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01 誕生の地

インフォメーション
題名:01 誕生の地 著者:
ページ:1
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-01 18:38:35 OBC :B121808c04
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正10年2月1日号(第134号)【出口王仁三郎執筆】 > 故郷乃二十八年
[#初出は『神霊界』大正10年(1921年)2月1日号「故郷乃二十八年」だが、冒頭の「執筆の理由」と「序」は全集からは省かれている。]

 王仁(わたし)は祖先が源平(げんぺい)であらうと、藤橘(とうきつ)であらうと、(はた)又その(みなもと)()の天皇に発して居ようと、詮議する必要はない。ただ王仁(わたし)日本人(につぽんじん)であつて、(かしこ)くも天照大御神様の御血統の御本流たる天津日嗣(ひつぎ)天皇様の臣民である事だけは、動かぬ事実だ。そして、王仁(わたし)生家(せいか)は上田家である。丁髷(ちよんまげ)の爺さんの話によると、昔から上田、松本、斎藤、小島(こじま)、丸山の五ツの苗字をもつてゐる家柄を、御苗(ごめう)()つて、顔が()い家柄だと謂つて、(かはづ)()りの土百姓(どびやくしやう)の癖に、村内(そんない)田五作(たごさく)杢平(もくべい)()が威張つたものだ。縁組一つするにも、御苗(ごめう)()うの、帯刀御免のと八釜敷(やかまし)御苗(ごめう)以外の家柄を、(ひら)と蔑視したものだと聞いた。上田家は御苗(ごめう)所謂(いはゆる)家柄であつて、貧乏して居つても、それだけは世間(なみ)に自慢したものであつた。丹波(たんばの)(くに)南桑田(みなみくはだ)(ごほり)曽我部(そがべ)(むら)、大字穴太(あなを)宮垣内(みやがいち)といふ所に、茅屋(ばうをく)(やぶ)るるに任せ、檐廂(えんしやう)は傾くに()し、壁は壊れて骨(あら)はれ、床は朽ちて落ちむとする、悲惨なる生活に甘んじ、正直男と名を取つた、水呑(みづのみ)百姓の上田(うへだ)吉松(きちまつ)といふのが王仁(わたし)の父である。
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