霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 滝(たき)の村(むら)〔三七一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻 篇:第4篇 巴留の国 よみ(新仮名遣い):はるのくに
章:第21章 滝の村 よみ(新仮名遣い):たきのむら 通し章番号:371
口述日:1922(大正11)年02月08日(旧01月12日) 口述場所: 筆録者:土井靖都 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
蚊々虎は喧嘩虎に殴られながら、平然として宣伝歌を歌っていた。群衆の中から喧嘩芳という男が現れ、喧嘩虎の加勢をして、蚊々虎に打ってかかった。
しかし酔いどれの喧嘩芳の棒切れは、間違えて喧嘩虎の頭に命中した。それが元で虎と芳は激しい喧嘩を始めてしまった。
蚊々虎は二人の間に割って入ったが、二人は再び蚊々虎に殴りかかる。蚊々虎はやはり平然として二人のなすがままにされている。群集は蚊々虎の忍耐強さを見て、三五教を口々に褒めたたえた。
そこへ淤縢山津見が高彦(荒熊)を従えて、宣伝歌を歌いながらやってきた。淤縢山津見は蚊々虎が血を流しているのを見て心配して声をかけるが、蚊々虎は『血をもって世界を洗うのだ』とにこにこしている。
高彦(荒熊)は声を張り上げて、自分の改心を引き合いに、群集たちに三五教への改心を呼びかけた。
群衆は悪名高い関守だった荒熊が三五教に改心して力ある言葉で人々に語りかけるのを聞き、三五教を褒めたたえるのであった。
淤縢山津見は中央の高座に登って三五教の教理を説き始めた。これよりこの群集の七、八分は一度に三五教の信者となった。たくさんの駱駝を宣伝使に送り、巴留の都行きを助けた。この村は滝の村という。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-07 14:40:48 文字数:1645 OBC :rm0821
愛善世界社版:142頁 八幡書店版:第2輯 202頁 修補版: 校定版:144頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 蚊々虎(かがとら)は喧嘩虎(けんくわとら)に、002蠑螺(さざえ)の如(ごと)き拳(こぶし)を以(もつ)て、003頭(あたま)といはず顔(かほ)と云(い)はず、004身体(からだ)一面(いちめん)、005嫌(いや)といふ程(ほど)打擲(ちやうちやく)せられ、006平気(へいき)の平左(へいざ)で宣伝歌(せんでんか)を謠(うた)つて居(ゐ)る。007群衆(ぐんしう)の中(なか)より又(また)もや一人(ひとり)の泥酔者(よひどれ)現(あら)はれきたり、
008泥酔者(芳公)『おい虎公(とらこう)、009そんな手緩(てぬる)い事(こと)であくかい。010俺(おれ)が手伝(てつだ)うてやらう』
011と云(い)ひながら、012脚(あし)もひよろひよろと進(すす)み来(きた)り、013棒千切(ぼうちぎれ)を以(もつ)て、
014泥酔者(芳公)『こうやるのだ』
015と云(い)ひつつ、016ポンと喰(くら)はしたり。017酒(さけ)に酔(ゑ)ひ潰(つぶ)れて眼(め)も碌(ろく)に見(み)えない泥酔者(よひどれ)は、018蚊々虎(かがとら)と間違(まちが)へて、019喧嘩虎(けんくわとら)の頭(あたま)を嫌(いや)といふ程(ほど)打(う)ちのめす。020喧嘩虎(けんくわとら)は、
021虎公『コラ、022何(なに)をしよるのだ、023喧嘩芳(けんくわよし)。024貴様(きさま)は蚊々虎(かがとら)の贔屓(ひいき)をしよつて、025何(なん)だ。026こんな酒(さけ)を飲(の)むなと云(い)ふやうな馬鹿(ばか)な奴(やつ)に、027味方(みかた)をすると云(い)ふことがあるかい。028喧嘩(けんくわ)なら負(ま)けはせぬぞ』
029と云(い)ふより早(はや)く鉄拳(てつけん)を振(ふ)り上(あ)げて、030芳公(よしこう)の頭(あたま)を打擲(ぶんなぐ)る。031芳公(よしこう)は矢庭(やには)に棒千切(ぼうちぎ)を以(もつ)て、032虎(とら)の頭(あたま)を打(ぶ)つ。033虎公(とらこう)はますます怒(おこ)つて、034芳公(よしこう)の髪(かみ)を掴(つか)んで引摺(ひきず)り廻(まは)す。035芳公(よしこう)は悲鳴(ひめい)を挙(あ)げて泣(な)き叫(さけ)ぶ。036群衆(ぐんしう)の中(なか)より口々(くちぐち)に、
037『オイオイ、038誰(たれ)か這入(はい)らぬか這入(はい)らぬか』
039『這入(はい)れと言(い)つたつて彼様(あんな)酒癖(さけくせ)の悪(わる)い奴(やつ)の中(なか)に、040誰(たれ)が仲裁(ちゆうさい)に這入(はい)る奴(やつ)があるものか、041放(ほ)つとけ放(ほ)つとけ』
042 二人(ふたり)は組(く)んづ組(く)まれつ、043血塗(ちみどろ)になつて、044死物狂(しにものぐるひ)に闘(たたか)ひ出(だ)したるを、045蚊々虎(かがとら)は二人(ふたり)の中(なか)に分(わ)け入(い)り、
046蚊々虎『マアマア待(ま)つた待(ま)つた。047喧嘩(けんくわ)は止(や)めた止(や)めた。048オイ虎公(とらこう)、049芳公(よしこう)、050貴様(きさま)らが喧嘩(けんくわ)してるのではない。051酒(さけ)が喧嘩(けんくわ)をしてるのだ。052それだから俺(おれ)が酒(さけ)を止(や)めろと云(い)ふのだ。053どうだ止(や)めるか』
054芳公『ヤア何(なん)だい。055貴様(きさま)だと思(おも)つて喧嘩(けんくわ)して居(を)つたのに、056俺(おれ)の友達(ともだち)の虎公(とらこう)だつたのかい、057此奴(こやつ)あ、058的(あて)が外(はづ)れた。059虎公(とらこう)勘忍(かんにん)せ。060是(これ)からこの宣伝使(せんでんし)に掛(かか)るのだ』
061 芳公(よしこう)と虎公(とらこう)は両方(りやうはう)より、062蚊々虎(かがとら)に向(むか)つて、063頭(あたま)にポカポカと鉄拳(てつけん)を加(くは)へる。064蚊々虎(かがとら)は泰然(たいぜん)自若(じじやく)として打(う)たれて居(ゐ)る。065群衆(ぐんしう)は口々(くちぐち)に、
066『何(なん)と豪(えら)いものだな。067三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)は本当(ほんたう)に忍耐力(にんたいりよく)が強(つよ)い。068吾々(われわれ)も彼(あ)の宣伝使(せんでんし)に見倣(みなら)つて、069何事(なにごと)も辛抱(しんばう)するのだ。070さうすれば喧嘩(けんくわ)も何(なに)もいりはしない。071立派(りつぱ)な教(をしへ)だ。072ウラル教(けう)の宣伝使(せんでんし)の様(やう)に口(くち)ばつかりと違(ちが)ふ。073本当(ほんたう)に立派(りつぱ)な行(おこな)ひだ。074我々(われわれ)も三五教(あななひけう)が俄(にはか)に好(す)きになつたよ』
075 この時(とき)又(また)もや暗中(あんちう)より、
076(淤縢山津見の声)『朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
077月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
078たとへ大地(だいち)は沈(しづ)むとも
079誠(まこと)の力(ちから)は世(よ)を救(すく)ふ』
080と云(い)ふ宣伝歌(せんでんか)が聞(きこ)えて来(き)た。081群衆(ぐんしう)は耳(みみ)を澄(す)まして、082声(こゑ)する方(はう)に向(む)き直(なほ)る。
083 松明(たいまつ)の火(ひ)はドンドン燃(も)え立(た)つて、084周囲(あたり)は昼(ひる)の如(ごと)く明(あきら)かである。085そこへ宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひながら淤縢山津見(おどやまづみ)は、086荒熊(あらくま)の高彦(たかひこ)を従(したが)へて、087悠々(いういう)と出(い)で来(き)たる。
088淤縢山津見『ヤア蚊々虎(かがとら)か。089お前(まへ)その頭(あたま)はどうした。090ひどく血(ち)が流(なが)れて居(ゐ)るではないか』
091蚊々虎『血(ち)ぐらゐ流(なが)れたつて、092血(ち)つとも応(こた)へぬ。093誠(まこと)の力(ちから)は世(よ)を救(すく)ふ。094血(ち)を以(もつ)て世界(せかい)を洗(あら)ふのです。095血(ち)つとも心配(しんぱい)はいりませぬ。096力(ちから)とするは神(かみ)ばかりです』
097とニコニコ笑(わら)つて居(ゐ)る。
098 荒熊(あらくま)は大音声(だいおんじやう)を張(は)り上(あ)げて、
099荒熊(高彦)『我(われ)こそはブラジル山(やま)の関所(せきしよ)を守(まも)る荒熊(あらくま)である。100今迄(いままで)の悪(あく)を改(あらた)め、101善(ぜん)に立(た)ち帰(かへ)り、102三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)に従(したが)つて、103此処(ここ)まで来(き)たのだ。104今(いま)此処(ここ)に居(を)る蚊々虎(かがとら)は、105宣伝使(せんでんし)のお供(とも)だ。106供(とも)でさへも、107これほどの忍耐力(にんたいりよく)を持(も)つて居(ゐ)る。108人間(にんげん)は忍耐力(にんたいりよく)がなくては、109何事(なにごと)も成就(じやうじゆ)せないぞ。110七転(ななころび)八起(やおき)は世(よ)の習(なら)ひとはいふものの、111転(ころ)ぶは易(やす)い、112亡(ほろ)ぶのは容易(ようい)だ。113されど起(お)き上(あが)るのは却々(なかなか)六ケ敷(むつかし)い、114是(これ)には堪(こら)へ忍(しのび)が肝腎(かんじん)だ。115皆(みな)の人(ひと)たちよ、116三五教(あななひけう)の教(をしへ)を聞(き)いて心(こころ)のドン底(ぞこ)から霊魂(みたま)の洗(あら)ひ替(かへ)をなさるがよからう。117この世(よ)はウラル教(けう)の宣伝歌(せんでんか)ぢやないが、118一寸先(いつすんさき)は闇(やみ)の世(よ)だ。119弱(よわ)い人間(にんげん)の力(ちから)で、120この世(よ)が渡(わた)れさうな事(こと)はない。121俺(わし)も今(いま)までの我慢(がまん)や悪(あく)を止(や)めて、122三五教(あななひけう)に入信(にふしん)したのだ。123皆(みな)の人々(ひとびと)よ。124俺(わし)が鏡(かがみ)だ。125皆(みな)揃(そろ)うて改心(かいしん)して下(くだ)さい』
126と呶鳴(どな)り立(た)てる。127群衆(ぐんしう)は各(おのおの)小声(こごゑ)になつて荒熊(あらくま)の話(はなし)を聞(き)き、
128『アヽ、129人間(にんげん)も変(かは)れば変(かは)るものだ。130彼奴(あいつ)の口(くち)から、131どうして、132あんな言葉(ことば)が出(で)るのだらう。133きつと好(い)い教(をしへ)に違(ちが)ひない』
134と口々(くちぐち)に誉(ほ)め称(たた)へて居(を)る。
135 淤縢山津見(おどやまづみ)は中央(ちうあう)の高座(かうざ)に登(のぼ)り、136諄々(じゆんじゆん)として三五教(あななひけう)の教理(けうり)を説(と)き初(はじ)めたり。137是(これ)よりこの群衆(ぐんしう)の七八分(しちはちぶ)は一度(いちど)に三五教(あななひけう)の信者(しんじや)となり、138沢山(たくさん)の駱駝(らくだ)を宣伝使(せんでんし)に贈(おく)つて、139巴留(はる)の都(みやこ)行(ゆ)きを助(たす)けたり。140この村(むら)は滝(たき)の村(むら)と云(い)ふなり。
141(大正一一・二・八 旧一・一二 土井靖都録)
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