霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三二章 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)の帰城(きじやう)〔八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻 篇:第5篇 神の慈愛 よみ(新仮名遣い):かみのじあい
章:第32章 言霊別命の帰城 よみ(新仮名遣い):ことたまわけのみことのきじょう 通し章番号:82
口述日:1921(大正10)年11月03日(旧10月04日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年1月27日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
神山彦らは次に、言霊別命がローマ、モスコー、高白山に神軍を配置して竜宮城に戻らないことが、稚桜姫命の疑いを招いているとして、即刻帰城するように、と迫った。
言霊別命は、各地に邪神が割拠する世の中に、各地に神軍を配置するのは竜宮城を守るためなのに、それを理解しない稚桜姫命の思慮の浅さをなじって席を蹴ろうとした。
すると神山彦らはその場で切腹しようとしたため、言霊別命は驚いて制止した。神山彦らは、このままでは稚桜姫命に復命できないとして、決心の色を面に表している。
仕方なく言霊別命は竜宮城に帰還することにした。高白山は元照彦に任せた。そして荒熊彦・荒熊姫の息子・清照彦は実は命を救われてかくまわれていたのだが、これに自分の妹・末世姫をめあわせて、長高山の北方に都を開かせた。
言霊別命が竜宮城に帰還すると、諸神の喜びようはたいへんなものであった。ただ常世姫だけが面白からぬ顔をしていた。そして、各地に神軍を配置する命をなじり、稚桜姫命の命令に服するようにと嫌味を言うのみであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:0000-00-00 00:00:00 文字数:1726 OBC :rm0232
愛善世界社版:159頁 八幡書店版:第1輯 215頁 修補版: 校定版:163頁 普及版:76頁 初版: ページ備考:
001 神山彦(かみやまひこ)は威儀(ゐぎ)を正(ただ)し、002言葉(ことば)を改(あらた)め、
003『稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の直使(ちよくし)として貴神(きしん)に伝(つた)ふべきことあり。004貴神(きしん)はローマ、005モスコーにあまたの神軍(しんぐん)を配置(はいち)し、006今(いま)またこの高白山(かうはくざん)に陣営(ぢんえい)をかまへ、007久(ひさ)しく竜宮城(りゆうぐうじやう)へ帰(かへ)りきたらざるは何故(なにゆゑ)ぞ。008一(いち)時(じ)も早(はや)くローマ、009モスコーの神軍(しんぐん)を解散(かいさん)し、010当城(たうじやう)をすてて竜宮城(りゆうぐうじやう)に帰(かへ)り、011稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の疑(うたがひ)を晴(は)らすべし』
012と気色(けしき)はげしく鼻息(はないき)たかく述(の)べたてた。013言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は答(こた)へて、
014『稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の真意(しんい)はさることながら、015今(いま)や魔神(ましん)は天下(てんか)に跋扈(ばつこ)跳梁(てうりやう)して、016勢(いきほひ)なかなか侮(あなど)るべからず。017吾(われ)らが今(いま)、018ローマ、019モスコーに神軍(しんぐん)をあつめ、020また当山(たうざん)に城塞(じやうさい)をかまへて神軍(しんぐん)を集(あつ)むるは、021地(ち)の高天原(たかあまはら)を守(まも)り奉(たてまつ)らむがためなり。022いかに稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は聡明(そうめい)におはしますとも、023元来(ぐわんらい)は婦神(ふじん)の悲(かな)しさ、024比較(ひかく)的(てき)その御(ご)神慮(しんりよ)浅(あさ)く疑念(ぎねん)深(ふか)く、025常(つね)に常世姫(とこよひめ)のごとき奸侫(かんねい)邪智(じやち)の神(かみ)を信任(しんにん)し、026つひには根底(こんてい)より神政(しんせい)を覆(くつが)へされたまふは、027火(ひ)をみるより瞭(あきら)かなり。028われはこの災禍(わざはひ)を前知(ぜんち)し、029実(じつ)は天使(てんし)大八洲彦(おほやしまひこの)命(みこと)、030真澄姫(ますみひめ)と謀(はか)り、031万一(まんいち)に備(そな)へむとして苦慮(くりよ)せるなり。032思慮(しりよ)浅(あさ)き女神(によしん)、033小神(せうしん)の知(し)るところに非(あら)ず』
034と憤然(ふんぜん)として席(せき)をけり、035一間(ひとま)に駆(か)け入(い)らむとした。036このとき神山彦(かみやまひこ)は懐中(くわいちゆう)より短剣(たんけん)を取(とり)いだし、037両肌(もろはだ)を脱(ぬ)いで割腹(かつぷく)せむとした。038真倉彦(まくらひこ)以下(いか)二神司(にしん)も、039吾(われ)後(おく)れじと一(いち)時(じ)に両肌(もろはだ)を脱(ぬ)ぎ短刀(たんたう)にて腹(はら)を掻(か)ききらむとす。
040 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)はこれを見(み)ておほいに驚(おどろ)き、
041『諸神(しよしん)しばらく待(ま)たれよ。042逸(はや)まりたまふな』
043ととどめむとした。044四柱(よはしら)は、
045『しからば命(みこと)は竜宮城(りゆうぐうじやう)へすみやかに帰(かへ)りたまふや』
046と問(と)ひつめた。047命(みこと)はいかに答(こた)へむと太息(といき)をもらし、048思案(しあん)にくれた。049神山彦(かみやまひこ)は決心(けつしん)の色(いろ)をあらはし、
050『われは帰(かへ)りて稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)にたいし奉(たてまつ)り、051陳弁(ちんべん)の辞(じ)なし。052如(し)かず、053ここに潔(いさぎよ)く諸共(もろとも)に自殺(じさつ)して、054その責任(せきにん)を明(あき)らかにせむ』
055と又(また)もや短刀(たんたう)を逆手(さかて)に持(も)ち、056四柱(よはしら)一度(いちど)に割腹(かつぷく)せむとする。
057 このとき言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は心中(しんちゆう)にて、058吾(われ)は天下(てんか)を救(すく)はむと思(おも)へばこそ、059寒風(かんぷう)強(つよ)き極北(きよくほく)に種々(しゆじゆ)の苦難(くなん)を嘗(な)めつつあるのである。060されど眼前(がんぜん)に、061かかる忠誠(ちゆうせい)なる神司(かみ)の自殺(じさつ)の惨状(さんじやう)を看過(かんくわ)するに忍(しの)びず、062アゝいかにせむと、063その刹那(せつな)の苦痛(くつう)は実(じつ)に言辞(げんじ)の尽(つく)すべきかぎりでなかつた。
064 命(みこと)は意(い)を決(けつ)し、
065『しからば神山彦(かみやまひこ)の言葉(ことば)を容(い)れ、066すみやかに帰城(きじやう)すべし』
067と決心(けつしん)固(かた)くのべた。068ここに一行(いつかう)は大(おほ)いによろこび自殺(じさつ)を思(おも)ひとどまり、069その場(ば)は無事(ぶじ)に治(おさ)まつたのである。070言霊別(ことたまわけの)命(みこと)はやむをえず、071一(ひと)まず神山彦(かみやまひこ)一行(いつかう)とともに帰城(きじやう)せむとするに際(さい)し、072元照彦(もとてるひこ)を一間(ひとま)に招(まね)き、073清照彦(きよてるひこ)の所在(ありか)を教(をし)へ、074かつわが妹(いもうと)の末世姫(すゑよひめ)を娶(めあは)し、075斎代彦(ときよひこ)を相(あひ)そへて、076海峡(かいけふ)をこえ、077長高山(ちやうかうざん)の北方(ほつぱう)に都(みやこ)を開(ひら)き、078時期(じき)を待(ま)ちつつあることを密(ひそ)かに告(つ)げた。
079 しかして高白山(かうはくざん)は元照彦(もとてるひこ)を主将(しゆしやう)とし、080荒熊彦(あらくまひこ)を部将(ぶしやう)としてこれを守(まも)らしめ、081天(あま)の磐樟船(いはくすぶね)に乗(の)りて、082神山彦(かみやまひこ)一行(いつかう)とともに目出度(めでた)く竜宮城(りゆうぐうじやう)へ帰還(きくわん)した。
083 竜宮城(りゆうぐうじやう)はにはかに色(いろ)めきたつて、084諸神司(しよしん)の悦(よろこ)びはたとふるにものなき有様(ありさま)で、085春陽(しゆんやう)の気(き)は城内(じやうない)に溢(あふ)れた。086常世城(とこよじやう)よりきたれる常世姫(とこよひめ)のみは、087何(なに)ゆゑか顔色(がんしよく)が平常(つね)よりも冴(さ)えなかつた。
088 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)はただちに奥殿(おくでん)に入(い)り、089稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)に謁(えつ)した。090かたはらに常世姫(とこよひめ)、091竜世姫(たつよひめ)、092真澄姫(ますみひめ)は侍(じ)してゐた。093言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は帰城(きじやう)の挨拶(あいさつ)を慇懃(いんぎん)にのべた。094稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)は帰城(きじやう)を悦(よろこ)び、095いろいろの飲食(おんじき)を出(だ)して饗応(きやうおう)された。
096 常世姫(とこよひめ)はたちまち口(くち)を開(ひら)いて命(みこと)にむかひ、
097『高白山(かうはくざん)は全(まつた)く滅亡(めつぼう)し、098汝(なんぢ)は進退(しんたい)きはまり九死(きうし)一生(いつしやう)の悲境(ひきやう)にありしを、099稚桜姫(わかざくらひめの)命(みこと)の大(だい)慈悲心(じひしん)より窮場(きふば)を救(すく)はれしは、100定(さだ)めて満足(まんぞく)ならむ。101すみやかに命(みこと)にその大恩(たいおん)を謝(しや)したまへ』
102と言葉(ことば)を鼻(はな)にかけて嘲笑(あざわら)ひつつ、103いと憎気(にくげ)に言(い)ひはなつのであつた。
104 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は立腹(りつぷく)のあまり、105高白山(かうはくざん)の実情(じつじやう)を述(の)べむとし、106口(くち)を開(ひら)かむとする時(とき)、107常世姫(とこよひめ)は遮(さへぎ)つて、
108『敗軍(はいぐん)の将(しやう)は兵(へい)を語(かた)らず。109黙(もく)したまへ』
110と頭(あたま)から押(おさ)へつけた。111また言葉(ことば)をついで、
112『汝(なんぢ)は命(みこと)に背(そむ)き、113ローマ、114モスコーに陣営(ぢんえい)を構(かま)へたが、115これまた荒熊彦(あらくまひこ)のために一敗(いつぱい)地(ち)に塗(まみ)れ、116汝(なんぢ)にしたがひし諸神(しよしん)将卒(しやうそつ)は四方(しはう)に散乱(さんらん)して、117今(いま)は残(のこ)らず天下(てんか)に放浪(はうらう)のあはれ果敢(はか)なき者(もの)となつてゐる。118汝(なんぢ)はこの失敗(しつぱい)に省(かへり)み、119今後(こんご)は心(こころ)を改(あらた)めて命(みこと)の厳命(げんめい)に服従(ふくじゆう)し、120かつ吾(われ)は女性(をみな)なれども、121わが言(げん)も少(すこ)しは用(もち)ゐられよ』
122と舌長(したなが)に上(うへ)から被(かぶ)せかけるやうに言(い)つた。
123 言霊別(ことたまわけの)命(みこと)は怒(いか)りを忍(しの)び、124わざと笑(わら)つてその場(ば)をすました。125今後(こんご)この二神司(にしん)の関係(くわんけい)はどうなるであらうか。
126(大正一〇・一一・三 旧一〇・四 外山豊二録)
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