155逆国別『ホー、156皆(みな)の者(もの)、157常世城(とこよじやう)の東西(とうざい)南北(なんぼく)の鉄門(かなど)を警護(けいご)致(いた)せ。158一(いち)人(にん)たりとも見(み)のがしてはならぬぞ』
159と云(い)ひ捨(す)て、160ドシドシ中門(なかもん)に向(むか)つて進(すす)み入(い)る。161高(たか)、162倉(くら)は後(あと)追(お)つかけ、163一生(いつしやう)懸命(けんめい)に馬(うま)の尻尾(しつぽ)に縋(すが)りつき、
164高彦(たかひこ)『モシモシ、165逆国別(さかくにわけ)さま、166みだりに中門(なかもん)を潜(くぐ)る事(こと)は出来(でき)ませぬ』
167逆国別(さかくにわけ)『上使(じやうし)に向(むか)つて不都合(ふつがふ)千万(せんばん)、168退(さが)れツ』
169馬(うま)『ヒンヒン、170ブウブウブウ』
171倉彦(くらひこ)『ヤア、172馬鹿(ばか)にしやがる、173臭(くさ)い屁(へ)を嗅(か)がしよつて、174日(ひ)に三升(さんじよう)のくづ豆(まめ)喰(くら)ひ、175十六文(じふろくもん)で二足(にそく)の履(くつ)穿(は)きよつて、176この倉彦(くらひこ)さまに屁(へ)をくらはし、177音高彦(おとたかひこ)さまとは洒落(しやれ)てけつかる。178モシモシ御(ご)上使(じやうし)、179物(もの)を註文(ちゆうもん)する時(とき)には前金(ぜんきん)が要(い)りますぜ。180あなたが中門(なかもん)を開(ひら)けと仰有(おつしや)るなら、181此方(こちら)にも註文(ちゆうもん)がある』
182 かくする内(うち)、183中門(なかもん)はサラリと開(ひら)いた。184逆国別(さかくにわけ)は乗馬(じやうば)のまま中門(なかもん)を潜(くぐ)らむとする。185高彦(たかひこ)、186倉彦(くらひこ)は頓狂(とんきやう)な声(こゑ)を出(だ)して、
187二人『ヤア、188この門(もん)みだりに入(い)るべからず。189下馬(げば)下乗(げじやう)だツ、190下(さが)れツ』
191と呶鳴(どな)りつけるを、192逆国別(さかくにわけ)は数人(すうにん)の家来(けらい)と共(とも)に、193委細(ゐさい)かまはず奥(おく)へ奥(おく)へと進(すす)み入(い)る。
194高彦(たかひこ)『たうとう我慢(がまん)の強(つよ)い、195這入(はい)つて仕舞(しま)ひよつた』
196倉彦(くらひこ)『門番(もんばん)の権威(けんゐ)もよい加減(かげん)なものだなア。197貴様(きさま)の云(い)ふ通(とほ)り、198倉彦(くらひこ)が照山彦(てるやまひこ)で、199貴様(きさま)が鷹取別(たかとりわけ)になるかも知(し)れないぞ。200まア、201そんな心配(しんぱい)らしい顔(かほ)をすな。202ヨウヨウ、203門(もん)を閉(し)め置(お)かないものだから、204吾々(われわれ)に無断(むだん)で駕籠(かご)が三(みつ)つも這入(はい)つて来(き)よる。205また昨年(さくねん)の冬(ふゆ)のやうに、206松(まつ)、207竹(たけ)、208梅(うめ)の化物(ばけもの)かも知(し)れないぞ』
209高彦『これが出世(しゆつせ)の導(みちび)きだ。210昨年(さくねん)もさうだつたらう。211三(さん)人(にん)の女(をんな)が来(き)て、212次(つぎ)に強(つよ)い照彦(てるひこ)がやつて来(き)て暴(あば)れよつて、213その後(あと)へまた三(さん)人(にん)の綺麗(きれい)な女(をんな)が這入(はい)つて来(き)ただろう。214その時(とき)の騒動(さうだう)のお蔭(かげ)で、215蟹彦(かにひこ)の奴(やつ)、216今(いま)は立派(りつぱ)な三軍(さんぐん)の将(しやう)となりよつたのだ。217うまいうまい』
218と云(い)ひながら門(もん)をぴしやりと閉(し)め、219閂(かんぬき)をおろし、
220高彦『サアサア、221これから次(つぎ)の幕(まく)だ。222また強(つよ)い奴(やつ)が破(やぶ)つて這入(はい)つて来(く)るまで、223開(あ)けてはならないぞ』
224 この時(とき)何処(いづく)ともなく、225破鐘(われがね)のやうな声(こゑ)がして、
226声『天狗(てんぐ)の鼻高彦(はなたかひこ)、227心(こころ)の目倉彦(めくらひこ)、228今(いま)に運(うん)が開(ひら)かぬぞよ。229ウワハヽヽヽ』
230 二人(ふたり)は思(おも)はず声(こゑ)する方(はう)に向(むか)つて仰天(ぎやうてん)したり。
231(大正一一・二・二三 旧一・二七 加藤明子録)
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