霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一一章 狸(たぬき)の土舟(つちぶね)〔六一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第2篇 善悪正邪 よみ(新仮名遣い):ぜんあくせいじゃ
章:第11章 狸の土舟 よみ(新仮名遣い):たぬきのつちぶね 通し章番号:61
口述日:1921(大正10)年10月29日(旧09月29日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
美山彦・国照姫は、常世国の常世姫を使って竜宮城を乗っ取ろうとした。常世姫は稚桜姫命の三女で、野心の強い神であった。美山彦・国照姫は自分の部下の魔我彦・魔我姫を常世姫につき従わせて入城させようとした
常世姫は竜宮城の入り口の黄金橋までやってくると、神威に打たれて、進むことができなくなった。しかし稚桜姫命は肉親の情から舟を出してヨルダン河を渡らせ、常世姫は竜宮城に安着してしまった。
常世姫は久々の親子の対面に、稚桜姫命に提案して、竜宮城の神人一同で、舟遊びをすることとした。そして、言霊別命には泥舟を用意して溺死させようと企んでいた。
言霊別命は魔我彦によって無理に泥舟に乗せられ、舟が沈んでいったが、従神の斎代姫によって救われた。すると常世姫は、言霊別命と斎代姫の間に怪しい関係ありと誣告をして回った。
言霊別命の妻神・言霊姫は、この誣告を信じなかったが、この一件により、言霊別命夫婦と、稚桜姫命・常世姫親子の間に、面白からぬ高い垣根が築かれてしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1820 OBC :rm0211
愛善世界社版:55頁 八幡書店版:第1輯 177頁 修補版: 校定版:56頁 普及版:26頁 初版: ページ備考:
001 ここに高虎姫(たかとらひめ)の偽名(ぎめい)なる国照姫(くにてるひめ)は、002常世国(とこよのくに)に時(とき)めきわたる常世姫(とこよひめ)を動(うご)かして自分(じぶん)の目的(もくてき)を達(たつ)せむとした。003この常世姫(とこよひめ)は稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の第三女(だいさんぢよ)にして、004もつとも野心(やしん)の強(つよ)い神司(かみ)であつた。005国照姫(くにてるひめ)は竜宮城(りゆうぐうじやう)の寵神(ちようしん)言霊別(ことたまわけの)命(みこと)、006言霊姫(ことたまひめ)を排除(はいじよ)し、007みづから代(かは)つてその地位(ちゐ)に立(た)たむとしてゐたのである。008ここに国照姫(くにてるひめ)は偽(にせ)の美山彦(みやまひこ)とともに常世国(とこよのくに)にいたり常世姫(とこよひめ)の意(い)を迎(むか)へ、009もつて竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰還(きくわん)せしめむとした。010しかるに彼(かれ)らは、011天使(てんし)大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)、012言霊別(ことたまわけの)命(みこと)にその大敵(たいてき)たることを悟(さと)られをるをもつて、013自分(じぶん)の部下(ぶか)なる魔我彦(まがひこ)、014魔我姫(まがひめ)とともに母神(ははがみ)に会見(くわいけん)し、015その目的(もくてき)を達(たつ)すべく常世姫(とこよひめ)を教唆(けうさ)した。
016 常世姫(とこよひめ)は久(ひさ)しぶりにて魔我彦(まがひこ)、017魔我姫(まがひめ)をともなひ数多(あまた)の神司(かみがみ)に送(おく)られて無事(ぶじ)に竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰還(きくわん)せむと、018黄金橋(こがねばし)の袂(たもと)にさしかかりしとき、019神威(しんゐ)にうたれて容易(ようい)に橋(はし)を渡(わた)ることができなかつた。020常世姫(とこよひめ)はやむをえず信書(しんしよ)を認(したた)め烏(からす)の足(あし)に縛(しば)りつけ、021黄金橋(わうごんけう)畔(はん)まで帰(かへ)りきたりしことを稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)に奏上(そうじやう)した。022稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は従臣(じゆうしん)に命(めい)じ、023新(あたら)しき黄金(こがね)の船(ふね)を出(だ)してこれを迎(むか)へしめられた。024常世姫(とこよひめ)は何(なん)の障(さはり)もなく竜宮城(りゆうぐうじやう)に到着(たうちやく)し、025種々(しゆじゆ)の珍(めづ)らしきものを八足(やたり)の机代(つくゑしろ)に盛足(もりた)らはして、026これを命(みこと)に奉(たてまつ)つた。027命(みこと)は久(ひさ)しぶりの親子(おやこ)の対面(たいめん)を非常(ひじやう)によろこばれ海山(うみやま)の話(はなし)に夜(よ)を徹(てつ)し、028常世姫(とこよひめ)は常世国(とこよのくに)の事情(じじやう)を詳(くは)しく述(の)べ、029珍(めづ)らしき話(はなし)に花(はな)が咲(さ)き、030和気(わき)靄々(あいあい)として春陽(しゆんやう)の気分(きぶん)にみたされたのである。031その翌日(よくじつ)、032ただちに数多(あまた)の神司(かみがみ)を集(あつ)め歓迎(くわんげい)の宴(えん)をはつた。033神司(かみがみ)は先(さき)を争(あらそ)ふて宴席(えんせき)に現(あら)はれ無事(ぶじ)の対面(たいめん)を祝(しゆく)した。
034 さて常世姫(とこよひめ)は、035稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)にむかひ、036一度(いちど)ヨルダン河(がは)に黄金(こがね)の船(ふね)を浮(うか)べ、037神司(かみがみ)とともに船遊(ふなあそ)びせむことを希望(きばう)した。038稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は直(ただ)ちにその請(こひ)を容(い)れ、039諸神司(しよしん)に命(めい)じ、040その準備(じゆんび)に着手(ちやくしゆ)せしめられた。
 
041  御(ご)馳走(ちそう)にヨルダン河(がは)の舟遊(ふなあそ)び教(をしへ)の舟(ふね)にヨルものは無(な)し
 
042 今日(こんにち)のヨルダン河(がは)は河幅(かははば)もあまり広(ひろ)からず、043流(なが)れもまた清(きよ)からず、044濁(にご)りをおびをれど、045神界(しんかい)にて見(み)たるヨルダン河(がは)は水(みづ)清(きよ)く流(なが)れも緩(ゆる)やかにして、046広(ひろ)きこと揚子江(やうすかう)のやうである。047これは神界(しんかい)におけるヨルダン河(がは)の光景(くわうけい)である。048黄金(こがね)の船(ふね)は幾艘(いくそう)となく準備(じゆんび)された。049上流(じやうりう)には、050かの金色(きんしよく)燦然(さんぜん)たる黄金(こがね)の大橋(おほはし)が、051太鼓(たいこ)を並(なら)べたやうにその影水(かげみづ)に映(うつ)り、052実(じつ)に荘厳(さうごん)を極(きは)めてをる。053常世姫(とこよひめ)を主賓(しゆひん)として周囲(しうゐ)に数多(あまた)の船(ふね)をならべ、054珍酒(ちんしゆ)佳肴(かかう)に酔(よ)ひて諸神司(しよしん)は交(かは)るがはる面白(おもしろ)き歌舞(かぶ)音楽(おんがく)を奏(そう)し、055実(じつ)に賑(にぎ)はしき底抜(そこぬ)け騒(さわ)ぎの大散財(おほさんざい)であつた。
 
056  そこぬけのさわぎに舟(ふね)の底(そこ)いため
 
057 この時(とき)、058竜宮城(りゆうぐうじやう)の神司(かみがみ)は大部分(だいぶぶん)出遊(しゆついう)し、059猫(ねこ)も杓子(しやくし)もみな船遊(ふなあそ)びに耽(ふけ)つた。060言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は何(なん)となく心(こころ)に不安(ふあん)を感(かん)じ、061船遊(ふなあそ)びの列(れつ)に加(くは)はらなかつた。062その時(とき)稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は色(いろ)を作(な)し、
063『汝(なんぢ)は常世姫(とこよひめ)の久(ひさ)しぶりに帰城(きじやう)せるを喜(よろこ)ばざる面持(おももち)あり』
064と不満(ふまん)の意(い)を表(あら)はされた。065折(をり)しも常世姫(とこよひめ)の使(つかひ)なりとて魔我彦(まがひこ)は礼(れい)をつくし言霊別(ことたまわけの)命(みこと)を迎(むか)へにきた。066言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は否(いな)むに由(よし)なく斎代彦(ときよひこ)、067斎代姫(ときよひめ)とともに船遊(ふなあそ)びの列(れつ)に加(くは)はることとなつた。068あまたの神司(かみがみ)は命(みこと)の河畔(かはん)に現(あら)はれしを見(み)て大(おほ)いによろこび、069手(て)を拍(う)つて喝采(かつさい)した。070この時(とき)魔我彦(まがひこ)は新(あたら)しき黄金(こがね)の船(ふね)に搭乗(たふじやう)を勧(すす)めた。071命(みこと)は虫(むし)が知(し)らすか何(なん)となくこの船(ふね)に乗(の)ることを否(いな)む色(いろ)があつた。072ふたたび魔我彦(まがひこ)はしきりに搭乗(たふじやう)を勧(すす)めてやまぬが、073他(ほか)の船(ふね)には神司(かみがみ)満乗(まんじやう)してすこしも空席(くうせき)がない。074已(や)むをえずしてこれに乗(の)り中流(ちうりう)に棹(さを)さしてすすんだ。075魔我彦(まがひこ)は常世姫(とこよひめ)の乗(の)れる大船(おほふね)の側(そば)近(ちか)く寄(よ)るとみるや、076この船(ふね)を捨(す)てて常世姫(とこよひめ)の用船(ようせん)に飛(と)び入(い)つた。077言霊別(ことたまわけの)命(みこと)を乗(の)せた船(ふね)は、078表面(へうめん)堅固(けんご)に見(み)えてその実(じつ)はもろき狸(たぬき)の土船(つちぶね)であつた。079土製(どせい)の船(ふね)に金箔(きんぱく)を塗(ぬ)りたる偽船(ぎせん)である。080たちまち船(ふね)は崩壊(ほうくわい)沈没(ちんぼつ)した。081言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は水(みづ)に溺(おぼ)れ深(ふか)みに沈(しづ)まむとして九死(きうし)一生(いつしやう)の態(てい)である。082神司(かみがみ)はアレヨアレヨと声(こゑ)を放(はな)つて叫(さけ)ぶばかりである。083この時(とき)斎代彦(ときよひこ)は水練(すゐれん)に妙(めう)を得(え)たるをもつて、084からうじて岸(きし)に泳(およ)ぎついた。
085 斎代姫(ときよひめ)は身(み)を犠牲(ぎせい)として激浪(げきらう)の中(なか)に飛(と)び入(い)り、086言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の頭髪(とうはつ)を握(にぎ)り、087流(なが)れ渡(わた)りに此方(こなた)の岸(きし)についた。088ここに国照姫(くにてるひめ)の謀計(ぼうけい)は全(まつた)く破(やぶ)れた。
089 常世姫(とこよひめ)は船遊(ふなあそ)びををへ、090諸神司(しよしん)と共(とも)に竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰還(きくわん)し、
091『斎代姫(ときよひめ)は夫(をつと)の斎代彦(ときよひこ)に目(め)もくれず、092言霊別(ことたまわけの)命(みこと)を命(いのち)をかけて救(すく)ひたる義侠(ぎけふ)と勇気(ゆうき)は感(かん)ずるにあまりあれども、093また一方(いつぱう)より考(かんが)ふる時(とき)は、094まことに怪(あや)しき節(ふし)あり』
095と言霊姫(ことたまひめ)および稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)に種々(しゆじゆ)の言葉(ことば)を設(まう)けて誣告(ぶこく)した。
 
096  きりまくる舌(した)の剣(つるぎ)のおそろしさ
 
097 これより言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の大(だい)なる疑惑(ぎわく)を受(う)けた。098されど妻神(つまがみ)はこれを信(しん)じなかつた。099それより稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)、100常世姫(とこよひめ)と、101言霊別(ことたまわけの)命(みこと)、102言霊姫(ことたまひめ)の間(あひだ)に面白(おもしろ)からぬたかき垣(かき)が築(きづ)かれた。
103(大正一〇・一〇・二九 旧九・二九 加藤明子録)
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