霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二九章 原山祇(はらやまし)〔三七九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻 篇:第4篇 巴留の国 よみ(新仮名遣い):はるのくに
章:第29章 原山祇 よみ(新仮名遣い):はらやまし 通し章番号:379
口述日:1922(大正11)年02月09日(旧01月13日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
五人の宣伝使(淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、高彦、五月姫)は、蚊々虎を先頭に宣伝歌を歌いながら城下に進んで行く。
城下の人々はこの様を見て、噂話をしている。それによると、さいぜん巴留の都へやってきた三五教の宣伝使は、鷹取別の手下によって瀕死の目に合わされた上、沙漠に埋められてしまった、という。
また、先ほど戻ってきた駱駝隊は、真っ青な顔で火の玉が出た、と言って逃げ帰ってきたという。
宣伝歌を歌いながら城下に迫ると、幾千とも数え切れないほどの天磐船が、北方指して逃げていくのが見えた。
高彦が見上げると、城のやぐらには、巨大な火の玉が五色の輝きを見せて空中に揺らいでいた。一同は思わず大地に平伏し、拍手をして天津祝詞を奏上した。
淤縢山津見は高彦を巴留の国の守護に任命し、原山津見と命名した。そして天教山に急使を馳せて、木花姫の認許を奏上した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例:章題のフリガナは御校正本では「はらやまし」だが、校定版では「はらやまづみ」に直してある。 データ最終更新日:2020-06-10 19:35:35 OBC :rm0829
愛善世界社版:197頁 八幡書店版:第2輯 221頁 修補版: 校定版:200頁 普及版:87頁 初版: ページ備考:
001 ()(にん)宣伝使(せんでんし)は、002巴留(はる)城下(じやうか)()して宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、003ドンドンと(すす)んで()く。004蚊々虎(かがとら)先頭(せんとう)()()白黒(しろくろ)(なが)ら、005前後(ぜんご)左右(さいう)()(くば)り、006何時(いつ)(てき)襲来(しふらい)せむも(はか)(がた)し、007()らば鉄拳(てつけん)(くは)へむと(こぶし)(にぎ)り、008(かた)(いか)らし、009異様(いやう)(あし)つきにて(すす)()く。010城下(じやうか)には彼方(あちら)にも此方(こちら)にも(さん)(にん)011()(にん)012(じふ)(にん)(たか)つてこの宣伝使(せんでんし)扮装(いでたち)()て、013種々(とりどり)(うはさ)をやつて()る。
014(かふ)『オイこの(あひだ)()宣伝使(せんでんし)は、015鷹取別(たかとりわけ)さまに惨酷(ひど)()()つて、016沙漠(さばく)(なか)(うづ)められて仕舞(しま)ひよつたと()(こと)だが、017(いま)()(やつ)はよつぽど(つよ)さうな(やつ)ぢや()いか。018きつと仕返(しかへ)しに()よつたのだらう。019また(ひと)面白(おもしろ)騒動(さうだう)がオツ(ぱじ)まるぜ。020あのギロギロした()(たま)()い。021あんな()(ひと)(にら)まれたら、022なんぼ()威勢(ゐせい)(たか)鷹取別(たかとりわけ)さまでも、023(ちぢ)(あが)つて(しま)ふぜ』
024(おつ)(なに)025あの(こし)()よ、026()(まが)つて仕舞(しま)つてるぢやないか。027(えら)さうに大道(だいだう)大手(おほで)()つて、028八王神(やつこすがみ)(やう)六方(ろつぱう)御校正本・愛世版では「六歩」だが、校定版・八幡版では「六方」に直してある。意味としては「六方」の方が妥当であるため、霊界物語ネットでもそのように直した。()んで(ある)いてるが、029コンナ(やつ)(こし)()のやうに()もなく(つま)()されてしまふよ』
030(かふ)ヨウ031あれは(なん)だ。032素適(すてき)別嬪(べつぴん)()るぞ。033気楽(きらく)宣伝使(せんでんし)だなあ。034(かかあ)()れよつて、035コンナ(てき)城下(じやうか)へ、036(うた)(うた)つて()るなんて、037よほど度胸(どきよう)()くては、038やれた(げい)では()いぜ』
039(かふ)『たつた(いま)040()城内(じやうない)駱駝隊(らくだたい)(えら)(いきほひ)()きよつたが、041(かへ)(とき)蒼白(まつさを)(かほ)して()(たま)()たとか()つて()げて(かへ)つたでないか。042彼奴(あいつ)余程(よつぽど)(えら)(やつ)だぜ』
043 蚊々虎(かがとら)はこの(こゑ)(みみ)(はさ)んで得意顔(とくいがほ)
044蚊々虎『オーイ、045其処(そこ)()人間(にんげん)(ども)046(いま)(なん)()つた、047()(たま)()たと()つたらう』
048一同(いちどう)『ハイハイ(まを)しました』
049蚊々虎『その()(たま)何処(どこ)から()たのか(わか)つてるか。050勿体(もつたい)なくも三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(さま)(これ)(ひか)つたのだよ』
051(ゆび)自分(じぶん)()()して()せる。
052高彦(たかひこ)『コラコラ道草(みちくさ)()はずにズツ()かぬか』
053蚊々虎(かがとら)(なん)だい、054(ひと)(うし)(うま)かのやうに()かしよつて、055(なん)でも()いワイ。056蚊々虎(かがとら)さまに()いて()い。057恐相(こはさう)()(にん)真中(まんなか)這込(はい)りよつて、058高彦(たかひこ)059その(ざま)()んだ。060矢面(やおもて)()つのは矢張(やつぱ)蚊々虎(かがとら)さまだ。061(うた)(うた)へ』
062 一同(いちどう)(こゑ)(そろ)へて、
063一同(かみ)(おもて)(あら)はれて
064(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
065(おご)高振(たかぶ)()(ひと)
066目下(めした)見下(みおろ)鬼瓦(おにがはら)
067(さむ)(あつ)いも()らず(がほ)
068天狗(てんぐ)(はな)鷹取別(たかとりわけ)
069巴留(はる)(みやこ)(あら)はれて
070生血(なまち)(しぼ)民草(たみぐさ)
071(あせ)(あぶら)()うて()
072(かみ)(おもて)(あら)はれて
073(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
074(まこと)のものは久方(ひさかた)
075天津(あまつ)御国(みくに)(たす)()
076地獄(ぢごく)のやうな巴留(はる)(くに)
077(はる)()れども(はな)()かず
078(あき)()れども()()らず
079(ふゆ)(さむ)さにブルブルと
080(ふる)(をのの)民草(たみぐさ)
081(たす)けむ()めの宣伝使(せんでんし)
082巴留(はる)(みやこ)人々(ひとびと)
083(かみ)(をしへ)()(さま)
084朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
085(つき)()つとも()くるとも
086たとへ大地(だいち)(しづ)むとも
087(まこと)(かみ)(まも)ります
088三五教(あななひけう)()(すく)
089(おと)名高(なだか)淤縢山津見(おどやまづみ)
090(うづ)(みこと)宣伝使(せんでんし)
091(ひか)(かがや)蚊々虎(かがとら)
092(ふた)つの(まなこ)(てら)されて
093常世(とこよ)枉津見(まがつみ)()げて()
094黒白(あやめ)(わか)五月空(さつきぞら)
095()出神(でのかみ)(あら)はれて
096世界(せかい)(てら)五月姫(さつきひめ)
097四方(よも)(ふさ)がる村肝(むらきも)
098(こころ)駒山彦(こまやまひこ)(かみ)
099さしもに(ひろ)大沙漠(だいさばく)
100駱駝(らくだ)(せな)(またが)りて
101神徳(しんとく)(たか)高彦(たかひこ)
102(みち)(をし)ふる宣伝使(せんでんし)
103巴留(はる)(みやこ)人々(ひとびと)
104(まなこ)(あら)()()ませ
105(まなこ)(あら)つて()()ませ
106(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
107直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
108(まこと)(かみ)宣伝使(せんでんし)
109()めず(おそ)れずドンドンと
110(われ)らが(まへ)(あら)はれて
111(すく)ひの(みち)(はや)()
112(すく)ひの(ふね)(はや)()
113()(おく)れなよ(かみ)(ふね)
114(うた)(なが)(なん)(おそ)()もなく、115鷹取別(たかとりわけ)城門(じやうもん)(むか)ふ。116このとき天空(てんくう)(とどろ)かして幾千(いくせん)とも(かぞ)へきれぬ天磐船(あまのいはふね)117鳥船(とりふね)北方(ほつぱう)(てん)(たか)姿(すがた)(かく)しける。
118 淤縢山津見(おどやまづみ)平然(へいぜん)として、
119淤縢山津見『アハヽヽヽさすがの鷹取別(たかとりわけ)言霊(ことたま)偉力(ゐりよく)(おそ)宣伝歌(せんでんか)(ちぢ)(あが)つて()げよつたな。120(やいば)(ちぬ)らずして(かつ)とはこの(こと)だ。121(しか)油断(ゆだん)大敵(たいてき)122一同(いちどう)(もの)()()けられよ』
123蚊々虎(なん)宣伝使(せんでんし)(さま)124蚊々虎(かがとら)言霊(ことたま)(かぎ)りますなあ。125最前(さいぜん)最前(さいぜん)()雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)吾々(われわれ)鼻息(はないき)()()つたかと(おも)へば、126(また)もや吾々(われわれ)宣伝歌(せんでんか)(ちぢ)()がつて()げてしまつた。127真実(ほんたう)(なん)是程(これほど)128この蚊々虎(かがとら)神力(しんりき)(おほ)いのか()らぬ。129(われ)ながら驚嘆(きやうたん)するの(ほか)()いぢやないですか』
130高彦『コラコラ貴様(きさま)ばつかり功名(こうみやう)横取(よこど)仕様(しやう)(おも)つても、131さうはさせぬぞ。132(みな)()出神(でのかみ)(さま)()守護(しゆご)だ。133貴様(きさま)(おれ)()(ひか)つたのだなんて法螺(ほら)()きよつたが、134あれを()よ。135(しろ)(やぐら)(うへ)(おほ)きな()(たま)(あら)はれて()るぢやないか』
136 一同(いちどう)(やぐら)(まなこ)(そそ)げば、137高彦(たかひこ)(げん)のごとく皎々(かうかう)赫々(くわくくわく)たる巨大(きよだい)なる()(たま)は、138五色(ごしき)(かがや)きを()せて空中(くうちう)()らいで()る。139一同(いちどう)(おも)はずアツと()(なが)大地(だいち)平伏(へいふく)し、140拍手(はくしゆ)して天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)したり。141(ここ)淤縢山津見(おどやまづみ)高彦(たかひこ)をこの(くに)守護神(まもりがみ)として原山(はらやま)津見(づみ)命名(めいめい)し、142急使(きふし)()せて天教山(てんけうざん)木花姫(このはなひめ)御許(みもと)認許(にんきよ)奏上(そうじやう)したりける。
143大正一一・二・九 旧一・一三 北村隆光録)
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