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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
第1章 朝日丸
第2章 五十韻
第3章 身魂相応
第4章 烏の妻
第5章 三人世の元
第6章 火の玉
第2篇 四十八文字
第7章 蛸入道
第8章 改心祈願
第9章 鏡の池
第10章 仮名手本
第3篇 秘露より巴留へ
第11章 海の竜宮
第12章 身代り
第13章 修羅場
第14章 秘露の邂逅
第15章 ブラジル峠
第16章 霊縛
第17章 敵味方
第18章 巴留の関守
第4篇 巴留の国
第19章 刹那心
第20章 張子の虎
第21章 滝の村
第22章 五月姫
第23章 黒頭巾
第24章 盲目審神
第25章 火の車
第26章 讃嘆
第27章 沙漠
第28章 玉詩異
第29章 原山祇
第5篇 宇都の国
第30章 珍山峠
第31章 谷間の温泉
第32章 朝の紅顔
第33章 天上眉毛
第34章 烏天狗
第35章 一二三世
第36章 大蛇の背
第37章 珍山彦
第38章 華燭の典
第6篇 黄泉比良坂
第39章 言霊解一
第40章 言霊解二
第41章 言霊解三
第42章 言霊解四
第43章 言霊解五
余白歌
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(B)
(N)
言霊解五 >>>
第四二章
言霊解
(
げんれいかい
)
四〔三九二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
篇:
第6篇 黄泉比良坂
よみ(新仮名遣い):
よもつひらさか
章:
第42章 言霊解四
よみ(新仮名遣い):
げんれいかい四
通し章番号:
392
口述日:
1922(大正11)年02月11日(旧01月15日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友(再録)
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
醜い姿を見られた伊邪那美命が、恥をかかせられたと言って予母都志許売を遣わして追わせた、というのは、大本の一つ火の明光に照らされた悪神たちが、逆に圧迫妨害を加えて四方八方から攻め立てる、ということなのである。
伊邪那岐命が黒御鬘を取って投げ捨てると、蒲子が生った、というのは、幽玄な神の御教えを天下に宣伝すると、美しい誠の新信者ができた、ということである。黄泉醜女が、一人一人に圧迫を加える、ということである。
ここにおいて神はついに、神界の一輪咲いた梅の花である経綸を現して黄泉醜女に向かって宣伝した。すると箏という上流貴紳の了解を得て、大本の使命が純忠純良なことが天下に知られる、ということである。
邪神の頭株が大本の経綸を破壊しようと苦心しつつあるうちに、神国の危機を救うべき準備を整えていくことである。
黄泉軍とは、大本にたとえると社会主義者、仏教家、キリスト教徒などが露骨な圧迫を加えてくることである。世界にたとえると、侵略とか利権獲得などの良からぬ目的のために戦いを起こす賊軍のことである。
ヒラサカとは、尊厳無比にして世界全体を照らし、統一し、仁慈を施す神軍である。霊系の大本神である日の大神の徳と万世一系の皇徳を備えている。⦿(ス)に変あるときは、水の精である月光が世に出て皇国の栄を守り、抑え忍んだ公憤を発して向かい戦い、神威皇徳を世界に輝かすという、神軍のことを言うのである。
坂本は大本のことであり、三つの桃は瑞霊の御魂のことである。瑞霊が十拳剣の精なる神の教えによって待ち討つとき、黄泉軍はことごとく敗走した、ということである。
伊邪那岐命は自分の命を救ってくれた、と桃の実つまり瑞霊とその聖なる団体に向かって賞賛された。今後においても、万一危機が出来したら、報国の大活躍をして万民を救え、と言い、オホカムツミと名を賜った。
オホカムツミの言霊は、惟神の大道を天下に宣伝する至誠至忠の聖団、忠良な柱石神である、というご賞賛である。今の世に、麻柱の大道を実行する大神津見命は、今いずこに活躍しているのだろうか。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-06-10 22:48:25
OBC :
rm0842
愛善世界社版:
306頁
八幡書店版:
第2輯 260頁
修補版:
校定版:
310頁
普及版:
137頁
初版:
ページ備考:
初出
[?]
この文献の初出または底本となったと思われる文献です。
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:
神霊界
>
大正9年12月1日号(第132号)
>
皇典と現代(二)
001
『
其
(
その
)
妹
(
いも
)
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
吾
(
われ
)
に
辱
(
はぢ
)
見
(
み
)
せたまひつと
言
(
まを
)
したまひて、
002
即
(
すなは
)
ち
黄泉
(
よもつ
)
醜女
(
しこめ
)
を
遣
(
つか
)
はして
追
(
お
)
はしめき』と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
003
以上
(
いじやう
)
の
如
(
ごと
)
くに
乱
(
みだ
)
れ
果
(
は
)
てたる
醜状
(
しうじやう
)
を、
004
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
なる
一
(
ひと
)
つ
火
(
び
)
に
照
(
て
)
らされ、
005
面
(
つら
)
の
皮
(
かは
)
を
曳剥
(
ひきめく
)
られて
侮辱
(
ぶじよく
)
されたと
言
(
い
)
つて、
006
大本
(
おほもと
)
であれば
心
(
こころ
)
に
当
(
あた
)
る
醜悪
(
しうあく
)
なる
教信徒
(
けうしんと
)
が
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
大本
(
おほもと
)
や
教主
(
けうしゆ
)
に
反抗
(
はんかう
)
すると
云
(
い
)
ふことであり、
007
世界
(
せかい
)
で
言
(
い
)
へば、
008
益々
(
ますます
)
立腹
(
りつぷく
)
して
大本
(
おほもと
)
を
圧迫
(
あつぱく
)
し、
009
窮地
(
きうち
)
に
陥
(
おとしい
)
れむとする
人物
(
じんぶつ
)
の
出現
(
しゆつげん
)
すると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
で
在
(
あ
)
るから、
010
誠
(
まこと
)
の
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
011
随分
(
ずゐぶん
)
六ケ敷
(
むつかしき
)
事業
(
じげふ
)
であります。
012
今日
(
こんにち
)
のやうな
無明
(
むみやう
)
闇黒
(
あんこく
)
の
社会
(
しやくわい
)
に
容
(
い
)
れられる
様
(
やう
)
な
教
(
をしへ
)
なら
別
(
べつ
)
に
苦労
(
くらう
)
艱難
(
かんなん
)
は
要
(
い
)
らぬ、
013
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
から
持
(
も
)
て
囃
(
はや
)
されるで
在
(
あ
)
らうが、
014
その
様
(
やう
)
な
教
(
をしへ
)
なら
現代
(
げんだい
)
を
覚醒
(
かくせい
)
し、
015
人心
(
じんしん
)
を
改造
(
かいざう
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
016
国家
(
こくか
)
を
泰山
(
たいざん
)
の
安
(
やす
)
きに
置
(
お
)
き
奉
(
たてまつ
)
らむとするの
志士
(
しし
)
仁人
(
じんじん
)
は
凡
(
すべ
)
ての
迫害
(
はくがい
)
と
戦
(
たたか
)
ひ、
017
総
(
すべ
)
ての
悪魔
(
あくま
)
に
打
(
う
)
ち
克
(
か
)
ち、
018
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
天下
(
てんか
)
に
当
(
あた
)
るの
勇猛心
(
ゆうまうしん
)
を
要
(
えう
)
するのであります。
019
黄泉
(
よもつ
)
醜女
(
しこめ
)
は
決
(
けつ
)
して
悪
(
わる
)
い
魔女
(
まぢよ
)
の
事
(
こと
)
では
無
(
な
)
い。
020
今日
(
こんにち
)
の
人間
(
にんげん
)
は
上下
(
しやうか
)
共
(
とも
)
に
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も、
021
八九分
(
はちくぶ
)
通
(
どほ
)
りまで
醜女
(
しこめ
)
であります。
022
何処
(
どこ
)
にも
一点
(
いつてん
)
の
男子
(
だんし
)
らしき、
023
勇壮
(
ゆうさう
)
なる
果断
(
くわだん
)
なる
意気
(
いき
)
を
認
(
みと
)
むる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
024
斯
(
こ
)
ういふやうな
黄泉
(
よもつ
)
醜女
(
しこめ
)
らが、
025
大本
(
おほもと
)
の
一
(
ひと
)
つ
火
(
び
)
の
明光
(
めいくわう
)
に
照
(
てら
)
されて、
026
夏
(
なつ
)
の
虫
(
むし
)
の
如
(
ごと
)
くに
消
(
け
)
しに
来
(
き
)
ては
却
(
かへ
)
つて
自分
(
じぶん
)
が
大怪我
(
おほけが
)
をするのであります。
027
今日
(
こんにち
)
の
大本
(
おほもと
)
は
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
から
攻
(
せ
)
め
立
(
た
)
てられ、
028
人民
(
じんみん
)
を
保護
(
ほご
)
す
可
(
べ
)
き
職
(
しよく
)
に
在
(
あ
)
る
人々
(
ひとびと
)
までが、
029
時
(
とき
)
には
逆様
(
さかさま
)
に
攻撃
(
こうげき
)
妨害
(
ばうがい
)
を
加
(
くは
)
へむとして
居
(
ゐ
)
るのであります。
030
是
(
これ
)
が
大本
(
おほもと
)
を
四方突
(
よもつ
)
醜目
(
しこめ
)
で
見
(
み
)
てをると
云
(
い
)
ふのであります。
031
然
(
しか
)
し
至誠
(
しせい
)
思国
(
しこく
)
の
吾々
(
われわれ
)
大本人
(
おほもとびと
)
は、
032
所在
(
あらゆる
)
総
(
すべ
)
ての
圧迫
(
あつぱく
)
と、
033
妨害
(
ばうがい
)
に
打
(
う
)
ち
克
(
か
)
つ
為
(
ため
)
に、
034
一
(
ひと
)
つの
力
(
ちから
)
を
貯
(
たくは
)
へねば
成
(
な
)
らぬ
如
(
ごと
)
く、
035
世界
(
せかい
)
に
対
(
たい
)
しても
我国
(
わがくに
)
は、
036
充分
(
じゆうぶん
)
の
準備
(
じゆんび
)
を
整
(
ととの
)
へねばならぬ。
037
即
(
すなは
)
ち
神典
(
しんてん
)
に
所謂
(
いはゆる
)
黒御鬘
(
くろみかづら
)
を
投
(
な
)
げ
打
(
う
)
つて
掛
(
かか
)
らねば
成
(
な
)
らぬのであります。
038
『
爾
(
かれ
)
伊弉諾
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
黒御鬘
(
くろみかづら
)
を
取
(
と
)
りて
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
て
玉
(
たま
)
ひしかば、
039
乃
(
すなは
)
ち
蒲子
(
ゑびかづらのみ
)
生
(
な
)
りき』
040
之
(
これ
)
を
今日
(
こんにち
)
の
大本
(
おほもと
)
に
譬
(
たと
)
へると、
041
幽玄
(
くろき
)
美
(
うる
)
はしき
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を、
042
天下
(
てんか
)
に
宣伝
(
せんでん
)
する
事
(
こと
)
を『
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
て
玉
(
たま
)
ひき』といふのであります。
043
『
蒲子
(
ゑびかづらのみ
)
生
(
な
)
りき』と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
044
美
(
うる
)
はしき
誠
(
まこと
)
の
新信者
(
しんしんじや
)
が
出来
(
でき
)
たと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
であります。
045
黄泉
(
よもつ
)
神
(
かみ
)
醜女
(
しこめ
)
は、
046
また
之
(
これ
)
に
向
(
むか
)
つて
一人
(
ひとり
)
々々
(
ひとり
)
に
種々
(
しゆじゆ
)
の
圧迫
(
あつぱく
)
妨害
(
ばうがい
)
を
加
(
くは
)
へると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が、
047
『
是
(
これ
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
食
(
は
)
む』と
云
(
い
)
ふのであります。
048
何
(
いづ
)
れの
教子
(
をしへご
)
にも
悉
(
ことごと
)
く
四方突
(
よもつ
)
軍
(
いくさ
)
が
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
を
堕
(
おと
)
さしに
廻
(
まは
)
つて
居
(
を
)
る。
049
その
間
(
あひだ
)
に
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つの
戦闘
(
せんとう
)
準備
(
じゆんび
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
する
事
(
こと
)
を『
逃
(
に
)
げ
出
(
い
)
でますを』と
云
(
い
)
ふのであります。
050
『
猶
(
なほ
)
追
(
お
)
ひしかば、
051
亦
(
また
)
其
(
そ
)
の
右
(
みぎり
)
の
御角髪
(
みみづら
)
に
刺
(
さ
)
せる、
052
湯津津間
(
ゆづつま
)
櫛
(
ぐし
)
を
引闕
(
ひきかぎ
)
て、
053
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
てたまひしかば
乃
(
すなは
)
ち
笋
(
たかむら
)
生
(
な
)
りき』
054
蒲子
(
ゑびかづらのみ
)
とも
言
(
い
)
ふべき
信仰
(
しんかう
)
の
若
(
わか
)
い
信者
(
しんじや
)
を、
055
片端
(
かたつぱし
)
から
追詰
(
おひつ
)
め
引落
(
ひきおと
)
しにかけ
乍
(
なが
)
ら、
056
なほもそれに
飽
(
あ
)
き
足
(
た
)
らずして、
057
大々
(
だいだい
)
的
(
てき
)
妨害
(
ばうがい
)
を
加
(
くは
)
へむとの
乱暴
(
らんばう
)
には、
058
神
(
かみ
)
も
終
(
つひ
)
に
堪忍袋
(
かんにんぶくろ
)
の
緒
(
を
)
が
断
(
き
)
れたので、
059
右
(
みぎ
)
の
御角髪
(
みみづら
)
にまかせる
湯津津間
(
ゆづつま
)
櫛
(
ぐし
)
を
引闕
(
ひきかぎ
)
て、
060
乃
(
すなは
)
ち
神界
(
しんかい
)
の
一輪
(
いちりん
)
咲
(
さ
)
いた
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
の
経綸
(
しぐみ
)
を
表顕
(
あらは
)
して、
061
所在
(
あらゆる
)
四方突
(
よもつ
)
醜女
(
しこめ
)
に
向
(
むか
)
つて
宣伝
(
せんでん
)
した
所
(
ところ
)
が、
062
終
(
つひ
)
に
箏
(
たかむら
)
と
云
(
い
)
ふ、
063
上流
(
じやうりう
)
貴紳
(
きしん
)
[
※
身分の高い人という意
]
の
了解
(
れうかい
)
を
得
(
え
)
、
064
至誠
(
しせい
)
天
(
てん
)
に
通
(
つう
)
じて、
065
いよいよ
大本
(
おほもと
)
の
使命
(
しめい
)
の
純忠
(
じゆんちう
)
純良
(
じゆんりやう
)
なる
事
(
こと
)
を、
066
天下
(
てんか
)
に
知
(
し
)
らるるやうに
成
(
な
)
るのを
箏
(
たかむら
)
生
(
な
)
りきと
云
(
い
)
ふのであります。
067
是
(
これ
)
は
全地球
(
ぜんちきう
)
上
(
じやう
)
の
出来事
(
できごと
)
に
対
(
たい
)
する
御
(
ご
)
神書
(
しんしよ
)
であれども、
068
総
(
すべ
)
ての
信徒
(
しんと
)
に
了解
(
れうかい
)
の
出来
(
でき
)
易
(
やす
)
いやうに、
069
現今
(
げんこん
)
の
大本
(
おほもと
)
と
将来
(
しやうらい
)
の
大本
(
おほもと
)
の
使命
(
しめい
)
を
引用
(
いんよう
)
して、
070
説明
(
せつめい
)
を
下
(
くだ
)
したのであります。
071
『
是
(
これ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
食
(
は
)
む
間
(
あひだ
)
に
逃行
(
にげい
)
でましき』
072
又々
(
またまた
)
邪神
(
じやしん
)
の
頭株
(
あたまかぶ
)
が、
073
大本
(
おほもと
)
の
折角
(
せつかく
)
の
経綸
(
しぐみ
)
を
破壊
(
はくわい
)
せむと、
074
百方
(
ひやつぱう
)
苦心
(
くしん
)
しつつ
在
(
あ
)
る
内
(
うち
)
に、
075
いよいよ
神国
(
しんこく
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ふ
可
(
べ
)
き、
076
諸々
(
もろもろ
)
の
準備
(
じゆんび
)
を
整
(
ととの
)
へ、
077
何時
(
なんどき
)
にても
身命
(
しんめい
)
を
国家
(
こくか
)
に
捧
(
ささ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
つて、
078
君国
(
くんこく
)
を
守
(
まも
)
るべき
用意
(
ようい
)
を
整
(
ととの
)
へて
行
(
ゆ
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が、
079
『
是
(
これ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
食
(
は
)
む
間
(
あひだ
)
に
逃行
(
にげい
)
でましき』と
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
であります。
080
『
旦
(
また
)
後
(
あと
)
には
其
(
そ
)
の
八種
(
やくさ
)
の
雷神
(
いかづちがみ
)
に
千五百
(
ちいほ
)
の
黄泉軍
(
よもついくさ
)
を
副
(
そ
)
へて
追
(
お
)
はしめき』
081
之
(
これ
)
を
大本
(
おほもと
)
に
譬
(
たと
)
へて
見
(
み
)
ると、
082
八種
(
やくさ
)
の
雷
(
いかづち
)
(
前
(
まへ
)
に
詳述
(
しやうじゆつ
)
)に
加
(
くは
)
ふるに
社会
(
しやくわい
)
主義者
(
しゆぎしや
)
または
仏教家
(
ぶつけうか
)
、
083
基督
(
キリスト
)
教徒
(
けうと
)
などの、
084
数限
(
かずかぎ
)
りなき
露骨
(
ろこつ
)
なる
運動
(
うんどう
)
を
起
(
おこ
)
して、
085
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
り
攻撃
(
こうげき
)
の
矢
(
や
)
を
向
(
む
)
け
来
(
きた
)
る
事
(
こと
)
であります。
086
之
(
これ
)
を
世界
(
せかい
)
に
対照
(
たいせう
)
する
時
(
とき
)
は、
087
前述
(
ぜんじゆつ
)
の
八種
(
やくさ
)
の
悪魔
(
あくま
)
の
潜在
(
せんざい
)
する
上
(
うへ
)
に、
088
千五百
(
ちいほ
)
軍
(
いくさ
)
即
(
すなは
)
ち
或
(
あ
)
る
国
(
くに
)
から、
089
日本
(
にほん
)
の
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
なる
神国
(
しんこく
)
を
攻
(
せ
)
めて
来
(
く
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
になるのであります。
090
黄泉軍
(
よもついくさ
)
と
云
(
い
)
ふことは、
091
占領
(
せんりやう
)
とか、
092
侵略
(
しんりやく
)
とか、
093
利権
(
りけん
)
獲得
(
くわくとく
)
とか、
094
良
(
よ
)
からぬ
目的
(
もくてき
)
の
為
(
ため
)
に
戦
(
たたか
)
ひを
開
(
ひら
)
く
国
(
くに
)
の
賊軍隊
(
ぞくぐんたい
)
の
謂
(
ゐ
)
ひであります。
095
『
爾
(
かれ
)
御佩
(
みはか
)
せる
十拳剣
(
とつかのつるぎ
)
を
抜
(
ぬ
)
きて、
096
後手
(
しりへで
)
に
揮
(
ふ
)
きつつ
逃
(
に
)
げ
来
(
き
)
ませるを』
097
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
の
神軍
(
しんぐん
)
は
戦備
(
せんび
)
を
整
(
ととの
)
へながら
即
(
すなは
)
ち
十拳剣
(
とつかのつるぎ
)
を
抜
(
ぬ
)
きながら、
098
充分
(
じゆうぶん
)
に
隠忍
(
いんにん
)
し
敢
(
あへ
)
て
戦
(
たたか
)
はず、
099
なるべく
世界
(
せかい
)
人類
(
じんるゐ
)
平和
(
へいわ
)
の
為
(
た
)
め、
100
治国
(
ちこく
)
安民
(
あんみん
)
の
為
(
ため
)
に
言向
(
ことむけ
)
平和
(
やは
)
さむとする
意味
(
いみ
)
を
指
(
さ
)
して『
後手
(
しりへで
)
に
揮
(
ふ
)
きつつ
逃
(
に
)
げ
来
(
き
)
ませる』と
云
(
い
)
ふのであります。
101
『
其
(
そ
)
の
坂本
(
さかもと
)
なる
桃
(
もも
)
の
子
(
み
)
を
三個
(
さんこ
)
取
(
と
)
りて
待撃
(
まちう
)
ちたまひしかば
悉
(
ことごと
)
く
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
りき』
102
ヒラサカ
の
ヒ
の
言霊
(
ことたま
)
は
明徹
(
めいてつ
)
也
(
なり
)
、
103
尊厳
(
そんげん
)
也
(
なり
)
、
104
顕幽
(
けんいう
)
皆
(
みな
)
貫徹
(
くわんてつ
)
する
也
(
なり
)
、
105
照智
(
せうち
)
也
(
なり
)
、
106
光明
(
くわうみやう
)
遍照
(
へんぜう
)
十方
(
じつぱう
)
世界
(
せかい
)
也
(
なり
)
、
107
日
(
ひ
)
の
朝
(
あさ
)
也
(
なり
)
、
108
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
五六七
(
みろく
)
の
神徳
(
しんとく
)
也
(
なり
)
。
109
ラ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
110
高皇
(
たかみ
)
産霊
(
むすびの
)
神
(
かみ
)
也
(
なり
)
、
111
霊系
(
れいけい
)
の
大本
(
おほもと
)
也
(
なり
)
、
112
無量寿
(
むりやうじゆ
)
の
大基
(
だいき
)
也
(
なり
)
、
113
本末
(
ほんまつ
)
一貫
(
いつくわん
)
也
(
なり
)
。
114
サ
の
言霊
(
ことたま
)
は
⦿
(
す
)
に
事
(
こと
)
ある
也
(
なり
)
、
115
栄
(
さか
)
ゆ
也
(
なり
)
、
116
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
也
(
なり
)
、
117
水
(
みづ
)
の
精
(
せい
)
也
(
なり
)
。
118
カ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
119
蒙
(
かぶ
)
せ
覆
(
おほ
)
ふ
也
(
なり
)
、
120
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
也
(
なり
)
、
121
懸
(
か
)
け
出
(
だ
)
し
助
(
たす
)
くる
也
(
なり
)
。
122
以上
(
いじやう
)
ヒラサカ
四言霊
(
しげんれい
)
の
活用
(
くわつよう
)
を
約
(
つづ
)
むる
時
(
とき
)
は、
123
尊厳
(
そんげん
)
無比
(
むひ
)
にして
六合
(
りくがふ
)
を
照
(
てら
)
し、
124
世界
(
せかい
)
を
統一
(
とういつ
)
し
以
(
もつ
)
て
仁慈
(
じんじ
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
125
霊系
(
れいけい
)
の
大本神
(
だいほんしん
)
たる
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
本末
(
ほんまつ
)
一貫
(
いつくわん
)
の
徳
(
とく
)
と、
126
万世
(
ばんせい
)
一系
(
いつけい
)
の
皇徳
(
くわうとく
)
を
備
(
そな
)
へ、
127
⦿
(
す
)
に
変
(
へん
)
ある
時
(
とき
)
は、
128
水
(
みづ
)
の
精
(
せい
)
なる
月光
(
げつくわう
)
世
(
よ
)
に
出
(
い
)
で、
129
皇国
(
くわうこく
)
の
栄
(
さか
)
えを
守
(
まも
)
り、
130
隠忍
(
いんにん
)
したる
公憤
(
こうふん
)
を
発
(
はつ
)
して、
131
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
し
向
(
むか
)
ひ
戦
(
たたか
)
ひ、
132
神威
(
しんゐ
)
皇徳
(
こうとく
)
を
世界
(
せかい
)
に
輝
(
かがや
)
かすてふ、
133
神軍
(
しんぐん
)
の
謂
(
ゐ
)
ひであります。
134
又
(
また
)
坂本
(
さかもと
)
は
神国
(
しんこく
)
の
栄
(
さか
)
え
行
(
ゆ
)
く
大元
(
おほもと
)
といふ
事
(
こと
)
であります。
135
大本
(
おほもと
)
といふも
坂本
(
さかもと
)
の
意義
(
いぎ
)
である。
136
桃
(
もも
)
は
百
(
もも
)
の
意義
(
いぎ
)
で、
137
諸々
(
もろもろ
)
の
武士
(
ぶし
)
といふ
事
(
こと
)
であります。
138
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
日本
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
の
種子
(
たね
)
が
乃
(
すなは
)
ち
桃
(
もも
)
の
実
(
み
)
であります。
139
『
三箇
(
みつ
)
取
(
と
)
りて
待
(
ま
)
ち
討
(
う
)
ちたまひし』とは
日本
(
につぽん
)
男子
(
だんし
)
の
桃太郎
(
ももたらう
)
が、
140
智仁勇
(
ちじんゆう
)
に
譬
(
たと
)
へたる、
141
猿
(
さる
)
犬
(
いぬ
)
雉
(
きじ
)
を
以
(
もつ
)
て、
142
戦
(
たたか
)
ふと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
であります。
143
猿
(
さる
)
は
智
(
ち
)
に
配
(
はい
)
し、
144
雉
(
きじ
)
は
仁
(
じん
)
に
配
(
はい
)
し、
145
犬
(
いぬ
)
は
勇
(
ゆう
)
に
配
(
はい
)
するのであります。
146
亦
(
また
)
三
(
み
)
ツと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
147
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
なる
三女神
(
さんによしん
)
の
瑞霊
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
であります。
148
そこで
三
(
み
)
ツの
御魂
(
みたま
)
即
(
すなは
)
ち
十拳剣
(
とつかのつるぎ
)
の
精
(
せい
)
なる
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
依
(
よつ
)
て
悠然
(
いうぜん
)
として、
149
待
(
ま
)
ち
討
(
う
)
ちたまうた
時
(
とき
)
に、
150
黄泉軍
(
よもついくさ
)
は
悉
(
ことごと
)
く
敗軍
(
はいぐん
)
遁走
(
とんそう
)
して
了
(
しま
)
つたと
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
であります。
151
『
爾
(
ここ
)
に
伊弉諾
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
桃子
(
もものみ
)
に
告
(
の
)
り
曰
(
たま
)
はく。
152
汝
(
なれ
)
吾
(
あ
)
を
助
(
たす
)
けし
如
(
ごと
)
、
153
葦原
(
あしはら
)
の
中
(
なか
)
つ
国
(
くに
)
に、
154
有
(
あ
)
らゆる
現在
(
うつしき
)
人民
(
あをひとぐさ
)
の
苦瀬
(
うきせ
)
に
落
(
お
)
ちて
苦患
(
くるしま
)
む
時
(
とき
)
に、
155
助
(
たす
)
けてよと
告
(
の
)
りたまひて、
156
意富
(
おほ
)
加牟豆美
(
かむづみの
)
命
(
みこと
)
といふ
名
(
な
)
を
賜
(
たま
)
ひき』
157
茲
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
日
(
ひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
から、
158
聖
(
せい
)
なる
至誠
(
しせい
)
の
団体
(
だんたい
)
や、
159
三
(
み
)
つの
御魂
(
みたま
)
に
向
(
むか
)
つて、
160
能
(
よ
)
く
忠誠
(
ちうせい
)
を
尽
(
つく
)
し、
161
国難
(
こくなん
)
を
救
(
すく
)
うて
呉
(
く
)
れたと、
162
御
(
お
)
賞
(
ほ
)
めになり、
163
なほ
重
(
かさ
)
ねて
世界
(
せかい
)
人民
(
じんみん
)
が
戦争
(
せんそう
)
の
為
(
ため
)
に、
164
塗炭
(
とたん
)
の
苦
(
くるし
)
みを
受
(
う
)
けるやうな
事
(
こと
)
が、
165
今後
(
こんご
)
において
万一
(
まんいち
)
にも
出来
(
しゆたい
)
したら、
166
今度
(
こんど
)
のやうに
至誠
(
しせい
)
報国
(
はうこく
)
の
大活躍
(
だいくわつやく
)
をして、
167
天下
(
てんか
)
の
万民
(
ばんみん
)
を
救
(
すく
)
うて
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れよ。
168
汝
(
いまし
)
にはその
代
(
かは
)
りに
意富
(
おほ
)
加牟豆美
(
かむづみの
)
命
(
みこと
)
と
名
(
な
)
を
賜
(
たま
)
うと
仰
(
あふ
)
せになつたのであります。
169
この
オホカムツミ
の
言霊
(
ことたま
)
を
奉釈
(
ほうしやく
)
すると
次
(
つぎ
)
の
如
(
ごと
)
くであります。
170
オ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
171
霊治
(
れいぢ
)
大道
(
だいだう
)
の
意
(
い
)
である。
172
ホ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
173
透逸
(
とういつ
)
卓出
(
たくしゆつ
)
の
意
(
い
)
である。
174
カ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
175
神霊
(
しんれい
)
活気
(
くわつき
)
凛々
(
りんりん
)
の
意
(
い
)
である。
176
ム
の
言霊
(
ことたま
)
は、
177
組織
(
そしき
)
親睦
(
しんぼく
)
国家
(
こくか
)
の
意
(
い
)
である。
178
ツ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
179
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきゆう
)
に
連続
(
れんぞく
)
の
意
(
い
)
である。
180
ミ
の
言霊
(
ことたま
)
は、
181
瑞
(
みづ
)
の
身魂
(
みたま
)
善美
(
ぜんび
)
の
意
(
い
)
である。
182
之
(
これ
)
を
一言
(
いちげん
)
に
約
(
つづ
)
むる
時
(
とき
)
は、
183
霊徳発揚
(
お
)
神威活躍
(
ほ
)
平和統一
(
か
)
高照祥光
(
む
)
瑞霊
(
づ
)
神剣発動
(
み
)
の
神
(
かみ
)
と
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
であります。
184
即
(
すなは
)
ち
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
たいだう
)
を
天下
(
てんか
)
に
宣伝
(
せんでん
)
する
至誠
(
しせい
)
至忠
(
しちう
)
の
聖団
(
せいだん
)
にして、
185
忠良
(
ちうりやう
)
なる
柱石神
(
ちうせきしん
)
なりとの
御
(
ご
)
賞詞
(
しやうし
)
であります。
186
アヽ
現代
(
げんだい
)
の
世態
(
せたい
)
に
対
(
たい
)
し、
187
神
(
かみ
)
の
大命
(
たいめい
)
を
奉
(
ほう
)
じて
日本
(
にほん
)
神国
(
しんこく
)
のために
身心
(
しんしん
)
を
捧
(
ささ
)
げ、
188
麻柱
(
あななひ
)
の
大道
(
たいだう
)
を
実行
(
じつかう
)
する
大神津見
(
おほかむづみの
)
命
(
みこと
)
は、
189
今
(
いま
)
何処
(
いづこ
)
に
活躍
(
くわつやく
)
するぞ。
190
天下
(
てんか
)
の
濁流
(
だくりう
)
を
清
(
きよ
)
め
妖雲
(
えううん
)
を
一掃
(
いつさう
)
し、
191
災禍
(
さいくわ
)
を
滅
(
ほろぼ
)
し、
192
世界
(
せかい
)
万有
(
ばんいう
)
を
安息
(
あんそく
)
せしむる
神人
(
しんじん
)
は、
193
今
(
いま
)
や
何処
(
いづこ
)
に
出現
(
しゆつげん
)
せむとする
乎
(
か
)
。
194
実
(
じつ
)
に
現代
(
げんだい
)
は
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
の、
195
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
治乱
(
ちらん
)
興廃
(
こうはい
)
の
別
(
わか
)
るる
大峠
(
おほたうげ
)
の
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
であります。
196
(
大正九・一一・一
於五六七殿
外山豊二
録)
197
(
大正一一・二・一一
旧一・一五
谷村真友
再録)
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