霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 神示(しんじ)経綸(けいりん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第1篇 日本より奉天まで よみ(新仮名遣い):にっぽんよりほうてんまで
章:第2章 神示の経綸 よみ(新仮名遣い):しんじのけいりん 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月15日(旧06月26日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年2月14日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
大本教の聖地・綾部の八尋殿において、恒例の節分祭が執行された。祭りの執行後、源日出雄は壇上から演説を試みた。
天地万有を創造したまいし主の神を斎き祭る節分祭は、一年のうち最も聖なる祭典日です。
大正十三年二月四日はとくに、天運循環して、甲子の聖日であり、十万年に一度しか際会することのできない日です
教祖国照姫命にかからせたもうた神様は天地の祖神・大国常立尊であり、明治二十五年の正月元旦に、心身ともに浄化した教祖は、稚姫君命の精霊を宿し、聖なる教えを衆生に向かって伝達されたのです。
開祖の御役割りとは、根本の大神の聖慮を奉戴し、神界より地上に降したまえる十二の神柱を集め、霊主体従的に国土を建設することにより、世界を最初の黄金世界に復帰せしめる御神業を、国祖により任せられたのです。
今や天運循環し、世界各地に精神的な救世主が現れている。日出雄も主の神の神示に基づき、小さな教団の神柱となっていることができないようになってきた。
現在の混迷の極度に達した人心に活気を与えて神の聖霊の宿った機関として活動せしめるためには、まず第一に勇壮活発な模範を示すことにより、人間の心の岩戸を開いてやる必要がある。
開祖は冠島、沓島開きや鞍馬山など各地霊山への出修によって、それを行った。日出雄もまた神示をかしこみ、蒙古の大原野を開拓すべく、大正六年の春から密かに準備に着手していた。
そこへ、大正十年の事件によって天下の大誤解を受けたため、意を決して活動しようと思っている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:2023/12/26出口王仁三郎全集第6巻をもとに校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-12-28 12:52:52 OBC :rmnm02
愛善世界社版:14頁 八幡書店版:第14輯 552頁 修補版: 校定版:14頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 明治(めいぢ)末葉(まつえう)大正(たいしやう)初期(しよき)にかけ、002思想(しさう)混乱(こんらん)(きよく)(たつ)せる現実界(げんじつかい)(むか)つて、003一大(いちだい)獅子吼(ししく)をなし、004神教(しんけう)四方(よも)伝達(でんたつ)したる結果(けつくわ)005(あだか)洪水(こうずゐ)氾濫(はんらん)して大堤防(だいていばう)破壊(はくわい)するが(ごと)(いきほひ)(もつ)勃興(ぼつこう)したる天授(てんじゆ)聖教(せいけう)006三五(あななひ)聖団(せいだん)007(その)大本(おほもと)所在地(しよざいち)(きこ)えたる(あや)聖地(せいち)──仏徒(ぶつと)所謂(いはゆる)霊山(れいざん)会場(ゑぢやう)蓮華台(れんげだい)008キリスト教徒(けうと)(もつと)憧憬(どうけい)して()まざるパレスチナの聖場(せいぢやう)009オレブ(さん)010エルサレムの聖地(せいち)にも()すべき──(かみ)本宮(ほんぐう)011桶伏山(おけぶせやま)中心(ちうしん)とし、012宏壮(くわうさう)なる殿堂(でんだう)013(にしき)(みや)建設(けんせつ)し、014四百四十四(つぼ)八尋殿(やひろどの)(おい)て、015(さかん)主神(すしん)聖教(せいけう)伝達(でんたつ)し、016既成(きせい)宗教(しうけう)(うへ)卓越(たくえつ)して、017世界(せかい)万有愛(ばんいうあい)教旗(けうき)(ひるが)へし、018自転倒(おのころ)(じま)(はじ)め、019地上(ちじやう)世界(せかい)無数(むすう)崇信者(すうしんしや)(いう)する三五教(あななひけう)根源地(こんげんち)020八尋殿(やひろどの)(おい)て、021恆例(こうれい)節分祭(せつぶんさい)執行(しつかう)された。022(この)節分祭(せつぶんさい)はキリスト(けう)所謂(いはゆる)逾越祭(すぎこしさい)(ごと)きものである。023(この)殿堂(でんどう)五六七(みろく)神政(しんせい)(ちな)みて五六七(みろく)殿(でん)(とな)へられてゐる。024国照姫(くにてるひめ)地上(ちじやう)肉体(にくたい)(もつ)生存(せいぞん)すること八十(はちじふ)()(ねん)底本(全集)では「八十四年」、天声社や愛善世界社の入蒙記では「八十余年」になっている。開祖は満年齢だと81歳、数え年だと83歳で没しており、どう計算しても84歳にはならないので、「四」ではなく「余」の誤字だと編者が判断したのだと思われる。霊界物語ネットでも「余」に修正した。(王仁蒙古入記p2でも「出口直子は八十四歳の高齢を以て」と84歳になっている)025大正(たいしやう)(しち)(ねん)陰暦(いんれき)(じふ)(ぐわつ)三日(みつか)神諭(しんゆ)()(をは)つて昇天(しようてん)し、026(その)聖霊(せいれい)稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)復帰(ふくき)し、027天界(てんかい)(おい)神政(しんせい)(おこな)ひ、028(その)遺骸(ゐがい)天王平(てんのうだひら)奥津城(おくつき)永眠(えいみん)してゐる。029国照姫(くにてるひめ)後継者(こうけいしや)はすでに二代(にだい)三代(さんだい)立並(たちなら)び、030神教(しんけう)伝達(でんたつ)することとなつてゐる。
031 (みなもと)日出雄(ひでを)神示(しんじ)によつて、032明治(めいぢ)三十二(さんじふに)(ねん)聖地(せいち)(きた)り、033水洗礼(みづせんれい)教務(けうむ)補佐(ほさ)し、034大正(たいしやう)(じふ)(ねん)(まで)神業(かむわざ)(つづ)けてゐた。035(この)(かん)(ほとん)二十四(にじふよ)(ねん)036高姫(たかひめ)精霊(せいれい)宿(やど)りたる徳島(とくしま)(ふく)037菖蒲(あやめ)のお(はな)038高村(たかむら)高造(たかざう)039四方(しかた)与多平(よたへい)040鷹巣(たかのす)文助(ぶんすけ)041(その)()数多(あまた)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)()極力(きよくりよく)妨害(ばうがい)されつつも、042(すべ)ての障壁(しやうへき)蹴破(しうは)して、043十年(じふねん)一日(いちじつ)(ごと)く、044神教(しんけう)従事(じうじ)した。
045 梅村(うめむら)信行(のぶゆき)046湯浅(ゆあさ)仁斎(じんさい)047西田(にしだ)元教(もとのり)などの(たす)けはあつたが、048(わか)らずやの妨害(ばうがい)(もつと)(はなは)だしく、049(おほ)いに神業(しんげふ)進展(しんてん)阻害(そがい)した。
050 大正(たいしやう)()(ねん)(すゑ)(ごろ)から鼻高(はなだか)学者(がくしや)()続々(ぞくぞく)聖地(せいち)(きた)り、051大正(たいしやう)(じふ)(ねん)世界(せかい)全滅(ぜんめつ)却託(ごうたく)(なら)べ、052一夜作(いちやづく)りの霊学(れいがく)称導(しようだう)し、053三五(あななひ)声望(せいばう)をして、054一時(いちじ)天下(てんか)失墜(しつつい)せしめた。055(その)結果(けつくわ)大正(たいしやう)(じふ)(ねん)(おい)て、056有名(いうめい)なる大本(おほもと)事件(じけん)勃発(ぼつぱつ)し、057()いで桶伏山(おけぶせやま)058(にしき)(みや)の、059乱暴(らんばう)至極(しごく)取毀(とりこぼ)ちとなり、060(みなもと)日出雄(ひでを)()一時(いちじ)(ごく)(とう)ぜられ、061いかめしき閻魔(えんま)(ちやう)引出(ひきだ)されて、062善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)審判(しんぱん)さるることとなつた。063(この)事件(じけん)(きも)をつぶし睾丸(かうぐわん)宿換(やどがへ)さした学者(がくしや)(れん)は、064数十万(すうじふまん)(ゑん)負債(ふさい)投付(なげつ)け、065日出雄(ひでを)以下(いか)純真(じゆんしん)なる(かみ)()を、066千丈(せんじやう)谷間(たにま)につきおとし、067()らぬ(かほ)半兵衛(はんべゑ)をきめこみ、068第二(だいに)計画(けいくわく)()て、069(まよ)へる少年(せうねん)をかり(あつ)めむとし、070心霊会(しんれいくわい)なるものを組織(そしき)したが、071(てん)()かる暴虐(ばうぎやく)(ゆる)さず、072一時(いちじ)(その)傘下(さんか)(あつ)まれる猛者(もさ)(れん)四方(しはう)散逸(さんいつ)し、073(いま)孤立(こりつ)無援(むゑん)境地(きやうち)()心霊(しんれい)人生(じんせい)なる孤城(こじやう)(かく)れて、074(しき)りに三五(あななひ)本城(ほんじやう)(むか)つて征矢(そや)(はな)つてゐる。075(この)(かん)日出雄(ひでを)桶伏山(おけぶせやま)山下(やました)076祥雲閣(しやううんかく)(おい)て、077万有愛(ばんいうあい)教旗(けうき)(ひるがへ)し、078三五(あななひ)神教(しんけう)(つた)ふべく、079神示(しんじ)霊界(れいかい)物語(ものがたり)口述(こうじゆつ)発行(はつかう)し、080天下(てんか)宣伝(せんでん)せしより、081教勢(けうせい)(とみ)回復(くわいふく)し、082(いづ)れも(その)教理(けうり)歓喜(くわんき)雀躍(じやくやく)し、083(やう)内外(ないぐわい)()はず信者(しんじや)()(つき)蝟集(ゐしふ)(きた)り、084昔日(せきじつ)(まさ)大勢力(だいせいりよく)醸成(じやうせい)した。
085 (みなもと)日出雄(ひでを)節分祭(せつぶんさい)()んだ(のち)086壇上(だんじやう)()ちて一場(いちぢやう)演説(えんぜつ)(こころ)みた。
087源日出雄天地(てんち)万有(ばんいう)創造(さうざう)(たま)ひし独一(どくいつ)真神(しんしん)()(かみ)(いつ)きまつる今日(けふ)は、088(いち)(ねん)一回(いつくわい)(もつと)(きよ)祭典日(さいてんび)であります。089(こと)大正(たいしやう)十三(じふさん)(ねん)()(ぐわつ)四日(よつか)節分祭(せつぶんさい)は、090天運(てんうん)循環(じゆんくわん)して、091甲子(きのえね)聖日(せいじつ)でありまして、092吾々(われわれ)人間(にんげん)としては、093十万(じふまん)(ねん)一度(いちど)より際会(さいくわい)することの出来(でき)ない、094(もつと)意義(いぎ)ある主日(しゆのひ)であります。095大神(おほかみ)愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)(ひかり)()たされたる各国(かくこく)各地(かくち)役員(やくゐん)信徒(しんと)諸氏(しよし)が、096神縁(しんえん)(あひ)(じゆく)して、097(この)八尋殿(やひろどの)にお(あつ)まりになり、098(われ)()(とも)芽出度(めでた)大祭典(だいさいてん)に、099奉仕(ほうし)さるることを()られましたのは、100至仁(しじん)至愛(しあい)()(かみ)(さま)御恵(みめぐ)みに(ほか)ならないことを、101皆様(みなさま)(とも)感謝(かんしや)せなくてはなりませぬ。102()承知(しようち)(とほ)り、103教祖(けうそ)国照姫(くにてるひめの)(みこと)(かか)らせ(たま)うた(かみ)(さま)は、104宇宙(うちう)創造者(さうざうしや)105天地(てんち)祖神(そしん)大国常立(おほくにとこたちの)(みこと)でありまして、106明治(めいぢ)廿五(にじふご)(ねん)(しやう)(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)107心身(しんしん)(とも)浄化(じやうくわ)したる教祖(けうそ)稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)精霊(せいれい)宿(やど)され、108前後(ぜんご)未曾有(みぞう)聖教(せいけう)を、109一切(いつさい)衆生(しゆじやう)(むか)つて伝達(でんたつ)されたのは、110吾々(われわれ)人類(じんるゐ)(ため)には、111(じつ)無限(むげん)絶大(ぜつだい)賜物(たまもの)であります。112()(かみ)(さま)厳霊(げんれい)稚姫君(わかひめぎみの)(みこと)()精霊(せいれい)(その)神格(しんかく)をみたされ、113地上(ちじやう)神人(しんじん)たる清浄(せいじやう)無垢(むく)霊身(れいしん)三五(あななひ)教祖(けうそ)肉体(にくたい)終局点(しうきよくてん)として(きた)らせ(たま)ひ、114間接(かんせつ)内流(ないりう)形式(けいしき)()つて、115大地(だいち)修理(しうり)固成(こせい)神業(しんげふ)を、116三界(さんかい)衆生(しゆじやう)(たい)(あまね)伝達(でんたつ)すべく(あら)はれ(たま)うたのであります。117(その)初発(しよつぱつ)神諭(しんゆ)には『三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)118(うしとら)金神(こんじん)(かま)()になりたぞよ、119須弥仙(しゆみせん)(ざん)(こし)をかけ、120三千(さんぜん)世界(せかい)(まも)るぞよ』と(だい)獅子吼(ししく)をされてゐます。121(この)神示(しんじ)略解(りやくかい)すれば、122三千(さんぜん)世界(せかい)とは、123神界(しんかい)幽界(いうかい)現界(げんかい)三大(さんだい)境界(きやうかい)であり、124過去(くわこ)現在(げんざい)未来(みらい)をも()して()ります。125(うめ)(はな)(うめ)言霊学(げんれいがく)(じやう)126エと()ふことになる、127エは万物(ばんぶつ)(はじめ)128生命(せいめい)源泉(げんせん)であり、129(よう)といふことになり、130スは一切(いつさい)統一(とういつ)意味(いみ)であります。131(また)スは清浄(せいじやう)潔白(けつぱく)スミキリの意味(いみ)ともなる。132(はな)とは(はじ)めて()るの()であり、133最初(さいしよ)意味(いみ)であり、134教祖(けうそ)意味(いみ)ともなる。135()(かみ)空前(くうぜん)絶後(ぜつご)大神業(だいしんげふ)をいよいよ開始(かいし)し、136最初(さいしよ)()理想(りさう)たる黄金(わうごん)世界(せかい)地上(ちじやう)完全(くわんぜん)建設(けんせつ)(たま)ふといふ芽出度(めでた)意味(いみ)であります。137(うしとら)といへば東北(とうほく)意味(いみ)神典(しんてん)にては()若宮(わかみや)方位(はうゐ)であり、138万物(ばんぶつ)発生(はつせい)根源(こんげん)であつて太陽(たいやう)(のぼ)(たま)方位(はうゐ)であります。139(また)(うしとら)といふ字義(じぎ)(とど)めとなり(はじめ)となり(かた)めとなり(なが)しとなり、140()(をは)りの()(はじ)まりの意味(いみ)となります。141金神(こんじん)といふ意味(いみ)売卜者(ばいぼくしや)()つてゐる方除(はうよ)けをせられたり、142(たた)(がみ)として排斥(はいせき)せられてゐるやうな人間(にんげん)()りに(つく)つた(かみ)意味(いみ)ではなく、143尊厳(そんげん)無比(むひ)金剛(こんがう)不壊(ふえ)意味(いみ)(いう)し、144三界(さんかい)をして黄金(わうごん)世界(せかい)完成(くわんせい)(たま)(すく)ひの(かみ)といふ、145(つづま)言葉(ことば)であります。
146 須弥仙(しゆみせん)(ざん)といふのは、147仏経(ぶつきやう)にある仮想(かさう)(てき)(やま)であつて所謂(いはゆる)宇宙(うちう)中心(ちうしん)()したものであります。148日月(じつげつ)星辰(せいしん)(この)須弥仙(しゆみせん)(ざん)中心(ちうしん)進行(しんかう)し、149須弥仙(しゆみせん)(ざん)には三十三(さんじふさん)(てん)があるといつてゐるのを()ても、150無限(むげん)絶対(ぜつたい)なる大宇宙(だいうちう)意味(いみ)であることが明瞭(めいりやう)となつて()ます。151(この)須弥仙(しゆみせん)(ざん)(こし)をかけ(うしとら)金神(こんじん)(まも)ると宣示(せんじ)されたのは、152(じつ)驚嘆(きやうたん)すべき大神業(だいしんげふ)大完成(だいくわんせい)予示(よじ)されたもので、153万有(ばんいう)一切(いつさい)(この)大神(おほかみ)愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)(ひかり)(よく)し、154現幽神(げんいうしん)三界(さんかい)(わた)り、155永遠(えいゑん)無窮(むきう)真生命(しんせいめい)(たも)ち、156歓喜(くわんき)(よく)することを()るのであります。157太古(たいこ)()ける現世界(げんせかい)住民(ぢうみん)(いづ)れも、158清浄(せいじやう)無垢(むく)にして、159智慧(ちゑ)証覚(しようかく)にすぐれ、160(あい)(ぜん)(しん)(しん)をよく体得(たいとく)し、161直接(ちよくせつ)天人(てんにん)(まじ)はり、162霊界(れいかい)現界(げんかい)(あは)(かがみ)(ごと)く、163(じつ)(あきら)かな荘厳(さうごん)世界(せかい)であつたのであります。164それより追々(おひおひ)()(くだ)つて白銀(しろがね)時代(じだい)となり、165八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)跋扈(ばつこ)(はじ)め、166智慧(ちゑ)証覚(しようかく)(やうや)くにしてにぶり()し、167(くだ)つて赤銅(あかがね)時代(じだい)黒鉄(くろがね)時代(じだい)益々(ますます)現実化(げんじつくわ)し、168妖邪(えうじや)空気(くうき)天地(てんち)充満(じゆうまん)し、169三界(さんがい)紛争(ふんさう)絶間(たえま)なく、170(いま)泥海(どろうみ)時代(じだい)堕落(だらく)して(しま)つたのです。171仏者(ぶつしや)(これ)末法(まつぽふ)()といひ、172基督教(キリストけう)地獄(ぢごく)といひ、173神道家(しんだうか)常暗(とこやみ)()(とな)へてゐます。174地上(ちじやう)一切(いつさい)(たみ)仁慈(じんじ)無限(むげん)大神(おほかみ)恩恵(おんけい)忘却(ばうきやく)し、175自己愛(じこあい)(てき)行動(かうどう)(あへ)てなし、176(たがひ)()(あらそ)ひ、177権利(けんり)獲得(かくとく)せむとし、178排他(はいた)猜疑(さいぎ)と、179呪咀(じゆそ)悪口(あくこう)のみを()(こと)とし、180仏者(ぶつしや)所謂(いはゆる)地獄(ぢごく)餓鬼(がき)畜生(ちくしやう)修羅(しうら)惨状(さんじやう)現出(げんしゆつ)することとなりました。181(ここ)(おい)国祖(こくそ)神霊(しんれい)(この)惨状(さんじやう)座視(ざし)するに(しの)びず、182(かみ)より(えら)まれたる清浄(せいじやう)無垢(むく)なる霊身(れいしん)国照姫(くにてるひめの)(みこと)をして神意(しんい)伝達(でんたつ)機関(きくわん)となし、183万有(ばんいう)救済(きうさい)聖業(せいげふ)(たく)されたのであります。184(ゆゑ)三五(あななひ)(をしへ)根本(こんぽん)大神(おほかみ)聖慮(せいりよ)奉戴(ほうたい)し、185神界(しんかい)より(この)地上(ちじやう)天降(あまくだ)(たま)へる十二(じふに)神柱(かむばしら)(あつ)め、186霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)(てき)国土(こくど)建設(けんせつ)し、187常暗(とこやみ)()をして最初(さいしよ)黄金(わうごん)世界(せかい)復帰(ふくき)せしむる()神業(しんげふ)(つか)へまつるべき大責任(だいせきにん)をお(まか)せになつたのであります。188(いま)天運(てんうん)循環(じゆんくわん)神律(しんりつ)によつて、189世界(せかい)各地(かくち)精神(せいしん)(てき)救世主(きうせいしゆ)(あら)はれてをります。190()いては日出雄(ひでを)()(かみ)神示(しんじ)(したが)ひ、191到底(たうてい)(この)(ちひ)さき教団(けうだん)のみの神柱(かむばしら)となつてゐることは出来(でき)ない(やう)になりました。192今日(こんにち)人間(にんげん)口先(くちさき)では(じつ)勇壮(ゆうさう)活溌(くわつぱつ)な、193鬼神(きしん)跣足(はだし)()げるような大気焔(だいきえん)をはき、194メートルを()げてる(もの)もありますが、195愈々(いよいよ)実地(じつち)となつた(とき)竜頭(りうとう)蛇尾(だび)(をは)るのが一般(いつぱん)傾向(けいかう)であります。196今日(こんにち)人間(にんげん)(すべ)てが卑劣(ひれつ)柔弱(にふじやく)で、197小心(せうしん)貪欲(どんよく)で、198我利(がり)々々(がり)亡者(もうじや)で、199排他(はいた)(てき)で、200(しん)勇気(ゆうき)がありませぬ。201かかる汚穢(をえ)陀羅(だら)昏迷(こんめい)極度(きよくど)(たつ)した人心(じんしん)活気(くわつき)(あた)へ、202(かみ)聖霊(せいれい)宿(やど)つた()きた機関(きくわん)として、203天晴(あつぱ)活動(くわつどう)せしめむとするには、204()第一(だいいち)勇壮(ゆうさう)活溌(くわつぱつ)なる模範(もはん)(しめ)し、205(かく)人間(にんげん)(こころ)岩戸(いはと)(ひら)いてやる必要(ひつえう)がありますので、206国照姫(くにてるひめの)(みこと)荒波(あらなみ)(たけ)絶海(ぜつかい)孤島(こたう)冠島(をじま)207沓島(めじま)などに、208小舟(こぶね)(わた)り、209荒行(あらぎやう)をなし、210(あるひ)鞍馬山(くらまやま)幽谷(いうこく)(その)()霊山(れいざん)霊地(れいち)(みづか)出修(しゆつしう)して、211信徒(しんと)(きも)(だい)ならしめ、212有為(いうゐ)なる信者(しんじや)(つく)り、213社会(しやくわい)(ため)至誠(しせい)(つく)さしめむと(つと)められたのであります。214乍併(しかしながら)元来(ぐわんらい)臆病神(おくびやうがみ)巣窟(さうくつ)となつてゐる人間(にんげん)(めくら)(つんぼ)同様(どうやう)で、215国照姫(くにてるひめの)(みこと)聖跡(せいせき)をふんで、216(その)実行(じつかう)(こころ)みた(もの)一人(ひとり)もなかつたのであります。217勿論(もちろん)開祖(かいそ)()かれた冠島(をじま)沓島(めじま)鞍馬山(くらまやま)参拝(さんぱい)して()神業(しんげふ)(つと)まつたと(おも)つてゐる(わか)らずやは相当(さうたう)にありました。218けれども(その)精神(せいしん)汲取(くみと)つて(その)(みち)大活動(だいくわつどう)(つづ)けようとする勇者(ゆうしや)一人(ひとり)()なかつたのであります。219(この)(てい)をみて憤慨(ふんがい)した日出雄(ひでを)三五(あななひ)信徒(しんと)(はじ)自転倒(おのころ)(じま)人間(にんげん)(および)世界(せかい)人間(にんげん)模範(もはん)(しめ)(ため)に、220神示(しんじ)(かしこ)み、221蒙古(もうこ)大原野(だいげんや)()第一(だいいち)開拓(かいたく)すべく、222大正(たいしやう)(ろく)(ねん)(はる)より、223(ひそ)かに(その)準備(じゆんび)着手(ちやくしゆ)して()りました。224古語(こご)にも南船(なんせん)北馬(ほくば)といふ()があります。225どうしても東北(とうほく)(すす)むのには(うま)()ることが必要(ひつえう)である。226(ゆゑ)日出雄(ひでを)(この)(とし)より準備(じゆんび)一端(いつたん)として、227(とう)(うま)飼育(しいく)し、228()(たか)(うま)229(ひく)(うま)230おとなしき(うま)231はげしき(うま)(のり)こなし、232(とき)(いた)るを()ちつつあつた。233そこへ神示(しんじ)(ごと)く、234大正(たいしやう)(じふ)(ねん)辛酉(かのととり)(とし)(いた)つて、235事件(じけん)(ため)(ふたた)天下(てんか)大誤解(だいごかい)をうけ、236行動(かうどう)自由(じいう)(うしな)つたので、237()(けつ)し、238(この)世界(せかい)(みなもと)日出雄(ひでを)として活動(くわつどう)せむと(おも)つてゐます。239どうか諸子(しよし)()(かんが)へを(もつ)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)されむことを希望(きばう)(いた)します。240
241 と(むす)んで降壇(かうだん)した。242(みなもと)日出雄(ひでを)心中(しんちう)には(すで)(すで)神命(しんめい)奉戴(ほうたい)し、243空前(くうぜん)絶後(ぜつご)大神業(だいしんげふ)(いま)(くはだ)てむとし、244満月(まんげつ)(ごと)(しぼ)つた(ゆみ)()(ちか)(はな)たれむとしてゐたのである。
245大正一四、八、一五松村真澄筆録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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