霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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落角

インフォメーション
題名: 著者:
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :B121808c66
─二十五六歳の頃─
後家(ごけ)の家に牛乳(ちち)配りゆけば吾(われ)を見て地蔵眉毛と追ひかけまはる
新田(しんでん)の地蔵をまつるこの後家(ごけ)はわれを仏(ほとけ)と間違へたるらし
牛乳(ちち)くばるお前は子供の守(まも)り神(がみ)地蔵地蔵と追ひ来(く)る後家婆(ごけばば)
牧畜のほかに小作田(こさくだ)五千坪(つぼ)牧畜のひまにたがやしにけり
乳牛(ちちうし)の糞尿(ふんねう)のこらず田に入れて土(つち)肥えたればみのり豊けし
朝夕(あさゆふ)に江戸腹当(はらあて)や法被(はつぴ)きて附近の村(むら)むら牛乳(ちち)くばりゆく
一合(いちがふ)の牛乳(ちち)は三銭そのときの米(こめ)八合(はちがふ)に相当なしたる
あちこちの医者の世話にて病人のある家ごとに牛乳(ちち)配りけり
牛乳(ちち)くばりかへる夕(ゆふ)べに辻相撲(つじずまふ)とりて左の臂(ひぢ)きずつけにけり
幸ひに左の臂(ひぢ)のきずなれば牛乳(ちち)しぼるにはさしつかへなき
○
牛の背にまたがり小幡(をばた)の川わたり揺り落(おと)されて水中にしづむ
乳牛(ちちうし)はわれを川水(かはみづ)におとし置き悠悠(いういう)牧場にかへり居たりき
川中(かはなか)をはひ上(あが)りつつ濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)をしぼりてそろそろ牧場にかへる
腹たちてこん畜生といひながら頭を打てばぽろりと角(つの)落(お)つ
片角(かたつの)をおとしたりとて乳牛(ちちうし)のあたひ半分に足らずなりけり
落(おと)したる角(つの)を拾ひてつぎ見れど首ふるたびにまたぽろり落つ
ぬけ落ちし角(つの)の根もとにやはらかき一寸(いつすん)ばかりの若角(わかつの)生え居り
若角(わかつの)は血にまみれつつ痛さうに乳牛(うし)は頭を下げて寝て居り
翌朝(よくてう)より乳(ちち)の分量(ぶんりやう)激減し他(た)の牛乳屋(ちちや)にて買ひくばりけり
此(この)牛乳(ちち)は味がちがふと得意先ゆ小言(こごと)きかされ値切られにけり
○
牧場で青年隊と牛肉を煮て食ひわれは腹をくだせり
牛の餌(ゑ)を煮る大釜(おほがま)にて牛肉をたくは無茶よと村上(むらかみ)氏怒(おこ)りぬ
その鍋をそのまま牛の餌(ゑ)を煮れば牛はフンフン臭(か)ぎて喰(くら)はず
止(や)むを得ず川水(かはみづ)に鍋洗ひ清め餌(ゑ)を煮てやれど又牛(うし)食はず
軽石をもちて鍋皮(なべかは)研(みが)き上げやうやく牛に食(く)てもらひける
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