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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
特別編 入蒙記
第1篇 日本より奉天まで
第1章 水火訓
第2章 神示の経綸
第3章 金剛心
第4章 微燈の影
第5章 心の奥
第6章 出征の辞
第7章 奉天の夕
第2篇 奉天より洮南へ
第8章 聖雄と英雄
第9章 司令公館
第10章 奉天出発
第11章 安宅の関
第12章 焦頭爛額
第13章 洮南旅館
第14章 洮南の雲
第3篇 洮南より索倫へ
第15章 公爺府入
第16章 蒙古の人情
第17章 明暗交々
第18章 蒙古気質
第19章 仮司令部
第20章 春軍完備
第21章 索倫本営
第4篇 神軍躍動
第22章 木局収ケ原
第23章 下木局子
第24章 木局の月
第25章 風雨叱咤
第26章 天の安河
第27章 奉天の渦
第28章 行軍開始
第29章 端午の日
第30章 岩窟の奇兆
第5篇 雨後月明
第31章 強行軍
第32章 弾丸雨飛
第33章 武装解除
第34章 竜口の難
第35章 黄泉帰
第36章 天の岩戸
第37章 大本天恩郷
第38章 世界宗教聯合会
第39章 入蒙拾遺
附 入蒙余録
大本の経綸と満蒙
世界経綸の第一歩
蒙古建国
蒙古の夢
神示の世界経綸
余白歌
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>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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特別編 入蒙記
> 第1篇 日本より奉天まで > 第5章 心の奥
<<< 微燈の影
(B)
(N)
出征の辞 >>>
第五章
心
(
こころ
)
の
奥
(
おく
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記
篇:
第1篇 日本より奉天まで
よみ(新仮名遣い):
にっぽんよりほうてんまで
章:
第5章 心の奥
よみ(新仮名遣い):
こころのおく
通し章番号:
口述日:
1925(大正14)年08月15日(旧06月26日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年2月14日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
この話を聞いて、無抵抗主義、万有愛を標榜する教団の教主が馬賊と提携することに躊躇していた日出雄であった。
しかし、政治の行き届かない蒙古の荒野では馬賊も立派な政治的機関であり、徳をもってなづければ虎でも狼でも信服するものだ、と考えを改めた。
そして、神前に拍手して祝詞を上げるのみが宗教家の芸でもあるまい、心境を一変し、宗教的に世界の統一を図り地上に天国を建設する準備として、新王国を作ってみようと思い立った。
蒙古は言語学上からも、古事記の本文からも、東亜の根源地・経綸地である。宗教的、平和的に蒙古を統一し、東亜連盟実現の基礎を立ててみたい、と思い立った。
現在は事件中の身だが、裁判の終わるのを待っていたら二年、三年はかかってしまうという。ひとつこれは乗るか反るかで、元より身命を神に捧げた自分である、と大覚悟を決めたのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
2023/12/29出口王仁三郎全集第6巻を底本として校正。
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-12-29 15:23:35
OBC :
rmnm05
愛善世界社版:
40頁
八幡書店版:
第14輯 562頁
修補版:
校定版:
40頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
日出雄
(
ひでを
)
は
唐国別
(
からくにわけ
)
の
談
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
暫
(
しばら
)
く
俯
(
うつむ
)
いて
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んだ。
002
日出雄
(
ひでを
)
の
心天
(
しんてん
)
に
忽
(
たちま
)
ち
大光明
(
だいくわうみやう
)
が
輝
(
かがや
)
いた。
003
満州
(
まんしう
)
や
蒙古
(
もうこ
)
に
活動
(
くわつどう
)
して
居
(
ゐ
)
る
馬賊
(
ばぞく
)
といつても、
004
決
(
けつ
)
して
一般人
(
いつぱんじん
)
の
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
るやうな
兇悪
(
きようあく
)
乱暴
(
らんばう
)
の
者
(
もの
)
計
(
ばか
)
りでもあるまい。
005
中古
(
ちうこ
)
我
(
わが
)
国
(
くに
)
の
元亀
(
げんき
)
天正
(
てんしやう
)
の
頃
(
ころ
)
の
群雄
(
ぐんゆう
)
が
割拠
(
かつきよ
)
して
居
(
ゐ
)
たやうなもので、
006
規律
(
きりつ
)
整然
(
せいぜん
)
たるものであらう。
007
決
(
けつ
)
して
人
(
ひと
)
の
財宝
(
ざいほう
)
を
掠奪
(
りやくだつ
)
したり、
008
殺人
(
さつじん
)
強姦
(
がうかん
)
などを
行
(
おこな
)
ふものではあるまい。
009
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
徳
(
とく
)
を
以
(
もつ
)
て
馴
(
な
)
づけたなら
010
虎
(
とら
)
でも
狼
(
おほかみ
)
でも
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
帰順
(
きじゆん
)
するものだ。
011
殊
(
こと
)
に
蒙古
(
もうこ
)
の
馬賊
(
ばぞく
)
に
至
(
いた
)
つては、
012
弱者
(
じやくしや
)
を
助
(
たす
)
け
狂暴
(
きやうばう
)
なる
者
(
もの
)
を
誡
(
いまし
)
め、
013
社会
(
しやくわい
)
の
弱
(
よわ
)
き
人民
(
じんみん
)
を
保護
(
ほご
)
する
任
(
にん
)
に
当
(
あた
)
ると
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
014
政治
(
せいぢ
)
の
行届
(
ゆきとど
)
かない
蒙古
(
もうこ
)
の
広野
(
くわうや
)
では
馬賊
(
ばぞく
)
も
一
(
ひと
)
つの
政治
(
せいぢ
)
的
(
てき
)
機関
(
きくわん
)
だ。
015
今日
(
こんにち
)
満州王
(
まんしうわう
)
をもつて
自任
(
じにん
)
して
居
(
ゐ
)
る
東三省
(
とうさんしやう
)
の
保安
(
ほあん
)
総司令
(
そうしれい
)
である
張
(
ちやう
)
作霖
(
さくりん
)
[
※
底本(全集)では「
張
(
ちやう
)
作相
(
さくしやう
)
」。張作霖より6歳ほど年下で東三省保安総司令部の高官を務めているが、ここの文脈上は張作霖が正しいと思われる。校定版や愛善世界社版では張作霖に修正している。霊界物語ネットでも張作霖に直した。
]
だつて、
016
張
(
ちやう
)
宗昌
(
さうしやう
)
だつて、
017
其
(
その
)
他
(
た
)
の
名
(
な
)
ある
督軍
(
とくぐん
)
達
(
たち
)
は
皆
(
みな
)
馬賊
(
ばぞく
)
から
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
るのだ。
018
これを
考
(
かんが
)
へても
馬賊
(
ばぞく
)
は
決
(
けつ
)
して
日本
(
につぽん
)
の
山賊
(
さんぞく
)
や
泥棒
(
どろばう
)
のやうなものではあるまい。
019
一層
(
いつそ
)
のこと
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
と
提携
(
ていけい
)
して
蒙古
(
もうこ
)
に
新彊
(
しんきやう
)
に
王国
(
わうこく
)
を
建設
(
けんせつ
)
し、
020
日本
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
の
本領
(
ほんりやう
)
を
世界
(
せかい
)
に
輝
(
かがや
)
かすのも
男子
(
だんし
)
として
面白
(
おもしろ
)
い
事業
(
じげふ
)
だ。
021
併
(
しか
)
し
馬賊
(
ばぞく
)
といつても
種々
(
しゆじゆ
)
の
種類
(
しゆるゐ
)
があつて
022
掠奪
(
りやくだつ
)
のみを
以
(
もつ
)
て
事
(
こと
)
とする
小
(
せう
)
トルの
団体
(
だんたい
)
もある。
023
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
の
混淆
(
こんかう
)
して
居
(
ゐ
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ、
024
天下
(
てんか
)
の
大事
(
だいじ
)
と
思
(
おも
)
へば
小
(
ちひ
)
さいことに
齷齪
(
あくせく
)
して
居
(
ゐ
)
る
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬ。
025
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
の
如
(
ごと
)
き
天下
(
てんか
)
に
驍名
(
げうめい
)
を
馳
(
は
)
せた
馬賊
(
ばぞく
)
の
頭目
(
とうもく
)
は、
026
決
(
けつ
)
して
人民
(
じんみん
)
を
苦
(
くる
)
しめるやうなことはせないだらう。
027
彼
(
かれ
)
と
宗教家
(
しうけうか
)
とが
提携
(
ていけい
)
したつて
別
(
べつ
)
に
不都合
(
ふつがふ
)
はあるまい。
028
大神業
(
だいしんげふ
)
の
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
に
奉仕
(
ほうし
)
する
一歩
(
いつぽ
)
としては
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ない
今日
(
こんにち
)
の
場合
(
ばあひ
)
だ。
029
広大
(
くわうだい
)
なる
地域
(
ちゐき
)
を
有
(
いう
)
する
蒙古
(
もうこ
)
に
一大
(
いちだい
)
王国
(
わうこく
)
を
建設
(
けんせつ
)
すると
云
(
い
)
ふ
計画
(
けいくわく
)
は、
030
事
(
こと
)
の
成否
(
せいひ
)
は
別
(
べつ
)
として、
031
日本
(
につぽん
)
男子
(
だんし
)
としては
実
(
じつ
)
に
壮快
(
さうくわい
)
極
(
きは
)
まる
試
(
こころ
)
みだ、
032
宗教家
(
しうけうか
)
だと
云
(
い
)
つて
神前
(
しんぜん
)
に
拍手
(
はくしゆ
)
し
祝詞
(
のりと
)
のみを
上
(
あ
)
げて
居
(
ゐ
)
るが
芸
(
げい
)
でもあるまい。
033
万有愛
(
ばんいうあい
)
の
主義
(
しゆぎ
)
から
是非
(
ぜひ
)
決行
(
けつかう
)
して
見
(
み
)
よう。
034
心境
(
しんきやう
)
を
一変
(
いつぺん
)
し、
035
宗教
(
しうけう
)
的
(
てき
)
に
世界
(
せかい
)
の
統一
(
とういつ
)
を
図
(
はか
)
り
地上
(
ちじやう
)
に
天国
(
てんごく
)
を
建設
(
けんせつ
)
する
準備
(
じゆんび
)
として
先
(
ま
)
づ
新王国
(
しんわうこく
)
を
作
(
つく
)
り、
036
東亜
(
とうあ
)
の
聯盟
(
れんめい
)
を
計
(
はか
)
るのが
順序
(
じゆんじよ
)
だらう。
037
あゝ
思
(
おも
)
へば
実
(
じつ
)
に
壮快
(
さうくわい
)
だ。
038
腕
(
うで
)
が
鳴
(
な
)
り
血
(
ち
)
が
踊
(
をど
)
るやうだ。
039
言語学
(
げんごがく
)
の
上
(
うへ
)
から
見
(
み
)
ても、
040
古事記
(
こじき
)
の
本文
(
ほんぶん
)
から
見
(
み
)
ても、
041
蒙古
(
もうこ
)
は
東亜
(
とうあ
)
の
根元地
(
こんげんち
)
であり、
042
経綸地
(
けいりんち
)
である。
043
日本人
(
につぽんじん
)
は
昔
(
むかし
)
から、
044
義勇
(
ぎゆう
)
の
民
(
たみ
)
が
開国
(
かいこく
)
以来
(
いらい
)
未
(
いま
)
だ
一寸
(
いつすん
)
の
地
(
ち
)
も
外敵
(
ぐわいてき
)
に
侵
(
をか
)
されないと
云
(
い
)
つて
自慢
(
じまん
)
して
居
(
ゐ
)
るものがあるが、
045
併
(
しか
)
し
吾々
(
われわれ
)
の
祖先
(
そせん
)
は
蒙古軍
(
もうこぐん
)
の
為
(
た
)
めに
拭
(
ぬぐ
)
ふべからざる
大国辱
(
だいこくじよく
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
るのだ。
046
元寇
(
げんこう
)
の
役
(
えき
)
はどうだつた。
047
国内
(
こくない
)
上下
(
じやうげ
)
挙
(
こぞ
)
つて
蒙古
(
もうこ
)
襲来
(
しふらい
)
の
声
(
こゑ
)
に
震駭
(
しんがい
)
し、
0471
恐怖
(
きようふ
)
し、
048
其
(
その
)
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
049
畏多
(
おそれおほ
)
くも
亀山
(
かめやま
)
上皇
(
じやうくわう
)
は
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
国難
(
こくなん
)
に
当
(
あた
)
らむことを
岩清水
(
いはしみづ
)
八幡
(
はちまん
)
に
祈願
(
きぐわん
)
し
給
(
たま
)
ふた
結果
(
けつくわ
)
、
050
全国
(
ぜんこく
)
の
各
(
かく
)
大社
(
たいしや
)
には
奇瑞
(
きずゐ
)
続出
(
ぞくしゆつ
)
して
遂
(
つひ
)
に
伊勢
(
いせ
)
の
神風
(
かみかぜ
)
となり、
051
蒙古
(
もうこ
)
は
十万
(
じふまん
)
の
軍
(
ぐん
)
を
西海
(
せいかい
)
の
浪
(
なみ
)
に
沈
(
しづ
)
めた
事
(
こと
)
は
元明
(
げんみん
)
史略
(
しりやく
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
史実
(
しじつ
)
にも
明記
(
めいき
)
され、
052
生命
(
せいめい
)
を
全
(
まつた
)
ふして
帰
(
かへ
)
り
得
(
え
)
たるもの
僅
(
わづか
)
に
三
(
さん
)
人
(
にん
)
といふことだ。
053
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
我国
(
わがくに
)
は
是
(
これ
)
をもつて
日本
(
につぽん
)
男子
(
だんし
)
の
武勇
(
ぶゆう
)
を
誇
(
ほこ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まい。
054
日本
(
につぽん
)
を
守
(
まも
)
りたまふ
神明
(
しんめい
)
の
加護
(
かご
)
と
畏多
(
おそれおほ
)
くも
亀山
(
かめやま
)
上皇
(
じやうくわう
)
の
宸襟
(
しんきん
)
を
悩
(
なや
)
まされたその
結果
(
けつくわ
)
である。
055
日本
(
につぽん
)
は
神国
(
しんこく
)
、
056
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りたまふ
国
(
くに
)
で、
057
決
(
けつ
)
して
外敵
(
ぐわいてき
)
の
窺
(
うかが
)
ふことの
出来
(
でき
)
ない
磯輪垣
(
しわがき
)
の
秀津間
(
ほつま
)
の
国
(
くに
)
、
058
細矛
(
くはしほこ
)
千足
(
ちたる
)
の
国
(
くに
)
と
誇
(
ほこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るが、
059
今日
(
こんにち
)
の
日本
(
につぽん
)
の
現状
(
げんじやう
)
は
外敵
(
ぐわいてき
)
に
対
(
たい
)
しさう
楽観
(
らくくわん
)
して
居
(
を
)
られるだらうか、
060
軍器
(
ぐんき
)
の
改良
(
かいりやう
)
された
今日
(
こんにち
)
では、
061
少々
(
せうせう
)
の
神風
(
かみかぜ
)
位
(
ぐらゐ
)
で
敵艦
(
てきかん
)
を
覆
(
くつがへ
)
すと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
不可能
(
ふかのう
)
であらう。
062
又
(
また
)
そんな
神頼
(
かみだの
)
み
計
(
ばか
)
りやつて
居
(
ゐ
)
て
実行
(
じつかう
)
せないならば、
063
到底
(
たうてい
)
国
(
くに
)
を
保
(
たも
)
つ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないだらう。
064
扨
(
さ
)
て
吾々
(
われわれ
)
の
祖先
(
そせん
)
が
蒙古
(
もうこ
)
十万
(
じふまん
)
の
大軍
(
たいぐん
)
に
脅
(
おびや
)
かされた
末代
(
まつだい
)
の
大国辱
(
だいこくじよく
)
を
回復
(
くわいふく
)
し、
065
建国
(
けんこく
)
の
精神
(
せいしん
)
と
国威
(
こくい
)
をどうしても
一度
(
いちど
)
中外
(
ちうぐわい
)
に
発揚
(
はつやう
)
して
我
(
わが
)
歴史
(
れきし
)
の
汚点
(
をてん
)
を
拭
(
ぬぐ
)
はねばなるまい。
066
宗教
(
しうけう
)
的
(
てき
)
、
067
平和
(
へいわ
)
的
(
てき
)
に
蒙古
(
もうこ
)
を
統一
(
とういつ
)
し
068
東亜
(
とうあ
)
聯盟
(
れんめい
)
実現
(
じつげん
)
の
基礎
(
きそ
)
を
立
(
たて
)
て
見
(
み
)
たいものだ。
069
自分
(
じぶん
)
は
今日
(
こんにち
)
黒雲
(
こくうん
)
のかかつた、
070
世人
(
せじん
)
から
疑
(
うたがひ
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
る
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
である。
071
此
(
この
)
際
(
さい
)
グヅグヅせず
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
072
驚天
(
きやうてん
)
動地
(
どうち
)
の
大活動
(
だいくわつどう
)
をやつて
見
(
み
)
たいものだ。
073
盧
(
ろ
)
占魁
(
せんくわい
)
に
会
(
あ
)
つたらば
屹度
(
きつと
)
自分
(
じぶん
)
の
意志
(
いし
)
を
受
(
う
)
け
入
(
い
)
れるであらう。
074
自分
(
じぶん
)
は
今
(
いま
)
裁判
(
さいばん
)
の
事件中
(
じけんちう
)
だが
弁護士
(
べんごし
)
の
話
(
はなし
)
によると、
075
本問題
(
ほんもんだい
)
は
神霊
(
しんれい
)
問題
(
もんだい
)
だから
二
(
に
)
年
(
ねん
)
や
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
の
中
(
うち
)
には
到底
(
たうてい
)
解決
(
かいけつ
)
がつくまいとのことだ。
076
これの
解決
(
かいけつ
)
を
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
ようものなら、
077
我
(
わが
)
民族
(
みんぞく
)
は
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
窮地
(
きうち
)
に
陥
(
おちゐ
)
るばかりだ。
078
世界
(
せかい
)
到
(
いた
)
る
所
(
ところ
)
排日
(
はいにち
)
問題
(
もんだい
)
は
勃起
(
ぼつき
)
し
外交
(
ぐわいかう
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
孤立
(
こりつ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
079
今
(
いま
)
の
中
(
うち
)
に
我
(
わが
)
同胞
(
どうはう
)
の
為
(
ため
)
に
新
(
しん
)
植民地
(
しよくみんち
)
でも
造
(
つく
)
つておかねば
我
(
わが
)
同胞
(
どうはう
)
は
遂
(
つひ
)
に
亡
(
ほろ
)
ぶより
外
(
ほか
)
はない。
080
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
大本
(
おほもと
)
信徒
(
しんと
)
にこんな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
はふものならそれこそ
大騒動
(
だいさうどう
)
だ。
081
併
(
しか
)
し
面白
(
おもしろ
)
い、
082
ひとつやつて
見
(
み
)
よう
乗
(
の
)
るか
反
(
そ
)
るかぢや、
083
元
(
もと
)
より
身命
(
しんめい
)
を
神
(
かみ
)
に
捧
(
ささ
)
げた
自分
(
じぶん
)
だと
大覚悟
(
だいかくご
)
を
究
(
きは
)
めたのである。
084
大本
(
おほもと
)
は
野火
(
のび
)
の
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つ
如
(
ごと
)
くなり
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
く
度
(
たび
)
に
拡
(
ひろ
)
がりてゆく
085
この
度
(
たび
)
の
深
(
ふか
)
き
経綸
(
しぐみ
)
[
*
底本(全集)ではフリガナが印刷されていない。校定版や愛善世界社版に準拠して「しぐみ」にした。
]
は
惟神
(
かむながら
)
只
(
ただ
)
一息
(
ひといき
)
の
人心
(
ひとごころ
)
なし
086
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
の
審判
(
さばき
)
に
今
(
いま
)
や
逢坂
(
あふさか
)
の
人
(
ひと
)
は
知
(
し
)
らずに
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
りつつ
087
いつ
迄
(
まで
)
も
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがみ
)
の
荒
(
すさ
)
びなば
危
(
あや
)
ふからまし
葦原
(
あしはら
)
の
国
(
くに
)
088
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
移
(
うつ
)
らふ
状
(
さま
)
をながめては
起
(
た
)
つべき
時
(
とき
)
の
来
(
きた
)
るを
悟
(
さと
)
る
089
排他
(
はいた
)
的
(
てき
)
既成
(
きせい
)
宗教
(
しうけう
)
はあとにして
開
(
ひら
)
き
行
(
ゆ
)
かなむ
海
(
うみ
)
の
外
(
そと
)
まで
090
吹
(
ふ
)
かば
吹
(
ふ
)
け
醜
(
しこ
)
の
木枯
(
こがらし
)
強
(
つよ
)
くともわれには
春
(
はる
)
の
備
(
そな
)
へこそあれ
091
白妙
(
しろたへ
)
の
衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
をしぼりつつ
世
(
よ
)
を
歎
(
なげ
)
くかな
隠
(
かく
)
れたる
身
(
み
)
も
092
思
(
おも
)
ひきや
御国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
す
身
(
み
)
をあしさまに
云
(
い
)
ふ
醜
(
しこ
)
のたぶれら
093
身
(
み
)
も
魂
(
たま
)
も
囚
(
とら
)
へられたる
吾
(
われ
)
なれど
心
(
こころ
)
は
広
(
ひろ
)
し
天国
(
てんごく
)
の
春
(
はる
)
094
機
(
はた
)
の
緯
(
よこ
)
織
(
お
)
る
身魂
(
みたま
)
こそ
苦
(
くる
)
しけれ
一
(
ひと
)
つ
通
(
とほ
)
せば
一
(
ひと
)
つ
打
(
う
)
たれつ
095
神業
(
かむわざ
)
をなすのが
原
(
はら
)
の
玉草
(
たまくさ
)
は
踏
(
ふ
)
まれ
蹂
(
にじ
)
られ
乍
(
なが
)
ら
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
096
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
日
(
ひ
)
の
御子
(
みこ
)
に
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
奉
(
まつ
)
らむ
097
身
(
み
)
はよしや
虎
(
とら
)
伏
(
ふ
)
す
野辺
(
のべ
)
に
果
(
は
)
つるとも
御国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
に
命
(
いのち
)
惜
(
おし
)
まず
098
故郷
(
ふるさと
)
にのこせし
母
(
はは
)
を
思
(
おも
)
ふ
間
(
ま
)
もなくなく
尽
(
つく
)
す
神国
(
しんこく
)
の
為
(
ため
)
099
月
(
つき
)
は
今
(
いま
)
地平線
(
ちへいせん
)
下
(
か
)
に
潜
(
ひそ
)
みつつ
世
(
よ
)
の
黎明
(
れいめい
)
を
待
(
ま
)
つぞ
床
(
ゆか
)
しき
100
惟神
(
かむながら
)
真
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
定
(
さだ
)
めてし
人
(
ひと
)
の
出
(
い
)
でずば
国
(
くに
)
は
危
(
あや
)
ふし
101
花
(
はな
)
見
(
み
)
むと
出
(
い
)
でしにあらず
野
(
の
)
の
桜
(
さくら
)
吾
(
わが
)
衣手
(
ころもで
)
に
香
(
か
)
をな
送
(
おく
)
りそ
102
言霊
(
ことたま
)
の
助
(
たす
)
け
天照
(
あまて
)
る
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
はすべての
国
(
くに
)
を
知
(
し
)
らす
神国
(
かみくに
)
103
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
も
只
(
ただ
)
一
(
ひと
)
つなり
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
も
一
(
ひと
)
つの
王
(
きみ
)
で
治
(
をさ
)
まりて
行
(
ゆ
)
く
104
皆
(
みな
)
人
(
ひと
)
の
眠
(
ねむ
)
りにつける
真夜中
(
まよなか
)
にさめよと
来鳴
(
きな
)
く
山郭公
(
やまほととぎす
)
105
郭公
(
ほととぎす
)
声
(
こゑ
)
は
御空
(
みそら
)
に
鳴
(
な
)
きかれて
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
のみあとにふるへる
106
国
(
くに
)
のため
尽
(
つく
)
す
谷間
(
たにま
)
の
真人
(
まさびと
)
を
雲井
(
くもゐ
)
に
告
(
つ
)
げよ
山郭公
(
やまほととぎす
)
107
心
(
こころ
)
のみ
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
にかなふとも
行
(
おこな
)
ひせずば
神
(
かみ
)
は
守
(
まも
)
らじ
108
言挙
(
ことあ
)
げの
条
(
すぢ
)
は
数々
(
かずかず
)
ありながら
暗夜
(
やみよ
)
をおしのわれぞ
甲斐
(
かひ
)
なき
109
君
(
きみ
)
の
為
(
ため
)
御国
(
みくに
)
の
為
(
ため
)
に
真心
(
まごころ
)
を
尽
(
つく
)
して
後
(
あと
)
は
津見
(
つみ
)
に
問
(
と
)
はれぬ
110
吾
(
われ
)
を
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
こそ
数多
(
あまた
)
ありぬれど
我
(
わが
)
魂
(
たま
)
を
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
は
世
(
よ
)
になし
111
西
(
にし
)
東
(
ひがし
)
南
(
みなみ
)
も
北
(
きた
)
も
天地
(
あめつち
)
も
荷
(
に
)
なうて
立
(
た
)
てる
神
(
かみ
)
の
御柱
(
みはしら
)
112
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
す
心
(
こころ
)
の
数々
(
かづかづ
)
を
誰
(
た
)
も
白波
(
しらなみ
)
の
立
(
た
)
ちさわぐなり
113
現
(
うつ
)
し
世
(
よ
)
に
生
(
いく
)
るも
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
ぞまかるも
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
とぞ
知
(
し
)
れ
114
そよと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
にも
声
(
こゑ
)
のあるものを
神
(
かみ
)
の
御声
(
みこゑ
)
の
聞
(
きこ
)
えざらめや
115
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
なに
詣
(
ま
)
うでてあつき
涙
(
なみだ
)
しぬ
神座山
(
かみくらやま
)
の
荒
(
あら
)
されし
跡
(
あと
)
に
116
わが
涙
(
なみだ
)
こりては
霖雨
(
ながあめ
)
雪
(
ゆき
)
となり
泉
(
いづみ
)
となりて
御代
(
みよ
)
を
清
(
きよ
)
めむ
117
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
を
世界
(
せかい
)
に
広
(
ひろ
)
く
現
(
あら
)
はして
永久
(
とは
)
に
生
(
い
)
きなむ
律
(
のり
)
に
死
(
し
)
すとも
118
古
(
いにしへ
)
のエスキリストも
甞
(
な
)
めまじきその
苦
(
くる
)
しみを
我
(
われ
)
[
*
底本(全集)では「我」だが校定版・愛善世界社版では「吾」に修正されている。
]
に
見
(
み
)
る
哉
(
かな
)
119
足乳根
(
たらちね
)
の
老
(
を
)
います
母
(
はは
)
を
偲
(
しの
)
びつつ
出
(
い
)
で
行
(
ゆ
)
く
吾
(
われ
)
[
*
これは底本(全集)でも「吾」。
]
は
涙
(
なみだ
)
こぼるる
120
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
のひる
由
(
よし
)
もなき
悲
(
かな
)
しさに
霧島山
(
きりしまやま
)
の
火
(
ひ
)
こそ
恋
(
こひ
)
しき
121
月
(
つき
)
一
(
ひと
)
つ
御空
(
みそら
)
にふるひ
地
(
ち
)
に
一人
(
ひとり
)
友
(
とも
)
なくふるふ
我
(
われ
)
[
*
底本(全集)では「我」だが校定版・愛善世界社版では「吾」に修正されている。
]
ぞわびしき
122
退
(
しりぞ
)
きも
進
(
すす
)
みもならぬ
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
は
神
(
かみ
)
のみ
独
(
ひと
)
り
力
(
ちから
)
なりけり
123
(
大正一四、八、一五
、
加藤明子
筆録)
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