霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 水火訓(すゐくわくん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第1篇 日本より奉天まで よみ(新仮名遣い):にっぽんよりほうてんまで
章:第1章 水火訓 よみ(新仮名遣い):すいかくん 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月15日(旧06月26日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1935(昭和10)年4月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
国照姫は国祖大神の勅により、水を持って天下の生きとし生けるものに洗礼を施そうと、明治二十五年から、霊地綾部の里で神の教えを伝えていた。
水とは、自然界の生物を育てる資料なのであって、水洗礼とはつまり、天界の基礎である自然界・現実界をまず正して行く、ということである。
国祖・国常立尊の大神霊は、稚姫君命の精霊に御霊を充たして、予言者国照姫の肉体に降りて来た。こうして国祖は間接内流の方式により、過去・現在・未来の有様を概括的に伝授したのである。これが一万巻の筆先(神諭)となった。
この神諭は、現世界の肉体人を教え導き、安らかな生活、飢病戦のない黄金世界を建造するための神業である。これを称して、水洗礼というのである。
国照姫の役割は、後からやってくる救世主出現の基礎を作るため、先駆者として神命によって地上に出現したのである。
国照姫のみならず、今日まで世の中に現れていた予言者や救世主はいずれも、自然界を主となし霊界を従として、地上の人間に天界の教えの一部を伝達していたのである。
しかしながら今日は人間の精神界は混乱し、無神論さえ唱える輩も現れた。水洗礼のみでは安心を得ることができなくなってきた。
そこで火の洗礼である霊界の消息を如実に現して、世界人類を覚醒させる必要に迫られたがために、言霊別の精霊を、地上の予言者の体に下されたのである。
火の洗礼とは、霊主体従的な神業のことである。霊界を主となし、現界を従とした教理のことである。
ここにいよいよ火の洗礼を施すべく、源日出雄の肉体は言霊別の精霊を宿し、真澄別は治国別の精霊を宿し、神業完成のために、未開の地から神の教えの種を植え付けようと、神命によって活動を始めたのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考:2023/12/25出口王仁三郎全集第6巻をもとに校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-12-28 12:32:33 文字数:2974 OBC :rmnm01
愛善世界社版:5頁 八幡書店版:第14輯 549頁 修補版: 校定版:5頁 普及版: 初版: ページ備考:
001神(かみ)の稜威(みいづ)も高熊山(たかくまやま)の
002山(やま)の麓(ふもと)に生(うま)れたる
003神徳(しんとく)四方(よも)に三葉彦(みつばひこ)
004神(かみ)の精霊(せいれい)を相宿(あひやど)し
005黄金(わうごん)世界(せかい)を開(ひら)かむと
006こがねの鶏(にはとり)黎明(れいめい)を
007告(つ)ぐる夕(ゆふべ)の月(つき)の空(そら)
008干支(えと)に因(ちな)みし十二(じふに)の日(ひ)
009小判(こばん)千(せん)両(りやう)掘出(ほりだ)して
010神(かみ)の御国(みくに)に献(たてまつ)り
011三千(さんぜん)世界(せかい)の蒼生(さうせい)を
012浦安国(うらやすくに)の心安(うらやす)き
013天国(てんごく)浄土(じやうど)に救(すく)はむと
014一(ひと)二(ふた)三(みい)四(よ)五(いつ)つ六(む)つ
015七(なな)つの春(はる)の弥生空(やよひぞら)
016富士(ふじ)の高根(たかね)に仕(つか)へたる
017松岡(まつをか)神使(しんし)が現(あら)はれて
018朝(あさ)な夕(ゆふ)なに身魂(みたま)をば
019守(まも)らせ玉(たま)ひ二十(はたち)まり
020八(やつ)つの御年(みとし)も如月(きさらぎ)の
021白梅(しらうめ)かほる夕月夜(ゆうづくよ)
022うづの霊地(れいち)に伴(ともな)ひて
023現幽神(げんいうしん)の三界(さんがい)の
024其(その)真相(しんさう)をつばらかに
025すべての業(なりはひ)放擲(はうてき)し
026不二(ふじ)の神山(みやま)に参(まひ)まうで
027神(かみ)のみゐづを身(み)に受(う)けて
028心(こころ)の色(いろ)も丹波(あかなみ)の
029再(ふたた)び郷里(くに)に立返(たちかへ)り
030西(にし)や東(ひがし)や北(きた)南(みなみ)
031神(かみ)のまにまに全国(ぜんこく)に
032教(をしへ)を伝達(でんたつ)したりけり
033明治(めいぢ)は三十一(さんじふいち)年(ねん)の
034文月(ふみづき)下旬(げじゆん)となりければ
035神(かみ)の御言(みこと)を畏(かしこ)みて
036西北(せいほく)さして出(い)でてゆく
037西(にし)の御空(みそら)を眺(なが)むれば
038半国山(はんごくさん)は巍然(すくすく)と
039雲(くも)を圧(あつ)して聳(そび)えたち
040東(ひがし)に愛宕(あたご)の霊峰(れいほう)は
041城丹(じやうたん)両国(りやうごく)睥睨(へいげい)し
042南(みなみ)に妙見(めうけん)聳(そび)え立(た)ち
043北(きた)に帝釈(たいしやく)大悲山(だいひざん)
044などの峻峯(しゆんぽう)青垣(あをがき)を
045めぐらす中(なか)の穴太(あなを)より
046北(きた)へ北(きた)へと歩(ほ)を運(はこ)ぶ
047浮世(うきよ)はなれし坊主池(ばうずいけ)
048心(こころ)も高砂池(たかさごいけ)の辺(べ)を
049辿(たど)りて数多(あまた)の信徒(まめひと)を
050救(すく)ひやらむと只(ただ)一人(ひとり)
051小松林(こまつばやし)の神霊(しんれい)に
052送(おく)られ乍(なが)ら進(すす)み行(ゆ)く
053小林(こばやし)小河(をがは)鷹林(たかばやし)
054千原(ちはら)川関(かはぜき)のりこえて
055虎天堰(とらてんぜき)に来(き)てみれば
056並木(なみき)の松(まつ)の片(かた)ほとり
057いとも小(ちひ)さき一(ひと)つ家(や)が
058物淋(ものさび)しげに建(た)つてゐる
059渇(かつ)を医(い)せむと門(もん)の戸(と)を
060くぐつて茶湯(ちやゆ)を求(もと)むれば
061此(この)家(や)の妻(つま)と思(おも)はしき
062一人(ひとり)の婦人(ふじん)が現(あら)はれて
063かけた茶碗(ちやわん)を揺(ゆ)る様(やう)に
064ガチヤガチヤガチヤと喋(しやべ)り出(だ)す
065ガチヤガチヤ話(ばなし)を聞(き)きつけて
066やおら腰掛(こしかけ)はなれつつ
067船井(ふなゐ)の都会(とくわい)八木(やぎ)の町(まち)
068道(みち)の広瀬(ひろせ)や鳥羽(とば)の里(さと)
069風(かぜ)さへ暑(あつ)き室河原(むろがはら)
070小山(こやま)松原(まつばら)乗越(のりこ)えて
071花(はな)の園部(そのべ)に安着(あんちやく)し
072暫(しば)しはここに歩(ほ)をとどめ
073観音坂(くわんのんざか)や須知町(しうちまち)
074蒲生野(がまふの)こえて桧山(ひのきやま)
075歩(あゆ)みも一(いち)二(に)三(さん)の宮(みや)
076神歌(しんか)を歌(うた)ひ声(こゑ)さへも
077枯木峠(かれきとうげ)や榎山(ゑのきやま)
078大原(おほはら)神社(じんじや)を伏拝(ふしをが)み
079台頭(だいとう)須知山(すちやま)乗(のり)こえて
080風(かぜ)吹(ふ)きわたる小雲川(こくもがは)
081風(かぜ)にゆらるる並木松(なみきまつ)
082水無月(みなづき)神社(じんじや)を右(みぎ)に見(み)て
083国照姫(くにてるひめ)のあれませる
084裏町館(うらまちやかた)に着(つ)きにけり
085あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
086神(かみ)の使命(しめい)の重(おも)くして
087二十五(にじふご)年(ねん)の其(その)間(あひだ)[※王仁三郎が大本入りした明治32年(1899年)から入蒙する大正13年(1924年)までの満25年という意味か?]
088艱難(かんなん)辛苦(しんく)を堪(た)へ忍(しの)び
089時節(じせつ)来(きた)りて神業(しんげふ)の
090実現(じつげん)間際(まぎは)となりければ
091言霊別(ことたまわけ)の精霊(せいれい)を
092身魂(みたま)にみたし真澄別(ますみわけ)
093名田彦(なだひこ)守高(もりたか)両人(りやうにん)を
094添(そ)へていよいよ大海(たいかい)を
095渡(わた)り蒙古(もうこ)の大原野(だいげんや)
096神政(しんせい)成就(じやうじゆ)の先駆(さきがけ)と
097大活躍(だいくわつやく)を始(はじ)めたる
098神霊界(しんれいかい)の物語(ものがたり)
099時節(じせつ)来(きた)りて説(と)きそむる
100大国常立(おほくにとこたち)大御神(おほみかみ)
101神(かむ)素盞嗚(すさのを)の大御神(おほみかみ)
102恩頼(みたまのふゆ)をくだしまし
103うまらにつばらに真相(しんさう)を
104述(の)べさせ玉(たま)へと願(ね)ぎ奉(まつ)る。
105 国照姫(くにてるひめ)は国祖(こくそ)大神(おほかみ)の勅(ちよく)を受(う)け、106水(みづ)を以(もつ)て所在(あらゆる)天下(てんか)の蒼生(さうせい)にバプテスマを施(ほどこ)さむと、107明治(めいぢ)の二十五(にじふご)年(ねん)より、108神定(しんてい)の霊地(れいち)綾部(あやべ)の里(さと)に於(おい)て、109人間界(にんげんかい)の誤(あやま)れる行為(かうゐ)を矯正(けうせい)し、110地上(ちじやう)天国(てんごく)を建設(けんせつ)すべく、111其(その)先駆(せんく)として昼夜(ちうや)間断(かんだん)なく、112営々(えいえい)孜々(しし)として、113神教(しんけう)を伝達(でんたつ)された。114水(みづ)を以(もつ)て洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すといふは、115決(けつ)して朝夕(てうせき)清水(しみづ)を頭上(づじやう)よりあびる計(ばか)りを云(い)ふのではない。116自然界(しぜんかい)は凡(すべ)て形体(けいたい)の世界(せかい)であり、117生物(せいぶつ)は凡(すべ)て水(みづ)に仍(よ)つて発育(はついく)を遂(と)げてゐる。118水(みづ)は動植物(どうしよくぶつ)にとつて欠(か)く可(べ)からざる資料(しれう)であり、119生活(せいくわつ)の必要品(ひつえうひん)である。120現代(げんだい)は仁義(じんぎ)道徳(だうとく)廃頽(はいたい)し、121五倫(ごりん)五常(ごじやう)の道(みち)は盛(さかん)に叫(さけ)ばるると雖(いへど)も、122其(その)実行(じつかう)を企(くはだ)てたる者(もの)は絶(た)えてない。123神界(しんかい)に於(おい)ては先(ま)づ天界(てんかい)の基礎(きそ)たる現実界(げんじつかい)に向(むか)つて、124改造(かいざう)の叫(さけ)びをあげられたのである。125国常立(くにとこたちの)尊(みこと)の大神霊(だいしんれい)は精霊界(せいれいかい)にまします稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)の精霊(せいれい)に御(おん)霊(みたま)を充(み)たし、126予言者(よげんしや)国照姫(くにてるひめ)の肉体(にくたい)に来(きた)らしめ、127所謂(いはゆる)大神(おほかみ)は間接(かんせつ)内流(ないりう)の法式(はふしき)に依(よ)つて、128過去(くわこ)現在(げんざい)未来(みらい)の有様(ありさま)を概括(がいくわつ)的(てき)に伝達(でんたつ)せしめ玉(たま)ふたのが、129一万(いちまん)巻(ぐわん)の筆先(ふでさき)となつて現(あら)はれたのである。130此(この)神諭(しんゆ)は自然界(しぜんかい)に対(たい)し、131先(ま)づ第一(だいいち)人間(にんげん)の言語(げんご)動作(どうさ)を改(あらた)めしめ、132而(しか)して後(のち)深遠(しんゑん)微妙(びめう)なる真理(しんり)を万民(ばんみん)に伝(つた)へむが為(ため)の準備(じゆんび)をなさしめられたのである。133凡(すべ)て現世界(げんせかい)の肉体人(にくたいじん)を教(をし)へ導(みちび)き、134安逸(あんいつ)なる生活(せいくわつ)を送(おく)らしめ、135風水火(ふうすゐくわ)の災(わざはひ)も饑病戦(きびやうせん)の憂(うれひ)もなき様(やう)、136所謂(いはゆる)黄金(わうごん)世界(せかい)を建造(けんざう)せむとするの神業(かむわざ)を称(しよう)して水洗礼(みづせんれい)といふのである。
137 国照姫(くにてるひめ)の肉体(にくたい)は其(その)肉体(にくたい)の智慧(ちゑ)証覚(しようかく)の度合(どあひ)によつて、138救世主(きうせいしゆ)出現(しゆつげん)の基礎(きそ)を造(つく)るべく、139且(かつ)其(その)先駆者(せんくしや)として、140神命(しんめい)のまにまに地上(ちじやう)に出現(しゆつげん)されたのである。141国照姫(くにてるひめ)の命(みこと)のみならず、142今日(こんにち)迄(まで)世(よ)の中(なか)に現(あら)はれたる救世主(きうせいしゆ)又(また)は予言者(よげんしや)などは、143何(いづ)れも自然界(しぜんかい)を主(しゆ)となし、144霊界(れいかい)を従(じゆう)として、145地上(ちじやう)の人間(にんげん)に天界(てんかい)の教(をしへ)の一部(いちぶ)を伝達(でんたつ)してゐたのである。146釈迦(しやか)、147キリスト、148マホメツト、149孔子(こうし)、150孟子(もうし)其(その)他(た)世界(せかい)の所在(あらゆる)先哲(せんてつ)も、151皆(みな)神界(しんかい)の命(めい)をうけて地上(ちじやう)に現(あら)はれた者(もの)であるが、152霊界(れいかい)の真相(しんさう)は何時(いつ)も説(と)いてゐない。153釈迦(しやか)の如(ごと)きは稍(やや)霊界(れいかい)の消息(せうそく)を綿密(めんみつ)に説(と)いてゐるようではあるが、154何(いづ)れも比喩(ひゆ)や偶言(ぐうげん)、155謎(なぞ)等(とう)にて茫漠(ばうばく)たるものである。156其(その)実(じつ)、157未(いま)だ釈迦(しやか)と雖(いへども)、158天界(てんかい)の真相(しんさう)を説(と)くことを許(ゆる)されてゐなかつたのである。159キリストは、160吾(わが)弟子(でし)共(ども)より天国(てんごく)の状態(じやうたい)は如何(いか)に……と尋(たづ)ねられた時(とき)『地上(ちじやう)にあつて地上(ちじやう)のことさへも知(わか)らない人間(にんげん)に対(たい)し、161天国(てんごく)をといたとて、162どうして天国(てんごく)のことが受入(うけい)れられうぞ』と答(こた)へてゐる。163神(かみ)は時代(じだい)相応(さうおう)、164必要(ひつえう)に仍(よ)つて、165教(をしへ)を伝達(でんたつ)されるのであるから、166未(いま)だキリストに対(たい)して、167天国(てんごく)の真相(しんさう)を伝(つた)へられなかつたのである。168又(また)其(その)必要(ひつえう)を認(みと)めなかつたのである。169然(しか)るに今日(こんにち)は人智(じんち)漸(やうや)く進(すす)み、170物質(ぶつしつ)的(てき)科学(くわがく)は殆(ほとん)ど終点(しうてん)に達(たつ)し、171人心(じんしん)益々(ますます)不安(ふあん)に陥(おちい)り、172宇宙(うちう)の神霊(しんれい)を認(みと)めない者(もの)、173又(また)は神霊(しんれい)の有無(うむ)を疑(うたが)ふ者(もの)、174及(および)無神論(むしんろん)さへも称(とな)ふる様(やう)になつて来(き)た。175かかる精神界(せいしんかい)の混乱(こんらん)時代(じだい)に対(たい)し、176水洗礼(みづせんれい)たる今迄(いままで)の予言者(よげんしや)や救世主(きうせいしゆ)の教理(けうり)を以(もつ)ては、177到底(たうてい)成神(じやうしん)成仏(じやうぶつ)の域(いき)に達(たつ)し、178安心(あんしん)立命(りつめい)を心(こころ)から得(う)ることが出来(でき)なくなつたのである。179故(ゆゑ)に神(かみ)は現幽(げんいう)相応(さうおう)の理(り)に仍(よ)つて、180火(ひ)の洗礼(せんれい)たる霊界(れいかい)の消息(せうそく)を最(もつと)も適確(てきかく)に如実(によじつ)に顕彰(けんしやう)して、181世界(せかい)人類(じんるゐ)を覚醒(かくせい)せしむる必要(ひつえう)に迫(せま)られたので、182言霊別(ことたまわけ)の精霊(せいれい)を地上(ちじやう)の予言者(よげんしや)の体(からだ)に降(くだ)されたのである。
183 曾(かつ)てヨハネはヨルダン川(かは)に於(おい)て、184水(みづ)を以(もつ)て下民(げみん)に洗礼(せんれい)を施(ほどこ)してゐた時(とき)、185今後(こんご)来(きた)るべき者(もの)は我(われ)よりも大(だい)なる者(もの)である。186そして我(われ)は水(みづ)を以(もつ)て洗礼(せんれい)を施(ほどこ)し、187彼(かれ)は火(ひ)を以(もつ)て洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すと予言(よげん)してゐた[*「我よりも大なる者である。そして我は水を以て」の2ヶ所の「我」は底本(全集)通り。戦後の入蒙記(天声社や愛善世界社)では「吾」に修正されている。]。188それは所謂(いはゆる)キリストを指(さ)したのである。189併(しか)し乍(なが)らキリストはヨハネより水(みづ)の洗礼(せんれい)を受(う)け、190之(これ)より進(すす)んで天下(てんか)に向(むか)つて火(ひ)の洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すべく準備(じゆんび)してゐた時(とき)、191天意(てんい)に依(よ)つて、192火(ひ)の洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すに至(いた)らず、193遂(つひ)に十字架(じふじか)上(じやう)の露(つゆ)と消(き)えて了(しま)つたのである。194彼(かれ)は死後(しご)弟子(でし)共(ども)の前(まへ)に姿(すがた)を現(あら)はし、195山上(さんじやう)の遺訓(ゐくん)なるものを遺(のこ)したといふ。196併(しか)し此(この)遺訓(ゐくん)は何(いづ)れも現界人(げんかいじん)を信仰(しんかう)に導(みちび)く為(ため)の神諭(しんゆ)であつて、197決(けつ)して火(ひ)の洗礼(せんれい)ではない。198故(ゆゑ)に彼(かれ)は再(ふたた)び地上(ちじやう)に再臨(さいりん)して火(ひ)の洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すべく誓(ちか)つて昇天(しようてん)したのである。199火(ひ)の洗礼(せんれい)と云(い)つても東京(とうきやう)の大震災(だいしんさい)、200大火災(だいくわさい)の如(ごと)きものを云(い)ふのではない。201大火災(だいくわさい)は物質界(ぶつしつかい)の洗礼(せんれい)であるから、202之(これ)は矢張(やは)り水(みづ)の洗礼(せんれい)といふべきものである。203火(ひ)の洗礼(せんれい)は霊主(れいしゆ)体従(たいじう)的(てき)神業(しんげふ)であつて、204霊界(れいかい)を主(しゆ)となし、205現界(げんかい)を従(じう)となしたる教理(けうり)であり、206水(みづ)の洗礼(せんれい)は体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)といつて、207現界人(げんかいじん)の行為(かうゐ)を主(しゆ)とし、208死後(しご)の霊界(れいかい)を従(じゆう)となして説(と)き初(はじ)めた教(をしへ)である。209故(ゆゑ)に水洗礼(みづせんれい)に偏(へん)するも正鵠(せいかう)を得(え)たものでないと共(とも)に、210火洗礼(ひせんれい)の教(をしへ)に偏(へん)するも亦(また)正鵠(せいかう)を得(え)たものでない。211要(えう)するに霊(れい)が主(しゆ)となるか、212体(たい)が主(しゆ)となるかの差異(さゐ)があるのみである。
213 茲(ここ)にいよいよ火(ひ)の洗礼(せんれい)を施(ほどこ)すべき源(みなもと)日出雄(ひでを)の肉体(にくたい)は言霊別(ことたまわけ)の精霊(せいれい)を宿(やど)し、214真澄別(ますみわけ)は治国別(はるくにわけ)の精霊(せいれい)を其(その)肉体(にくたい)に充(み)たし、215神業(しんげふ)完成(くわんせい)の為(ため)に、216野蛮(やばん)未開(みかい)の地(ち)より神教(しんけう)の種子(たね)を植付(うゑつ)けむと、217神命(しんめい)に仍(よ)つて活動(くわつどう)したのである。218あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸(ち)はへませ。
219(大正一四、八、一五、松村真澄筆録)
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