霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 醜女(しこめ)活躍(くわつやく)〔六二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第2篇 善悪正邪 よみ(新仮名遣い):ぜんあくせいじゃ
章:第12章 醜女の活躍 よみ(新仮名遣い):しこめのかつやく 通し章番号:62
口述日:1921(大正10)年10月29日(旧09月29日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
常世姫は帰城後ますます稚桜姫命の信任を得て、竜宮城に勢力を張った。一方、言霊別命一派の地位は、常世姫の讒言のために、地に落ちてしまった。
常世姫は魔我彦・魔我姫を通じて、美山彦・国照姫と謀計を練っている有様であった。
魔我彦・魔我姫は色香をもって言霊別命を魔道に陥れようとした。そして、言霊別命が風邪で寝込んだとき、藤姫という醜女を放って、言霊別命の看病をさせた。
藤姫は言霊別命がめまいを起こして倒れそうになったときにわざと助けの声を発して神人を呼び、言霊別命の強要で今まで道ならぬ関係を結ばされてしまった、と嘘の証言をした。
稚桜姫命はこの事件を聞いて多いにお怒りになったが、言霊姫、佐倉姫が泣いて無実を訴えたおかげで、その場は赦された。しかし稚桜姫命の疑念は晴れなかったのである。
また、魔我彦は八百姫という醜女を言霊別命の庭園に忍ばせ、わざと大声を発させて、不倫をでっちあげた。稚桜姫命はついに、言霊別命を蜂の室屋に投げ込んで罰することとなった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-11-25 15:47:40 OBC :rm0212
愛善世界社版:60頁 八幡書店版:第1輯 179頁 修補版: 校定版:61頁 普及版:29頁 初版: ページ備考:
001 常世姫(とこよひめ)稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)(あつ)信任(しんにん)()002城内(じやうない)諸神司(しよしん)種々(しゆじゆ)様々(さまざま)方法(はうはふ)をもつて(われ)信頼(しんらい)せしめ、003声望(せいばう)(なら)ぶものなく、004つひに竜宮城(りゆうぐうじやう)(ない)(はな)(うた)はるるにいたつた。005ゆゑに常世姫(とこよひめ)一言(いちげん)一行(いつかう)諸神司(しよしん)支配(しはい)し、006その威望(ゐばう)信徳(しんとく)四方(しはう)喧伝(けんでん)さるることとなつた。
007 これに(はん)言霊別(ことたまわけの)(みこと)008言霊姫(ことたまひめ)009斎代彦(ときよひこ)010斎代姫(ときよひめ)威信(ゐしん)は、011邪神(じやしん)讒言(ざんげん)のために(いま)(まつた)()()ちてしまつた。012常世姫(とこよひめ)魔我彦(まがひこ)013魔我姫(まがひめ)陰謀(いんぼう)真意(しんい)(ふく)め、014ひそかに美山彦(みやまひこ)015国照姫(くにてるひめ)(たい)して一切(いつさい)秘密(ひみつ)()(あは)せをなし、016(ぜん)をもつて竜宮城(りゆうぐうじやう)(しゆ)たらむとし、017画策(くわくさく)これ()()らぬ有様(ありさま)であつた。
018 常世姫(とこよひめ)のために(もつと)妨害(ばうがい)となるべき()(うへ)(こぶ)は、019言霊別(ことたまわけの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)である。020ここに魔我彦(まがひこ)魔我姫(まがひめ)藤姫(ふぢひめ)021八百姫(やほひめ)醜女(しこめ)をして、022言霊別(ことたまわけの)(みこと)魔道(まだう)におとしいれむとした。023醜女(しこめ)とは色情(しきじやう)をもつて(てき)堕落(だらく)せしめむとする(こころ)醜悪(しうあく)なる女性(をんな)のことである)
024 ある(とき)025言霊別(ことたまわけの)(みこと)風邪(ふうじや)(かか)り、026病床(びやうしやう)呻吟(しんぎん)してゐた。027藤姫(ふぢひめ)醜女(しこめ)甘言(かんげん)をもつて(ちか)(かたはら)()し、028看護(かんご)(つと)めながら()盛装(せいさう)()らし、029(みこと)(こころ)(うご)かさむとした。030(みこと)藤姫(ふぢひめ)醜女(しこめ)たることを(ゆめ)にも()らず、031(やまひ)(とこ)()()(かはや)()らむとせし(とき)032藤姫(ふぢひめ)()をとつて(みこと)(ささ)へつつ(かはや)(おく)つた。033(みこと)(かはや)より()眩暈(げんうん)034(あやふ)()(たふ)れむとし、035前後(ぜんご)()らず藤姫(ふぢひめ)(かた)にもたれかかつた。036藤姫(ふぢひめ)(かん)だかき(こゑ)をあげて(すく)ひを(もと)めた。037一間(ひとま)にあつてこの様子(やうす)()きゐたりし魔我彦(まがひこ)は、038その()(あら)はれ、
039言霊別(ことたまわけの)(みこと)藤姫(ふぢひめ)(うし)ろより()きしめたり。040かならず(きたな)(こころ)あらむ』
041とただちに(はし)つて、042常世姫(とこよひめ)()(ひれ)をつけ仰山(ぎやうさん)らしく報告(はうこく)した。043常世姫(とこよひめ)烈火(れつくわ)のごとく(いきどほ)り、044藤姫(ふぢひめ)(まね)委細(ゐさい)(きび)しく訊問(じんもん)した。045藤姫(ふぢひめ)(なみだ)ながらに、
046(われ)今日(けふ)まで何事(なにごと)(つつ)みゐたりしが、047(いま)現状(げんじやう)見届(みとど)けられて(なん)(ことば)もなし。048(じつ)(みこと)のために(つね)脅迫(けうはく)され、049(をつと)ある()不倫(ふりん)とは()りつつも、050(いま)まで(みこと)(めい)盲従(まうじゆう)せしは、051(まつた)()(かさ)ねがさねの(つみ)なり』
052(こゑ)(はな)つて()く。053常世姫(とこよひめ)はえたりと(よろこ)び、054心中(しんちゆう)ひそかに小躍(こをど)りしながら、055表面(へうめん)はどこまでも物憂(ものう)げに稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)御前(みまへ)()でて、056言霊別(ことたまわけの)(みこと)不倫(ふりん)行為(かうゐ)針小(しんせう)棒大(ぼうだい)報告(はうこく)した。057これを()かれし稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)はおほいに(いか)らせたまひ、058諸神司(しよしん)(あつ)めてその顛末(てんまつ)(かた)り、059言霊別(ことたまわけの)(みこと)神退(かむやら)ひに退(やら)はむとしたまうた。060言霊姫(ことたまひめ)()いてその無実(むじつ)証明(しようめい)し、061佐倉姫(さくらひめ)もまた()せきたつて、062その無実(むじつ)(なみだ)とともに証言(しようげん)した。063稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)二柱(ふたはしら)女神(めがみ)証言(しようげん)により、064言霊別(ことたまわけの)(みこと)処罪(しよざい)(ゆる)(たま)ふた。065しかし疑雲(ぎうん)容易(ようい)()れないばかりでなく、066常世姫(とこよひめ)誣言(ぶげん)はますます(はなは)だしく、067つひには諸々(もろもろ)神司(かみがみ)まで、068言霊別(ことたまわけの)(みこと)真意(しんい)069行動(かうどう)(うたが)ひはじめ、070たがひに(みみ)(くち)()せては(ささや)きあひ、071(みこと)悪評(あくひやう)城内(じやうない)はおろか四方(しはう)国々(くにぐに)までも、072(あぶら)(にじ)むがごとく(ひろ)まつていつた。
073 ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)憂悶(いうもん)やるかたなく、074ただ一柱(ひとり)神苑(しんゑん)逍遥(せうえう)しをられしとき、075(まつ)小蔭(こかげ)(をんな)(さけ)(ごゑ)(きこ)えた。076(みこと)何事(なにごと)ならむと(いそ)(こゑ)する(はう)(はし)りゆく。077大空(おほぞら)(つき)黒雲(くろくも)(つつ)まれ(ひかり)(うす)星影(ほしかげ)(ひと)()えぬ朧月夜(おぼろづきよ)であつた。078フト()れば八百姫(やほひめ)地上(ちじやう)(たふ)れて七転(しつてん)八倒(ばつたふ)してゐた。079(みこと)(をんな)苦悶(くもん)する(さま)()て、080そのままそこを立去(たちさ)るに(しの)びず、081いかにもしてその苦痛(くつう)(すく)(たす)けむものと、082八百姫(やほひめ)()()(たす)(おこ)さむとした。083八百姫(やほひめ)(かな)しき(こゑ)(はな)つて(たす)けを(さけ)んだ。084たちまち(まつ)小蔭(こかげ)より邪神(じやしん)魔我彦(まがひこ)勿然(こつぜん)として(あら)はれ、
085狼藉者(らうぜきもの)見届(みとど)けたり』
086燈火(ともしび)(てん)じて、087言霊別(ことたまわけの)(みこと)八百姫(やほひめ)()()(わき)(かか)へたその一刹那(いちせつな)(とら)へて、088不倫(ふりん)行為(かうゐ)(ののし)り、089無理(むり)()()てて常世姫(とこよひめ)(まへ)()()した。090常世姫(とこよひめ)謀計(ぼうけい)()にあたりしを(よろこ)びながら何喰(なにく)はぬ(かほ)にて、091言霊別(ことたまわけの)(みこと)092八百姫(やほひめ)(まへ)におき、093(きび)しく事実(じじつ)審問(しんもん)をはじめた。094ここに言霊別(ことたまわけの)(みこと)(こた)ふるに、095事実(じじつ)真相(しんさう)委細(ゐさい)()べた。096されど魔我彦(まがひこ)(くび)左右(さいう)にふり、
097否々(いないな)098(われ)はたしかなる証拠(しようこ)(にぎ)る。099(みこと)八百姫(やほひめ)手込(てご)めになし、100(すで)()()げむとせり、101委細(ゐさい)八百姫(やほひめ)()はせたまへ』
102気色(けしき)ばみて誣言(ぶげん)した。103八百姫(やほひめ)(おな)(あな)(きつね)である。104魔我彦(まがひこ)()ふところを事実(じじつ)なりと強弁(がうべん)し、105かつ(なみだ)(なが)して、
106(われ)(いま)まで幾度(いくど)となく(みこと)のために(はづかし)められたり。107今日(こんにち)かぎり(われ)(ひま)をたまへ』
108と、109しきりに嘆願(たんぐわん)した。
110 城内(じやうない)諸神司(しよしん)(あつ)まり(きた)りて、111あゝ言霊別(ことたまわけの)(みこと)はかかる不倫(ふりん)神人(かみ)(あら)ざりしに、112いかなる邪霊(じやれい)魅入(みい)りしやと、113(みこと)前途(ぜんと)(かな)しんだ。114常世姫(とこよひめ)魔我彦(まがひこ)115八百姫(やほひめ)をともなひ奥殿(おくでん)(すす)みて稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)(えつ)し、116事実(じじつ)()げて言霊別(ことたまわけの)(みこと)日夜(にちや)悪行(あくかう)針小(しんせう)棒大(ぼうだい)進言(しんげん)した。117稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)はおほいに(うれ)ひたまひ、118諸神司(しよしん)(あつ)めて協議(けふぎ)結果(けつくわ)119(みこと)(はち)室屋(むろや)()()れたまうた。
120 あゝ、121言霊別(ことたまわけの)(みこと)運命(うんめい)如何(いかん)
122大正一〇・一〇・二九 旧九・二九 桜井重雄録)
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