霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
第1章 朝日丸
第2章 五十韻
第3章 身魂相応
第4章 烏の妻
第5章 三人世の元
第6章 火の玉
第2篇 四十八文字
第7章 蛸入道
第8章 改心祈願
第9章 鏡の池
第10章 仮名手本
第3篇 秘露より巴留へ
第11章 海の竜宮
第12章 身代り
第13章 修羅場
第14章 秘露の邂逅
第15章 ブラジル峠
第16章 霊縛
第17章 敵味方
第18章 巴留の関守
第4篇 巴留の国
第19章 刹那心
第20章 張子の虎
第21章 滝の村
第22章 五月姫
第23章 黒頭巾
第24章 盲目審神
第25章 火の車
第26章 讃嘆
第27章 沙漠
第28章 玉詩異
第29章 原山祇
第5篇 宇都の国
第30章 珍山峠
第31章 谷間の温泉
第32章 朝の紅顔
第33章 天上眉毛
第34章 烏天狗
第35章 一二三世
第36章 大蛇の背
第37章 珍山彦
第38章 華燭の典
第6篇 黄泉比良坂
第39章 言霊解一
第40章 言霊解二
第41章 言霊解三
第42章 言霊解四
第43章 言霊解五
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第8巻(未の巻)
> 第4篇 巴留の国 > 第27章 沙漠
<<< 讃嘆
(B)
(N)
玉詩異 >>>
第二七章
沙漠
(
さばく
)
〔三七七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
篇:
第4篇 巴留の国
よみ(新仮名遣い):
はるのくに
章:
第27章 沙漠
よみ(新仮名遣い):
さばく
通し章番号:
377
口述日:
1922(大正11)年02月09日(旧01月13日)
口述場所:
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
空には一点の雲もない青空の下、四人の宣伝使(淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、高彦)は数十頭の駱駝に荷物を積んで、闇山津見夫婦に別れを告げ、大沙漠を横断して巴留の都に進もうとしていた。
そのとき五月姫は見送りの歌を歌ったが、そこには、神の教えを伝えるために一緒に宣伝の旅に出たいという思いが込められていた。
闇山津見は娘の心を察して、五月姫に駱駝を引き出して与え、宣伝使たちとともに宣伝の旅に行くことを許した。
蚊々虎が出任せの宣伝歌を歌うと、沙漠に吹いていた風はぴたりと止んだ。一行は雑談にふけり、あるいは宣伝歌を歌いながら沙漠を横断し、巴留の都に到着した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-07 14:58:21
OBC :
rm0827
愛善世界社版:
184頁
八幡書店版:
第2輯 216頁
修補版:
校定版:
186頁
普及版:
82頁
初版:
ページ備考:
001
蒼空
(
さうくう
)
一天
(
いつてん
)
の
雲翳
(
うんえい
)
も
無
(
な
)
く、
002
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
中天
(
ちうてん
)
に
輝
(
かがや
)
き
玉
(
たま
)
ふ
真昼時
(
まひるどき
)
。
003
茲
(
ここ
)
に
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
004
数十頭
(
すうじつとう
)
の
駱駝
(
らくだ
)
に
数多
(
あまた
)
の
食物
(
しよくもつ
)
を
積
(
つ
)
み、
005
駱駝
(
らくだ
)
の
背
(
せ
)
にヒラリと
跨
(
またが
)
つて
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
夫婦
(
ふうふ
)
に
名残
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しみ、
006
大沙漠
(
だいさばく
)
を
横断
(
わうだん
)
して、
007
巴留
(
はる
)
の
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
まむとする
時
(
とき
)
、
008
五月姫
(
さつきひめ
)
は
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しげに
門口
(
かどぐち
)
に
送
(
おく
)
り
出
(
い
)
で、
009
五月姫
『
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
変
(
かは
)
り
無
(
な
)
き
010
世
(
よ
)
や
久方
(
ひさかた
)
の
大空
(
おほぞら
)
の
011
天
(
あま
)
の
河原
(
かはら
)
に
棹
(
さを
)
さして
012
エデンの
河
(
かは
)
に
天降
(
あも
)
りまし
013
恵
(
めぐみ
)
も
深
(
ふか
)
き
顕恩
(
けんおん
)
の
014
郷
(
さと
)
に
鎮
(
しづ
)
まる
南天王
(
なんてんわう
)
015
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
現
(
あら
)
はれて
016
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
017
神
(
かみ
)
の
御教
(
みのり
)
を
輝
(
かがや
)
かし
018
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
の
宮
(
みや
)
019
竜
(
たつ
)
の
都
(
みやこ
)
に
出
(
い
)
でまして
020
憂瀬
(
うきせ
)
に
悩
(
なや
)
む
神人
(
かみびと
)
を
021
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
ひし
生神
(
いきがみ
)
の
022
教
(
をしへ
)
の
御子
(
みこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
023
淤縢山
(
おどやま
)
津見
(
づみの
)
司
(
つかさ
)
様
(
さま
)
024
その
外
(
ほか
)
三人
(
みたり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
025
名残
(
なごり
)
は
惜
(
を
)
しき
夏
(
なつ
)
の
空
(
そら
)
026
五月
(
さつき
)
の
暗
(
やみ
)
に
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
る
027
心
(
こころ
)
悲
(
かな
)
しき
五月姫
(
さつきひめ
)
028
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
く
思
(
おも
)
ひの
杜鵑
(
ほととぎす
)
029
思
(
おも
)
ひは
同
(
おな
)
じ
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
030
神
(
かみ
)
の
身魂
(
みたま
)
を
禀
(
う
)
け
継
(
つ
)
ぎし
031
妾
(
わらは
)
は
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
なれども
032
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
033
清
(
きよ
)
き
司
(
つかさ
)
と
成
(
な
)
らざらめ
034
常世
(
とこよ
)
の
闇
(
やみ
)
を
晴
(
は
)
らさむと
035
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
の
仇曇
(
あだぐも
)
り
036
晴
(
は
)
らさせ
給
(
たま
)
へ
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
037
教
(
のり
)
の
司
(
つかさ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
038
汝
(
なれ
)
は
都
(
みやこ
)
へ
妾
(
あ
)
は
後
(
あと
)
に
039
残
(
のこ
)
りて
何
(
なに
)
を
楽
(
たのし
)
まむ
040
明日
(
あす
)
をも
知
(
し
)
れぬ
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
041
空
(
むな
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
るべき
042
荒野
(
あらの
)
の
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
ゆるとも
043
沙漠
(
さばく
)
の
塵
(
ちり
)
に
埋
(
うづ
)
むとも
044
世人
(
よびと
)
を
思
(
おも
)
ふ
村肝
(
むらきも
)
の
045
心
(
こころ
)
は
曇
(
くも
)
る
五月闇
(
さつきやみ
)
046
疾
(
と
)
く
晴
(
は
)
らさせよ
宣伝使
(
せんでんし
)
』
047
と
声
(
こゑ
)
しとやかに
歌
(
うた
)
ひて、
048
名残
(
なごり
)
を
惜
(
をし
)
む。
049
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
はこの
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いて
五月姫
(
さつきひめ
)
の
心中
(
しんちう
)
を
察
(
さつ
)
し、
050
新
(
あらた
)
に
駱駝
(
らくだ
)
を
曳出
(
ひきだ
)
し
来
(
きた
)
り、
051
五月姫
(
さつきひめ
)
に
与
(
あた
)
へ、
052
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
一行
(
いつかう
)
と
共
(
とも
)
に、
053
宣伝使
(
せんでんし
)
として
天下
(
てんか
)
を
教化
(
けうくわ
)
することを
許
(
ゆる
)
したり。
054
五月姫
(
さつきひめ
)
は
天
(
てん
)
へも
昇
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
し、
055
茲
(
ここ
)
に
男女
(
なんによ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べて、
056
さしもに
広
(
ひろ
)
き
巴留
(
はる
)
の
大沙漠
(
だいさばく
)
を
横断
(
わうだん
)
することと
成
(
な
)
りにけり。
057
茲
(
ここ
)
に
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
058
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
をはじめ
数多
(
あまた
)
の
国人
(
くにびと
)
に『ウロー ウロー』の
声
(
こゑ
)
に
送
(
おく
)
られ、
059
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
として、
060
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
の
館
(
やかた
)
を
後
(
あと
)
に、
061
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
062
いよいよ
大沙漠
(
だいさばく
)
に
差懸
(
さしかか
)
りたれば、
063
前方
(
ぜんぱう
)
よりは
烈
(
はげ
)
しき
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
み
砂煙
(
すなけぶり
)
を
立
(
た
)
て、
064
面
(
おもて
)
を
向
(
む
)
くべきやうも
無
(
な
)
かりけり。
065
蚊々虎
(
かがとら
)
は
大音声
(
だいおんじやう
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて、
066
蚊々虎
『
風
(
かぜ
)
よ
吹
(
ふ
)
け
吹
(
ふ
)
け
旋風
(
まひかぜ
)
吹
(
ふ
)
けよ
067
砂
(
すな
)
よ
飛
(
た
)
て
飛
(
た
)
て
天
(
てん
)
まで
飛
(
た
)
てよ
068
雨
(
あめ
)
も
降
(
ふ
)
れ
降
(
ふ
)
れイクラデモ
降
(
ふ
)
れよ
069
たとへ
沙漠
(
さばく
)
は
海
(
うみ
)
と
成
(
な
)
り
070
天
(
てん
)
は
下
(
くだ
)
りて
地
(
つち
)
と
成
(
な
)
り
071
地
(
つち
)
は
上
(
のぼ
)
りて
天
(
てん
)
と
成
(
な
)
る
072
如何
(
いか
)
なる
大難
(
だいなん
)
来
(
きた
)
るとも
073
神
(
かみ
)
に
貰
(
もら
)
うた
蚊々虎
(
かがとら
)
の
074
この
言霊
(
ことたま
)
に
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らし
075
薙
(
な
)
いで
払
(
はら
)
うて
巴留
(
はる
)
の
国
(
くに
)
076
靡
(
なび
)
き
伏
(
ふ
)
せなむ
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
077
蚊々虎
(
かがとら
)
さまの
神力
(
しんりき
)
に
078
何
(
いづ
)
れの
神
(
かみ
)
も
諸人
(
もろびと
)
も
079
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
獅子
(
しし
)
熊
(
くま
)
も
080
青菜
(
あをな
)
に
塩
(
しほ
)
のその
如
(
ごと
)
く
081
縮
(
ちぢ
)
んで
萎
(
しほ
)
れてペコペコと
082
謝
(
あやま
)
り
入
(
い
)
るは
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
083
風
(
かぜ
)
も
吹
(
ふ
)
け
吹
(
ふ
)
け
何
(
なん
)
ぼなと
吹
(
ふ
)
けよ
084
砂
(
すな
)
も
飛
(
た
)
て
飛
(
た
)
て
何
(
なん
)
ぼなと
飛
(
た
)
てよ
085
ソンナ
事
(
こと
)
には
応
(
こた
)
へぬ
神
(
かみ
)
だ
086
応
(
こた
)
へぬ
筈
(
はず
)
だよ
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
087
教
(
をしへ
)
を
伝
(
つた
)
へる
宣伝使
(
せんでんし
)
088
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
司様
(
つかささま
)
089
勇
(
いさ
)
む
心
(
こころ
)
も
駒山彦
(
こまやまひこ
)
や
090
天狗
(
てんぐ
)
の
鼻
(
はな
)
の
高彦
(
たかひこ
)
や
091
天女
(
てんによ
)
に
擬
(
まが
)
ふ
五月姫
(
さつきひめ
)
092
ちつとも
恐
(
おそ
)
れぬ
金剛力
(
こんがうりき
)
の
093
蚊々虎
(
かがとら
)
さまがござるぞよ
094
進
(
すす
)
めや
進
(
すす
)
めいざ
進
(
すす
)
め』
095
と
口
(
くち
)
から
出任
(
でまか
)
せに、
096
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
きながら
駱駝
(
らくだ
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
り、
097
勢
(
いきほひ
)
よく
風
(
かぜ
)
を
冒
(
をか
)
して
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
098
漸
(
やうや
)
くにして
風
(
かぜ
)
はピタリと
止
(
や
)
んだ。
099
夏
(
なつ
)
の
太陽
(
たいやう
)
は
又
(
また
)
もや
煌々
(
くわうくわう
)
と
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
めたり。
100
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『オイオイ
蚊々虎
(
かがとら
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
101
豪勢
(
がうせい
)
なものだな。
102
お
前
(
まへ
)
のその
大法螺
(
おほぼら
)
には、
103
風
(
かぜ
)
の
神
(
かみ
)
だつて
何
(
なん
)
だつて
萎縮
(
ゐしゆく
)
して
了
(
しま
)
ふわ。
104
よくも
吹
(
ふ
)
いたものだなー』
105
蚊々虎
(
かがとら
)
『
向
(
むか
)
ふが
吹
(
ふ
)
きよるから
吹
(
ふ
)
いたのだ。
106
滅多
(
めつた
)
矢鱈
(
やたら
)
に
吹
(
ふ
)
いて、
107
俺
(
おい
)
らを
砂煙
(
すなけぶり
)
に
巻
(
まき
)
よつたから、
108
俺
(
おれ
)
も
亦
(
また
)
一
(
ひと
)
つ
風
(
かぜ
)
の
神
(
かみ
)
に
向
(
むか
)
つて、
109
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
いて
吹
(
ふ
)
いて、
110
風
(
かぜ
)
の
神
(
かみ
)
もお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に
煙
(
けぶり
)
に
巻
(
ま
)
いたのだよ』
111
高彦
(
たかひこ
)
『ハヽヽヽ
相変
(
あひかは
)
らず、
112
空威張
(
からいばり
)
の
上手
(
じやうづ
)
な
男
(
をとこ
)
だネー』
113
蚊々虎
『
矢釜敷
(
やかまし
)
う
言
(
い
)
ふない、
114
先
(
さき
)
を
見
(
み
)
て
貰
(
もら
)
はうかい。
115
先
(
さき
)
になつて
驚
(
おどろ
)
くな、
116
何
(
ど
)
んな
働
(
はたら
)
きをなさるか
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るかい』
117
高彦
『オホン
刹那心
(
せつなしん
)
だ。
118
先
(
さき
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つたつて
判
(
わか
)
るものか。
119
今
(
いま
)
の
内
(
うち
)
に
精
(
せい
)
出
(
だ
)
して
法螺
(
ほら
)
でも
吹
(
ふ
)
いて
置
(
お
)
くが
宜
(
よ
)
からう。
120
万緑
(
ばんりよく
)
叢中
(
そうちゆう
)
紅一点
(
こういつてん
)
の
五月姫
(
さつきひめ
)
の
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
が
居
(
ゐ
)
ると
思
(
おも
)
つて、
121
俄
(
にはか
)
に
元気
(
げんき
)
づきよつて、
122
声
(
こゑ
)
自慢
(
じまん
)
で
法螺歌
(
ほらうた
)
を
歌
(
うた
)
つたつて、
123
風
(
かぜ
)
の
神
(
かみ
)
なら
往生
(
わうじやう
)
するならむも、
124
五月姫
(
さつきひめ
)
さまはソンナ
事
(
こと
)
では
一寸
(
ちよつと
)
お
出
(
い
)
でぬぞ』
125
蚊々虎
『
馬鹿
(
ばか
)
言
(
い
)
ふな。
126
オイオイ、
127
際限
(
さいげん
)
も
無
(
な
)
いこの
沙漠
(
さばく
)
だ。
128
一体
(
いつたい
)
何日
(
なんにち
)
程
(
ほど
)
走
(
はし
)
つたら、
129
巴留
(
はる
)
の
都
(
みやこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くか
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
るかい』
130
高彦
『ソンナ
事
(
こと
)
は
知
(
し
)
らぬワイ。
131
お
前
(
まへ
)
は
神懸
(
かむがかり
)
さまぢやないか、
132
宇宙
(
うちう
)
一切
(
いつさい
)
の
事
(
こと
)
が
判明
(
わか
)
るなら、
133
その
位
(
くらゐ
)
な
事
(
こと
)
が
鏡
(
かがみ
)
に
懸
(
か
)
けた
如
(
ごと
)
く
知
(
し
)
れさうなものでないか』
134
一行
(
いつかう
)
は
互
(
たがひ
)
に
駱駝
(
らくだ
)
に
跨
(
またが
)
り、
135
或
(
あるひ
)
は
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ、
136
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
りながら、
137
漸
(
やうや
)
くにして
巴留
(
はる
)
の
都
(
みやこ
)
に
着
(
つ
)
きにける。
138
(
大正一一・二・九
旧一・一三
森良仁
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 讃嘆
(B)
(N)
玉詩異 >>>
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第8巻(未の巻)
> 第4篇 巴留の国 > 第27章 沙漠
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第27章 沙漠|第8巻|霊主体従|霊界物語|/rm0827】
合言葉「みろく」を入力して下さい→