霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一九章 (ゆめ)(あと)〔六九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第3篇 神戦の経過 よみ(新仮名遣い):しんせんのけいか
章:第19章 夢の跡 よみ(新仮名遣い):ゆめのあと 通し章番号:69
口述日:1921(大正10)年10月31日(旧10月01日) 口述場所: 筆録者:谷口正治 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
ローマに退却した言霊別命は、諸神将と協議の結果、篭城戦に移り、ペテロを滅ぼす機会をうかがうことになった。ローマ本営の士気は大いに上がっていた。
しかし言霊別命の本心は、ただ神力を示して小島別ら諸神を覚醒せしめようとの誠意であって、美山彦・国照姫らの邪神が力を蓄えている状況を見れば、竜宮城の内戦で味方の戦力を損なうのは得策ではない、というものであった。
今回の戦闘で竜宮城軍を援護した功績で、常世姫は再び稚桜姫命の信任を得て、竜宮城での勢力を取り戻していた。
しかし稚桜姫命も、言霊別命軍の勢いが侮りがたいことから、一度花森彦をローマに遣わして、帰順の勧告をせしめた。言霊別命は内心すでに帰順の意があったため、喜んで応諾した。
言霊別命は全軍を集めて帰順の意を伝え、全軍に竜宮城への帰城を命じた。花園彦、元照彦、武彦、大島彦ら部下の諸将は言霊別命の変心を怒り、依然としてローマに陣を敷いていた。
言霊別命は夜陰ひそかにペテロに向かった。捕虜となっていた正照彦、溝川彦は解放された。そして竜宮城からは、盛装をこらした神使が丁重に命を迎えに上がり、歓呼のうちに帰城した。
花園彦、元照彦らもやがて言霊別命の深い神慮を悟り、竜宮城に帰順することになった。ここにこの紛争は終わりを告げることとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考:第2巻に登場する3人の「かみくらひこ(神座彦、神倉彦、上倉彦)」は同一人物だと思われる。『王仁文献考証』参照。 タグ:かみくらひこ(神座彦 神倉彦 上倉彦) データ凡例: データ最終更新日:2019-11-06 18:15:41 OBC :rm0219
愛善世界社版:93頁 八幡書店版:第1輯 192頁 修補版: 校定版:95頁 普及版:45頁 初版: ページ備考:
001 言霊別(ことたまわけの)(みこと)元照彦(もとてるひこ)002武彦(たけひこ)(とも)(から)うじてローマの(みやこ)帰還(きくわん)することをえた。003ローマは依然(いぜん)として、004大島彦(おほしまひこ)(かた)(まも)られてゐる。005諸神将(しよしんしよう)はおひおひと(あつ)まり(きた)り、006ともにモスコーに籠城(ろうじやう)し、007持久戦(ぢきうせん)(うつ)らむことを協議(けふぎ)した。008しかるに敵軍(てきぐん)はなほペテロにありて(いきほひ)(あなど)るべからざる情勢(じやうせい)である。009諸神将(しよしんしよう)大挙(たいきよ)して竜宮城(りゆうぐうじやう)および()高天原(たかあまはら)占領(せんりやう)せむことを密議(みつぎ)した。010これに先立(さきだ)つてまづペテロ(じやう)(ほろ)ばす必要(ひつえう)があつたのである。011ローマ本営(ほんえい)にては士気(しき)(おほ)いにあがり、012すでに天下(てんか)無敵(むてき)(がい)があつた。
013 しかるに言霊別(ことたまわけの)(みこと)心底(しんてい)より稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)反抗(はんかう)(たてまつ)るの意志(いし)なく、014ただ(たん)にわが神力(しんりき)(しめ)し、015小島別(こじまわけ)以下(いか)諸神司(しよしん)覚醒(かくせい)せしめむとの誠意(せいい)より()たるものなれば、016この(うへ)(いたづ)らに戦闘(せんとう)継続(けいぞく)し、017彼我(ひが)諸神司(しよしん)(くる)しむるに(およ)ばず、018かつ一方(いつぱう)には美山彦(みやまひこ)019国照姫(くにてるひめ)一派(いつぱ)ありて(とき)(うかが)ひつつあれば、020いたづらに内訌(ないかう)をおこし、021味方(みかた)勢力(せいりよく)(げん)ずるは(さく)()たるものに(あら)ず、022(えう)するに今次(こんじ)のわが行動(かうどう)味方(みかた)戦闘力(せんとうりよく)(やしな)ひ、023もつて演習(えんしふ)(こころ)みたるに()ぎず、024(いち)()(はや)(たたかひ)ををさめ、025稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)(たす)神業(かむわざ)奉仕(ほうし)せむと、026ひそかに決心(けつしん)(さだ)めてゐたのである。027されど花園彦(はなぞのひこ)以下(いか)諸神将(しよしんしよう)は、028(みこと)真意(しんい)(かい)せず、029()くまで対抗戦(たいかうせん)継続(けいぞく)せむと、030(いさ)(たけ)りつつあつた。
031 稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)言霊別(ことたまわけの)(みこと)真意(しんい)をさとり(たま)はず、032あくまで叛旗(はんき)(ひるがへ)野望(やばう)(たつ)せむとするものと(みと)めたまひ、033(あらた)真道彦(まみちひこ)034神倉彦(かみくらひこ)035花照彦(はなてるひこ)部将(ぶしやう)とし、036ローマに(むか)はしめむとし(たま)ふたのである。037しかして一旦(いつたん)常世(とこよ)(くに)()ひかへしたる、038常世姫(とこよひめ)大功績(だいこうせき)()でこれを(ゆる)して、039ふたたび竜宮城(りゆうぐうじやう)帰還(きくわん)せしめたまふた。
040 常世姫(とこよひめ)信任(しんにん)復活(ふくくわつ)した。041元来(ぐわんらい)常世姫(とこよひめ)奸侫(かんねい)邪智(じやち)にして、042抜目(ぬけめ)なき女性(をみな)なれば、043言霊別(ことたまわけの)(みこと)勢力(せいりよく)には到底(たうてい)()つべからざるを(さと)り、044稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)進言(しんげん)して、045(いち)()言霊別(ことたまわけの)(みこと)(ゆる)し、046竜宮城(りゆうぐうじやう)帰還(きくわん)せしめ、047(とき)をはかりてこれを失脚(しつきやく)せしめむとの計画(けいくわく)をしてゐた。
048 稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)はここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)勢力(せいりよく)(あなど)りがたきを看破(かんぱ)したまひ、049花森彦(はなもりひこ)をローマに(つか)はし、050すみやかに帰順(きじゆん)せむことを勧告(くわんこく)せられた。051花森彦(はなもりひこ)(あまの)磐樟船(いはくすぶね)にあまたの神司(かみがみ)(したが)へ、052ローマに到着(たうちやく)しひそかに言霊別(ことたまわけの)(みこと)(えつ)し、053稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)()意志(いし)(つた)へた。054言霊別(ことたまわけの)(みこと)内心(ないしん)すでに覚悟(かくご)しゐたる折柄(をりから)なれば、055(よろこ)んでその聖旨(せいし)()け、056(ただ)ちにローマ、057モスコーを()竜宮城(りゆうぐうじやう)帰還(きくわん)し、058大命(たいめい)(ほう)じて犬馬(けんば)(らう)をとらむことを(やく)し、059信書(しんしよ)(したた)めて花森彦(はなもりひこ)()(わた)した。
060 花森彦(はなもりひこ)はただちに諸神司(しよしん)とともに帰城(きじやう)し、061言霊別(ことたまわけの)(みこと)心底(しんてい)より帰順(きじゆん)せることを報告(はうこく)し、062かつその信書(しんしよ)捧呈(ほうてい)した。
063 ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)全神軍(ぜんしんぐん)をあつめ、064真意(しんい)(つた)へ、065すみやかに帰城(きじやう)せむことを宣告(せんこく)した。066花園彦(はなぞのひこ)067元照彦(もとてるひこ)068武彦(たけひこ)069大島彦(おほしまひこ)(おほ)いに(いか)り、070その卑怯(ひけふ)なる変心(へんしん)(つよ)(なじ)り、071かつ反抗(はんかう)(こころ)み、072つひに言霊別(ことたまわけの)(みこと)(めい)(したが)はず、073依然(いぜん)ローマ、074モスコーを固守(こしゆ)せむことを強硬(きやうかう)()べたてた。075(みこと)夜陰(やいん)ひそかにローマに(のが)れ、076ペテロに()かはれた。077ここには稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)神使(しんし)として杉嶋彦(すぎしまひこ)(きた)り、078常世姫(とこよひめ)仲裁(ちゆうさい)によりて、079言霊別(ことたまわけの)(みこと)帰順(きじゆん)せしことを報告(はうこく)せし(あと)であつた。080ペテロに捕虜(ほりよ)となりし正照彦(まさてるひこ)081溝川彦(みぞかはひこ)放免(はうめん)された。082このとき竜宮城(りゆうぐうじやう)より数多(あまた)神使(しんし)083盛装(せいさう)をこらして礼儀(れいぎ)をただして、084言霊別(ことたまわけの)(みこと)出迎(でむか)へ、085(みこと)歓呼(くわんこ)のうちに帰城(きじやう)せられた。
086 一旦(いつたん)帰順(きじゆん)(こば)みたる花園彦(はなぞのひこ)以下(いか)諸神将(しよしんしよう)も、087言霊別(ことたまわけの)(みこと)(ふか)神慮(しんりよ)をやうやく(さと)り、088つひに言霊別(ことたまわけの)(みこと)行動(かうどう)(とも)にすることとなり、089目出度(めでた)くこの紛争(ふんさう)終結(しうけつ)()げた。090しかしローマには花園彦(はなぞのひこ)091モスコーには大島彦(おほしまひこ)が、092おのおの帰順(きじゆん)してこれを守備(しゆび)してゐた。
093大正一〇・一〇・三一 旧一〇・一 谷口正治録)
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