あらすじ[?]このあらすじは飯塚弘明の作成です。[×閉じる]:
葭原(よしはら)の国土(くに)の「予讃(よさ)の国」を舞台に、冬男・秋男の兄弟たちが水奔鬼(すいほんき)を相手に戦う物語。
- 第1~6章
-
葭原の国土の高光山(たかみつやま)の西側にある「予讃の国」では、厳ケ根(いはがね)が開拓しようと努力していた。
葭原の国土は地上一面が葭草(よしぐさ)に覆われ、その間に水奔草という毒草が生えており、またイヂチという爬虫族が危害を与えるので、国津神たちはこの原野に住むことが出来なかった。
厳ケ根は四人の息子のうち四男の冬男に、国土調査を命じる。冬男は忍ケ丘(しのぶがをか)で、水奔草の毒で死んだ幽霊(水奔鬼)の頭である「笑い婆」によって毒を飲まされ、死んで幽霊となり、やはり死んだ家臣たちと力を合わせて「笑い婆」を追い払い、忍ケ丘で生活することになる。
- 第7~15章
-
冬男が帰って来ないため、次に厳ケ根は三男の秋男を派遣する。秋男は水奔鬼に妨害されるが、言霊の力で退けて、火炎山に向かって前進する。
秋男は国内の水奔草を火山の火で焼き払い、猛獣毒蛇も焼き払おうとして噴火口から火種を取ろうとするが、猛獣毒蛇は秋男一行に噛みついて、火口に投げ落としてしまう。
- 第16~23章
-
火炎山は大爆発して大きな湖と化し、そこに小さな島が出来た。死んだ秋男はこの島(秋男島(あきをじま))の精霊界の主となる。
厳ケ根は冬男と秋男の消息を探るため、春男・夏男その他多数の供をつけて調査に行かせる。
水奔鬼が秋男島へ秋男を滅ぼすために襲撃する。そこへ天の鳥船に乗って朝空男(あさそらを)の神と国生男(くにうみを)の神が舞い降りる。また冬男一行の精霊、そして春男・夏男の一行も現れる。二柱の神が天の数歌を奏上すると、水奔鬼は全滅した。
朝霧比女の神が鎮まる高光山の聖場に、朝香比女の神が降臨し、火打ち石を贈る。朝香比女の神が葭原に火を放つと、原野は焼き払われ、真火(まひ)の力で国土は新生した。
朝香比女の神一行は舟にて西方(にしかた)の国へ向け出発する。