霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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悪友

インフォメーション
題名:悪友 著者:出口王仁三郎
ページ:44
概要: 備考:『故山の夢』p69-75 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-30 12:03:53 OBC :B121808c23
─十八九歳の頃─
プロレタリヤ竹籔(たけやぶ)もたぬ家の子は垣根の(そと)(たけのこ)あさり食ふ
垣外(かきそと)(たけのこ)ほれば悪友(あくいう)太吉(たきち)きたりて持ち去り行きぬ
小幡川(をばたがは)に水あびをればわが(たもと)(くそ)まりおきて太吉(たきち)逃げゆく
くつくつと笑ひ太吉(たきち)が逃ぐる見て川よりあがれば(たもと)(くそ)あり
(くそ)こきし太吉(たきち)の家に(いか)り行けばごろつき親父(おやぢ)(あご)しやくりたり
善悪によらない負けて帰りなば太吉(たきち)は家に()れぬと親父言ふ
大亀(おほがめ)と名を知られたる侠客(けふかく)(せがれ)太吉(たきち)のいたづら憎らし
丹波(たんば)与作(よさく)足長(あしなが)自慢で野の井戸をまたげしあとより石を投げこむ
投げ入れし石に睾丸(かうぐわん)ぬれねずみとなりしをいかり与作が追ひ()
追ひかくる与作こはさに雪隠(せつちん)に逃ぐれば()さん(しり)まくりをり
用達(ようた)しの()さんの(しり)に驚いてあつといひつつ倒れたる(われ)
倒れたるところを与作追ひきたり餓鬼大将と(あたま)けりゆく
()が頭けられし無念はらさむと与作のゆく手に縄はりにけり
丹波与作(なは)爪先(つまさき)ひつかけてどつとばかりに路上に(たふ)
正清(まさきよ)をなぶるとは図太い子伜(こせがれ)と与作がどなりまた追ひきたる
正清(まさきよ)近眼(ちかめ)をさいはひ生垣(いけがき)の中にひそみてやり過ごしけり
生垣(いけがき)にひそみてあれば家の(ぬし)(かね)さんが来て(くは)()でうつ
(くは)()にうたれしあとの()(あが)しタンコブ一つ記念に残る
ダンコブに繃帯(はうたい)をなし家に帰り父にとはれて実状あかせり
みかけにもよらぬ不良の少年とまたもや父になぐられて泣く
をりをりは村の戸長(こちやう)にたのまれて京都府令(ふれい)をよみきかせけり
この村の節用中(せつようちう)とたたへられ無学の村民にもの教ヘけり
貝祭文(かひさいもん)軍談(ぐんだん)落語(らくご)仁輪加(にわか)など村人逹に聞かせてたのしむ「貝祭文」は別名「デロレン祭文」とも言い、法螺貝を吹きながら説教祭文を語る大道芸能。
白墨(はくぼく)を持ちて寺門(じもん)楽書(らくがき)栗山(くりやま)禅師(ぜんじ)()ごと浴びたる
金剛寺(こんがうじ)夜学(やがく)の席から追ひ出され矢島(やじま)教師のもとに走れり
矢島(やじま)氏の寓居(ぐうきよ)にかよひ毎夜毎夜日本書紀など教へられたる
日本書紀日本外史(ぐわいし)とつぎつぎに御国(みくに)学びにうつりし若き日
国体のたふときことを知りそめて(ほとけ)の道より神にすすめり
産土(うぶすな)の神に()()なまゐまうで貧しき父母(ふぼ)(さち)いのりける
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