霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三〇章 十曜(とえう)神旗(しんき)〔八〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第5篇 神の慈愛 よみ(新仮名遣い):かみのじあい
章:第30章 十曜の神旗 よみ(新仮名遣い):とようのしんき 通し章番号:80
口述日:1921(大正10)年11月03日(旧10月04日) 口述場所: 筆録者:谷口正治 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高白山を中心とするアラスカ国は、ふたたび平和に治まった。天使・絹子姫は照妙姫と名を変じ、言霊別命の身辺を警護することになった。
駒山彦から絹子姫のことを聞いた常世姫は、さっそく竜宮城に、「言霊別命は怪しい女性をはべらし、高白山に割拠して反逆を企てている」と中傷した。
稚桜姫命を初めとする竜宮城の諸神はこれを聞いて色をなし、対策の協議を開いた結果、神山彦を遣わして、事の真偽を確かめることになった。神山彦は従神たちを引き連れて高白山に向かった。
神山彦は赤の十曜の神旗を掲げた天の磐楠船で高白山に到着すると、言霊別命に諸神を遠ざけさせ、来意を伝えた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0230
愛善世界社版:149頁 八幡書店版:第1輯 212頁 修補版: 校定版:151頁 普及版:71頁 初版: ページ備考:
001 高白山(かうはくざん)中心(ちゆうしん)とするアラスカ(こく)はふたたび平和(へいわ)(おさ)まつた。002常世姫(とこよひめ)はいかにもしてこれを占領(せんりやう)せむと、003(おほ)くの探女(さぐめ)醜女(しこめ)(はな)つて、004種々(しゆじゆ)計画(けいくわく)()ててゐるので、005(すこ)しの油断(ゆだん)もできぬ有様(ありさま)であつた。
006 天使(てんし)として(くだ)(きた)れる絹子姫(きぬこひめ)言霊別(ことたまわけの)(みこと)身辺(しんぺん)(まも)り、007かつ不測(ふそく)出来事(できごと)排除(はいじよ)せむために、008ここに侍女(じぢよ)()(へん)()照妙姫(てるたへひめ)改称(かいしよう)し、009(みこと)(そば)(ちか)奉仕(ほうし)した。
010 常世姫(とこよひめ)部将(ぶしやう)駒山彦(こまやまひこ)はこのことをうかがひ()り、011ただちにこれを常世姫(とこよひめ)通告(つうこく)した。012常世姫(とこよひめ)好機(かうき)(いつ)すべからずとなし、013みづから竜宮城(りゆうぐうじやう)にいたつて、014稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)(えつ)し、
015言霊別(ことたまわけの)(みこと)高白山(かうはくざん)城塞(じやうさい)(かま)へ、016ローマ、017モスコーの神軍(しんぐん)(あひ)呼応(こおう)して常世城(とこよじやう)(はふ)り、018ついで竜宮城(りゆうぐうじやう)占領(せんりやう)せむとし、019照妙姫(てるたへひめ)といふ(あや)しき女性(をみな)(つま)となし、020神政(しんせい)(おこた)り、021国土(こくど)(みだ)れ、022昼夜(ちうや)間断(かんだん)なく酒色(しゆしよく)(ふけ)り、023荒淫(くわういん)いたらざるなし。024かつ言霊姫(ことたまひめ)極力(きよくりよく)誹謗(ひばう)し、025かつ天地(てんち)()れざるの大叛逆(だいはんぎやく)(くはだ)てをれり』
026誣奏(ぶそう)した。
027 稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)常世姫(とこよひめ)(ことば)(しん)じ、028たちまち顔色(がんしよく)(へん)じて、029天使(てんし)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)030真澄姫(ますみひめ)031言霊姫(ことたまひめ)032神国別(かみくにわけの)(みこと)その()諸神将(しよしんしよう)(あつ)めて言霊別(ことたまわけの)(みこと)非行(ひかう)(つた)へ、033かつ神軍(しんぐん)をもつてこれを討亡(うちほろ)ぼさむことを厳命(げんめい)された。
034 ここに小島別(こじまわけ)035竹島彦(たけじまひこ)(おほ)いに(よろこ)び、036雙手(さうしゆ)をあげて賛成(さんせい)をとなへた。037城内(じやうない)諸神将(しよしんしよう)常世姫(とこよひめ)(げん)(うたが)ひ、038大広間(おほひろま)諸神司(しよしん)をあつめて、039高白山(かうはくざん)攻撃(こうげき)(くわん)する協議(けふぎ)(ひら)いた。
040 そのとき末席(まつせき)よりあらはれたる神山彦(かみやまひこ)041村雲彦(むらくもひこ)042真倉彦(まくらひこ)043武晴彦(たけはるひこ)一斉(いつせい)()ち、044大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(むか)つて発言(はつげん)をもとめ、045言葉(ことば)(おだ)やかに、
046高白山(かうはくざん)討伐(たうばつ)()は、047しばらく(われ)らに(まか)したまはずや』
048といつた。049小島別(こじまわけ)050竹島彦(たけじまひこ)はたちまち()つて、
051(なんぢ)がごとき微力(びりよく)なる神司(かみ)の、052いかでかこの大任(たいにん)(はて)()べきぞ。053(こひねが)はくは(われ)(すこ)しの神軍(しんぐん)(あた)へたまはば、054(われ)神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)妙策(めうさく)をもつて、055言霊別(ことたまわけの)(みこと)以下(いか)捕虜(ほりよ)とし面縛(めんばく)して、056(かれ)らを諸神司(しよしん)眼前(がんぜん)()(かへ)らむ』
057()()てた。058神山彦(かみやまひこ)憤然(ふんぜん)(いろ)をなし、
059常世(とこよ)(くに)使(つか)ひして、060言霊別(ことたまわけの)(みこと)以下(いか)をとり(うしな)ひ、061失敗(しつぱい)(はぢ)(さら)したる(なんぢ)諸神司(しよしん)062いかなる妙策(めうさく)あるとも散々(さんざん)()(なや)まされ、063ふたたび恥辱(ちじよく)(かさ)ぬるは()をみるよりも(あきら)かなり。064いらざる言挙(ことあ)げして失敗(しつぱい)をとるなかれ』
065()めつけた。
066 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、067相互(たがひ)争論(そうろん)のいつ()つるべきやうもなきを()068この()をはづして(ただ)ちに稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)拝謁(はいえつ)し、
069『いづれの神司(かみ)(つか)はさむや』
070(おしへ)()はれた。071稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)はこれを()きて(かうべ)をかたむけ、072やや思案(しあん)(てい)であつた。073このとき真澄姫(ますみひめ)074言霊姫(ことたまひめ)075竜世姫(たつよひめ)異口(いく)同音(どうおん)に、
076神山彦(かみやまひこ)(つか)はしたまふべし。077(かれ)忠勇(ちうゆう)無比(むひ)神将(しんしやう)にして、078かつ至誠(しせい)至実(しじつ)神司(かみ)なり』
079奏上(そうじやう)した。080かくしてつひに神山彦(かみやまひこ)進言(しんげん)()れられた。
081 ここに神山彦(かみやまひこ)は、082村雲彦(むらくもひこ)083真倉彦(まくらひこ)084武晴彦(たけはるひこ)(とも)なひ、085従臣(じゆうしん)引連(ひきつ)れ、086天之(あまの)磐樟船(いはくすぶね)打乗(うちの)りて天空(てんくう)(たか)高白山(かうはくざん)にむかふた。
087 (とき)しも言霊別(ことたまわけの)(みこと)は、088高白山(かうはくざん)城塞(じやうさい)安居(あんきよ)し、089照妙姫(てるたへひめ)侍臣(じしん)とし、090荒熊彦(あらくまひこ)091荒熊姫(あらくまひめ)092元照彦(もとてるひこ)らの勇将(ゆうしやう)とともに高台(たかだい)にのぼり、093(つき)(しやう)してゐた。094(そら)一点(いつてん)(くも)もなく、095(ほし)はほとんどその姿(すがた)(かく)し、096えもいはれぬ光景(くわうけい)であつた。
097 (をり)から東南(とうなん)蒼空(さうくう)より一点(いつてん)黒影(こくえい)があらはれ、098おひおひ(ちか)づいてくる。099一同(いちどう)何者(なにもの)ならむと一心(いつしん)にこれを(なが)めてゐた。100たちまち音響(おんきやう)(きこ)えだした。101()れば天之(あまの)磐樟船(いはくすぶね)である。102この(ふね)には白地(しろぢ)(あか)十曜(とえう)()めだしたる神旗(しんき)()つてゐた。103ややあつてその(ふね)城内(じやうない)(くだ)つてきた。104これは神山彦(かみやまひこ)一行(いつかう)()れる(ふね)であつた。
105 このとき照妙姫(てるたへひめ)(なに)(おも)ひけむ、106にはかに白雲(はくうん)(くわ)し、107(ほそ)(なが)(にじ)のごとく()(へん)じて月界(げつかい)(かへ)つた。
108 荒熊彦(あらくまひこ)神山彦(かみやまひこ)一行(いつかう)出迎(でむか)へ、109慇懃(いんぎん)遠来(ゑんらい)(らう)(しや)し、110かつ使節(つかひ)趣旨(おもむき)をたづねた。111神山彦(かみやまひこ)威儀(ゐぎ)(ただ)して、
112(われ)稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)直使(ちよくし)なり。113言霊別(ことたまわけの)(みこと)面会(めんくわい)ををはるまでは、114何事(なにごと)口外(こうぐわい)することあたはず』
115意味(いみ)ありげに(こた)へ、
116『ただちに(みこと)(まへ)(われ)らを(みちび)くべし』
117といつた。118荒熊彦(あらくまひこ)(なに)(おも)ひけむ、119得意気(とくいげ)微笑(びせう)()らしつつ、120この(よし)(みこと)(つた)へた。
121 (みこと)はただちに応諾(おうだく)して、122神山彦(かみやまひこ)一行(いつかう)居間(ゐま)(みちび)き、123まづ来意(らいい)(たづ)ねた。124神山彦(かみやまひこ)は、
125一大事(いちだいじ)あり、126(こひねが)はくは隣神司(りんしん)(とほ)ざけたまへ』
127申込(まをしこ)んだ。128ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)隣神司(りんしん)(とほ)ざけ、
129一大事(いちだいじ)とは(なん)ぞ』
130とあわただしく(たづ)ねた。
131大正一〇・一一・三 旧一〇・四 谷口正治録)
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