谷底に育ちし木々は直なれば国の柱を採るに具はし〈第2章〉
高山に生ひたる木々は曲りゐて柱に成らぬものばかりなり〈第2章〉
いと高き大内山の一つ松に鶴巣籠りて日の出を歌へり〈第3章〉
道程は余程遠きに似たれども神から見れば唐も一所〈第7章〉
火と水の二つの柱世に出でぬこれが誠の火水世の礎〈第7章〉
世の人の渡る危き丸木橋を今取り替へし神の掛橋〈第9章〉
松の世を来たさむために永久に神力隠して経綸せし神〈第9章〉
天地の神の怒りも最と深し堪へ忍びの袋破れて〈第9章〉
大本の神は表に現はれて百の国々神代に開かす〈第10章〉
六十路をば越えたる男子が現はれてこの世のかぎり光り照らさむ〈第10章〉
三千年の世の立替も迫りけりこの行く先は心ゆるすな〈第10章〉
空蝉の定め無き世の吾なればこころも身をも神に任せむ〈第13章〉
いまだ世になかりし大なる災厄の来る思へば恋しき神なり〈第13章(校正)〉
世の人の知らぬ楽しき神の道に栄えの花は常永に咲きぬる〈第13章〉
千早振神の踏まれし正道をつぶさに教へ諭すこのふみ〈第14章〉
昔より話にさえも聞かざりし世の変遷を思ふ春なり〈第14章(校正)〉
日に月につもりし罪や穢をば瑞の霊によりて清めむ〈第14章〉
如何にせば神の御言葉悟り得む知慧も力もなき人の身は〈第15章〉
万国の穏やかを祈れ道の人よ生れし国の幸はなほさら〈第18章〉
世の業にさかしき人は皇神の真の道に愚なりけり〈第18章〉
皇神のみのりを写す此の神書はとこよのやみを照すともし火〈第19章〉
大神の道ふみ迷ひ自から皆狼となり果てにけり〈第22章〉
山川も一度にどよむ世となりて百神たちは荒れ狂ふなり〈第23章(校正)〉
高山の頂きを見れば眼のあたり八重村雲のかかる忌々しさ〈第24章〉
八雲立出雲八重垣九重に十重に二十重に包む村雲〈第25章〉
村肝の心の奥も白真弓曳きて返らぬ横矢こそ憂き〈第26章〉
天災地変を指折り数へ松虫の冬の霜さき憐れなりけり〈第29章〉
大神の心の奥を覚りなばただ一口の言の葉も出ず〈第29章〉
神業をなすのが原の玉草は踏まれ蹂られ花咲きて居り〈第32章〉
立直しそりや立替とかしましくさへずる百舌の声ぞ忌々しき〈第33章〉
新しき御代生れむと折々に人の驚く事のみ出で来も〈第35章(校正)〉
村肝の心の底も見ゆる哉言葉の玉の転ぶまにまに〈第38章〉
火の性は横なり水の性は縦なれども水は横に流れつ〈第38章〉
機の緯織る身魂こそ苦しけれ一つ通せば三つも打たれつ〈第38章〉
打たれても断れずもつれず綾錦織り成す瑞の御魂大神〈第38章〉
言霊の幸ひ助くる神国に生れて如何で世をば歎かむ〈第39章(校正)〉
月も日も西へかくるる如見ゆれ月の船こそ東へ進める〈第39章(校正)〉
音もなく静に積る白雪の清きは神の心なりけり〈第41章〉
(「校正」は昭和十年三月、王仁三郎が校正した時に挿入したもの。)
[この余白歌は八幡書店版霊界物語収録の余白歌を参考に他の資料と付き合わせて作成しました]