霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 神示(しんじ)の経綸(けいりん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 特別篇 山河草木 入蒙記 篇:第1篇 日本より奉天まで よみ(新仮名遣い):にっぽんよりほうてんまで
章:第2章 神示の経綸 よみ(新仮名遣い):しんじのけいりん 通し章番号:
口述日:1925(大正14)年08月15日(旧06月26日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1935(昭和10)年4月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
大本教の聖地・綾部の八尋殿において、恒例の節分祭が執行された。祭りの執行後、源日出雄は壇上から演説を試みた。
天地万有を創造したまいし主の神を斎き祭る節分祭は、一年のうち最も聖なる祭典日です。
大正十三年二月四日はとくに、天運循環して、甲子の聖日であり、十万年に一度しか際会することのできない日です
教祖国照姫命にかからせたもうた神様は天地の祖神・大国常立尊であり、明治二十五年の正月元旦に、心身ともに浄化した教祖は、稚姫君命の精霊を宿し、聖なる教えを衆生に向かって伝達されたのです。
開祖の御役割りとは、根本の大神の聖慮を奉戴し、神界より地上に降したまえる十二の神柱を集め、霊主体従的に国土を建設することにより、世界を最初の黄金世界に復帰せしめる御神業を、国祖により任せられたのです。
今や天運循環し、世界各地に精神的な救世主が現れている。日出雄も主の神の神示に基づき、小さな教団の神柱となっていることができないようになってきた。
現在の混迷の極度に達した人心に活気を与えて神の聖霊の宿った機関として活動せしめるためには、まず第一に勇壮活発な模範を示すことにより、人間の心の岩戸を開いてやる必要がある。
開祖は冠島、沓島開きや鞍馬山など各地霊山への出修によって、それを行った。日出雄もまた神示をかしこみ、蒙古の大原野を開拓すべく、大正六年の春から密かに準備に着手していた。
そこへ、大正十年の事件によって天下の大誤解を受けたため、意を決して活動しようと思っている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考:2023/12/26出口王仁三郎全集第6巻をもとに校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-12-28 12:52:52 文字数:3928 OBC :rmnm02
愛善世界社版:14頁 八幡書店版:第14輯 552頁 修補版: 校定版:14頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 明治(めいぢ)の末葉(まつえう)大正(たいしやう)の初期(しよき)にかけ、002思想(しさう)混乱(こんらん)の極(きよく)に達(たつ)せる現実界(げんじつかい)に向(むか)つて、003一大(いちだい)獅子吼(ししく)をなし、004神教(しんけう)を四方(よも)に伝達(でんたつ)したる結果(けつくわ)、005恰(あだか)も洪水(こうずゐ)の氾濫(はんらん)して大堤防(だいていばう)を破壊(はくわい)するが如(ごと)き勢(いきほひ)を以(もつ)て勃興(ぼつこう)したる天授(てんじゆ)の聖教(せいけう)、006三五(あななひ)の聖団(せいだん)、007其(その)大本(おほもと)所在地(しよざいち)と聞(きこ)えたる綾(あや)の聖地(せいち)──仏徒(ぶつと)の所謂(いはゆる)霊山(れいざん)会場(ゑぢやう)の蓮華台(れんげだい)、008キリスト教徒(けうと)の最(もつと)も憧憬(どうけい)して已(や)まざるパレスチナの聖場(せいぢやう)、009オレブ山(さん)、010エルサレムの聖地(せいち)にも比(ひ)すべき──神(かみ)の本宮(ほんぐう)、011桶伏山(おけぶせやま)を中心(ちうしん)とし、012宏壮(くわうさう)なる殿堂(でんだう)、013錦(にしき)の宮(みや)を建設(けんせつ)し、014四百四十四坪(つぼ)の八尋殿(やひろどの)に於(おい)て、015盛(さかん)に主神(すしん)の聖教(せいけう)を伝達(でんたつ)し、016既成(きせい)宗教(しうけう)の上(うへ)に卓越(たくえつ)して、017世界(せかい)万有愛(ばんいうあい)の教旗(けうき)を飜(ひるが)へし、018自転倒(おのころ)島(じま)を初(はじ)め、019地上(ちじやう)の世界(せかい)に無数(むすう)の崇信者(すうしんしや)を有(いう)する三五教(あななひけう)の根源地(こんげんち)、020八尋殿(やひろどの)に於(おい)て、021恆例(こうれい)の節分祭(せつぶんさい)が執行(しつかう)された。022此(この)節分祭(せつぶんさい)はキリスト教(けう)の所謂(いはゆる)逾越祭(すぎこしさい)の如(ごと)きものである。023此(この)殿堂(でんどう)は五六七(みろく)神政(しんせい)に因(ちな)みて五六七(みろく)殿(でん)と称(とな)へられてゐる。024国照姫(くにてるひめ)は地上(ちじやう)に肉体(にくたい)を以(もつ)て生存(せいぞん)すること八十(はちじふ)余(よ)年(ねん)[*底本(全集)では「八十四年」、天声社や愛善世界社の入蒙記では「八十余年」になっている。開祖は満年齢だと81歳、数え年だと83歳で没しており、どう計算しても84歳にはならないので、「四」ではなく「余」の誤字だと編者が判断したのだと思われる。霊界物語ネットでも「余」に修正した。(王仁蒙古入記p2でも「出口直子は八十四歳の高齢を以て」と84歳になっている)]、025大正(たいしやう)七(しち)年(ねん)陰暦(いんれき)十(じふ)月(ぐわつ)三日(みつか)神諭(しんゆ)を書(か)き了(をは)つて昇天(しようてん)し、026其(その)聖霊(せいれい)は稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)と復帰(ふくき)し、027天界(てんかい)に於(おい)て神政(しんせい)を行(おこな)ひ、028其(その)遺骸(ゐがい)は天王平(てんのうだひら)の奥津城(おくつき)に永眠(えいみん)してゐる。029国照姫(くにてるひめ)の後継者(こうけいしや)はすでに二代(にだい)三代(さんだい)と立並(たちなら)び、030神教(しんけう)を伝達(でんたつ)することとなつてゐる。
031 源(みなもと)日出雄(ひでを)は神示(しんじ)によつて、032明治(めいぢ)三十二(さんじふに)年(ねん)聖地(せいち)に来(きた)り、033水洗礼(みづせんれい)の教務(けうむ)を補佐(ほさ)し、034大正(たいしやう)十(じふ)年(ねん)迄(まで)神業(かむわざ)を続(つづ)けてゐた。035此(この)間(かん)殆(ほとん)ど二十四(にじふよ)年(ねん)、036高姫(たかひめ)の精霊(せいれい)の宿(やど)りたる徳島(とくしま)お福(ふく)、037菖蒲(あやめ)のお花(はな)、038高村(たかむら)高造(たかざう)、039四方(しかた)与多平(よたへい)、040鷹巣(たかのす)文助(ぶんすけ)、041其(その)他(た)数多(あまた)の体主(たいしゆ)霊従(れいじう)派(は)に極力(きよくりよく)妨害(ばうがい)されつつも、042凡(すべ)ての障壁(しやうへき)を蹴破(しうは)して、043十年(じふねん)一日(いちじつ)の如(ごと)く、044神教(しんけう)に従事(じうじ)した。
045 梅村(うめむら)信行(のぶゆき)、046湯浅(ゆあさ)仁斎(じんさい)、047西田(にしだ)元教(もとのり)などの輔(たす)けはあつたが、048分(わか)らずやの妨害(ばうがい)最(もつと)も甚(はなは)だしく、049大(おほ)いに神業(しんげふ)の進展(しんてん)を阻害(そがい)した。
050 大正(たいしやう)五(ご)年(ねん)の末(すゑ)頃(ごろ)から鼻高(はなだか)学者(がくしや)等(ら)が続々(ぞくぞく)と聖地(せいち)に来(きた)り、051大正(たいしやう)十(じふ)年(ねん)に世界(せかい)全滅(ぜんめつ)の却託(ごうたく)を並(なら)べ、052一夜作(いちやづく)りの霊学(れいがく)を称導(しようだう)し、053三五(あななひ)の声望(せいばう)をして、054一時(いちじ)は天下(てんか)に失墜(しつつい)せしめた。055其(その)結果(けつくわ)は大正(たいしやう)十(じふ)年(ねん)に於(おい)て、056有名(いうめい)なる大本(おほもと)事件(じけん)を勃発(ぼつぱつ)し、057次(つ)いで桶伏山(おけぶせやま)、058錦(にしき)の宮(みや)の、059乱暴(らんばう)至極(しごく)な取毀(とりこぼ)ちとなり、060源(みなもと)日出雄(ひでを)等(ら)は一時(いちじ)獄(ごく)に投(とう)ぜられ、061いかめしき閻魔(えんま)の庁(ちやう)に引出(ひきだ)されて、062善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)を審判(しんぱん)さるることとなつた。063此(この)事件(じけん)に肝(きも)をつぶし睾丸(かうぐわん)の宿換(やどがへ)さした学者(がくしや)連(れん)は、064数十万(すうじふまん)円(ゑん)の負債(ふさい)を投付(なげつ)け、065日出雄(ひでを)以下(いか)の純真(じゆんしん)なる神(かみ)の子(こ)を、066千丈(せんじやう)の谷間(たにま)につきおとし、067知(し)らぬ顔(かほ)の半兵衛(はんべゑ)をきめこみ、068第二(だいに)の計画(けいくわく)を立(た)て、069迷(まよ)へる少年(せうねん)をかり集(あつ)めむとし、070心霊会(しんれいくわい)なるものを組織(そしき)したが、071天(てん)は斯(か)かる暴虐(ばうぎやく)を許(ゆる)さず、072一時(いちじ)其(その)傘下(さんか)に集(あつ)まれる猛者(もさ)連(れん)は四方(しはう)に散逸(さんいつ)し、073今(いま)や孤立(こりつ)無援(むゑん)の境地(きやうち)に立(た)ち心霊(しんれい)と人生(じんせい)なる孤城(こじやう)に隠(かく)れて、074切(しき)りに三五(あななひ)の本城(ほんじやう)に向(むか)つて征矢(そや)を放(はな)つてゐる。075此(この)間(かん)日出雄(ひでを)は桶伏山(おけぶせやま)の山下(やました)、076祥雲閣(しやううんかく)に於(おい)て、077万有愛(ばんいうあい)の教旗(けうき)を飜(ひるがへ)し、078三五(あななひ)の神教(しんけう)を伝(つた)ふべく、079神示(しんじ)の霊界(れいかい)物語(ものがたり)を口述(こうじゆつ)発行(はつかう)し、080天下(てんか)に宣伝(せんでん)せしより、081教勢(けうせい)頓(とみ)に回復(くわいふく)し、082何(いづ)れも其(その)教理(けうり)に歓喜(くわんき)雀躍(じやくやく)し、083洋(やう)の内外(ないぐわい)を問(と)はず信者(しんじや)は日(ひ)に月(つき)に蝟集(ゐしふ)し来(きた)り、084昔日(せきじつ)に優(まさ)る大勢力(だいせいりよく)を醸成(じやうせい)した。
085 源(みなもと)日出雄(ひでを)は節分祭(せつぶんさい)の済(す)んだ後(のち)、086壇上(だんじやう)に立(た)ちて一場(いちぢやう)の演説(えんぜつ)を試(こころ)みた。
087源日出雄『天地(てんち)万有(ばんいう)を創造(さうざう)し玉(たま)ひし独一(どくいつ)真神(しんしん)主(す)の神(かみ)を斎(いつ)きまつる今日(けふ)は、088一(いち)年(ねん)一回(いつくわい)の最(もつと)も聖(きよ)き祭典日(さいてんび)であります。089殊(こと)に大正(たいしやう)十三(じふさん)年(ねん)二(に)月(ぐわつ)四日(よつか)の節分祭(せつぶんさい)は、090天運(てんうん)循環(じゆんくわん)して、091甲子(きのえね)の聖日(せいじつ)でありまして、092吾々(われわれ)人間(にんげん)としては、093十万(じふまん)年(ねん)に一度(いちど)より際会(さいくわい)することの出来(でき)ない、094最(もつと)も意義(いぎ)ある主日(しゆのひ)であります。095大神(おほかみ)の愛善(あいぜん)の徳(とく)と信真(しんしん)の光(ひかり)に充(み)たされたる各国(かくこく)各地(かくち)の役員(やくゐん)信徒(しんと)諸氏(しよし)が、096神縁(しんえん)相(あひ)熟(じゆく)して、097此(この)八尋殿(やひろどの)にお集(あつ)まりになり、098吾(われ)等(ら)と共(とも)に芽出度(めでた)き大祭典(だいさいてん)に、099奉仕(ほうし)さるることを得(え)られましたのは、100至仁(しじん)至愛(しあい)の主(す)の神(かみ)様(さま)の御恵(みめぐ)みに外(ほか)ならないことを、101皆様(みなさま)と共(とも)に感謝(かんしや)せなくてはなりませぬ。102御(ご)承知(しようち)の通(とほ)り、103教祖(けうそ)国照姫(くにてるひめの)命(みこと)に懸(かか)らせ玉(たま)うた神(かみ)様(さま)は、104宇宙(うちう)の創造者(さうざうしや)、105天地(てんち)の祖神(そしん)大国常立(おほくにとこたちの)尊(みこと)でありまして、106明治(めいぢ)廿五(にじふご)年(ねん)正(しやう)月(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)、107心身(しんしん)共(とも)に浄化(じやうくわ)したる教祖(けうそ)は稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)の精霊(せいれい)を宿(やど)され、108前後(ぜんご)未曾有(みぞう)の聖教(せいけう)を、109一切(いつさい)の衆生(しゆじやう)に向(むか)つて伝達(でんたつ)されたのは、110吾々(われわれ)人類(じんるゐ)の為(ため)には、111実(じつ)に無限(むげん)絶大(ぜつだい)の賜物(たまもの)であります。112主(す)の神(かみ)様(さま)は厳霊(げんれい)稚姫君(わかひめぎみの)命(みこと)の御(ご)精霊(せいれい)に其(その)神格(しんかく)をみたされ、113地上(ちじやう)の神人(しんじん)たる清浄(せいじやう)無垢(むく)の霊身(れいしん)三五(あななひ)の教祖(けうそ)の肉体(にくたい)を終局点(しうきよくてん)として来(きた)らせ玉(たま)ひ、114間接(かんせつ)内流(ないりう)の形式(けいしき)に仍(よ)つて、115大地(だいち)の修理(しうり)固成(こせい)の神業(しんげふ)を、116三界(さんかい)の衆生(しゆじやう)に対(たい)し洽(あまね)く伝達(でんたつ)すべく現(あら)はれ玉(たま)うたのであります。117其(その)初発(しよつぱつ)の神諭(しんゆ)には『三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)に開(ひら)く梅(うめ)の花(はな)、118艮(うしとら)の金神(こんじん)の構(かま)ふ世(よ)になりたぞよ、119須弥仙(しゆみせん)山(ざん)に腰(こし)をかけ、120三千(さんぜん)世界(せかい)を守(まも)るぞよ』と大(だい)獅子吼(ししく)をされてゐます。121此(この)神示(しんじ)を略解(りやくかい)すれば、122三千(さんぜん)世界(せかい)とは、123神界(しんかい)幽界(いうかい)現界(げんかい)の三大(さんだい)境界(きやうかい)であり、124過去(くわこ)現在(げんざい)未来(みらい)をも指(さ)して居(を)ります。125梅(うめ)の花(はな)の梅(うめ)は言霊学(げんれいがく)上(じやう)、126エと云(い)ふことになる、127エは万物(ばんぶつ)の始(はじめ)、128生命(せいめい)の源泉(げんせん)であり、129用(よう)はスといふことになり、130スは一切(いつさい)統一(とういつ)の意味(いみ)であります。131又(また)スは清浄(せいじやう)潔白(けつぱく)スミキリの意味(いみ)ともなる。132花(はな)とは初(はじ)めて成(な)るの意(い)であり、133最初(さいしよ)の意味(いみ)であり、134教祖(けうそ)の意味(いみ)ともなる。135主(す)の神(かみ)が空前(くうぜん)絶後(ぜつご)の大神業(だいしんげふ)をいよいよ開始(かいし)し、136最初(さいしよ)の御(ご)理想(りさう)たる黄金(わうごん)世界(せかい)を地上(ちじやう)に完全(くわんぜん)に建設(けんせつ)し玉(たま)ふといふ芽出度(めでた)き意味(いみ)であります。137艮(うしとら)といへば東北(とうほく)を意味(いみ)し神典(しんてん)にては日(ひ)の若宮(わかみや)の方位(はうゐ)であり、138万物(ばんぶつ)発生(はつせい)の根源(こんげん)であつて太陽(たいやう)の昇(のぼ)り玉(たま)ふ方位(はうゐ)であります。139又(また)艮(うしとら)といふ字義(じぎ)は艮(とど)めとなり初(はじめ)となり固(かた)めとなり永(なが)しとなり、140世(よ)の終(をは)りの世(よ)の初(はじ)まりの意味(いみ)となります。141金神(こんじん)といふ意味(いみ)は売卜者(ばいぼくしや)の云(い)つてゐる方除(はうよ)けをせられたり、142祟(たた)り神(がみ)として排斥(はいせき)せられてゐるやうな人間(にんげん)の仮(か)りに造(つく)つた神(かみ)の意味(いみ)ではなく、143尊厳(そんげん)無比(むひ)金剛(こんがう)不壊(ふえ)の意味(いみ)を有(いう)し、144三界(さんかい)をして黄金(わうごん)世界(せかい)に完成(くわんせい)し玉(たま)ふ救(すく)ひの神(かみ)といふ、145約(つづま)り言葉(ことば)であります。
146 須弥仙(しゆみせん)山(ざん)といふのは、147仏経(ぶつきやう)にある仮想(かさう)的(てき)の山(やま)であつて所謂(いはゆる)宇宙(うちう)の中心(ちうしん)を指(さ)したものであります。148日月(じつげつ)星辰(せいしん)が此(この)須弥仙(しゆみせん)山(ざん)を中心(ちうしん)に進行(しんかう)し、149須弥仙(しゆみせん)山(ざん)には三十三(さんじふさん)の天(てん)があるといつてゐるのを見(み)ても、150無限(むげん)絶対(ぜつたい)なる大宇宙(だいうちう)の意味(いみ)であることが明瞭(めいりやう)となつて来(き)ます。151此(この)須弥仙(しゆみせん)山(ざん)に腰(こし)をかけ艮(うしとら)の金神(こんじん)が守(まも)ると宣示(せんじ)されたのは、152実(じつ)に驚嘆(きやうたん)すべき大神業(だいしんげふ)の大完成(だいくわんせい)を予示(よじ)されたもので、153万有(ばんいう)一切(いつさい)は此(この)大神(おほかみ)の愛善(あいぜん)の徳(とく)と信真(しんしん)の光(ひかり)に浴(よく)し、154現幽神(げんいうしん)三界(さんかい)に亘(わた)り、155永遠(えいゑん)無窮(むきう)に真生命(しんせいめい)を保(たも)ち、156歓喜(くわんき)に浴(よく)することを得(う)るのであります。157太古(たいこ)に於(お)ける現世界(げんせかい)の住民(ぢうみん)は何(いづ)れも、158清浄(せいじやう)無垢(むく)にして、159智慧(ちゑ)証覚(しようかく)にすぐれ、160愛(あい)の善(ぜん)と信(しん)の真(しん)をよく体得(たいとく)し、161直接(ちよくせつ)天人(てんにん)と交(まじ)はり、162霊界(れいかい)も現界(げんかい)も合(あは)せ鏡(かがみ)の如(ごと)く、163実(じつ)に明(あきら)かな荘厳(さうごん)な世界(せかい)であつたのであります。164それより追々(おひおひ)と世(よ)は降(くだ)つて白銀(しろがね)時代(じだい)となり、165八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜狐(しこぎつね)が跋扈(ばつこ)し始(はじ)め、166智慧(ちゑ)証覚(しようかく)は漸(やうや)くにしてにぶり出(だ)し、167降(くだ)つて赤銅(あかがね)時代(じだい)黒鉄(くろがね)時代(じだい)と益々(ますます)現実化(げんじつくわ)し、168妖邪(えうじや)の空気(くうき)は天地(てんち)に充満(じゆうまん)し、169三界(さんがい)に紛争(ふんさう)絶間(たえま)なく、170今(いま)や泥海(どろうみ)時代(じだい)と堕落(だらく)して了(しま)つたのです。171仏者(ぶつしや)は之(これ)を末法(まつぽふ)の世(よ)といひ、172基督教(キリストけう)は地獄(ぢごく)といひ、173神道家(しんだうか)は常暗(とこやみ)の世(よ)と称(とな)へてゐます。174地上(ちじやう)一切(いつさい)の民(たみ)は仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の恩恵(おんけい)を忘却(ばうきやく)し、175自己愛(じこあい)的(てき)行動(かうどう)を敢(あへ)てなし、176互(たがひ)に覇(は)を争(あらそ)ひ、177権利(けんり)を獲得(かくとく)せむとし、178排他(はいた)と猜疑(さいぎ)と、179呪咀(じゆそ)と悪口(あくこう)のみを之(こ)れ事(こと)とし、180仏者(ぶつしや)の所謂(いはゆる)地獄(ぢごく)餓鬼(がき)畜生(ちくしやう)修羅(しうら)の惨状(さんじやう)を現出(げんしゆつ)することとなりました。181此(ここ)に於(おい)て国祖(こくそ)の神霊(しんれい)は此(この)惨状(さんじやう)を座視(ざし)するに忍(しの)びず、182神(かみ)より選(えら)まれたる清浄(せいじやう)無垢(むく)なる霊身(れいしん)国照姫(くにてるひめの)命(みこと)をして神意(しんい)伝達(でんたつ)の機関(きくわん)となし、183万有(ばんいう)救済(きうさい)の聖業(せいげふ)を托(たく)されたのであります。184故(ゆゑ)に三五(あななひ)の教(をしへ)は根本(こんぽん)の大神(おほかみ)の聖慮(せいりよ)を奉戴(ほうたい)し、185神界(しんかい)より此(この)地上(ちじやう)に天降(あまくだ)し玉(たま)へる十二(じふに)の神柱(かむばしら)を集(あつ)め、186霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)的(てき)国土(こくど)を建設(けんせつ)し、187常暗(とこやみ)の世(よ)をして最初(さいしよ)の黄金(わうごん)世界(せかい)に復帰(ふくき)せしむる御(ご)神業(しんげふ)に仕(つか)へまつるべき大責任(だいせきにん)をお任(まか)せになつたのであります。188今(いま)や天運(てんうん)循環(じゆんくわん)の神律(しんりつ)によつて、189世界(せかい)各地(かくち)に精神(せいしん)的(てき)救世主(きうせいしゆ)が現(あら)はれてをります。190就(つ)いては日出雄(ひでを)も主(す)の神(かみ)の神示(しんじ)に従(したが)ひ、191到底(たうてい)此(この)小(ちひ)さき教団(けうだん)のみの神柱(かむばしら)となつてゐることは出来(でき)ない様(やう)になりました。192今日(こんにち)の人間(にんげん)は口先(くちさき)では実(じつ)に勇壮(ゆうさう)活溌(くわつぱつ)な、193鬼神(きしん)も跣足(はだし)で逃(に)げるような大気焔(だいきえん)をはき、194メートルを上(あ)げてる者(もの)もありますが、195愈々(いよいよ)実地(じつち)となつた時(とき)は竜頭(りうとう)蛇尾(だび)に終(をは)るのが一般(いつぱん)の傾向(けいかう)であります。196今日(こんにち)の人間(にんげん)は凡(すべ)てが卑劣(ひれつ)で柔弱(にふじやく)で、197小心(せうしん)で貪欲(どんよく)で、198我利(がり)々々(がり)亡者(もうじや)で、199排他(はいた)的(てき)で、200真(しん)の勇気(ゆうき)がありませぬ。201かかる汚穢(をえ)陀羅(だら)昏迷(こんめい)の極度(きよくど)に達(たつ)した人心(じんしん)に活気(くわつき)を与(あた)へ、202神(かみ)の聖霊(せいれい)の宿(やど)つた活(い)きた機関(きくわん)として、203天晴(あつぱ)れ活動(くわつどう)せしめむとするには、204先(ま)づ第一(だいいち)に勇壮(ゆうさう)活溌(くわつぱつ)なる模範(もはん)を示(しめ)し、205各(かく)人間(にんげん)の心(こころ)の岩戸(いはと)を開(ひら)いてやる必要(ひつえう)がありますので、206国照姫(くにてるひめの)命(みこと)は荒波(あらなみ)猛(たけ)る絶海(ぜつかい)の孤島(こたう)冠島(をじま)207沓島(めじま)などに、208小舟(こぶね)で渡(わた)り、209荒行(あらぎやう)をなし、210或(あるひ)は鞍馬山(くらまやま)の幽谷(いうこく)其(その)他(た)の霊山(れいざん)霊地(れいち)へ自(みづか)ら出修(しゆつしう)して、211信徒(しんと)の肝(きも)を大(だい)ならしめ、212有為(いうゐ)なる信者(しんじや)を作(つく)り、213社会(しやくわい)の為(ため)に至誠(しせい)を尽(つく)さしめむと努(つと)められたのであります。214乍併(しかしながら)元来(ぐわんらい)臆病神(おくびやうがみ)の巣窟(さうくつ)となつてゐる人間(にんげん)は盲(めくら)聾(つんぼ)同様(どうやう)で、215国照姫(くにてるひめの)命(みこと)の聖跡(せいせき)をふんで、216其(その)実行(じつかう)を試(こころ)みた者(もの)は一人(ひとり)もなかつたのであります。217勿論(もちろん)開祖(かいそ)の行(ゆ)かれた冠島(をじま)沓島(めじま)や鞍馬山(くらまやま)へ参拝(さんぱい)して御(ご)神業(しんげふ)が勤(つと)まつたと思(おも)つてゐる分(わか)らずやは相当(さうたう)にありました。218けれども其(その)精神(せいしん)を汲取(くみと)つて其(その)道(みち)に大活動(だいくわつどう)を続(つづ)けようとする勇者(ゆうしや)は一人(ひとり)も出(で)なかつたのであります。219此(この)体(てい)をみて憤慨(ふんがい)した日出雄(ひでを)は三五(あななひ)の信徒(しんと)を始(はじ)め自転倒(おのころ)島(じま)の人間(にんげん)及(および)世界(せかい)の人間(にんげん)に模範(もはん)を示(しめ)す為(ため)に、220神示(しんじ)を畏(かしこ)み、221蒙古(もうこ)の大原野(だいげんや)を先(ま)づ第一(だいいち)に開拓(かいたく)すべく、222大正(たいしやう)六(ろく)年(ねん)の春(はる)より、223秘(ひそ)かに其(その)準備(じゆんび)に着手(ちやくしゆ)して居(を)りました。224古語(こご)にも南船(なんせん)北馬(ほくば)といふ語(ご)があります。225どうしても東北(とうほく)に進(すす)むのには馬(うま)に乗(の)ることが必要(ひつえう)である。226故(ゆゑ)に日出雄(ひでを)は此(この)年(とし)より準備(じゆんび)の一端(いつたん)として、227四頭(とう)の馬(うま)を飼育(しいく)し、228背(せ)の高(たか)き馬(うま)、229低(ひく)き馬(うま)、230おとなしき馬(うま)、231はげしき馬(うま)を乗(のり)こなし、232時(とき)の到(いた)るを待(ま)ちつつあつた。233そこへ神示(しんじ)の如(ごと)く、234大正(たいしやう)十(じふ)年(ねん)辛酉(かのととり)の年(とし)に至(いた)つて、235事件(じけん)の為(ため)再(ふたた)び天下(てんか)の大誤解(だいごかい)をうけ、236行動(かうどう)の自由(じいう)を失(うしな)つたので、237意(い)を決(けつ)し、238此(この)世界(せかい)の源(みなもと)日出雄(ひでを)として活動(くわつどう)せむと思(おも)つてゐます。239どうか諸子(しよし)は其(そ)の考(かんが)へを以(もつ)て神業(しんげふ)に奉仕(ほうし)されむことを希望(きばう)致(いた)します。240』
241 と結(むす)んで降壇(かうだん)した。242源(みなもと)日出雄(ひでを)の心中(しんちう)には既(すで)に既(すで)に神命(しんめい)を奉戴(ほうたい)し、243空前(くうぜん)絶後(ぜつご)の大神業(だいしんげふ)を今(いま)や企(くはだ)てむとし、244満月(まんげつ)の如(ごと)く絞(しぼ)つた弓(ゆみ)の矢(や)は近(ちか)く放(はな)たれむとしてゐたのである。
245(大正一四、八、一五、松村真澄筆録)
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