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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第2巻(丑の巻)
序
凡例
総説
第1篇 神界の混乱
第1章 攻防両軍の配置
第2章 邪神の再来
第3章 美山彦命の出現
第4章 真澄の神鏡
第5章 黒死病の由来
第6章 モーゼとエリヤ
第7章 天地の合せ鏡
第8章 嫉視反目
第2篇 善悪正邪
第9章 タコマ山の祭典その一
第10章 タコマ山の祭典その二
第11章 狸の土舟
第12章 醜女の活躍
第13章 蜂の室屋
第3篇 神戦の経過
第14章 水星の精
第15章 山幸
第16章 梟の宵企み
第17章 佐賀姫の義死
第18章 反間苦肉の策
第19章 夢の跡
第4篇 常世の国
第20章 疑問の艶書
第21章 常世の国へ
第22章 言霊別命の奇策
第23章 竜世姫の奇智
第24章 藻脱けの殻
第25章 蒲団の隧道
第26章 信天翁
第27章 湖上の木乃伊
第5篇 神の慈愛
第28章 高白山の戦闘
第29章 乙女の天使
第30章 十曜の神旗
第31章 手痛き握手
第32章 言霊別命の帰城
第33章 焼野の雉子
第34章 義神の参加
第35章 南高山の神宝
第36章 高白山上の悲劇
第37章 長高山の悲劇
第38章 歓天喜地
第6篇 神霊の祭祀
第39章 太白星の玉
第40章 山上の神示
第41章 十六社の祭典
第42章 甲冑の起源
第43章 濡衣
第44章 魔風恋風
第7篇 天地の大道
第45章 天地の律法
第46章 天則違反
第47章 天使の降臨
第48章 律法の審議
第49章 猫の眼の玉
第50章 鋼鉄の鉾
附録 第一回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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霊主体従(第1~12巻)
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<<< 太白星の玉
(B)
(N)
十六社の祭典 >>>
第四〇章
山上
(
さんじやう
)
の
神示
(
しんじ
)
〔九〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
篇:
第6篇 神霊の祭祀
よみ(新仮名遣い):
しんれいのさいし
章:
第40章 山上の神示
よみ(新仮名遣い):
さんじょうのしんじ
通し章番号:
90
口述日:
1921(大正10)年11月06日(旧10月07日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年1月27日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
大八洲彦命は、稚桜姫命の神命を奉じてシオン山に登り、自ら地鎮祭を行うと、顕国の御玉が現れた聖跡を中心に、十六社の白木の宮を造営した。鵜の羽で屋根を覆い、金銀珠玉の珍宝をちりばめ、荘厳優美な様であった。
一つの宮にそれぞれ玉をご神体として祭り、四つの宮に、鶴野姫、大森別、生代姫命、姫古曽の神を鎮際した。その他楼門、広間等大小三十二棟を造営し、あまたの重臣がこれに住んで日夜神明に奉仕した。そして宮比彦を斎主に任じた。
常世姫の部下である美山彦、国照姫は鬼城山から部下を率いて出陣し、東西両面からシオン山に迫った。また別働隊として南方からは、武熊別らが攻めかけた。
大八洲彦命は東西南北に神将を配置してこれにあたった。三方から押し寄せた魔軍は難攻不落の霊山に攻めあぐね、山を囲んでにらみ合いになった。
常世姫は間者に偽の情報を持たせ、シオン山軍の戦力を割こうとしたが、大八洲彦命に見破られた。部将の中には、間者の偽情報を信じる者もあったが、宮比彦が神示のままに間者を神前に引き立てると、間者は計略の一切を白状したので、一同は大八洲彦命の洞察に感嘆した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
第2巻に登場する3人の「かみくらひこ(神座彦、神倉彦、上倉彦)」は同一人物だと思われる。『王仁文献考証』参照。
タグ:
かみくらひこ(神座彦 神倉彦 上倉彦)
データ凡例:
データ最終更新日:
2017-09-26 20:42:30
OBC :
rm0240
愛善世界社版:
203頁
八幡書店版:
第1輯 231頁
修補版:
校定版:
207頁
普及版:
96頁
初版:
ページ備考:
001
ここに
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は、
002
稚桜姫
(
わかざくらひめの
)
命
(
みこと
)
の
神命
(
しんめい
)
を
奉
(
ほう
)
じ、
003
シオンの
霊山
(
れいざん
)
にのぼり
地鎮祭
(
ぢちんさい
)
をおこなひ、
004
かの
顕国
(
うつしくに
)
の
御玉
(
みたま
)
の
母岩
(
ぼがん
)
の
現
(
あら
)
はれたる
聖跡
(
せいせき
)
を
中心
(
ちうしん
)
として、
005
十六社
(
じふろくしや
)
の
白木
(
しらき
)
の
宮
(
みや
)
を
造
(
つく
)
り、
006
鵜
(
う
)
の
羽
(
はね
)
をもつて
屋根
(
やね
)
を
覆
(
おほ
)
ひ、
007
金銀
(
きんぎん
)
珠玉
(
しゆぎよく
)
種々
(
しゆじゆ
)
の
珍宝
(
ちんぽう
)
をちりばめ、
008
荘厳
(
さうごん
)
優美
(
いうび
)
たとふるにものなく、
009
旭
(
あさひ
)
に
照
(
て
)
り
夕陽
(
ゆふひ
)
に
輝
(
かがや
)
き、
010
その
状
(
さま
)
は
目
(
め
)
も
眩
(
まばゆ
)
きばかりであつた。
011
一
(
ひと
)
つの
宮
(
みや
)
に
一
(
ひと
)
つの
玉
(
たま
)
を
神体
(
しんたい
)
として
祭
(
まつ
)
り、
012
十二社
(
じふにしや
)
と
称
(
とな
)
へた。
013
他
(
た
)
の
四個
(
よんこ
)
の
宮
(
みや
)
には、
014
鶴野姫
(
つるのひめ
)
、
015
大森別
(
おほもりわけ
)
、
016
生代姫
(
いくよひめの
)
命
(
みこと
)
および
姫古曽
(
ひめこそ
)
の
神
(
かみ
)
を
鎮祭
(
ちんさい
)
し、
017
荘厳
(
さうごん
)
なる
祭祀
(
さいし
)
は
挙行
(
きよかう
)
された。
018
その
他
(
た
)
、
019
楼門
(
ろうもん
)
、
020
広間
(
ひろま
)
等
(
とう
)
大小
(
だいせう
)
三十二
(
さんじふに
)
棟
(
むね
)
を
造
(
つく
)
り、
021
いづれも
白木造
(
しらきづく
)
りにして
桧皮
(
ひのきがは
)
をもつて
屋根
(
やね
)
を
覆
(
おほ
)
ひ、
022
千木
(
ちぎ
)
、
023
堅魚木
(
かつをぎ
)
等
(
とう
)
実
(
じつ
)
に
崇高
(
すうかう
)
の
極
(
きは
)
みであつた。
024
この
十六
(
じふろく
)
の
宮
(
みや
)
とともに
四十八
(
よんじふはち
)
棟
(
むね
)
となり、
025
あまたの
重臣
(
ぢうしん
)
はこれに
住
(
す
)
みて
神明
(
しんめい
)
に
日夜
(
にちや
)
奉仕
(
ほうし
)
した。
026
ここに
宮比彦
(
みやびひこ
)
を
斎主
(
さいしゆ
)
とし、
027
一切
(
いつさい
)
の
神務
(
しんむ
)
を
主宰
(
しゆさい
)
せしめられた。
028
シオン
山
(
ざん
)
はもとより
荘厳
(
さうごん
)
なる
霊山
(
れいざん
)
である。
029
しかるに
今
(
いま
)
や
四十八
(
よんじふはち
)
棟
(
むね
)
の
瀟洒
(
せうしや
)
たる
社殿
(
しやでん
)
幄舎
(
あくしや
)
は
建
(
た
)
て
並
(
なら
)
べられ、
030
荘厳
(
さうごん
)
の
上
(
うへ
)
になほ
荘厳
(
さうごん
)
を
加
(
くは
)
へた。
031
このとき
常世姫
(
とこよひめ
)
の
部下
(
ぶか
)
たる
美山彦
(
みやまひこ
)
、
032
国照姫
(
くにてるひめ
)
は
杵築姫
(
きつきひめ
)
を
部将
(
ぶしやう
)
とし、
033
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
、
034
清熊
(
きよくま
)
ら
数多
(
あまた
)
の
魔軍
(
まぐん
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
鬼城山
(
きじやうざん
)
を
立
(
た
)
ちいで、
035
東西
(
とうざい
)
両方面
(
りやうはうめん
)
より、
036
シオン
山
(
ざん
)
を
占領
(
せんりやう
)
せむと
計画
(
けいくわく
)
しつつあつた。
037
また
南方
(
なんぱう
)
よりは
別働隊
(
べつどうたい
)
として
主将
(
しゆしやう
)
武熊別
(
たけくまわけ
)
は、
038
荒熊
(
あらくま
)
、
039
駒山彦
(
こまやまひこ
)
を
率
(
ひき
)
ゐ、
040
シオン
山
(
ざん
)
を
奪取
(
だつしゆ
)
せむとし、
041
ここに
東西南
(
とうざいなん
)
三方
(
さんぱう
)
よりこれを
占領
(
せんりやう
)
するの
計画
(
けいくわく
)
を
定
(
さだ
)
めた。
042
このこと
忽
(
たちま
)
ち
天使
(
てんし
)
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
知
(
し
)
るところとなり、
043
東
(
ひがし
)
の
山麓
(
さんろく
)
には
吾妻別
(
あづまわけ
)
を
主将
(
しゆしやう
)
とし、
044
香川彦
(
かがはひこ
)
、
045
広足彦
(
ひろだるひこ
)
を
部将
(
ぶしやう
)
として
防衛
(
ばうゑい
)
の
陣
(
ぢん
)
を
張
(
は
)
り、
046
西
(
にし
)
の
山麓
(
さんろく
)
には
磐樟彦
(
いはくすひこ
)
を
主将
(
しゆしやう
)
とし、
047
上倉彦
(
かみくらひこ
)
、
048
花照彦
(
はなてるひこ
)
を
部将
(
ぶしやう
)
とし、
049
あまたの
神軍
(
しんぐん
)
をもつてこれを
守
(
まも
)
らしめた。
050
南方
(
なんぱう
)
の
山麓
(
さんろく
)
には
大足彦
(
おほだるひこ
)
を
主将
(
しゆしやう
)
とし、
051
奥山彦
(
おくやまひこ
)
、
052
安世彦
(
やすよひこ
)
を
部将
(
ぶしやう
)
とし、
053
あまたの
神軍
(
しんぐん
)
と
共
(
とも
)
にこれを
守
(
まも
)
らしめ、
054
北方
(
ほつぱう
)
の
山麓
(
さんろく
)
には
真鉄彦
(
まがねひこ
)
少
(
すこ
)
しの
神軍
(
しんぐん
)
と
共
(
とも
)
に
万一
(
まんいち
)
に
備
(
そな
)
へることとなつた。
055
また
山上
(
さんじやう
)
の
本営
(
ほんえい
)
には
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
を
総大将
(
そうだいしやう
)
として
真道彦
(
まみちひこの
)
命
(
みこと
)
、
056
花森彦
(
はなもりひこ
)
、
057
谷川彦
(
たにがはひこ
)
、
058
谷山彦
(
たにやまひこ
)
が
固
(
かた
)
く
守
(
まも
)
ることとなつた。
059
三方
(
さんぱう
)
より
押寄
(
おしよ
)
せたる
敵軍
(
てきぐん
)
は、
060
難攻
(
なんこう
)
不落
(
ふらく
)
の
霊山
(
れいざん
)
を
攻撃
(
こうげき
)
せむとするは
容易
(
ようい
)
の
業
(
わざ
)
に
非
(
あら
)
ず、
061
遠
(
とほ
)
くこれを
囲
(
かこ
)
みて
睨
(
にら
)
み
合
(
あ
)
ひ、
062
互
(
たが
)
ひに
火蓋
(
ひぶた
)
を
切
(
き
)
らざること
長
(
なが
)
きに
渉
(
わた
)
つた。
063
ここに
南軍
(
なんぐん
)
の
将
(
しやう
)
武熊別
(
たけくまわけ
)
は
探女
(
さぐめ
)
を
放
(
はな
)
つて
一挙
(
いつきよ
)
にこれを
討
(
う
)
ち
破
(
やぶ
)
らむとした。
064
南軍
(
なんぐん
)
の
神将
(
しんしやう
)
大足彦
(
おほだるひこ
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
を
夜
(
よる
)
ひそかに
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
ばせ、
065
横切
(
よこぎ
)
る
女性
(
によしやう
)
があつた。
066
数多
(
あまた
)
の
神卒
(
しんそつ
)
は
怪
(
あや
)
しみ、
067
四方
(
しはう
)
よりこの
女性
(
によしやう
)
を
囲
(
かこ
)
み
捕
(
とら
)
へて
大足彦
(
おほだるひこ
)
の
陣中
(
ぢんちゆう
)
に
送
(
おく
)
つた。
068
女性
(
によしやう
)
の
衣
(
ころも
)
をことごとく
剥
(
は
)
ぎあらため
見
(
み
)
るに、
069
一通
(
いつつう
)
の
信書
(
しんしよ
)
があつた。
070
これは
東軍
(
とうぐん
)
の
敵将
(
てきしやう
)
美山彦
(
みやまひこ
)
にあて、
071
武熊別
(
たけくまわけ
)
より
送
(
おく
)
るところの
密書
(
みつしよ
)
のやうである。
072
その
文意
(
ぶんい
)
は、
073
『
常世姫
(
とこよひめ
)
すでに
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
を
陥
(
おとしい
)
れむとす。
074
されど
敵
(
てき
)
は
克
(
よ
)
く
防
(
ふせ
)
ぎ、
075
克
(
よ
)
く
戦
(
たたか
)
ひ
容易
(
ようい
)
に
抜
(
ぬ
)
くべからず。
076
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
援軍
(
ゑんぐん
)
を
乞
(
こ
)
ひ、
077
大勢
(
たいせい
)
をもり
返
(
かへ
)
したれば、
078
味方
(
みかた
)
の
士気
(
しき
)
頓
(
とみ
)
に
加
(
くは
)
はり
来
(
きた
)
り、
079
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
陥落
(
かんらく
)
は
旦夕
(
たんせき
)
に
迫
(
せま
)
る。
080
汝
(
なんぢ
)
らは
吾
(
われ
)
らを
顧慮
(
こりよ
)
するところなく、
081
全力
(
ぜんりよく
)
を
尽
(
つく
)
してシオン
山
(
ざん
)
を
攻
(
せ
)
め
滅
(
ほろぼ
)
せ。
082
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
を
屠
(
ほふ
)
り、
083
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
の
諸神将
(
しよしんしよう
)
を
討伐
(
たうばつ
)
し、
084
その
機
(
き
)
に
乗
(
じやう
)
じて
応援
(
おうゑん
)
に
向
(
むか
)
はむとの、
085
常世姫
(
とこよひめ
)
の
密書
(
みつしよ
)
来
(
きた
)
れり。
086
これを
貴下
(
きか
)
に
報告
(
はうこく
)
す』
087
と
記
(
しる
)
してあつた。
088
大足彦
(
おほだるひこ
)
は
南軍
(
なんぐん
)
の
指揮
(
しき
)
を
安世彦
(
やすよひこ
)
に
一任
(
いちにん
)
し、
089
ひそかに
遁
(
のが
)
れて
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
警衛
(
けいゑい
)
に
尽力
(
じんりよく
)
してゐた。
090
安世彦
(
やすよひこ
)
はこの
密書
(
みつしよ
)
を
探女
(
さぐめ
)
の
手
(
て
)
より
奪
(
うば
)
ひ
大
(
おほ
)
いに
驚
(
おどろ
)
き、
091
吾妻別
(
あづまわけ
)
、
092
真鉄彦
(
まがねひこ
)
、
093
磐樟彦
(
いはくすひこ
)
を
山上
(
さんじやう
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
に
集
(
あつ
)
めて
密議
(
みつぎ
)
をこらした。
094
諸将
(
しよしやう
)
はおほいに
驚
(
おどろ
)
き、
095
シオン
山
(
ざん
)
は
難攻
(
なんこう
)
不落
(
ふらく
)
にして、
096
一卒
(
いつそつ
)
これに
当
(
あた
)
れば
万卒
(
ばんそつ
)
進
(
すす
)
むあたはざるの
要害
(
えうがい
)
なり。
097
軍
(
ぐん
)
の
半
(
なかば
)
を
割
(
さ
)
き
速
(
すみ
)
やかに
一方
(
いつぱう
)
の
血路
(
けつろ
)
を
開
(
ひら
)
き、
098
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
に
応援
(
おうゑん
)
せむことを
決議
(
けつぎ
)
され、
099
その
決議
(
けつぎ
)
の
結果
(
けつくわ
)
は
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
前
(
まへ
)
にいたされた。
100
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
はしばし
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れゐたりしが、
101
直
(
ただ
)
ちにその
決議
(
けつぎ
)
を
排
(
はい
)
し
諸将
(
しよしやう
)
にむかひ、
102
『
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
には
大足彦
(
おほだるひこ
)
警衛
(
けいゑい
)
のために
帰還
(
きくわん
)
しをれば、
103
深
(
ふか
)
く
案
(
あん
)
ずるに
足
(
た
)
らず。
104
加
(
くは
)
ふるに
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
105
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
、
106
神国別
(
かみくにわけの
)
命
(
みこと
)
ら
智勇
(
ちゆう
)
兼備
(
けんび
)
の
神将
(
しんしやう
)
の
固
(
かた
)
く
守
(
まも
)
りあれば、
107
いかなる
邪神
(
じやしん
)
もこれを
抜
(
ぬ
)
くあたはざるべし。
108
これ
必
(
かなら
)
ず
敵
(
てき
)
の
奸策
(
かんさく
)
ならむ』
109
と
事
(
こと
)
もなげに
刎
(
は
)
ねつけられた。
110
このとき
安世彦
(
やすよひこ
)
色
(
いろ
)
をなしていふ。
111
『
貴神
(
きしん
)
は
稚桜姫
(
わかざくらひめの
)
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
上
(
うへ
)
を
憂慮
(
いうりよ
)
したまはざるや。
112
万一
(
まんいち
)
この
密書
(
みつしよ
)
にして
偽
(
いつは
)
りなれば
重畳
(
ちようでふ
)
なり。
113
されど
油断
(
ゆだん
)
は
大敵
(
たいてき
)
、
114
当山
(
たうざん
)
は
寡兵
(
くわへい
)
をもつて
克
(
よ
)
く
衆
(
しう
)
を
防
(
ふせ
)
ぐに
足
(
た
)
る。
115
しかるに
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
陥
(
おちい
)
りなば、
116
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
もまた
危
(
あやふ
)
からむ。
117
是非
(
ぜひ
)
に
応援軍
(
おうゑんぐん
)
を
出
(
だ
)
し、
118
もつて
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ひたまへ』
119
と
決心
(
けつしん
)
の
色
(
いろ
)
を
表
(
あら
)
はし、
120
容易
(
ようい
)
に
意志
(
いし
)
を
枉
(
ま
)
ぐべき
形勢
(
けいせい
)
は
見
(
み
)
えなかつた。
121
真鉄彦
(
まがねひこ
)
、
122
磐樟彦
(
いわくすひこ
)
、
123
吾妻別
(
あづまわけ
)
も、
124
安世彦
(
やすよひこ
)
の
提案
(
ていあん
)
に
賛成
(
さんせい
)
した。
125
部下
(
ぶか
)
の
神卒
(
しんそつ
)
はこの
風評
(
ふうへう
)
を
耳
(
みみ
)
にし、
126
大部分
(
だいぶぶん
)
は
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
危険
(
きけん
)
を
信
(
しん
)
じ、
127
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
帰城
(
きじやう
)
せむことを
唱
(
とな
)
ふるにいたつた。
128
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
断乎
(
だんこ
)
としてその
衆議
(
しうぎ
)
を
排
(
はい
)
し、
129
決心
(
けつしん
)
の
色
(
いろ
)
を
表
(
あら
)
はし、
130
『しからば
諸神司
(
しよしん
)
は
吾
(
わ
)
が
指揮
(
しき
)
を
用
(
もち
)
ゐざるや。
131
今
(
いま
)
は
詮
(
せん
)
なし、
132
たとへわれ
一柱
(
ひとはしら
)
になるとも、
133
当山
(
たうざん
)
は
誓
(
ちか
)
つて
退却
(
たいきやく
)
せじ、
134
また
一卒
(
いつそつ
)
をもわれは
帰城
(
きじやう
)
応援
(
おうゑん
)
せしむるの
意志
(
いし
)
なし』
135
と
主張
(
しゆちやう
)
した。
136
ここに
宮比彦
(
みやびひこ
)
は
恭
(
うやうや
)
しく
神前
(
しんぜん
)
に
出
(
い
)
で
神勅
(
しんちよく
)
を
奏請
(
そうせい
)
したるに、
137
たちまち
神示
(
しんじ
)
あり、
138
『
探女
(
さぐめ
)
をわが
前
(
まへ
)
に
伴
(
ともな
)
ひきたれ』
139
とあつた。
140
宮比彦
(
みやびひこ
)
は
神示
(
しんじ
)
を
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
に
恭
(
うやうや
)
しく
伝
(
つた
)
へた。
141
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
は
安世彦
(
やすよひこ
)
に
命
(
めい
)
じ、
142
神示
(
しんじ
)
のごとく
探女
(
さぐめ
)
を
神前
(
しんぜん
)
に
曳
(
ひ
)
き
来
(
きた
)
らしめ、
143
庭石
(
にはいし
)
の
上
(
うへ
)
に
引据
(
ひきす
)
ゑた。
144
たちまち
探女
(
さぐめ
)
の
身体
(
しんたい
)
は
上下
(
じやうげ
)
左右
(
さいう
)
に
震動
(
しんどう
)
し、
145
かつ
自
(
みづか
)
ら
口
(
くち
)
を
切
(
き
)
つて、
146
『
武熊別
(
たけくまわけ
)
の
密使
(
みつし
)
にして、
147
実際
(
じつさい
)
は
竜宮城
(
りゆうぐうじやう
)
の
陥落
(
かんらく
)
近
(
ちか
)
きにありといふは
虚偽
(
きよぎ
)
なり。
148
貴軍
(
きぐん
)
の
士気
(
しき
)
を
沮喪
(
そそう
)
せしめ、
149
かつ
陣容
(
ぢんよう
)
を
紊
(
みだ
)
し、
150
その
虚
(
きよ
)
に
乗
(
じやう
)
じ
一挙
(
いつきよ
)
にシオン
山
(
ざん
)
を
攻略
(
こうりやく
)
せんずの
攻軍
(
こうぐん
)
の
奸計
(
かんけい
)
なり』
151
と
白状
(
はくじやう
)
するや、
152
たちまち
大地
(
だいち
)
に
倒
(
たふ
)
れた。
153
ここに
諸神将
(
しよしんしよう
)
は
神明
(
しんめい
)
の
威力
(
ゐりよく
)
と、
154
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
明察力
(
めいさつりよく
)
に
感嘆
(
かんたん
)
し、
155
今後
(
こんご
)
は
命
(
みこと
)
の
命令
(
めいれい
)
には
一切
(
いつさい
)
背
(
そむ
)
かずと
誓
(
ちか
)
つた。
156
探女
(
さぐめ
)
は
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
の
仁慈
(
じんじ
)
によつて、
157
神卒
(
しんそつ
)
に
守
(
まも
)
られ、
158
武熊別
(
たけくまわけ
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
近
(
ちか
)
く
護送
(
ごそう
)
せられたのである。
159
(
大正一〇・一一・六
旧一〇・七
外山豊二
録)
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(B)
(N)
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霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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