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第30巻(巳の巻)
序
凡例
総説
第1篇 高砂の松
01 主従二人
〔843〕
02 乾の滝
〔844〕
03 清めの滝
〔845〕
04 懐旧の歌
〔846〕
第2篇 珍野瞰下
05 下坂の歌
〔847〕
06 樹下の一宿
〔848〕
07 提燈の光
〔849〕
08 露の道
〔850〕
第3篇 神縁微妙
09 醜の言霊
〔851〕
10 妖雲晴
〔852〕
11 言霊の妙
〔853〕
12 マラソン競争
〔854〕
13 都入
〔855〕
第4篇 修理固成
14 霊とパン
〔856〕
15 花に嵐
〔857〕
16 荒しの森
〔858〕
17 出陣
〔859〕
18 日暮シの河
〔860〕
19 蜘蛛の児
〔861〕
20 雉と町
〔862〕
第5篇 山河動乱
21 神王の祠
〔863〕
22 大蜈蚣
〔864〕
23 ブール酒
〔865〕
24 陥穽
〔866〕
附記 湯ケ島温泉
附記 天津祝詞解
附記 デモ国民歌
余白歌
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> 第1篇 高砂の松 > 第3章 清めの滝
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第三章
清
(
きよ
)
めの
滝
(
たき
)
〔八四五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
篇:
第1篇 高砂の松
よみ(新仮名遣い):
たかさごのまつ
章:
第3章 清めの滝
よみ(新仮名遣い):
きよめのたき
通し章番号:
845
口述日:
1922(大正11)年08月14日(旧06月22日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
石熊は命を救われたことを感謝し、末子姫を捕らえようとしていたことへの懺悔と、三五教への改心を歌にして歌った。
末子姫はこれまでの経緯を歌に歌って返し、カールはそれを引き継いで、自分がバラモン教に入り込んでいたことと、末子姫の教示によって大蛇が解脱して石熊を救った有様を目撃した感慨を歌った。
石熊は一行に同道することになり、珍の都を指して進んで行く。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-01-12 19:03:52
OBC :
rm3003
愛善世界社版:
32頁
八幡書店版:
第5輯 584頁
修補版:
校定版:
34頁
普及版:
13頁
初版:
ページ備考:
001
高照山
(
たかてるやま
)
に
本拠
(
ほんきよ
)
を
固
(
かた
)
めたるバラモン
教
(
けう
)
の
石熊
(
いしくま
)
は、
002
末子姫
(
すゑこひめ
)
、
003
其
(
その
)
他
(
た
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
し、
004
歌
(
うた
)
を
以
(
もつ
)
て
所感
(
しよかん
)
を
述
(
の
)
べたり。
005
その
歌
(
うた
)
、
006
石熊
『
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
現
(
あ
)
れませる
007
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
自在天
(
じざいてん
)
008
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
樹
(
た
)
てられし
009
バラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
010
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
も
高砂
(
たかさご
)
の
011
宝
(
たから
)
の
島
(
しま
)
に
現
(
あら
)
はれて
012
高照山
(
たかてるやま
)
を
根拠
(
こんきよ
)
とし
013
心
(
こころ
)
も
固
(
かた
)
き
石熊
(
いしくま
)
が
014
信心
(
しんじん
)
堅固
(
けんご
)
に
守
(
まも
)
りつつ
015
教
(
をしへ
)
の
法
(
のり
)
を
遵奉
(
じゆんぽう
)
し
016
服従
(
まつろ
)
ひ
来
(
きた
)
る
信徒
(
まめひと
)
に
017
何
(
なん
)
の
容赦
(
ようしや
)
も
荒行
(
あらげう
)
の
018
火渡
(
ひわた
)
り
剣
(
つるぎ
)
の
橋
(
はし
)
を
越
(
こ
)
え
019
水底
(
みなそこ
)
くぐり
茨室
(
いばらむろ
)
020
赤裸
(
まつぱだか
)
にて
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
ませ
021
釘
(
くぎ
)
の
打
(
う
)
ちたる
足駄
(
あしだ
)
はき
022
神
(
かみ
)
より
受
(
う
)
けし
肉体
(
にくたい
)
を
023
損
(
そこな
)
ひ
破
(
やぶ
)
りて
血
(
ち
)
を
出
(
いだ
)
し
024
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
する
贄
(
いけにえ
)
と
025
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めたる
神司
(
かむづかさ
)
026
神
(
かみ
)
の
怒
(
いか
)
りを
和
(
やはら
)
げて
027
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
に
助
(
たす
)
けられ
028
未来
(
みらい
)
の
苦
(
く
)
をば
逃
(
のが
)
れむと
029
迷
(
まよ
)
ひ
切
(
き
)
つたるバラモンの
030
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
違
(
たが
)
へるを
031
今
(
いま
)
や
漸
(
やうや
)
く
悟
(
さと
)
りけり
032
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
033
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
034
青人草
(
あをひとぐさ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
035
禽獣
(
きんじう
)
虫魚
(
ちうぎよ
)
造
(
つく
)
らしし
036
誠
(
まこと
)
の
親
(
おや
)
と
三五
(
あななひ
)
の
037
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
末子姫
(
すゑこひめ
)
038
宣
(
の
)
らせ
玉
(
たま
)
ひし
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
039
聞
(
き
)
くより
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
村肝
(
むらきも
)
の
040
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
は
冴
(
さ
)
えわたり
041
げにも
尊
(
たふと
)
き
言霊
(
ことたま
)
の
042
御稜威
(
みいづ
)
に
魂
(
たま
)
をてらしつつ
043
大蛇
(
をろち
)
の
魔神
(
まがみ
)
に
魅
(
み
)
せられて
044
動
(
うご
)
きもならぬ
身体
(
からたま
)
を
045
かばひ
乍
(
なが
)
らも
胸
(
むね
)
の
内
(
うち
)
046
悔悟
(
くわいご
)
の
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
りつれば
047
忽
(
たちま
)
ち
開
(
ひら
)
く
胸
(
むね
)
の
暗
(
やみ
)
048
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
049
流石
(
さすが
)
の
大蛇
(
をろち
)
も
感歎
(
かんたん
)
し
050
熱
(
あつ
)
き
涙
(
なみだ
)
をこぼしつつ
051
吾
(
われ
)
を
呑
(
の
)
まむと
狙
(
ねら
)
ひたる
052
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
053
修羅
(
しうら
)
の
亡執
(
もうしふ
)
忽
(
たちま
)
ちに
054
晴
(
は
)
れて
姿
(
すがた
)
を
水煙
(
みづけぶり
)
055
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
もおち
滝津
(
たきつ
)
056
速川
(
はやかは
)
の
瀬
(
せ
)
に
現
(
あ
)
れませる
057
瀬織津
(
せおりつ
)
姫
(
ひめ
)
の
幸
(
さち
)
はひて
058
仇
(
あだ
)
悉
(
ことごと
)
く
消
(
き
)
えにける
059
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
060
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
蒙
(
かか
)
ぶりて
061
心
(
こころ
)
佞
(
ねぢ
)
けし
石熊
(
いしくま
)
も
062
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
に
063
救
(
すく
)
ひ
出
(
いだ
)
され
今
(
いま
)
は
早
(
はや
)
064
三五教
(
あななひけう
)
の
皇神
(
すめかみ
)
の
065
光
(
ひかり
)
に
深
(
ふか
)
く
照
(
てら
)
されぬ
066
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
067
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
たて
)
わける
068
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
069
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
070
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
071
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
072
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
は
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
073
誠一
(
まことひと
)
つの
言霊
(
ことたま
)
に
074
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
三五
(
あななひ
)
の
075
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
尊
(
たふ
)
とさよ
076
仮令
(
たとへ
)
天地
(
てんち
)
は
変
(
かは
)
る
共
(
とも
)
077
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひし
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
078
いかで
変
(
かは
)
らむ
高砂
(
たかさご
)
の
079
国
(
くに
)
に
鎮
(
しづ
)
まる
竜世姫
(
たつよひめ
)
080
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
081
真心
(
まごころ
)
こめて
只管
(
ひたすら
)
に
082
誓
(
ちか
)
ひまつらむバラモンの
083
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へし
宣伝使
(
せんでんし
)
084
高照山
(
たかてるやま
)
に
築
(
きづ
)
きたる
085
教館
(
をしへやかた
)
を
今日
(
けふ
)
よりは
086
三五教
(
あななひけう
)
に
献
(
たてまつ
)
り
087
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
玉
(
たま
)
ひたる
088
世
(
よ
)
の
大本
(
おほもと
)
の
皇神
(
すめかみ
)
に
089
麻柱
(
あななひ
)
まつり
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
090
力
(
ちから
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
091
仕
(
つか
)
へまつらむ
惟神
(
かむながら
)
092
神
(
かみ
)
の
御末
(
みすゑ
)
の
末子姫
(
すゑこひめ
)
093
曲
(
まが
)
も
穢
(
けが
)
れも
捨子姫
(
すてこひめ
)
094
罪
(
つみ
)
もカールの
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
095
罪科
(
つみとが
)
重
(
おも
)
き
石熊
(
いしくま
)
が
096
心
(
こころ
)
を
尽
(
つく
)
し
祈
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
097
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
098
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
見直
(
みなほ
)
して
099
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
にこれよりは
100
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
給
(
たま
)
へかし
101
珍
(
うづ
)
の
館
(
やかた
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
102
今迄
(
いままで
)
与
(
あた
)
へし
虐
(
しひた
)
げの
103
罪
(
つみ
)
を
陳謝
(
ちんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
り
104
従僕
(
しもべ
)
となりて
永久
(
とことは
)
に
105
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
の
門番
(
もんばん
)
に
106
仕
(
つか
)
へまつりて
赤誠
(
せきせい
)
を
107
現
(
あら
)
はしまつる
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
108
許
(
ゆる
)
させ
給
(
たま
)
へ
瑞御霊
(
みづみたま
)
109
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
110
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
111
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
112
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
113
捨子姫
(
すてこひめ
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
したり。
114
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
115
捨子姫
『
天
(
あめ
)
の
河原
(
かはら
)
を
縦
(
たて
)
として
116
眺
(
なが
)
めし
如
(
ごと
)
き
此
(
この
)
瀑布
(
ばくふ
)
117
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
珍
(
うづ
)
の
子
(
こ
)
と
118
現
(
あ
)
れ
出
(
い
)
でませる
末子姫
(
すゑこひめ
)
119
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
泥
(
どろ
)
を
滌
(
すす
)
がむと
120
流
(
なが
)
れも
清
(
きよ
)
きエデン
河
(
がは
)
121
身魂
(
みたま
)
を
清
(
きよ
)
め
足
(
あし
)
洗
(
あら
)
ひ
122
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
を
捨子姫
(
すてこひめ
)
123
従僕
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
を
召連
(
めしつ
)
れて
124
汐
(
しほ
)
の
八百路
(
やほぢ
)
の
八汐路
(
やしほぢ
)
を
125
秋津
(
あきつ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御守
(
みまも
)
りに
126
漸
(
やうや
)
う
渡
(
わた
)
りテルの
国
(
くに
)
127
ハラの
港
(
みなと
)
に
上陸
(
じやうりく
)
し
128
テルの
国
(
くに
)
をば
横断
(
わうだん
)
し
129
テル
山峠
(
やまたうげ
)
の
山麓
(
さんろく
)
に
130
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
りて
月
(
つき
)
の
宵
(
よひ
)
131
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
たはり
132
来
(
こ
)
し
方
(
かた
)
行
(
ゆ
)
く
末
(
すゑ
)
案
(
あん
)
じつつ
133
眠
(
ねむ
)
りにつきし
折柄
(
をりから
)
に
134
俄
(
にはか
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
人
(
ひと
)
の
声
(
こゑ
)
135
何人
(
なにびと
)
なるかと
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
まし
136
話
(
はなし
)
の
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
へば
137
バラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
138
信徒
(
まめひと
)
共
(
とも
)
に
五人
(
ごにん
)
連
(
つ
)
れ
139
妾
(
わたし
)
のいねし
傍
(
かたはら
)
に
140
腰
(
こし
)
打
(
うち
)
かけて
無駄話
(
むだばなし
)
141
高照山
(
たかてるやま
)
の
石熊
(
いしくま
)
が
142
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ひて
143
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
より
渡
(
わた
)
り
来
(
く
)
る
144
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
145
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
捨子姫
(
すてこひめ
)
146
ハラの
港
(
みなと
)
に
上陸
(
じやうりく
)
し
147
テル
山峠
(
やまたうげ
)
を
乗越
(
のりこ
)
えて
148
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
149
それの
途中
(
とちう
)
を
待伏
(
まちぶ
)
せて
150
二人
(
ふたり
)
の
女神
(
めがみ
)
引
(
ひ
)
つ
捉
(
とら
)
へ
151
高照山
(
たかてるやま
)
の
館
(
やかた
)
まで
152
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
れよとの
石熊
(
いしくま
)
の
153
お
指図
(
さしづ
)
なれど
連日
(
れんじつ
)
の
154
疲
(
つか
)
れに
足
(
あし
)
も
早痛
(
はやいた
)
み
155
歩行
(
ほかう
)
も
自由
(
じいう
)
にならざれば
156
ここに
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あ
)
かさむと
157
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふこそ
不思議
(
ふしぎ
)
なれ
158
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
は
耳
(
みみ
)
さとく
159
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじう
)
を
聞終
(
ききをは
)
り
160
静
(
しづか
)
に
上衣
(
うはぎ
)
をぬぎ
捨
(
す
)
てて
161
髪
(
かみ
)
ふり
乱
(
みだ
)
し
声
(
こゑ
)
を
変
(
か
)
へ
162
珍姿
(
ちんし
)
怪体
(
くわいたい
)
現
(
あら
)
はせば
163
さて
恐
(
おそ
)
ろしや
幽霊
(
いうれい
)
が
164
現
(
あら
)
はれたりと
吾
(
わ
)
れ
先
(
さき
)
に
165
雪崩
(
なだれ
)
を
打
(
う
)
つて
逃
(
にげ
)
て
行
(
ゆ
)
く
166
カールとネロの
両人
(
りやうにん
)
は
167
少
(
すこ
)
しも
騒
(
さわ
)
がず
吾々
(
われわれ
)
に
168
向
(
むか
)
つて
言葉
(
ことば
)
をかけて
言
(
い
)
ふ
169
(これよりカール
引継
(
ひきつ
)
いで
歌
(
うた
)
ふ)
170
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
現
(
あれ
)
ませる
171
松若彦
(
まつわかひこ
)
が
神館
(
かむやかた
)
172
教
(
をしへ
)
に
習
(
なら
)
ふカールなり
173
二人
(
ふたり
)
の
女神
(
めがみ
)
が
今
(
いま
)
茲
(
ここ
)
に
174
現
(
あら
)
はれますとバラモンの
175
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
信徒
(
まめひと
)
が
176
中
(
なか
)
に
交
(
まじ
)
はり
吾
(
わ
)
れも
亦
(
また
)
177
一味
(
いちみ
)
の
中
(
なか
)
に
加
(
くは
)
はりて
178
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
ひ
助
(
たす
)
けむと
179
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
皇神
(
すめかみ
)
の
180
心
(
こころ
)
に
合
(
あ
)
はぬか
知
(
し
)
らね
共
(
ども
)
181
二人
(
ふたり
)
を
助
(
たす
)
けてやうやうに
182
乾
(
いぬゐ
)
の
滝
(
たき
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
183
豈
(
あに
)
計
(
はか
)
らむや
石熊
(
いしくま
)
の
184
教司
(
をしへつかさ
)
は
滝
(
たき
)
の
辺
(
べ
)
に
185
大蛇
(
をろち
)
の
魂
(
たま
)
に
魅
(
み
)
せられて
186
石
(
いし
)
の
如
(
ごと
)
くに
立
(
た
)
ち
給
(
たま
)
ふ
187
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
188
神
(
かみ
)
の
冥罰
(
めいばつ
)
忽
(
たちま
)
ちに
189
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りて
石熊
(
いしくま
)
の
190
知死期
(
ちしご
)
の
幕
(
まく
)
の
下
(
お
)
りしかと
191
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
に
喜
(
よろこ
)
びつ
192
見棄
(
みす
)
ててゆかむと
両人
(
りやうにん
)
の
193
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
述
(
の
)
べつれば
194
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
は
首
(
くび
)
をふり
195
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
196
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
を
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
し
197
四海
(
しかい
)
同胞
(
どうはう
)
博愛
(
はくあい
)
の
198
御心
(
みこころ
)
持
(
も
)
ちて
天地
(
あめつち
)
の
199
神
(
かみ
)
に
叶
(
かな
)
ひし
太祝詞
(
ふとのりと
)
200
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
へば
此
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
に
201
悪虐
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
大蛇
(
をろち
)
まで
202
慈愛
(
じあい
)
の
言葉
(
ことば
)
に
感歎
(
かんたん
)
し
203
熱
(
あつ
)
き
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
しつつ
204
さも
凄
(
すさ
)
まじき
形相
(
ぎやうさう
)
は
205
追
(
お
)
つて
優
(
やさ
)
しく
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
きて
206
解脱
(
げだつ
)
の
滝
(
たき
)
に
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じ
207
後白雲
(
あとしらくも
)
と
消
(
き
)
えて
行
(
ゆ
)
く
208
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
209
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
ぞ
尊
(
たふと
)
けれ
210
神
(
かみ
)
の
御徳
(
みとく
)
ぞ
畏
(
かしこ
)
けれ』
211
かく
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
212
石熊
(
いしくま
)
の
請
(
こ
)
ひを
容
(
い
)
れて、
213
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
[
※
末子姫、捨子姫、カール、石熊の四人では?
]
は、
214
テル
山峠
(
やまたうげ
)
を
登
(
のぼ
)
り、
215
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
216
(
大正一一・八・一四
旧六・二二
松村真澄
録)
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