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第四章 懐旧(くわいきう)(うた)〔八四六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻 篇:第1篇 高砂の松 よみ(新仮名遣い):たかさごのまつ
章:第4章 懐旧の歌 よみ(新仮名遣い):かいきゅうのうた 通し章番号:846
口述日:1922(大正11)年08月14日(旧06月22日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
末子姫は、帰順したバラモン教の石熊を連れて、捨子姫、カールと合わせて四人連れでテル山峠の頂上に着いた。
石熊は、はるか昔に松竹梅の宣伝使が黄泉比良坂の戦いに際して、蚊々虎に導かれて珍の都の両親に別れを告げた場所であることを説明した。カールは末子姫に歌を所望した。
末子姫は、かつてのエルサレムの天使長・桃上彦が、都を追われて底の竜宮で正鹿山津見と名前を変えてさまざまな艱難苦労を経験したところから歌い始めた。そして正鹿山津見の三人の娘・松竹梅が別れの歌を歌った場所に引き合わせて、自らの境遇を歌った。
歌い終わって末子姫は傍らの石に腰を下ろした。続いて捨子姫が歌った。捨子姫は、末子姫に付いて世界を廻る自らの境遇とこれまでの足跡を述懐し、神素盞嗚尊、日の出神、言依別、八人乙女らの行方を想い、歌を終えた。
一行は峠を東に下って珍の都を目指した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-01-13 17:48:44 OBC :rm3004
愛善世界社版:41頁 八幡書店版:第5輯 587頁 修補版: 校定版:44頁 普及版:16頁 初版: ページ備考:
001 末子姫(すゑこひめ)(あらた)にバラモン(けう)石熊(いしくま)帰順(きじゆん)(ゆる)し、002捨子姫(すてこひめ)003カールの四人(よにん)()れ、004(やうや)くにしてテル山峠(やまたうげ)頂上(ちやうじやう)辿(たど)()いた。
005石熊(いしくま)『サア此処(ここ)有名(いうめい)なテル山峠(やまたうげ)頂上(ちやうじやう)御座(ござ)います。006黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)大戦(たいせん)以前(いぜん)に、007(うづ)(みやこ)正鹿山津見(まさかやまづみ)(かみ)(さま)(おん)(むすめ)008(まつ)(たけ)(うめ)宣伝使(せんでんし)(はじ)めて宣伝(せんでん)初陣(ういぢん)此処(ここ)を、009蚊々虎(かがとら)()天教山(てんけうざん)()花姫(はなひめ)(かみ)(さま)化神(けしん)(みちび)かれて、010(とほ)(あそ)ばし、011(まつ)(たけ)(うめ)宣伝使(せんでんし)遥々(はるばる)(うづ)(みやこ)振返(ふりかへ)り、012両親(りやうしん)訣別(けつべつ)(うた)(うた)はれた(ところ)です第9巻第13章「訣別の歌」参照013随分(ずゐぶん)連山(れんざん)重畳(ちようぜう)として四方(よも)(ひろ)がり、014大西洋(たいせいやう)(なみ)(かすみ)(ごと)棚引(たなび)き、015(なん)とも()へぬ絶景(ぜつけい)地点(ちてん)御座(ござ)います。016(ここ)(ひと)(あせ)()れて、017ボツボツ(くだ)(こと)(いた)しませうか』
018末子(すゑこ)(なん)とも()へぬ(すず)しい(かぜ)御座(ござ)いますなア。019勿体(もつたい)ない(こと)(なが)ら、020此処(ここ)少時(しばらく)休息(きうそく)して(まゐ)(こと)(いた)しませう。021どうせ二日(ふつか)三日(みつか)(ある)いたつて(うづ)(みやこ)へは容易(ようい)()けませぬから……』
022捨子(すてこ)『つい()(した)()えて()るようですが、023随分(ずゐぶん)里程(みちのり)があると()えますなア』
024カール『モシ、025末子姫(すゑこひめ)(さま)026(まつ)(たけ)(うめ)宣伝使(せんでんし)がここで懐郷(くわいきやう)(ねん)()られて訣別(けつべつ)(うた)をよまれた旧蹟(きうせき)ですから、027貴女(あなた)(ひと)つテルの(くに)(わか)れるに(のぞ)み、028得意(とくい)(おん)言霊(ことたま)(もつ)てお(うた)(くだ)さつては如何(どう)でせう』
029末子(すゑこ)『オホヽヽヽ、030(はづ)かしい(こと)ですが、031左様(さやう)結構(けつこう)宣伝使(せんでんし)()(うた)ひになつた由緒(ゆいしよ)ある地点(ちてん)()けば、032(うた)はずには()られますまい。033……捨子姫(すてこひめ)さま、034あなたも(ひと)()(うた)ひになつたら如何(どう)でせう』
035捨子(すてこ)()貴女(あなた)から(さき)にお(くち)()つて(くだ)さいませ。036(わたし)驥尾(きび)()して蛇足(だそく)()へますから……』
037 末子姫(すゑこひめ)山上(さんじやう)(すず)しき(かぜ)()かれつつ、038声調(せいてう)ゆるやかに(うた)(はじ)めたり。
039末子姫(かみ)(みやこ)のエルサレム
040天使(てんし)(をさ)()れませる
041桃上彦(ももがみひこ)大神(おほかみ)
042(まつ)(たけ)(うめ)三柱(みはしら)
043いたいけ(ざかり)娘子(むすめご)
044(うづ)(やかた)(のこ)しおき
045聖地(せいち)混乱(こんらん)(あと)にして
046()るもいぶせき(ふね)()
047(いのち)からがら和田(わだ)(はら)
048()()(たま)折柄(をりから)
049(たふと)(かみ)御恵(みめぐみ)
050一度(いちど)竜宮(りうぐう)金門守(かなども)
051乙米姫(おとよねひめ)(たす)けられ
052(かな)しき月日(つきひ)(おく)(をり)
053天教山(てんけうざん)()れませる
054(かむ)伊邪諾(いざなぎの)大神(おほかみ)
055(うづ)(おん)()()れませる
056()出神(でのかみ)(たす)けられ
057琴平別(ことひらわけ)(かめ)()
058淤縢山津見(おどやまづみ)諸共(もろとも)
059(この)高砂(たかさご)安着(あんちやく)
060(うづ)(みやこ)()でまして
061三五教(あななひけう)(ひろ)めまし
062珍山峠(うづやまたうげ)乗越(のりこ)えて
063(こころ)(そら)もハルの(くに)
064鷹取別(たかとりわけ)(まも)りたる
065ハルの城下(じやうか)()でまして
066数多(あまた)(てき)取巻(とりま)かれ
067(ところ)(かま)はず()()され
068沙漠(さばく)(なか)(うづ)められ
069(いのち)カラガラハルの(くに)
070()()でまして珍山(うづやま)
071谷間(たにま)()()温泉(おんせん)
072(やまひ)(やしな)ひゐます(をり)
073淤縢山津見(おどやまづみ)蚊々虎(かがとら)
074(かみ)(つかさ)(めぐ)()
075駒山彦(こまやまひこ)五月姫(さつきひめ)
076一行(いつかう)()(にん)天雲(あまくも)
077(やま)()()打渉(うちわた)
078大蛇(をろち)(ふね)()せられて
079やうやうウヅの(みやこ)まで
080(かへ)らせ(たま)ひて五月姫(さつきひめ)
081珍山彦(うづやまひこ)媒酌(なかだち)
082鴛鴦(をし)(ふすま)(ちぎり)をば
083(むす)(たま)ひし芽出(めで)たさよ
084五月(ごがつ)五日(いつか)夕間暮(ゆふまぐれ)
085聖地(せいち)(あと)(さん)(にん)
086(まつ)(たけ)(うめ)愛娘(まなむすめ)
087(たづ)(きた)りて(おや)()
088(うれ)しき対面(たいめん)(あそ)ばせし
089(うづ)(みやこ)白雲(しらくも)
090彼方(あなた)(かす)かに()えにけり
091(ここ)三人(みたり)姉妹(おとどい)
092(かみ)(をしへ)(つた)へむと
093草鞋(わらぢ)脚絆(きやはん)()をかため
094(ちち)(みこと)(はは)(みこと)
095二人(ふたり)(いとま)()(なが)
096三人(みたり)(つかさ)(ともな)はれ
097()れの(たうげ)(のぼ)りまし
098(ちち)(はは)とに訣別(けつべつ)
099名残(なごり)()しみ(たま)ひたる
100(こころ)(いろ)もテル(やま)
101(むかし)(おも)へばなつかしや
102(わらは)(おな)八乙女(やをとめ)
103(よわ)()にて斎苑(いそ)(やかた)
104(しづ)まりゐます父上(ちちうへ)
105膝元(ひざもと)(はな)れて遥々(はるばる)
106メソポタミヤの顕恩郷(けんおんきやう)
107それより(すす)んで波斯(フサ)(くに)
108(をしへ)(ひら)折柄(をりから)
109バラモン(けう)人々(ひとびと)
110(とら)まへられて和田(わだ)(はら)
111便(たよ)(なぎさ)捨小舟(すてをぶね)
112八人(やたり)乙女(をとめ)はちりぢりに
113(かみ)仕組(しぐみ)白波(しらなみ)
114上漕(うへこ)(わた)(かな)しさよ
115(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
116(しほ)八百路(やほぢ)(つつが)なく
117魔神(まがみ)(はら)ふハラ(みなと)
118テルの(くに)をばスタスタと
119(ひがし)()して(すす)()
120テル山峠(やまたうげ)山麓(さんろく)
121三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)
122(つみ)もカールの神人(しんじん)
123(おも)()けなく(めぐ)()
124(いぬゐ)(たき)立寄(たちよ)りて
125(その)壮大(さうだい)()めゐたる
126(とき)しもあれや(たき)()
127さも(すさま)じき()()はり
128大口(おほぐち)()けて(にら)()
129(しこ)大蛇(をろち)()せられて
130(いはほ)片方(かたへ)石熊(いしくま)
131(かみ)(つかさ)直立(ちよくりつ)
132(くるし)(たま)(あは)れさよ
133直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
134(かみ)御前(みまへ)村肝(むらきも)
135(こころ)(ささ)げて()(まつ)
136(わが)言霊(ことたま)天地(あめつち)
137(たちま)(かよ)ひて石熊(いしくま)
138(かみ)宮居(みやゐ)自由(じいう)自在(じざい)
139大蛇(をろち)(ただち)解脱(げだつ)して
140(くも)(かすみ)()()せぬ
141(こころ)(かた)石熊(いしくま)
142(あか)(こころ)()(はか)
143(かみ)大道(おほぢ)共々(ともども)
144(つた)()かむと宣伝歌(せんでんか)
145(うた)ひて(やうや)山頂(さんちやう)
146(のぼ)りて(あと)(なが)むれば
147山河(さんか)草木(さうもく)(うるは)しく
148(かみ)(めぐみ)()()らひ
149天国(てんごく)浄土(じやうど)有様(ありさま)
150(くま)なく(あらは)(たま)ひける
151あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
152(かみ)(めぐみ)(いち)じるく
153(をしへ)(はな)のいと(きよ)
154(われ)()(ここ)にやすやすと
155(うづ)とテルとの国境(くにざかゐ)
156四方(よも)()おろす(くも)()
157()ちしは(かみ)御恵(みめぐ)みぞ
158さは()(なが)(わが)(ちち)
159(かみ)(みこと)(いま)何処(いづこ)
160あが姉妹(おとどい)五十子(いそこ)(ひめ)
161愛子(あいこ)(ひめ)(はじ)めとし
162()(にん)(あね)如何(いか)にして
163(この)()()ぐさせ(たま)ふらむ
164行方(ゆくへ)()らぬ(なみ)(うへ)
165(くも)彼方(かなた)打眺(うちなが)
166(あさ)(ゆふ)なにあが(ちち)
167(あね)(みこと)消息(せうそく)
168(おも)(わづら)ふあが(こころ)
169いつしか()れむ常暗(とこやみ)
170(とばり)()けて天津空(あまつそら)
171月日(つきひ)(きよ)くテル(やま)
172(やま)()()(かぜ)(きよ)
173(こころ)(たのし)(まつ)()
174親子(おやこ)姉妹(けうだい)一時(いつとき)
175(うれ)しき(かほ)五六七(みろく)()
176(かみ)のまにまに高砂(たかさご)
177(この)神島(かみしま)()(しの)
178(かみ)(をしへ)(つか)へなむ
179あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
180御霊(みたま)(さち)はひましませよ』
181述懐(じゆつくわい)(うた)(うた)ひ、182恰好(かつかう)腰掛岩(こしかけいは)(うへ)()(たく)し、183(あせ)(ぬぐ)ふ。184捨子姫(すてこひめ)(かぜ)(おもて)()かれつつ、185さも愉快(ゆくわい)げに四方(しはう)見晴(みは)らし(なが)ら、186(からだ)東西(とうざい)南北(なんぽく)回転(くわいてん)しつつ、187(うた)(はじ)めたり。
188捨子姫(ひがし)西(にし)(きた)(みなみ)
189四方(よも)国型(くにがた)(なが)むれば
190大海原(おほうなばら)(うか)びたる
191高砂島(たかさごじま)()()ぢず
192太平松(たいへいまつ)楠堅木(くすかたぎ)
193(つき)大木(おほき)青々(あをあを)
194()わたす(かぎ)山々(やまやま)
195(しげ)()ひたる(うるは)しさ
196天国(てんごく)浄土(じやうど)()のあたり
197(なが)めて(くら)心地(ここち)して
198(たび)のうさをも打忘(うちわす)
199(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
200(うづ)(おん)()()れませる
201姿(すがた)(やさ)しき末子姫(すゑこひめ)
202主人(あるじ)(きみ)(あふ)ぎつつ
203(いづ)れの(さと)白雲(しらくも)
204(そら)(なが)めて(うみ)(うへ)
205やうやうここに(わた)()
206月日(つきひ)(きよ)くテル(やま)
207()()(のぼ)りて(なが)むれば
208吹来(ふきく)(かぜ)(かん)ばしく
209木々(きぎ)(こずゑ)花盛(はなざか)
210(あぢ)よき木実(このみ)(かぎ)りなく
211(えだ)もたわわに()()らひ
212()ゆる(こと)なく吾々(われわれ)
213(のど)(かわ)かず(たのし)みて
214常世(とこよ)(はる)()心地(ここち)
215天地(てんち)(つく)(たま)ひたる
216(もと)御祖(みおや)大神(おほかみ)
217(ひら)(たま)ひし三五(あななひ)
218(をしへ)(つかさ)()けられて
219何処(いづこ)()てとも(なが)(たび)
220(すす)(きた)るぞ(たのし)けれ
221あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
222(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
223世人(よびと)(ため)(たま)()
224生命(いのち)捨子(すてこ)神司(かむづかさ)
225末子(すゑこ)(ひめ)側近(そばちか)
226(つか)(まつ)りて永久(とこしへ)
227(ふと)功績(いさを)()てまつり
228(かみ)(おん)()(うま)れたる
229あが天職(てんしよく)をまつぶさに
230(つく)させ(たま)天津(あまつ)(かみ)
231国津(くにつ)(かみ)たち八百万(やほよろづ)
232(こと)(たふと)国治立(くにはるたち)
233(いづ)(みこと)豊国姫(とよくにひめ)
234(みづ)(みこと)(おん)(まへ)
235(まこと)をこめて()ぎまつる
236あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
237(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
238天教山(てんけうざん)()れませる
239天照(あまてら)します大神(おほかみ)
240(うづ)御前(みまへ)逸早(いちはや)
241八岐(やまた)大蛇(をろち)言向(ことむ)けて
242(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
243一日(ひとひ)(はや)功績(いさをし)
244高天原(たかあまはら)参上(まゐの)ぼり
245大蛇(をろち)()みたる村雲(むらくも)
246(つるぎ)手早(てばや)大神(おほかみ)
247御前(みまへ)(まつ)らせ(たま)へかし
248(みづ)御霊(みたま)大神(おほかみ)
249八人(やたり)乙女(をとめ)(すゑ)()
250()()でませる末子姫(すゑこひめ)
251かしづき(まつ)捨子姫(すてこひめ)
252(あらた)(つか)へし石熊(いしくま)
253(かみ)(つかさ)三五(あななひ)
254(みち)(あゆ)めるカール(まで)
255(あつ)(まも)らせ(たま)ひつつ
256五六七(みろく)御世(みよ)神政(しんせい)
257(きよ)使(つか)はせ(たま)へかし
258(かみ)(われ)()(とも)にます
259(われ)()(かみ)()(かみ)(みや)
260雲井(くもゐ)(うへ)千木(ちぎ)(たか)
261(つか)へまつりて宮柱(みやばしら)
262(ふと)しく()てて大神(おほかみ)
263御前(みまへ)(きよ)(かへ)(ごと)
264(つぶ)さに(まを)させ(たま)へかし
265(あさひ)()るとも(くも)るとも
266(つき)()つとも()くるとも
267高砂島(たかさごじま)(しづ)むとも
268曲津(まがつ)(たけ)()()とも
269(かみ)(つか)へし(わが)身魂(みたま)
270五六七(みろく)御世(みよ)(すゑ)(まで)
271(かは)らざらまし(かみ)(まへ)
272(つつし)(ちか)(たてまつ)
273さはさり(なが)らコーカスの
274(やま)にゐませし素盞嗚(すさのを)
275(かみ)(みこと)(いま)何処(いづこ)
276()出別(でのわけ)言依別(ことよりわけ)
277(かみ)(みこと)如何(いか)にして
278(みち)(つく)させ(たま)ふらむ
279五十子(いそこ)(ひめ)愛子姫(あいこひめ)
280英子(ひでこ)(ひめ)(いま)何処(いづこ)
281(わか)れて程経(ほどへ)吾々(われわれ)
282(おと)づる(よし)(なみ)(うへ)
283(きよ)(うか)べる高砂(たかさご)
284テル山峠(やまたうげ)頂上(ちやうじやう)
285(あと)振返(ふりかへ)振返(ふりかへ)
286哀別(あいべつ)離苦(りく)(かん)(ふか)
287あゝ皇神(すめかみ)皇神(すめかみ)
288御霊(みたま)のふゆを(さち)はひて
289一日(ひとひ)(はや)大神(おほかみ)
290(われ)()()はせ(たま)へかし
291女心(をんなごころ)一筋(ひとすぢ)
292(はるか)(をが)(たてまつ)
293あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
294御霊(みたま)(さち)はひましせよ』
295(うた)(をは)り、296これより末子姫(すゑこひめ)先頭(せんとう)一行(いつかう)()(にん)はテル山峠(やまたうげ)(ひがし)(くだ)()く。
297大正一一・八・一四 旧六・二二 松村真澄録)
298(昭和一〇・六・九 王仁校正)
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