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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
第1章 朝日丸
第2章 五十韻
第3章 身魂相応
第4章 烏の妻
第5章 三人世の元
第6章 火の玉
第2篇 四十八文字
第7章 蛸入道
第8章 改心祈願
第9章 鏡の池
第10章 仮名手本
第3篇 秘露より巴留へ
第11章 海の竜宮
第12章 身代り
第13章 修羅場
第14章 秘露の邂逅
第15章 ブラジル峠
第16章 霊縛
第17章 敵味方
第18章 巴留の関守
第4篇 巴留の国
第19章 刹那心
第20章 張子の虎
第21章 滝の村
第22章 五月姫
第23章 黒頭巾
第24章 盲目審神
第25章 火の車
第26章 讃嘆
第27章 沙漠
第28章 玉詩異
第29章 原山祇
第5篇 宇都の国
第30章 珍山峠
第31章 谷間の温泉
第32章 朝の紅顔
第33章 天上眉毛
第34章 烏天狗
第35章 一二三世
第36章 大蛇の背
第37章 珍山彦
第38章 華燭の典
第6篇 黄泉比良坂
第39章 言霊解一
第40章 言霊解二
第41章 言霊解三
第42章 言霊解四
第43章 言霊解五
余白歌
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(B)
(N)
大蛇の背 >>>
第三五章
一二三
(
いちにさん
)
世
(
せ
)
〔三八五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
篇:
第5篇 宇都の国
よみ(新仮名遣い):
うづのくに
章:
第35章 一二三世
よみ(新仮名遣い):
いちにさんせ
通し章番号:
385
口述日:
1922(大正11)年02月10日(旧01月14日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
夏の炎天に険しい坂を登って行き、一同の顔は汗によって蚊々虎の落書きも落ちてしまった。山頂には腰を下ろすのにちょうどよい岩があちこちにあった。
一行は岩に座って休んだ。蚊々虎は、『親子は一世、夫婦は二世、主従は三世』と殊勝なことを言うが、その意味として、おかしな解説を始める。
曰く、親子は一回限り、夫婦は二回まで換えてもよいから二世、主従は三回まで換えられるが、それ以上は換えられないから三世だ、という。
蚊々虎の解説に一同は声を揃えて笑った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-07 15:41:44
OBC :
rm0835
愛善世界社版:
240頁
八幡書店版:
第2輯 237頁
修補版:
校定版:
244頁
普及版:
107頁
初版:
ページ備考:
001
樹々
(
きぎ
)
に
囀
(
さへづ
)
る
百鳥
(
ももとり
)
の
声
(
こゑ
)
、
002
眠気
(
ねむたげ
)
なる
油蝉
(
あぶらぜみ
)
の
声
(
こゑ
)
に
送
(
おく
)
られて、
003
夏
(
なつ
)
の
炎天
(
えんてん
)
を
喘
(
あへ
)
ぎ
喘
(
あへ
)
ぎ
嶮
(
けは
)
しき
坂
(
さか
)
を
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
004
汗
(
あせ
)
は
滝
(
たき
)
の
如
(
ごと
)
く
流
(
なが
)
れ、
005
彩
(
ゑど
)
られた
顔
(
かほ
)
はメチヤメチヤになつて
赤
(
あか
)
い
汗
(
あせ
)
さへ
流
(
なが
)
るる
無状
(
ぶざま
)
さ。
006
一行
(
いつかう
)
は
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
拭
(
ぬぐ
)
ひ、
007
漸
(
やうや
)
くに
山頂
(
さんちやう
)
に
達
(
たつ
)
したり。
008
山頂
(
さんちやう
)
には
格好
(
かくかう
)
の
岩
(
いは
)
が
程
(
ほど
)
よく
散布
(
さんぷ
)
されてありぬ。
009
宣伝使
(
せんでんし
)
一行
(
いつかう
)
は、
010
各自
(
かくじ
)
に
岩
(
いは
)
に
腰打
(
こしうち
)
かけ
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めたり。
011
蚊々虎
(
かがとら
)
『ままになるなら
此
(
この
)
涼風
(
すずかぜ
)
を、
012
母
(
はは
)
の
土産
(
みやげ
)
にして
見
(
み
)
たい』
013
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『オイ、
014
蚊々虎
(
かがとら
)
、
015
殊勝
(
しゆしよう
)
らしい
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふね。
016
「ままになるなら
此
(
この
)
涼風
(
すずかぜ
)
を
母
(
はは
)
の
土産
(
みやげ
)
にして
見
(
み
)
たい」
随分
(
ずゐぶん
)
孝行者
(
かうかうもの
)
だなア。
017
夫
(
そ
)
れほど
親孝行
(
おやかうかう
)
の
貴様
(
きさま
)
が
放蕩
(
はうたう
)
ばかりやりよつて、
018
両親
(
りやうしん
)
に
心配
(
しんぱい
)
をかけ、
019
子
(
こ
)
が
無
(
な
)
うて
泣
(
な
)
く
親
(
おや
)
は
無
(
な
)
いが、
020
子
(
こ
)
のために
泣
(
な
)
く
親
(
おや
)
は
沢山
(
たくさん
)
あるとか
云
(
い
)
つてな、
021
ソンナ
優
(
やさ
)
しい
心
(
こころ
)
があるのなら
何故
(
なぜ
)
親
(
おや
)
を
放
(
ほ
)
つたらかして
其辺中
(
そこらじう
)
を
迂路
(
うろ
)
つき
廻
(
まは
)
るのだ。
022
口
(
くち
)
と
心
(
こころ
)
と
行
(
おこな
)
ひと
一致
(
いつち
)
せぬのは、
023
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
してお
気障
(
きざは
)
りだぞ』
024
蚊々虎
『
人間
(
にんげん
)
の
性
(
せい
)
は
善
(
ぜん
)
だ。
025
誰
(
たれ
)
だつて
親
(
おや
)
を
思
(
おも
)
はぬ
子
(
こ
)
があらうか。
026
浮世
(
うきよ
)
の
波
(
なみ
)
に
漂
(
ただよ
)
はされて
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
027
親子
(
おやこ
)
は
四方
(
しはう
)
に
泣
(
な
)
き
別
(
わか
)
れと
云
(
い
)
ふ
悲惨
(
ひさん
)
の
幕
(
まく
)
が
下
(
お
)
りたのだよ。
028
親子
(
おやこ
)
は
一世
(
いつせ
)
、
029
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
、
030
主従
(
しゆじゆう
)
は
三世
(
さんせ
)
と
云
(
い
)
ふ
相
(
さう
)
なからのう』
031
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は、
032
駒山彦
『ヘン、
033
うまい
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひやがらア。
034
親
(
おや
)
は
如何
(
どう
)
でも
良
(
よ
)
いのか、
035
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
なんて、
036
死
(
し
)
んでまで
添
(
そ
)
うと
思
(
おも
)
ひよつて
二世
(
にせ
)
も
三世
(
さんせ
)
も
夫婦
(
めをと
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
るから
情
(
なさけ
)
ない。
037
如何
(
いか
)
に
五月姫
(
さつきひめ
)
ぢやとてお
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
な
腰屈
(
こしまが
)
りに、
038
誰
(
たれ
)
が
心中立
(
しんぢうだて
)
をするものかい』
039
蚊々虎
(
かがとら
)
は
040
蚊々虎
『
故郷
(
ふるさと
)
の
空
(
そら
)
打眺
(
うちなが
)
め
思
(
おも
)
ふかな、
041
国
(
くに
)
に
残
(
のこ
)
せし
親
(
おや
)
は
如何
(
いか
)
にと』
042
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は
043
駒山彦
『オヤオヤ
又
(
また
)
出
(
で
)
たぞ。
044
何
(
なん
)
だ
貴様
(
きさま
)
、
045
今日
(
けふ
)
に
限
(
かぎ
)
つて
殊勝
(
しゆしよう
)
らしい
事
(
こと
)
を
並
(
なら
)
べ
立
(
たて
)
よつて、
046
一角
(
ひとかど
)
詩人
(
しじん
)
気取
(
きど
)
りになつて「アヽ、
047
蚊々虎
(
かがとら
)
さまはああ
見
(
み
)
えても
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
は
優
(
やさ
)
しいお
方
(
かた
)
だ。
048
たとへ
腰
(
こし
)
は
曲
(
まが
)
つてもお
顔
(
かほ
)
は
黒
(
くろ
)
うても、
049
男前
(
をとこまへ
)
はヒヨツトコでも、
050
チツとくらゐ
周章者
(
あわてもの
)
でも、
051
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
のドン
底
(
ぞこ
)
には
両親
(
りやうしん
)
を
思
(
おも
)
ふ
優
(
やさ
)
しい
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
の
玉
(
たま
)
が
光
(
ひか
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
052
アンナ
人
(
ひと
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
になつたら
嘸
(
さぞ
)
や
嘸
(
さぞ
)
、
053
円満
(
ゑんまん
)
なホームが
作
(
つく
)
れるであらう。
054
おなじ
夫
(
をつと
)
を
持
(
も
)
つなら、
055
あの
様
(
やう
)
な
優
(
やさ
)
しい
男
(
をとこ
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
になつて
見
(
み
)
たい」などと
五月姫
(
さつきひめ
)
さまに
思
(
おも
)
はさうと
思
(
おも
)
ひよつて、
056
貴様
(
きさま
)
よツぽど
抜目
(
ぬけめ
)
のない
奴
(
やつ
)
だワイ。
057
アハヽヽヽ』
058
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は、
059
淤縢山津見
『ヤア
感心
(
かんしん
)
だ、
060
人間
(
にんげん
)
はさう
無
(
な
)
くてはならぬ、
061
山
(
やま
)
よりも
高
(
たか
)
く、
062
海
(
うみ
)
よりも
深
(
ふか
)
い
父母
(
ふぼ
)
の
恩
(
おん
)
を
忘
(
わす
)
れる
奴
(
やつ
)
は
人間
(
にんげん
)
でない。
063
お
前
(
まへ
)
もまだまだ
腐
(
くさ
)
つては
居
(
を
)
らぬ、
064
頼
(
たの
)
もしい
男
(
をとこ
)
だよ』
065
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は、
066
駒山彦
『オイ
鼻
(
はな
)
を
高
(
たか
)
うすな、
067
貴様
(
きさま
)
は
直
(
ぢき
)
に
調子
(
てうし
)
にのる
男
(
をとこ
)
だから
余
(
あま
)
り
乗
(
の
)
せられるとヒツクリ
返
(
かへ
)
されるぞ。
068
天教
(
てんけう
)
の
山
(
やま
)
ほど
登
(
のぼ
)
らせておいてスツトコトントン、
069
スツトコトンと
落
(
おと
)
される
口
(
くち
)
だぞ。
070
貴様
(
きさま
)
、
071
親
(
おや
)
よりも
女房
(
にようばう
)
が
大切
(
たいせつ
)
だらう。
072
親子
(
おやこ
)
は
一世
(
いつせ
)
、
073
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
なぞと
云
(
い
)
ひよつて、
074
之
(
これ
)
ほど
大切
(
だいじ
)
な
親
(
おや
)
よりも「
五月姫
(
さつきひめ
)
殿
(
どの
)
、
075
お
前
(
まへ
)
が
女房
(
にようばう
)
になつたらモツトモツト
大切
(
たいせつ
)
にするぞ」と
遠
(
とほ
)
廻
(
まは
)
しにかけよつて、
076
うまい
謎
(
なぞ
)
をかけよるのだ。
077
本当
(
ほんたう
)
に
巧妙
(
かうめう
)
なものだね』
078
蚊々虎
(
かがとら
)
はしたり
顔
(
がほ
)
にて、
079
蚊々虎
『オイ、
080
駒
(
こま
)
、
081
貴様
(
きさま
)
わけのわからぬ
奴
(
やつ
)
だナ。
082
俺
(
おれ
)
がいま
宣伝
(
せんでん
)
してやるから
尊
(
たふと
)
い
御
(
ご
)
説教
(
せつけう
)
を
謹聴
(
きんちやう
)
しろよ。
083
親子
(
おやこ
)
一世
(
いつせ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
084
何
(
なに
)
ほど
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
な
極道
(
ごくだう
)
息子
(
むすこ
)
の
親
(
おや
)
泣
(
な
)
かせでも、
085
親
(
おや
)
が
愛想
(
あいさう
)
をつかしてモウ
之
(
これ
)
つきり
親
(
おや
)
の
門口
(
かどぐち
)
は
跨
(
また
)
げる
事
(
こと
)
はならぬ。
086
七生
(
しちしやう
)
までの
勘当
(
かんどう
)
だと
云
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で、
087
矢張
(
やつぱ
)
り
親子
(
おやこ
)
は
親子
(
おやこ
)
だ。
088
お
前
(
まへ
)
が
俺
(
わし
)
に
勘当
(
かんどう
)
するなら
勘当
(
かんどう
)
するでよい、
089
又
(
また
)
外
(
ほか
)
に
親
(
おや
)
を
持
(
も
)
ちますと
云
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で
生
(
う
)
んで
呉
(
く
)
れた
親
(
おや
)
は
矢張
(
やつぱ
)
り
一
(
ひと
)
つだ。
090
親子
(
おやこ
)
は
一世
(
いつせ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
091
泣
(
な
)
いても
笑
(
わら
)
つても
立
(
た
)
つても
転
(
ころ
)
んでも
一度
(
いちど
)
より
無
(
な
)
いのだ。
092
それだから
親子
(
おやこ
)
は
一世
(
いつせ
)
と
云
(
い
)
ふのだ。
093
断
(
き
)
つても
断
(
き
)
れぬ
親子
(
おやこ
)
の
縁
(
えん
)
だよ。
094
貴様
(
きさま
)
の
考
(
かんが
)
へは
大方
(
おほかた
)
生
(
いき
)
てる
間
(
あひだ
)
は
親子
(
おやこ
)
だが、
095
死
(
し
)
んで
仕舞
(
しま
)
へば
親
(
おや
)
でも
無
(
な
)
い
子
(
こ
)
でもない、
096
赤
(
あか
)
の
他人
(
たにん
)
だと
云
(
い
)
ふ
論法
(
ろんぱふ
)
だらう。
097
ソンナ
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
で
宣伝使
(
せんでんし
)
が
勤
(
つと
)
まるか』
098
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『
能
(
よ
)
う
何
(
なん
)
でも
理屈
(
りくつ
)
を
捏
(
こね
)
る
奴
(
やつ
)
だな、
099
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
とは
何
(
なん
)
のことだい。
100
親
(
おや
)
よりも
結構
(
けつこう
)
だ、
101
死
(
し
)
んでからでも
又
(
また
)
互
(
たがひ
)
に
手
(
て
)
に
手
(
て
)
をとつて
三途
(
さんづ
)
の
川
(
かは
)
を
渡
(
わた
)
り、
102
蓮
(
はす
)
の
台
(
うてな
)
に
一蓮
(
いちれん
)
托生
(
たくしやう
)
、
103
百味
(
ひやくみ
)
飲食
(
おんじき
)
と
夫婦
(
ふうふ
)
睦
(
むつま
)
じう
暮
(
くら
)
さうと
云
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
良
(
い
)
い
考
(
かんが
)
へだらう。
104
さう
甘
(
うま
)
くは
問屋
(
とひや
)
が
卸
(
おろ
)
すまい。
105
貴様
(
きさま
)
極楽
(
ごくらく
)
に
行
(
い
)
つて、
106
蓮
(
はす
)
の
台
(
うてな
)
に
小
(
ちひ
)
さくなつて
夫婦
(
ふうふ
)
抱合
(
だきあ
)
つて、
107
チヨコナンと
泥池
(
どろいけ
)
の
中
(
なか
)
で
坐
(
すわ
)
つて
見
(
み
)
い。
108
どうせ
碌
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
はして
居
(
を
)
らぬ
奴
(
やつ
)
だから、
109
「
貴様
(
きさま
)
が
金城
(
きんじやう
)
鉄壁
(
てつぺき
)
だ、
110
お
前
(
まへ
)
と
俺
(
わし
)
との
其
(
その
)
仲
(
なか
)
は
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
はまだ
愚
(
おろか
)
五十六
(
ごじふろく
)
億
(
おく
)
七千万
(
しちせんまん
)
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
のミロクの
世
(
よ
)
までも、
111
お
前
(
まへ
)
と
俺
(
わし
)
と
斯
(
こ
)
うして
居
(
を
)
れば
之
(
これ
)
が
真実
(
しんじつ
)
の
極楽
(
ごくらく
)
だ、
112
ナア
五月姫
(
さつきひめ
)
さま、
113
現界
(
げんかい
)
に
居
(
を
)
つた
時
(
とき
)
は
駒山彦
(
こまやまひこ
)
の
意地悪
(
いぢわる
)
に
随分
(
ずゐぶん
)
冷
(
ひや
)
かされたものだが、
114
斯
(
か
)
うなつちやア、
115
もう
占
(
しめ
)
たものだ」なぞと
得意
(
とくい
)
になつてゐると、
116
娑婆
(
しやば
)
に
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
貴様
(
きさま
)
の
旧悪
(
きうあく
)
を
知
(
し
)
つた
奴
(
やつ
)
が
噂
(
うはさ
)
の
一
(
ひと
)
つもせぬものでも
無
(
な
)
い。
117
噂
(
うはさ
)
をする
度
(
たび
)
に
嚔
(
くしやみ
)
が
出
(
で
)
てその
途端
(
とたん
)
に、
118
蓮
(
はす
)
の
細
(
ほそ
)
い
茎
(
くき
)
がぐらついて
二人
(
ふたり
)
は
共
(
とも
)
に
泥池
(
どろいけ
)
の
中
(
なか
)
へバツサリ、
119
ブルブルブル
土左衛門
(
どざゑもん
)
になつて
仕舞
(
しま
)
ふのだよ。
120
一旦
(
いつたん
)
死
(
し
)
んだ
奴
(
やつ
)
の、
121
もう
一遍
(
いつぺん
)
死
(
し
)
んだ
奴
(
やつ
)
の
行
(
ゆ
)
く
処
(
ところ
)
は
何処
(
どこ
)
にもありはせない。
122
さうすると
又
(
また
)
娑婆
(
しやば
)
へ
生
(
うま
)
れよつて、
123
ヒユー、
124
ドロドロ
怨
(
うら
)
めしやーと
両手
(
りやうて
)
を
腰
(
こし
)
の
辺
(
あた
)
りに
下
(
した
)
向
(
む
)
けにさげて
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るのが
先
(
ま
)
づ
落
(
おち
)
だな。
125
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
だなぞとソンナ
的
(
あて
)
の
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
は、
126
まあ
云
(
い
)
はぬが
宜
(
よ
)
からう』
127
蚊々虎
(
かがとら
)
『エーイ、
128
喧
(
やかま
)
しい、
129
俺
(
おれ
)
のお
株
(
かぶ
)
を
取
(
と
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひよつて、
130
能
(
よ
)
うベラベラと
燕
(
つばめ
)
の
親方
(
おやかた
)
の
様
(
やう
)
に
喋
(
しやべ
)
る
奴
(
やつ
)
だナ。
131
この
蚊々虎
(
かがとら
)
さまの
説教
(
せつけう
)
を
謹
(
つつし
)
んで
聴聞
(
ちやうもん
)
いたせ。
132
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
133
貴様
(
きさま
)
の
考
(
かんが
)
へてる
様
(
やう
)
な
意味
(
いみ
)
で
無
(
な
)
い。
134
夫婦
(
ふうふ
)
と
云
(
い
)
ふものは
陰
(
いん
)
と
陽
(
やう
)
だ。
135
「
鳴
(
な
)
り
鳴
(
な
)
りてなり
余
(
あま
)
れる
処
(
ところ
)
一処
(
ひとところ
)
あり、
136
鳴
(
な
)
り
鳴
(
な
)
りてなり
合
(
あ
)
はざる
処
(
ところ
)
一処
(
ひとところ
)
あり、
137
汝
(
な
)
が
身
(
み
)
の
成
(
な
)
り
余
(
あま
)
れる
処
(
ところ
)
を
我身
(
わがみ
)
の
成
(
な
)
り
合
(
あ
)
はざる
処
(
ところ
)
に、
138
さしふたぎて
御子
(
みこ
)
生
(
うま
)
んは
如何
(
いか
)
に」と
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
へば「しかよけむ」と
応答
(
まを
)
し
給
(
たま
)
ひきと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つてるかい。
139
夫婦
(
ふうふ
)
と
云
(
い
)
ふものは
世
(
よ
)
の
初
(
はじ
)
めだ。
140
誰
(
たれ
)
の
家庭
(
かてい
)
にも
夫婦
(
ふうふ
)
が
無
(
な
)
ければ、
141
円満
(
ゑんまん
)
なホームは
作
(
つく
)
れないのだ。
142
さうして
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
むのだよ。
143
其
(
その
)
子
(
こ
)
がまた
親
(
おや
)
を
生
(
う
)
むのだ』
144
駒山彦
『オツト
待
(
ま
)
て
待
(
ま
)
て、
145
脱線
(
だつせん
)
するな。
146
親
(
おや
)
から
子
(
こ
)
が
生
(
うま
)
れると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
はあるが、
147
子
(
こ
)
が
親
(
おや
)
を
生
(
う
)
むと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
何処
(
どこ
)
にあるかい』
148
蚊々虎
『
貴様
(
きさま
)
、
149
分
(
わか
)
らぬ
奴
(
やつ
)
だな。
150
男
(
をとこ
)
と
女
(
をんな
)
と
家庭
(
かてい
)
を
作
(
つく
)
つたのは
夫
(
それ
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
だ。
151
そこへ
夫婦
(
ふうふ
)
の
息
(
いき
)
が
合
(
あ
)
つて「オギヤ」と
生
(
うま
)
れたのだ。
152
生
(
うま
)
れたのが
即
(
すなは
)
ち
子
(
こ
)
だ。
153
子
(
こ
)
が
出来
(
でき
)
たから
親
(
おや
)
と
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
がついたのだ。
154
子
(
こ
)
の
無
(
な
)
い
夫婦
(
ふうふ
)
は
親
(
おや
)
でも、
155
何
(
なん
)
でもありやしない。
156
此
(
この
)
位
(
くらゐ
)
の
道理
(
だうり
)
が
分
(
わか
)
らないで
宣伝使
(
せんでんし
)
になれるかい。
157
さうして
不幸
(
ふかう
)
にして
夫
(
をつと
)
が
死
(
し
)
ぬとか、
158
女房
(
にようばう
)
が
夭折
(
えうせつ
)
するとかやつて
見
(
み
)
よ。
159
子
(
こ
)
が
出来
(
でき
)
てからならまだしもだが、
160
子
(
こ
)
が
無
(
な
)
い
間
(
うち
)
に
女房
(
にようばう
)
に
先
(
さき
)
だたれて
仕舞
(
しま
)
へば、
161
天地
(
てんち
)
創造
(
さうざう
)
の
神業
(
かんわざ
)
の
御子生
(
みこう
)
みが
出来
(
でき
)
ぬでは
無
(
な
)
いか。
162
人間
(
にんげん
)
は
男女
(
だんぢよ
)
の
息
(
いき
)
を
合
(
あは
)
して、
163
天
(
てん
)
の
星
(
ほし
)
の
数
(
かず
)
ほど
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
人
(
ひと
)
を
生
(
う
)
み
足
(
たら
)
はして、
164
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御用
(
ごよう
)
を
助
(
たす
)
けるのだ。
165
そこで
寡夫
(
やもを
)
となつたり
寡婦
(
やもめ
)
となつたり、
166
其
(
その
)
神業
(
しんげふ
)
が
勤
(
つと
)
まらぬから、
167
第二世
(
だいにせ
)
の
夫
(
をつと
)
なり
妻
(
つま
)
を
娶
(
めと
)
るのだ。
168
之
(
これ
)
を
二世
(
にせ
)
の
妻
(
つま
)
と
云
(
い
)
ふのだい。
169
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
に
此
(
この
)
世
(
よ
)
で
十分
(
じふぶん
)
イチヤついて、
170
又
(
また
)
幽世
(
あのよ
)
に
行
(
い
)
つてからもイチヤつかうと
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
狡猾
(
ずる
)
い
考
(
かんが
)
へとはチト
違
(
ちが
)
ふぞ。
171
さうして
二世
(
にせ
)
の
妻
(
つま
)
が、
172
又
(
また
)
もや
不幸
(
ふかう
)
にして
中途
(
ちうと
)
で
子
(
こ
)
が
出来
(
でき
)
ずに
先
(
さき
)
に
死
(
し
)
んで
仕舞
(
しま
)
つたら、
173
夫
(
をつと
)
はもう
天命
(
てんめい
)
だと
諦
(
あきら
)
めるのだ。
174
三回
(
さんくわい
)
も
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
つと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
175
神界
(
しんかい
)
の
天則
(
てんそく
)
に
違反
(
ゐはん
)
するものだ。
176
それで
已
(
やむ
)
を
得
(
え
)
ざれば
、
177
二人目
(
ふたりめ
)
の
妻
(
つま
)
までは
是非
(
ぜひ
)
なし
、
178
と
云
(
い
)
つて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さるのだ。
179
其
(
それ
)
を
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
と
云
(
い
)
ふのだよ。
180
あゝあ
一人
(
ひとり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
拵
(
こしら
)
へ
様
(
やう
)
と
思
(
おも
)
へば
骨
(
ほね
)
の
折
(
を
)
れる
事
(
こと
)
だ、
181
肩
(
かた
)
も
腕
(
かいな
)
もメキメキするワイ』
182
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
り、
183
淤縢山津見
『ヤア、
184
蚊々虎
(
かがとら
)
は
偉
(
えら
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふね。
185
吾々
(
われわれ
)
も
今
(
いま
)
まで
取違
(
とりちがひ
)
をしてゐた。
186
さう
聞
(
き
)
けばさうだ。
187
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
さま、
188
如何
(
いか
)
にもさうですね。
189
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
で
気
(
き
)
のつかない
事
(
こと
)
が、
190
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
には
沢山
(
たくさん
)
ありますなあ。
191
三
(
さん
)
人
(
にん
)
寄
(
よ
)
れば
文殊
(
もんじゆ
)
の
智慧
(
ちゑ
)
とやら、
192
イヤもう
良
(
よ
)
い
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひました。
193
南無
(
なむ
)
蚊々虎
(
かがとら
)
大明神
(
だいみやうじん
)
』
194
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は、
195
駒山彦
『
親子
(
おやこ
)
は
一世
(
いつせ
)
、
196
夫婦
(
ふうふ
)
は
二世
(
にせ
)
、
197
そいつは
貴様
(
きさま
)
の、
198
オイ
蚊々虎
(
かがとら
)
先生
(
せんせい
)
の
懇篤
(
こんとく
)
なる、
199
綿密
(
めんみつ
)
なる、
200
明細
(
めいさい
)
なる、
201
詳細
(
しやうさい
)
なる、
202
正直
(
しやうぢき
)
なる……』
203
蚊々虎
(
かがとら
)
『
馬鹿
(
ばか
)
、
204
人
(
ひと
)
をヒヨツトくるか、
205
蚊々虎
(
かがとら
)
大明神
(
だいみやうじん
)
だぞ』
206
駒山彦
『ヒヨツトコ ヒヨツトコ
来
(
く
)
る
奴
(
やつ
)
もあれば、
207
走
(
はし
)
つて
来
(
く
)
る
奴
(
やつ
)
もあるワイ』
208
蚊々虎
『
困
(
こま
)
つた
奴
(
やつ
)
だなア、
209
主従
(
しゆじゆう
)
三世
(
さんせ
)
だ。
210
今日
(
けふ
)
から
貴様
(
きさま
)
は
蚊々虎
(
かがとら
)
の
家来
(
けらい
)
で
無
(
な
)
いぞ』
211
駒山彦
『
家来
(
けらい
)
で
無
(
な
)
いもあつたものかい、
212
誰
(
たれ
)
が
貴様
(
きさま
)
の
家来
(
けらい
)
になつたのだ。
213
ソンナ
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
かずに
主従
(
しゆじゆう
)
は
三世
(
さんせ
)
の
因縁
(
いんねん
)
を
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さらぬかイ』
214
蚊々虎
(
かがとら
)
『
下
(
くだ
)
さらぬかなら、
215
云
(
い
)
うてやらう。
216
人
(
ひと
)
に
物
(
もの
)
を
教
(
をし
)
へて
貰
(
もら
)
ふ
時
(
とき
)
には
矢張
(
やつぱ
)
り
謙遜
(
へりくだ
)
るものだ。
217
からだ
に
徳
(
とく
)
をつけて
貰
(
もら
)
ふのだからな。
218
オホン、
219
主従
(
しゆじゆう
)
三世
(
さんせ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
220
例
(
たと
)
へて
云
(
い
)
へば
此
(
この
)
蚊々虎
(
かがとら
)
さまは、
221
もとは
此処
(
ここ
)
にござる
淤縢山
(
おどやま
)
津見
(
づみ
)
様
(
さま
)
が
醜国別
(
しこくにわけ
)
と
云
(
い
)
うて
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
計
(
ばか
)
りやつて
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
に
俺
(
おれ
)
が
家来
(
けらい
)
であつた。
222
然
(
しか
)
しコンナ
主人
(
しゆじん
)
に
仕
(
つか
)
へて
居
(
を
)
つては
行末
(
ゆくすゑ
)
恐
(
おそ
)
ろしいと
思
(
おも
)
つたものだから、
223
如何
(
どう
)
かして
暇
(
ひま
)
を
呉
(
く
)
れて
与
(
や
)
らうと
思
(
おも
)
うたのだ。
224
さうした
処
(
ところ
)
がネツカラ
良
(
よ
)
い
主人
(
しゆじん
)
が
見
(
み
)
つからぬのだ。
225
探
(
さが
)
してゐる
矢先
(
やさき
)
に
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
が
現
(
あら
)
はれたのだ。
226
それで
此方
(
こな
)
さまは、
227
第二世
(
だいにせ
)
の
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
にお
仕
(
つか
)
へ
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
るのだ。
228
さうして
淤縢山
(
おどやま
)
さまは、
229
蚊々虎
(
かがとら
)
々々々
(
かがとら
)
と
云
(
い
)
つて
家来
(
けらい
)
扱
(
あつか
)
ひをされても、
230
俺
(
おれ
)
の
心
(
こころ
)
は
五文
(
ごもん
)
と
五文
(
ごもん
)
だ。
231
その
代
(
かは
)
り
一旦
(
いつたん
)
主人
(
しゆじん
)
ときめた
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
前
(
まへ
)
に
行
(
い
)
つた
位
(
くらゐ
)
なら、
232
ドンナ
者
(
もの
)
だい。
233
臣
(
しん
)
節
(
せつ
)
を
良
(
よ
)
く
守
(
まも
)
り、
234
万一
(
まんいち
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
が
俺
(
おれ
)
の
見当
(
けんたう
)
違
(
ちが
)
ひで
悪神
(
あくがみ
)
であつたと
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
は、
235
其
(
その
)
時
(
とき
)
こそ
弊履
(
へいり
)
を
捨
(
す
)
つるが
如
(
ごと
)
くに
主人
(
しゆじん
)
に
暇
(
ひま
)
を
与
(
や
)
るのだ。
236
さうして
又
(
また
)
適当
(
てきたう
)
な
主人
(
しゆじん
)
を
探
(
さが
)
して、
237
それに
仕
(
つか
)
へるのだ。
238
それを
三世
(
さんせ
)
の
主従
(
しゆじゆう
)
と
云
(
い
)
ふのだよ。
239
三代目
(
さんだいめ
)
の
主人
(
しゆじん
)
は
醜国別
(
しこくにわけ
)
よりも、
240
もつともつと
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
でも、
241
もう
代
(
か
)
へる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
242
そこになつたら、
243
アヽ
惟神
(
かむながら
)
だ、
244
因縁
(
いんねん
)
だと
度胸
(
どきよう
)
を
据
(
す
)
ゑて、
245
一代
(
いちだい
)
主人
(
しゆじん
)
と
仰
(
あふ
)
ぐのだ。
246
三回
(
さんくわい
)
まで
主人
(
しゆじん
)
を
代
(
か
)
へ、
247
師匠
(
ししやう
)
を
代
(
か
)
へるのは、
248
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ない
場合
(
ばあひ
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さるが、
249
其
(
それ
)
以上
(
いじやう
)
は
所謂
(
いはゆる
)
天則
(
てんそく
)
違反
(
ゐはん
)
だ。
250
主従
(
しゆじゆう
)
四世
(
よんせ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
はならぬから「
主従
(
しゆじゆう
)
は
三度
(
さんど
)
まで
代
(
か
)
へても
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず」と
云
(
い
)
ふ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
限度
(
げんど
)
をお
定
(
き
)
めになつて
居
(
を
)
るのだよ。
251
どうだ、
252
駒
(
こま
)
、
253
俺
(
おれ
)
が
噛
(
か
)
んでくくめるやうな
御
(
ご
)
説教
(
せつけう
)
が、
254
腸
(
はらわた
)
にしみこみたか、
255
シユジユと
音
(
おと
)
がして
浸
(
し
)
み
込
(
こ
)
むだらう。
256
賛成
(
さんせい
)
したか、
257
それで
主従
(
しゆじゆう
)
三世
(
さんせ
)
だよ』
258
一同
(
いちどう
)
は
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
259
一同
『アハヽヽヽ、
260
オホヽヽヽ』
261
(
大正一一・二・一〇
旧一・一四
北村隆光
録)
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