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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
第1章 朝日丸
第2章 五十韻
第3章 身魂相応
第4章 烏の妻
第5章 三人世の元
第6章 火の玉
第2篇 四十八文字
第7章 蛸入道
第8章 改心祈願
第9章 鏡の池
第10章 仮名手本
第3篇 秘露より巴留へ
第11章 海の竜宮
第12章 身代り
第13章 修羅場
第14章 秘露の邂逅
第15章 ブラジル峠
第16章 霊縛
第17章 敵味方
第18章 巴留の関守
第4篇 巴留の国
第19章 刹那心
第20章 張子の虎
第21章 滝の村
第22章 五月姫
第23章 黒頭巾
第24章 盲目審神
第25章 火の車
第26章 讃嘆
第27章 沙漠
第28章 玉詩異
第29章 原山祇
第5篇 宇都の国
第30章 珍山峠
第31章 谷間の温泉
第32章 朝の紅顔
第33章 天上眉毛
第34章 烏天狗
第35章 一二三世
第36章 大蛇の背
第37章 珍山彦
第38章 華燭の典
第6篇 黄泉比良坂
第39章 言霊解一
第40章 言霊解二
第41章 言霊解三
第42章 言霊解四
第43章 言霊解五
余白歌
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<<< 珍山彦
(B)
(N)
言霊解一 >>>
第三八章
華燭
(
くわしよく
)
の
典
(
てん
)
〔三八八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
篇:
第5篇 宇都の国
よみ(新仮名遣い):
うづのくに
章:
第38章 華燭の典
よみ(新仮名遣い):
かしょくのてん
通し章番号:
388
口述日:
1922(大正11)年02月10日(旧01月14日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年6月15日
概要:
舞台:
ウヅの館
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一同は神前に神言を奏上し、賛美歌を唱えて休息していた。正鹿山津見はふすまを開けて入り来た。そして御飯の用意ができたことを告げた。
蚊々虎は妻のない正鹿山津見の様子を見て、一国の守護職であり宣伝使でもある正鹿山津見に、女房を世話しよう、と申し出た。そして、候補に五月姫を挙げた。
淤縢山津見が正鹿山津見にこのことを伝えた。また、蚊々虎の説き諭しに五月姫は涙を流して感謝の意を表し、承諾した。
ここに一同は盛大な結婚の式を挙げた。直会の宴のさなか、番頭の国彦がやってきて、聖地エルサレムから正鹿山津見を訪ねて三人の娘、松代姫、竹野姫、梅ケ香姫がやってきた、と伝えた。正鹿山津見は嬉しいことは重なるものだと言って喜んだ。
正鹿山津見はかつて聖地の天使長・桃上彦であった。兄・広宗彦や行成彦の神政を奪って体主霊従の限りを尽くし、地の高天原は混乱の極みに陥った。妻は病死し、自分は常世彦・常世姫によって追放されたのである。
船に乗っていたところ暴風にあって船は転覆したが、琴平別の亀に救われて竜宮城にいたり、門番となって長い間艱難辛苦を嘗めたが、日の出神に救われて、珍の国の守護職となった。
正鹿山津見の三人の娘は、神夢に感じてはるばるここに訪ねて来た。黄泉比良坂の上で黄泉軍を待ち討った伊弉諾命の三個の桃の実とは、すなわち桃上彦の三人の娘の活動を示したものである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
梅ケ香姫(梅香姫)
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-07 15:55:39
OBC :
rm0838
愛善世界社版:
268頁
八幡書店版:
第2輯 247頁
修補版:
校定版:
272頁
普及版:
119頁
初版:
ページ備考:
001
一同
(
いちどう
)
は
国魂
(
くにたま
)
の
神前
(
しんぜん
)
に
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
002
讃美歌
(
さんびか
)
を
唱
(
とな
)
へ
終
(
をは
)
つて
休息
(
きうそく
)
してゐた。
003
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
は
襖
(
ふすま
)
を
押開
(
おしあ
)
け
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
004
正鹿山津見
『
御飯
(
ごはん
)
が
出来
(
でき
)
ました。
005
どうぞ
御
(
お
)
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
006
何分
(
なにぶん
)
長
(
なが
)
らく
留守
(
るす
)
に
致
(
いた
)
して
置
(
お
)
きましたのと、
007
家内
(
かない
)
がないので
不行届
(
ふゆきとど
)
き、
008
不都合
(
ふつがふ
)
だらけですけれど』
009
と
挨拶
(
あいさつ
)
を
述
(
の
)
べ、
010
この
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
りぬ。
011
珍山彦
(
うづやまひこ
)
(蚊々虎)
『
皆
(
みな
)
の
方々
(
かたがた
)
、
012
今
(
いま
)
承
(
うけたま
)
はれば
正鹿
(
まさか
)
山津見
(
やまづみ
)
様
(
さま
)
は
女房
(
にようばう
)
が
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
013
一国
(
いつこく
)
の
守護職
(
しゆごしよく
)
として
宣伝使
(
せんでんし
)
を
兼
(
か
)
ねられた
急
(
いそ
)
がしい
身体
(
からだ
)
、
014
肝腎
(
かんじん
)
の
女房
(
にようばう
)
が
無
(
な
)
いとは
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
でないか。
015
一
(
ひと
)
つ
珍山彦
(
うづやまひこ
)
が
奥様
(
おくさま
)
を
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
しようと
思
(
おも
)
ふが
如何
(
どう
)
でせうな』
016
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は
膝
(
ひざ
)
をのり
出
(
だ
)
し、
017
駒山彦
『それは
結構
(
けつこう
)
だな。
018
適当
(
てきたう
)
の
候補者
(
こうほしや
)
の
見込
(
みこ
)
みがあるのかい』
019
珍山彦(蚊々虎)
『あらいでか、
020
確
(
たしか
)
にあるのだ。
021
吾々
(
われわれ
)
の
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
したいのは、
022
女
(
をんな
)
宣伝使
(
せんでんし
)
の
五月姫
(
さつきひめ
)
だよ。
023
ナア
五月
(
さつき
)
さま、
024
貴方
(
あなた
)
は
珍山峠
(
うづやまたうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
の
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
で、
025
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
さまは
誠
(
まこと
)
に
男
(
をとこ
)
らしい、
026
立派
(
りつぱ
)
な
御
(
お
)
顔付
(
かほつ
)
きの
方
(
かた
)
だと
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
ましたね、
027
御
(
ご
)
異存
(
いぞん
)
はありますまい』
028
五月姫
(
さつきひめ
)
は
黙
(
だま
)
つて
袖
(
そで
)
に
顔
(
かほ
)
を
隠
(
かく
)
す。
029
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は
言葉
(
ことば
)
せはしく、
030
駒山彦
『そらいかぬ。
031
お
人
(
ひと
)
が
違
(
ちが
)
ふではないかな。
032
貴様
(
きさま
)
はあれ
丈
(
だ
)
け
惚
(
ほ
)
れてゐたではないか。
033
俺
(
おれ
)
は
貴様
(
きさま
)
の
奥
(
おく
)
さまに
世話
(
せわ
)
したいと
思
(
おも
)
つてゐたのだ。
034
ソンナ
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬ。
035
遠
(
とほ
)
い
所
(
ところ
)
から
くす
ぐるやうに
謎
(
なぞ
)
かけをせずに、
036
「
五月姫
(
さつきひめ
)
殿
(
どの
)
、
037
珍山彦
(
うづやまひこ
)
の
女房
(
にようばう
)
になつて
下
(
くだ
)
さい」と、
038
男
(
をとこ
)
らしくキツパリと
切
(
き
)
り
出
(
だ
)
したら
如何
(
どう
)
だい。
039
奥歯
(
おくば
)
に
物
(
もの
)
の
詰
(
つま
)
つたやうな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひよつて、
040
何処
(
どこ
)
までも
図々
(
づうづう
)
しう
白
(
しら
)
ばくれる
男
(
をとこ
)
だな』
041
珍山彦(蚊々虎)
『
このはな
さまは
故
(
ゆゑ
)
あつて
女房
(
にようばう
)
は
持
(
もた
)
ぬのだ。
042
それ
丈
(
だけ
)
は
怺
(
こら
)
へて
呉
(
く
)
れ。
043
余
(
あんま
)
り
俺
(
おれ
)
が
洒落
(
しやれ
)
るものだから、
044
本当
(
ほんたう
)
にし
居
(
を
)
つて
痛
(
いた
)
うない
腹
(
はら
)
を
探
(
さぐ
)
られて
迷惑
(
めいわく
)
だよ。
045
さうぢやと
云
(
い
)
つて、
046
此
(
こ
)
の
可愛
(
かあい
)
らしい
五月姫
(
さつきひめ
)
が
嫌
(
きら
)
ひだと
云
(
い
)
ふのでは
無
(
な
)
い。
047
好
(
す
)
きの
好
(
す
)
きの
大好
(
だいす
)
きだが、
048
女房
(
にようばう
)
を
持
(
もた
)
れぬ
因縁
(
いんねん
)
があるのだよ』
049
駒山彦
『オイ
蚊々虎
(
かがとら
)
、
050
ドツコイ
珍山彦
(
うづやまひこ
)
、
051
その
因縁
(
いんねん
)
を
聞
(
き
)
かうかい』
052
珍山彦(蚊々虎)
『お
前
(
まへ
)
に
聞
(
き
)
かせるやうな、
053
因縁
(
いんねん
)
なら
何
(
な
)
に
隠
(
かく
)
さう。
054
こればかりは
怺
(
こら
)
へて
呉
(
く
)
れ。
055
俺
(
おれ
)
は
未
(
ま
)
だ
未
(
ま
)
だ
重大
(
ぢうだい
)
なる
任務
(
にんむ
)
があるのだから』
056
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は、
057
淤縢山津見
『ヤア
珍山
(
うづやま
)
さま、
058
貴方
(
あなた
)
の
事
(
こと
)
は
何
(
ど
)
うしても
吾々
(
われわれ
)
は
合点
(
がつてん
)
が
往
(
ゆ
)
かない。
059
丸切
(
まるき
)
り
天空
(
てんくう
)
を
翔
(
かけ
)
る
蛟竜
(
かうりう
)
の
如
(
ごと
)
く、
060
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
捕捉
(
ほそく
)
すべからずだ。
061
もう
何事
(
なにごと
)
も
言
(
い
)
ひませぬ。
062
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
に
任
(
まか
)
して
五月姫
(
さつきひめ
)
さまを、
063
此家
(
ここ
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
奥様
(
おくさま
)
に
推薦
(
すゐせん
)
したいものですな』
064
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は、
065
珍山彦(蚊々虎)
『どうか
貴方
(
あなた
)
も
御
(
ご
)
同意
(
どうい
)
ならば、
066
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
さまに
一
(
ひと
)
つ
掛合
(
かけあ
)
つて
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さいな』
067
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は『よろしい』といつて
其
(
そ
)
の
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
一室
(
ひとま
)
に
行
(
い
)
つた。
068
五月姫
(
さつきひめ
)
は
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめて
俯向
(
うつむ
)
いてゐる。
069
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は、
070
駒山彦
『これこれ
五月
(
さつき
)
さま、
071
女
(
をんな
)
にとつて
一生
(
いつしやう
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
、
072
俯向
(
うつむ
)
いてばかり
居
(
を
)
つては
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
らぬ、
073
珍山
(
うづやま
)
さまにするか、
074
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
さまにするか、
075
右
(
みぎ
)
か
左
(
ひだり
)
か
返答
(
へんたふ
)
しなさい。
076
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
あらば
吾々
(
われわれ
)
に、
077
隔
(
へだ
)
ても
何
(
なに
)
もない
仲
(
なか
)
だ、
078
キツパリ
云
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
079
万々一
(
まんまんいち
)
両人
(
ふたり
)
の
御
(
お
)
方
(
かた
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らねば、
080
外
(
ほか
)
に
候補者
(
こうほしや
)
も
無
(
な
)
いことはありませぬよ。
081
コーと
云
(
い
)
ふ
頭字
(
かしらじ
)
のついた
人
(
ひと
)
を
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
致
(
いた
)
しませうか』
082
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
駒山彦
(
こまやまひこ
)
の
顔
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
083
珍山彦(蚊々虎)
『ウフヽヽヽ』
084
五月姫
(
さつきひめ
)
は
漸
(
やうや
)
くに
面
(
おもて
)
を
上
(
あ
)
げて、
085
五月姫
『ハイハイ、
086
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
さまさへ
御
(
ご
)
異存
(
いぞん
)
無
(
な
)
くば』
087
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて、
088
珍山彦(蚊々虎)
『お
出
(
い
)
でたお
出
(
い
)
でた、
089
願望
(
ぐわんもう
)
成就
(
じやうじゆ
)
、
090
時
(
とき
)
到
(
いた
)
れりだ。
091
ヤア、
092
さすがは
五月姫
(
さつきひめ
)
殿
(
どの
)
、
093
天晴
(
あつぱ
)
れ
天晴
(
あつぱ
)
れ、
094
よう
目
(
め
)
が
利
(
き
)
いた。
095
夫
(
そ
)
れでこそ
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
096
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つたを
吉日
(
きちにち
)
に、
097
今日
(
けふ
)
婚礼
(
こんれい
)
の
式
(
しき
)
を
挙
(
あ
)
げませう』
098
駒山彦
(
こまやまひこ
)
は、
099
駒山彦
『コラコラ、
100
珍山彦
(
うづやまひこ
)
、
101
一方
(
いつぱう
)
が
承知
(
しようち
)
したつて、
102
一方
(
いつぱう
)
が
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふか
判
(
わか
)
りはしない、
103
鮑
(
あはび
)
の
片想
(
かたおも
)
ひかも
知
(
し
)
れないのに、
104
よく
周章
(
あわ
)
てる
奴
(
やつ
)
だな』
105
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『なに
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だよ。
106
猫
(
ねこ
)
に
鰹節
(
かつをぶし
)
だ、
107
狐
(
きつね
)
に
鼠
(
ねずみ
)
の
油揚
(
あぶらあげ
)
だ、
108
二
(
ふた
)
つ
返事
(
へんじ
)
で
喰
(
く
)
ひつき
遊
(
あそ
)
ばす
事
(
こと
)
は、
109
請合
(
うけあ
)
ひの
西瓜
(
すゐくわ
)
だ、
110
中
(
なか
)
まで
真赤
(
まつか
)
だ。
111
コレコレ
五月姫
(
さつきひめ
)
さま、
112
貴方
(
あなた
)
も
今
(
いま
)
までは
押
(
お
)
しも
押
(
お
)
されもせぬ
一人前
(
いちにんまへ
)
の
女
(
をんな
)
だ、
113
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も
同
(
おな
)
じ
権利
(
けんり
)
だつた、
114
言
(
い
)
はば
男女
(
だんぢよ
)
同権
(
どうけん
)
。
115
しかし
今日
(
けふ
)
から
結婚
(
けつこん
)
したが
最後
(
さいご
)
、
116
夫
(
をつと
)
に
随
(
したが
)
はねばならぬ。
117
夫唱
(
ふしやう
)
婦従
(
ふじゆう
)
の
天則
(
てんそく
)
を
守
(
まも
)
り、
118
主人
(
しゆじん
)
によう
仕
(
つか
)
へ、
119
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
を
治
(
をさ
)
めて
行
(
ゆ
)
くのが
貴女
(
あなた
)
の
役
(
やく
)
だよ。
120
男女
(
だんぢよ
)
同権
(
どうけん
)
でも、
121
夫婦
(
ふうふ
)
同権
(
どうけん
)
でないから、
122
それを
忘
(
わす
)
れぬやうに
良妻
(
りやうさい
)
賢母
(
けんぼ
)
の
鑑
(
かがみ
)
を
出
(
だ
)
して、
123
三五教
(
あななひけう
)
の
光
(
ひかり
)
を
天下
(
てんか
)
に
現
(
あら
)
はすのだ。
124
広
(
ひろ
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
夫
(
をつと
)
となり
妻
(
つま
)
となるのも
深
(
ふか
)
い
深
(
ふか
)
い
因縁
(
いんねん
)
だ、
125
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
引合
(
ひきあは
)
せだから、
126
決
(
けつ
)
して
気儘
(
きまま
)
を
出
(
だ
)
してはいけませぬぞ。
127
私
(
わたし
)
が
珍山峠
(
うづやまたうげ
)
で
御
(
お
)
話
(
はな
)
ししたやうに、
128
どうぞ
この
花
(
はな
)
婿
(
むこ
)
を
大切
(
たいせつ
)
にして
蓮
(
はす
)
の
台
(
うてな
)
に
末永
(
すゑなが
)
う、
129
必
(
かなら
)
ず
祝姫
(
はふりひめ
)
の
二
(
に
)
の
舞
(
まひ
)
を
踏
(
ふ
)
まぬやうにして
下
(
くだ
)
さい。
130
頼
(
たの
)
みます』
131
五月姫
(
さつきひめ
)
は
涙
(
なみだ
)
をボロボロと
零
(
こぼ
)
しながら、
132
五月姫
『ハイ、
133
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで、
134
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
は
孫子
(
まごこ
)
の
時代
(
じだい
)
は
愚
(
おろ
)
か、
135
五六七
(
みろく
)
の
世
(
よ
)
まで
決
(
けつ
)
して
忘
(
わす
)
れは
致
(
いた
)
しませぬ。
136
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
教訓
(
けうくん
)
は
必
(
かなら
)
ず
固
(
かた
)
く
守
(
まも
)
ります。
137
御
(
ご
)
安心
(
あんしん
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
138
駒山彦
『ナント
珍山
(
うづやま
)
、
139
貴様
(
きさま
)
は
変
(
へん
)
な
男
(
をとこ
)
だねー。
140
ホンニ
合点
(
がつてん
)
のゆかぬ
男
(
をとこ
)
だ。
141
コンナ
別嬪
(
べつぴん
)
を
人
(
ひと
)
にやるなどと、
142
ナントした
変人
(
へんじん
)
だらう。
143
が
併
(
しか
)
し
感心
(
かんしん
)
だ。
144
この
駒山
(
こまやま
)
だつたら
迚
(
とて
)
も
其処
(
そこ
)
まで
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
らぬからなー』
145
斯
(
か
)
く
話
(
はな
)
す
折
(
をり
)
しも、
146
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
は
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
に
伴
(
ともな
)
はれ、
[
※
御校正本・愛世版では「淤縢山津見は正鹿山津見を伴ひ」だが、校定版・八幡版では「正鹿山津見は淤縢山津見に伴はれ」に修正されている。後に続く「御一同様~」のセリフは正鹿山津見のセリフであるため、御校正本は主語が間違っている。そのため霊界物語ネットでは校定版に準拠して文章を修正した。
]
147
この
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
叮嚀
(
ていねい
)
に
辞儀
(
じぎ
)
をしながら、
148
正鹿山津見
『
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
様
(
さま
)
、
149
いろいろと
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
になつた
上
(
うへ
)
、
150
今度
(
こんど
)
は
結構
(
けつこう
)
な
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
を
下
(
くだ
)
さいまして
有難
(
ありがた
)
う。
151
御恩
(
ごおん
)
の
返
(
かへ
)
し
様
(
やう
)
は、
152
もう
御座
(
ござ
)
りませぬ』
153
と
感謝
(
かんしや
)
の
意
(
い
)
を
漏
(
もら
)
した。
154
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は、
155
珍山彦(蚊々虎)
『あゝ
結構
(
けつこう
)
々々
(
けつこう
)
、
156
それで
安心
(
あんしん
)
して
吾々
(
われわれ
)
も
宣伝
(
せんでん
)
に
参
(
まゐ
)
ります。
157
どうぞ
幾久
(
いくひさ
)
しく
夫婦
(
ふうふ
)
仲好
(
なかよ
)
くして
此
(
こ
)
の
神国
(
かみくに
)
を
永遠
(
ゑいゑん
)
に
治
(
をさ
)
めて
下
(
くだ
)
さい。
158
一朝
(
いつてう
)
事
(
こと
)
ある
時
(
とき
)
は、
159
夫婦
(
ふうふ
)
諸共
(
もろとも
)
神界
(
しんかい
)
の
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
160
と
日
(
ひ
)
ごろ
快活
(
くわいくわつ
)
な
男
(
をとこ
)
に
似
(
に
)
ず、
161
声
(
こゑ
)
を
曇
(
くも
)
らして
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
を
零
(
こぼ
)
し
居
(
ゐ
)
たり。
162
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は、
163
淤縢山津見
『ヤア、
164
斯
(
か
)
く
話
(
はなし
)
が
纏
(
まと
)
まつた
上
(
うへ
)
は、
165
善事
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げだ。
166
早
(
はや
)
く
神前
(
しんぜん
)
結婚
(
けつこん
)
の
用意
(
ようい
)
にかかりませうか』
167
茲
(
ここ
)
に
一同
(
いちどう
)
は
家
(
いへ
)
の
子
(
こ
)
郎党
(
らうたう
)
と
共
(
とも
)
に、
168
盛大
(
せいだい
)
なる
結婚
(
けつこん
)
の
式
(
しき
)
を
挙
(
あ
)
げける。
169
一同
(
いちどう
)
は
直会
(
なほらい
)
の
宴
(
えん
)
にうつり、
170
各
(
おのおの
)
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
ち
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
ひ、
171
感興
(
かんきよう
)
湧
(
わ
)
くが
如
(
ごと
)
き
折
(
をり
)
しも、
172
番頭
(
ばんとう
)
の
国彦
(
くにひこ
)
は
襖
(
ふすま
)
を
開
(
ひら
)
いて、
173
国彦
『
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
に
申上
(
まをしあ
)
げます。
174
只今
(
ただいま
)
ヱルサレムの
聖地
(
せいち
)
から
松代姫
(
まつよひめ
)
、
175
竹野姫
(
たけのひめ
)
、
176
梅香姫
(
うめがかひめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
御
(
お
)
嬢
(
ぢやう
)
様
(
さま
)
が、
177
「
御
(
お
)
父
(
とう
)
様
(
さま
)
の
住家
(
すみか
)
は
此処
(
ここ
)
か」と
云
(
い
)
つて、
178
一人
(
ひとり
)
の
供
(
とも
)
を
伴
(
つ
)
れて
御
(
お
)
出
(
い
)
でになりました。
179
如何
(
いか
)
が
取計
(
とりはか
)
らひませうか』
180
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
は
驚
(
おどろ
)
きながら、
181
正鹿山津見
『あゝ
嬉
(
うれ
)
しいことが
重
(
かさ
)
なるものだな』
182
一同
(
いちどう
)
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて、
183
ウローウロー。
184
附言
(
ふげん
)
185
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
は、
186
聖地
(
せいち
)
ヱルサレムの
天使長
(
てんしちやう
)
であつた
桃上彦
(
ももがみひこの
)
命
(
みこと
)
である。
187
兄
(
あに
)
広宗彦
(
ひろむねひこの
)
命
(
みこと
)
、
188
行成彦
(
ゆきなりひこの
)
命
(
みこと
)
の
神政
(
しんせい
)
を
奪
(
うば
)
ひ、
189
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじゆう
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
し、
190
地
(
ち
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
は
為
(
ため
)
に
混乱
(
こんらん
)
紛糾
(
ふんきう
)
の
極
(
きよく
)
に
陥
(
おちい
)
り、
191
その
妻
(
つま
)
は
病死
(
びやうし
)
し、
192
自分
(
じぶん
)
は
常世彦
(
とこよひこ
)
、
193
常世姫
(
とこよひめ
)
のために、
194
或
(
ある
)
一
(
いち
)
時
(
じ
)
の
失敗
(
しつぱい
)
より
追放
(
つゐはう
)
され、
195
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
を
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
して
住
(
す
)
み
慣
(
な
)
れし
都
(
みやこ
)
を
後
(
あと
)
に、
196
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
に
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも、
197
暴風
(
ばうふう
)
に
逢
(
あ
)
ひ
船
(
ふね
)
は
忽
(
たちま
)
ち
顛覆
(
てんぷく
)
し、
198
琴平別
(
ことひらわけ
)
の
亀
(
かめ
)
に
救
(
すく
)
はれ
竜宮城
(
りうぐうじやう
)
にいたり、
199
門番
(
もんばん
)
となり
果
(
は
)
てし
折
(
をり
)
しも、
200
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
救
(
すく
)
はれ、
201
この
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
の
守護職
(
しゆごしよく
)
となれるなり。
202
この
事
(
こと
)
を
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
は、
203
神夢
(
しんむ
)
に
感
(
かん
)
じて
遥々
(
はるばる
)
此処
(
ここ
)
に
尋
(
たづ
)
ね
来
(
き
)
たり。
204
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
の
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
に
於
(
おい
)
て、
205
黄泉軍
(
よもついくさ
)
を
待
(
ま
)
ち
討
(
う
)
ち
給
(
たま
)
ひし
伊弉諾
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
の
三個
(
さんこ
)
の
桃
(
もも
)
の
実
(
み
)
は、
206
即
(
すなは
)
ち
桃上彦
(
ももがみひこの
)
命
(
みこと
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
示
(
しめ
)
されたるなり。
207
(
大正一一・二・一〇
旧一・一四
外山豊二
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
言霊解一 >>>
霊界物語
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