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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
特別編 入蒙記
第1篇 日本より奉天まで
第1章 水火訓
第2章 神示の経綸
第3章 金剛心
第4章 微燈の影
第5章 心の奥
第6章 出征の辞
第7章 奉天の夕
第2篇 奉天より洮南へ
第8章 聖雄と英雄
第9章 司令公館
第10章 奉天出発
第11章 安宅の関
第12章 焦頭爛額
第13章 洮南旅館
第14章 洮南の雲
第3篇 洮南より索倫へ
第15章 公爺府入
第16章 蒙古の人情
第17章 明暗交々
第18章 蒙古気質
第19章 仮司令部
第20章 春軍完備
第21章 索倫本営
第4篇 神軍躍動
第22章 木局収ケ原
第23章 下木局子
第24章 木局の月
第25章 風雨叱咤
第26章 天の安河
第27章 奉天の渦
第28章 行軍開始
第29章 端午の日
第30章 岩窟の奇兆
第5篇 雨後月明
第31章 強行軍
第32章 弾丸雨飛
第33章 武装解除
第34章 竜口の難
第35章 黄泉帰
第36章 天の岩戸
第37章 大本天恩郷
第38章 世界宗教聯合会
第39章 入蒙拾遺
附 入蒙余録
大本の経綸と満蒙
世界経綸の第一歩
蒙古建国
蒙古の夢
神示の世界経綸
余白歌
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> 第5篇 雨後月明 > 第39章 入蒙拾遺
<<< 世界宗教聯合会
(B)
(N)
大本の経綸と満蒙 >>>
第三九章
入蒙
(
にふもう
)
拾遺
(
しふゐ
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記
篇:
第5篇 雨後月明
よみ(新仮名遣い):
うごげつめい
章:
第39章 入蒙拾遺
よみ(新仮名遣い):
にゅうもうしゅうい
通し章番号:
口述日:
1925(大正14)年08月
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年2月14日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
張作霖は、第二次奉直戦が意外に早く始まったので、いまさらのごとく盧占魁を処刑してしまったことを悔いたと伝えた。
パインタラの前夜に身をもって逃れた劉陞山は奉直戦のさなかに大連に逃れ、さらに日本に渡って綾部に身を寄せていた。その後奉天の日本租界に身を潜めて使命が下るのを待っている。隆光彦が支那にわたった際に訪問すると、たいへんな歓迎を受けたとのことだ。
真澄別が北京に滞在中、王昌輝、揚巨芳、包春亭、金翔宇らがたずねてきた。いずれも、索倫の司令部に参じていた人々である。
王昌輝は河南軍に身を投じていた。盧占魁の最期の様子を伝え、またパインタラの結果について悔しがり、必ずいつか目覚しい結果を照覧するからと、日出雄への取り成しを願ったという。
揚巨芳は索倫で盧の配下・揚萃廷と衝突して引き上げてから、奉天軍の憲兵少佐に任じられていた。そして、張作霖は盧を処刑するつもりはなかったのだが、現場の長の越権行為であのような結果になり、揚萃廷や劉陞山が遭難の遠因を作ったと言って非難した。
包春亭は包金山の代理として訪ね、今は奉天軍の顧問をしていると消息を明かした。彼らは岡崎と共に奉天に救援軍を組織しに出立した後、パインタラの遭難を知ったのであった。
金翔宇は、日出雄の近くに仕えた白凌閣、温長興、秦宣、王瓚璋、王通訳らはみな、難を逃れて命を助かったと伝えた。
真澄別はいずれの人たちにも、これは神様の深い思し召しのあることで、単純な失敗ではないこと、世界的神劇の序幕であることを説明した。その証として世界宗教聯合会の成立を伝えると、各人一様に感嘆の声を漏らし、前途の祝福を忘れなかった。特に蒙古人は、章嘉活仏との提携を非常に喜んだ。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
2024/2/20出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-02-20 17:27:03
OBC :
rmnm39
愛善世界社版:
346頁
八幡書店版:
第14輯 674頁
修補版:
校定版:
349頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
日出雄
(
ひでを
)
が
洮南
(
たうなん
)
の
平馬
(
へいま
)
邸
(
てい
)
にて
微笑
(
びせう
)
し
乍
(
なが
)
ら
真澄別
(
ますみわけ
)
に
示
(
しめ
)
した、
002
『
呉
(
ご
)
佩孚
(
はいふ
)
をつかれ
曹
(
さう
)
錕
(
こん
)
と
逃
(
に
)
げ
出
(
い
)
だし』
003
てふ
一句
(
いつく
)
は、
004
半年
(
はんとし
)
経
(
た
)
つか
経
(
た
)
たぬ
間
(
ま
)
に
実現
(
じつげん
)
された。
005
張
(
ちやう
)
作霖
(
さくりん
)
が
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
を
利用
(
りよう
)
しやうと
企
(
くわだ
)
てた
第二回
(
だいにくわい
)
奉直戦
(
ほうちよくせん
)
は、
006
其
(
その
)
予期
(
よき
)
に
反
(
はん
)
して、
0061
意外
(
いぐわい
)
に
早
(
はや
)
く
火蓋
(
ひぶた
)
を
切
(
き
)
る
事
(
こと
)
になり、
007
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
く
盧
(
ろ
)
を
追懐
(
つゐくわい
)
したとさへ
伝
(
つた
)
へられた。
008
幸
(
かう
)
か
不幸
(
ふかう
)
か、
0081
○○
人
(
じん
)
の
従軍
(
じゆうぐん
)
と、
0082
馮
(
ひよう
)
玉祥
(
ぎよくしやう
)
のクーデターのお
蔭
(
かげ
)
で、
0083
張
(
ちやう
)
作霖
(
さくりん
)
は
戦
(
たたかひ
)
に
負
(
ま
)
けて、
009
勝負
(
しようぶ
)
に
勝
(
か
)
つた
結果
(
けつくわ
)
となり、
010
呉
(
ご
)
佩孚
(
はいふ
)
は
一時
(
いちじ
)
失脚
(
しつきやく
)
し、
011
曹
(
さう
)
錕
(
こん
)
は
一旦
(
いつたん
)
は
逃出
(
にげだ
)
し、
012
今
(
いま
)
は
捉
(
とら
)
はれの
身
(
み
)
となつてゐる。
013
昨夏
(
さくか
)
白音太拉
(
パインタラ
)
に
於
(
お
)
ける
惨劇
(
さんげき
)
の
前夕
(
ぜんゆう
)
、
014
形勢
(
けいせい
)
非
(
ひ
)
なりと
感
(
かん
)
じ、
015
部下
(
ぶか
)
を
取纏
(
とりまと
)
めて
逸出
(
にげだ
)
し、
016
途中
(
とちう
)
王府
(
わうふ
)
の
兵
(
へい
)
に
包囲
(
はうゐ
)
せられ、
017
数十
(
すうじふ
)
名
(
めい
)
の
部下
(
ぶか
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
018
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
免
(
まぬが
)
れたる
劉
(
りゆう
)
陞山
(
しようさん
)
は、
019
右
(
みぎ
)
奉直戦
(
ほうちよくせん
)
の
混雑中
(
こんざつちう
)
大連
(
だいれん
)
に
身
(
み
)
を
遁
(
のが
)
れ、
020
更
(
さら
)
に
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
に
渡
(
わた
)
り、
021
暫
(
しば
)
し
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せ
再挙
(
さいきよ
)
の
時期
(
じき
)
をまつてゐたが、
022
神
(
かみ
)
の
摂理
(
せつり
)
を
計
(
はか
)
りかね、
023
今
(
いま
)
は
奉天
(
ほうてん
)
の
日本
(
につぽん
)
租界
(
そかい
)
に
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
めて
使命
(
しめい
)
の
降下
(
かうか
)
を
鶴首
(
かくしゆ
)
してゐる。
024
隆光彦
(
たかてるひこ
)
が
渡支
(
とし
)
の
途次
(
とじ
)
訪問
(
はうもん
)
すると、
025
劉
(
りゆう
)
は
夫人
(
ふじん
)
と
共
(
とも
)
に
款待
(
くわんたい
)
を
極
(
きは
)
めたといふ。
026
真澄別
(
ますみわけ
)
が
北京
(
ペキン
)
に
滞在
(
たいざい
)
せるを
伝
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
き、
027
懐
(
なつ
)
かしさと
憧憬
(
あこがれ
)
の
余
(
あま
)
り、
0271
訪
(
たづ
)
ね
来
(
き
)
た
中
(
うち
)
に、
028
王
(
わう
)
昌輝
(
しやうき
)
、
029
揚
(
やう
)
巨芳
(
きよはう
)
、
030
包
(
はう
)
春亭
(
しゆんてい
)
、
031
金
(
きん
)
翔宇
(
しやうう
)
などがある。
032
皆
(
みな
)
索倫山
(
ソーロンざん
)
の
司令部
(
しれいぶ
)
に
参
(
さん
)
じてゐた
人々
(
ひとびと
)
で、
033
各自
(
かくじ
)
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひの
述懐
(
じゆつくわい
)
を
語
(
かた
)
る。
034
王
(
わう
)
昌輝
(
しやうき
)
は
其
(
その
)
後
(
ご
)
井上
(
ゐのうへ
)
兼吉
(
かねきち
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
035
胡
(
こ
)
景翼
(
けいよく
)
軍
(
ぐん
)
に
顧問
(
こもん
)
として
馳
(
は
)
せ
参
(
さん
)
じ、
036
胡
(
こ
)
の
役後
(
えきご
)
、
037
岳
(
がく
)
維峻
(
ゐしゆん
)
を
輔
(
たす
)
けて、
038
依然
(
いぜん
)
河南軍
(
かなんぐん
)
中
(
ちゆう
)
に
居
(
ゐ
)
る。
039
彼
(
かれ
)
は
曰
(
いは
)
く
040
王昌輝
『
実際
(
じつさい
)
あんな
馬鹿
(
ばか
)
な
結果
(
けつくわ
)
になつて、
041
日出雄
(
ひでを
)
先生
(
せんせい
)
に
申訳
(
まうしわけ
)
がありませぬ。
042
私
(
わたくし
)
が
胡
(
こ
)
景翼
(
けいよく
)
の
許
(
もと
)
へ
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せると、
043
胡
(
こ
)
が……
君
(
きみ
)
は
何故
(
なぜ
)
日出雄
(
ひでを
)
先生
(
せんせい
)
を
自分
(
じぶん
)
の
処
(
ところ
)
へ
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
せなかつたか、
044
自分
(
じぶん
)
ならば
飽
(
あ
)
く
迄
(
まで
)
も
安全
(
あんぜん
)
に
護衛
(
ごゑい
)
し、
045
且
(
かつ
)
自由
(
じいう
)
に
活動
(
くわつどう
)
して
頂
(
いただ
)
けるのに……と
叱
(
しか
)
られました。
046
本当
(
ほんたう
)
に
多数
(
たすう
)
の
犠牲者
(
ぎせいしや
)
を
出
(
だ
)
し、
047
残念
(
ざんねん
)
で
堪
(
たま
)
りませぬ。
048
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
暫時
(
ざんじ
)
放任
(
はうにん
)
しておいて
下
(
くだ
)
さい。
049
必
(
かなら
)
ず
目醒
(
めざま
)
しい
結果
(
けつくわ
)
を
招来
(
せうらい
)
して
御覧
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れますから……
日出雄
(
ひでを
)
先生
(
せんせい
)
に
然
(
しか
)
るべく
御
(
お
)
取
(
とり
)
なし
願
(
ねが
)
ひます』
050
と
腕
(
うで
)
を
撫
(
ぶ
)
し、
051
更
(
さら
)
に
白音太拉
(
パインタラ
)
事件
(
じけん
)
を
追懐
(
つゐくわい
)
し
052
王昌輝
『
無事
(
ぶじ
)
に
免
(
ゆる
)
されて
帰
(
かへ
)
つた
馬
(
ば
)
副官
(
ふくくわん
)
の
話
(
はなし
)
に
依
(
よ
)
ると、
053
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
は
就寝中
(
しうしんちゆう
)
用事
(
ようじ
)
ありとて
二
(
に
)
名
(
めい
)
の
兵士
(
へいし
)
に
引起
(
ひきおこ
)
され、
054
玄関口
(
げんくわんぐち
)
に
待構
(
まちかま
)
へて
居
(
ゐ
)
た
四
(
よん
)
名
(
めい
)
の
兵士
(
へいし
)
に
短銃
(
ピストル
)
を
向
(
む
)
けられ、
055
悔
(
くや
)
しさに
地団駄
(
ぢだんだ
)
を
踏
(
ふ
)
み
乍
(
なが
)
ら、
056
営庭
(
えいてい
)
の
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
えたさうです。
057
他
(
た
)
の
連中
(
れんちう
)
は
身
(
み
)
に
寸鉄
(
すんてつ
)
も
帯
(
お
)
びざる
事
(
こと
)
とて
何
(
いづ
)
れも
狼狽
(
らうばい
)
し、
058
中
(
なか
)
には
見苦
(
みぐる
)
しく
逃
(
に
)
げ
惑
(
まど
)
うた
者
(
もの
)
もあつたさうですが、
059
例
(
れい
)
の
賈孟卿
(
ヂヤムチン
)
は
未
(
ま
)
だ
寝
(
ね
)
もせで、
060
手紙
(
てがみ
)
を
認
(
したた
)
めてゐる
最中
(
さいちう
)
だつた
相
(
さう
)
ですが、
061
取囲
(
とりかこ
)
む
兵士
(
へいし
)
を
睥睨
(
へいげい
)
し、
062
……
騒
(
さわ
)
ぐな
手紙
(
てがみ
)
を
書
(
か
)
き
了
(
をは
)
る
迄
(
まで
)
待
(
ま
)
てつ……と
大喝
(
だいかつ
)
し、
063
悠々
(
いういう
)
として
銃殺
(
じゆうさつ
)
を
受
(
う
)
けたさうです。
064
惜
(
を
)
しい
男
(
をとこ
)
でしたなア。
065
……それから
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
の
奴
(
やつ
)
、
066
噂
(
うはさ
)
の
如
(
ごと
)
く
御
(
ご
)
用金
(
ようきん
)
を
隠
(
かく
)
して
居
(
を
)
つたと
見
(
み
)
え、
067
昨秋
(
さくしう
)
鄒
(
すう
)
秀明
(
しうめい
)
が
憲兵隊
(
けんぺいたい
)
や
警察
(
けいさつ
)
署長
(
しよちやう
)
と
打合
(
うちあは
)
せ、
068
北京
(
ペキン
)
の
盧
(
ろ
)
夫人
(
ふじん
)
の
隠家
(
かくれや
)
を
取調
(
とりしら
)
べ、
069
数万
(
すうまん
)
円
(
ゑん
)
を
没収
(
ぼつしう
)
し、
070
入蒙
(
にふもう
)
の
結果
(
けつくわ
)
未亡人
(
みばうじん
)
となつて、
071
北京
(
ペキン
)
に
佗
(
わび
)
しく
寄食
(
きしよく
)
してる
連中
(
れんちう
)
に
夫
(
そ
)
れ
夫
(
ぞ
)
れ、
072
数百
(
すうひやく
)
円
(
ゑん
)
宛
(
あて
)
分配
(
ぶんぱい
)
し、
073
残金
(
ざんきん
)
は
私
(
わたくし
)
したらしいです。
074
其
(
その
)
報
(
むく
)
いでせう、
075
鄒
(
すう
)
は
今年
(
ことし
)
の
正
(
しやう
)
月
(
ぐわつ
)
、
076
奉天軍
(
ほうてんぐん
)
の
連長
(
れんちやう
)
となつて
居
(
ゐ
)
乍
(
なが
)
ら、
077
仏租界
(
ふつそかい
)
にある
武器
(
ぶき
)
を
押収
(
おうしう
)
しやうとし、
078
条約
(
でうやく
)
違反
(
ゐはん
)
で
銃殺
(
じゆうさつ
)
された
相
(
さう
)
です。
079
云々
(
うんぬん
)
』
080
と
憮然
(
ぶぜん
)
たること
久
(
ひさ
)
しかつた。
081
また
揚
(
やう
)
巨芳
(
きよはう
)
は
索倫
(
ソーロン
)
本営
(
ほんえい
)
に
於
(
おい
)
て、
082
盧
(
ろ
)
の
参謀長
(
さんぼうちやう
)
揚
(
やう
)
萃廷
(
すゐてい
)
と
衝突
(
しようとつ
)
し、
083
恨
(
うらみ
)
を
遺
(
のこ
)
して
引上
(
ひきあ
)
げ、
084
今
(
いま
)
は
奉天軍
(
ほうてんぐん
)
の
憲兵
(
けんぺい
)
少佐
(
せうさ
)
に
任
(
にん
)
ぜられ、
085
奉直間
(
ほうちよくかん
)
の
列車
(
れつしや
)
監督長
(
かんとくちやう
)
となつてゐる。
086
揚巨芳
(
やうきよはう
)
『
大先生
(
タアセンシヨン
)
は
何
(
どう
)
して
居
(
ゐ
)
られますか、
087
昨年
(
さくねん
)
は
苛
(
ひど
)
い
目
(
め
)
にお
会
(
あ
)
ひでしたなア。
088
大体
(
だいたい
)
揚
(
やう
)
萃廷
(
すゐてい
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
密偵
(
みつてい
)
同様
(
どうやう
)
で、
089
盧
(
ろ
)
司令
(
しれい
)
が
情実
(
じやうじつ
)
に
絡
(
から
)
まれ、
090
あんな
者
(
もの
)
を
参謀長
(
さんぼうちやう
)
にしたのが
破綻
(
はたん
)
の
大原因
(
だいげんいん
)
です。
091
……
張
(
ちやう
)
作霖
(
さくりん
)
は
盧
(
ろ
)
司令
(
しれい
)
等
(
ら
)
を
銃殺
(
じゆうさつ
)
の
意志
(
いし
)
は
実際
(
じつさい
)
なかつたのです。
092
あれは
闞
(
かん
)
旅長
(
りよちやう
)
の
越権
(
ゑつけん
)
の
処置
(
しよち
)
でした。
093
しかし
劉
(
りゆう
)
陞山
(
しようさん
)
に
対
(
たい
)
しては
好感情
(
かうかんじやう
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
りませぬ。
094
実際
(
じつさい
)
劉
(
りゆう
)
団
(
だん
)
の
趙
(
てう
)
営長
(
えいちやう
)
が
部下
(
ぶか
)
を
使嗾
(
しさう
)
し、
095
蒙古地
(
もうこち
)
内
(
ない
)
で
強姦
(
がうかん
)
、
096
掠奪
(
りやくだつ
)
などを
逞
(
たくま
)
しうして、
097
討伐令
(
たうばつれい
)
の
原因
(
げんいん
)
を
作
(
つく
)
つたのですから
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
098
種々
(
しゆじゆ
)
の
点
(
てん
)
から
私
(
わたし
)
は
入蒙
(
にふもう
)
事業
(
じげふ
)
の
破綻
(
はたん
)
の
責任者
(
せきにんしや
)
は
揚
(
やう
)
萃廷
(
すゐてい
)
、
099
劉
(
りゆう
)
、
100
趙
(
てふ
)
、
101
佐々木
(
ささき
)
、
102
大倉
(
おほくら
)
の
五
(
ご
)
人
(
にん
)
だと
思
(
おも
)
つてゐます。
103
どうか
日出雄
(
ひでを
)
先生
(
せんせい
)
に
宜
(
よろ
)
しく
御
(
お
)
取
(
とり
)
なしを
願
(
ねが
)
ひます。
104
当方面
(
たうはうめん
)
で
御用
(
ごよう
)
の
節
(
せつ
)
は
何時
(
いつ
)
でもお
使
(
つか
)
ひ
下
(
くだ
)
さいませ』
105
と
丸々
(
まるまる
)
した、
106
そして
脂切
(
あぶらぎ
)
つた
面
(
おも
)
に
笑
(
えみ
)
を
湛
(
たた
)
へてゐた。
107
包
(
はう
)
春亭
(
しゆんてい
)
は
包
(
はう
)
金山
(
きんざん
)
の
代理
(
だいり
)
として
金
(
きん
)
翔宇
(
しやうう
)
と
共
(
とも
)
に
真澄別
(
ますみわけ
)
を
訪問
(
はうもん
)
したのである。
108
包春亭
(
はうしゆんてい
)
は
109
包春亭
『
大先生
(
タアセンシヨン
)
外
(
ほか
)
皆様
(
みなさま
)
御
(
ご
)
壮健
(
さうけん
)
で
結構
(
けつこう
)
で
厶
(
ござ
)
います。
110
二先生
(
アルセンシヨン
)
がお
越
(
こ
)
しと
聞
(
き
)
き
包
(
はう
)
金山
(
きんざん
)
が
伺
(
うかが
)
ふ
積
(
つもり
)
で
居
(
を
)
りましたが、
111
拠所
(
よんどころ
)
ない
都合
(
つがふ
)
で、
112
私
(
わたくし
)
を
代理
(
だいり
)
に
寄越
(
よこ
)
しました。
113
包
(
はう
)
金山
(
きんざん
)
も
一
(
いち
)
時
(
じ
)
は
奉天側
(
ほうてんがは
)
から
疑
(
うたがひ
)
の
眼
(
め
)
で
睨
(
にら
)
まれ、
114
困
(
こま
)
つてゐましたが、
115
間
(
ま
)
もなく
諒解
(
りやうかい
)
され、
116
今
(
いま
)
は
黒竜江省
(
こくりうこうしやう
)
督軍
(
とくぐん
)
呉
(
ご
)
峻陞
(
しゆんしよう
)
の
顧問
(
こもん
)
をしてゐます。
117
併
(
しか
)
し
御用
(
ごよう
)
とあれば、
118
少
(
すくな
)
くも
三千
(
さんぜん
)
の
蒙古兵
(
もうこへい
)
を
率
(
ひき
)
ゐて、
119
何時
(
いつ
)
でも
立
(
た
)
ちます。
120
……
包
(
はう
)
金山
(
きんざん
)
は
昨年
(
さくねん
)
索倫
(
ソーロン
)
出発
(
しゆつぱつ
)
以来
(
いらい
)
、
121
盧
(
ろ
)
司令
(
しれい
)
の
方針
(
はうしん
)
が
危険味
(
きけんみ
)
を
帯
(
お
)
びてゐるのを
気遣
(
きづか
)
ひ、
122
岡崎
(
をかざき
)
先生
(
せんせい
)
と
相談
(
さうだん
)
して、
123
応援軍
(
おうえんぐん
)
を
組織
(
そしき
)
する
為
(
た
)
め、
124
六
(
ろく
)
月
(
ぐわつ
)
八日
(
やうか
)
途中
(
とちう
)
から
手兵
(
しゆへい
)
の
大部
(
だいぶ
)
を
劉
(
りゆう
)
陞山
(
しようさん
)
に
預
(
あづ
)
け、
125
奉天
(
ほうてん
)
へ
向
(
むか
)
つた
折
(
をり
)
、
126
私
(
わたくし
)
は
其
(
その
)
後
(
ご
)
護衛長
(
ごえいちやう
)
として
随行
(
ずゐかう
)
し、
127
途中
(
とちう
)
屡々
(
しばしば
)
危険
(
きけん
)
に
遭遇
(
さうぐう
)
し
乍
(
なが
)
ら、
128
漸
(
やうや
)
く
奉天
(
ほうてん
)
に
着
(
つ
)
くと
間
(
ま
)
もなく、
129
あの
悲報
(
ひはう
)
に
接
(
せつ
)
しましたので、
130
包
(
はう
)
金山
(
きんざん
)
共々
(
ともども
)
声
(
こゑ
)
をあげて
泣
(
な
)
きました』
131
と
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
く
涙
(
なみだ
)
ぐむ。
132
金
(
きん
)
翔宇
(
しやうう
)
は
後
(
あと
)
を
受
(
う
)
けて
133
金翔宇
『
私
(
わたくし
)
は
索倫
(
ソーロン
)
から、
134
募兵
(
ぼへい
)
の
為
(
た
)
め
黒竜江
(
こくりうこう
)
へ
派遣
(
はけん
)
せられたのですが、
135
盧
(
ろ
)
司令
(
しれい
)
の
旅費
(
りよひ
)
手当
(
てあて
)
が
余
(
あま
)
り
少額
(
せうがく
)
で
困
(
こま
)
つてゐると、
136
岡崎
(
をかざき
)
先生
(
せんせい
)
が
別
(
べつ
)
に
心付
(
こころづ
)
けをして
下
(
くだ
)
さつた
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさは
今
(
いま
)
に
忘
(
わす
)
れませぬ』
137
と
言
(
い
)
へば、
138
傍
(
かたはら
)
に
居
(
ゐ
)
た
岡崎
(
をかざき
)
は
139
岡崎鉄首
『あれは
皆
(
みな
)
大先生
(
だいせんせい
)
から
頂
(
いただ
)
いたのを、
140
君
(
きみ
)
方
(
がた
)
に
取次
(
とりつ
)
いだまでだ』
141
と
言葉
(
ことば
)
を
挟
(
はさ
)
む。
142
金
(
きん
)
翔宇
(
しやうう
)
は
更
(
さら
)
に
語
(
ご
)
を
継
(
つ
)
ぎ
143
金翔宇
『あゝさうでせう、
144
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
あれで
漸
(
やうや
)
く
使命
(
しめい
)
を
達
(
たつ
)
し
洮南
(
たうなん
)
迄
(
まで
)
帰
(
かへ
)
ると、
145
既
(
すで
)
に
討伐隊
(
たうばつたい
)
が
索倫山
(
ソーロンざん
)
へ
向
(
むか
)
つた
所
(
ところ
)
なので、
146
私
(
わたくし
)
も
其
(
その
)
一味
(
いちみ
)
として
投獄
(
たうごく
)
せられ、
147
危
(
あやふ
)
く
銃殺
(
じゆうさつ
)
せられる
所
(
ところ
)
を、
148
予
(
かね
)
て
洮南
(
たうなん
)
の
旅長
(
りよちやう
)
張
(
ちやう
)
海鵬
(
かいほう
)
と
知合
(
しりあひ
)
であつた
為
(
ため
)
、
149
首
(
くび
)
がつながりました。
150
併
(
しか
)
し
大先生
(
タアセンシヨン
)
のお
側近
(
そばちか
)
く
仕
(
つか
)
へてゐた
者
(
もの
)
は
皆
(
みな
)
助
(
たす
)
かりましたね。
151
白凌閣
(
パイリンク
)
は
素
(
もと
)
より、
152
温
(
をん
)
長興
(
ちやうこう
)
、
153
秦
(
しん
)
宣
(
せん
)
、
154
王
(
わう
)
瓚璋
(
さんしやう
)
、
155
王
(
わう
)
通訳
(
つうやく
)
等
(
とう
)
皆
(
みな
)
さうです。
156
それが
夫々
(
それぞれ
)
危地
(
きち
)
を
脱
(
のが
)
れたのは、
157
畢竟
(
ひつきやう
)
大先生
(
タアセンシヨン
)
の
特別
(
とくべつ
)
の
御
(
ご
)
加護
(
かご
)
としか
思
(
おも
)
へませぬ。
158
時
(
とき
)
に
蒙古
(
もうこ
)
の
青年
(
せいねん
)
も
追々
(
おひおひ
)
目醒
(
めざ
)
めて
来
(
き
)
ますから、
159
お
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つ
者
(
もの
)
も
漸次
(
ぜんじ
)
殖
(
ふ
)
えて
参
(
まゐ
)
ります』
160
と
意気
(
いき
)
軒昂
(
けんかう
)
たるものがある。
161
真澄別
(
ますみわけ
)
は
何
(
いづ
)
れの
人
(
ひと
)
にも──
昨年
(
さくねん
)
の
蒙古入
(
もうこいり
)
は
君方
(
きみがた
)
の
思
(
おも
)
ふ
様
(
やう
)
、
162
単純
(
たんじゆん
)
な
失敗
(
しつぱい
)
でない
事
(
こと
)
、
163
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
方
(
はう
)
から
云
(
い
)
へば
深
(
ふか
)
いお
思召
(
ぼしめし
)
のある
事
(
こと
)
や、
164
世界的
(
せかいてき
)
神劇
(
しんげき
)
の
序幕
(
じよまく
)
とも
云
(
い
)
ふべきもので、
165
其
(
その
)
後
(
ご
)
引続
(
ひきつづ
)
いての
活動
(
くわつどう
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
166
今回
(
こんくわい
)
世界
(
せかい
)
宗教
(
しうけう
)
聯合会
(
れんがふくわい
)
が
成立
(
せいりつ
)
した
事
(
こと
)
などを
説明
(
せつめい
)
し、
167
発起人
(
ほつきにん
)
連名簿
(
れんめいぼ
)
や
写真
(
しやしん
)
など
見
(
み
)
せると、
168
各人
(
かくじん
)
一様
(
いちやう
)
に
感歎
(
かんたん
)
の
声
(
こゑ
)
を
洩
(
も
)
らし、
169
前途
(
ぜんと
)
の
祝福
(
しゆくふく
)
を
忘
(
わす
)
れなかつた。
170
殊
(
こと
)
に
蒙古人
(
もうこじん
)
は
章嘉
(
しやうか
)
との
提携
(
ていけい
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
喜
(
よろ
)
こんだ。
171
(
大正一四、八
、筆録)
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