霊界物語.ネット
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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
第1章 朝日丸
第2章 五十韻
第3章 身魂相応
第4章 烏の妻
第5章 三人世の元
第6章 火の玉
第2篇 四十八文字
第7章 蛸入道
第8章 改心祈願
第9章 鏡の池
第10章 仮名手本
第3篇 秘露より巴留へ
第11章 海の竜宮
第12章 身代り
第13章 修羅場
第14章 秘露の邂逅
第15章 ブラジル峠
第16章 霊縛
第17章 敵味方
第18章 巴留の関守
第4篇 巴留の国
第19章 刹那心
第20章 張子の虎
第21章 滝の村
第22章 五月姫
第23章 黒頭巾
第24章 盲目審神
第25章 火の車
第26章 讃嘆
第27章 沙漠
第28章 玉詩異
第29章 原山祇
第5篇 宇都の国
第30章 珍山峠
第31章 谷間の温泉
第32章 朝の紅顔
第33章 天上眉毛
第34章 烏天狗
第35章 一二三世
第36章 大蛇の背
第37章 珍山彦
第38章 華燭の典
第6篇 黄泉比良坂
第39章 言霊解一
第40章 言霊解二
第41章 言霊解三
第42章 言霊解四
第43章 言霊解五
余白歌
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【磐座信仰】三輪山の三つの磐座と山添村の巨石群
★☆★
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第8巻(未の巻)
> 第4篇 巴留の国 > 第24章 盲目審神
<<< 黒頭巾
(B)
(N)
火の車 >>>
第二四章
盲目
(
めくら
)
審神
(
さには
)
〔三七四〕
インフォメーション
著者:
巻:
篇:
よみ(新仮名遣い):
章:
よみ(新仮名遣い):
通し章番号:
口述日:
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
概要:
舞台:
あらすじ
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【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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データ最終更新日:
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rm0824
愛善世界社版:
八幡書店版:
修補版:
校定版:
普及版:
初版:
ページ備考:
001
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
の
奥殿
(
おくでん
)
の
広
(
ひろ
)
き
一間
(
ひとま
)
は、
002
夕食
(
ゆふしよく
)
の
用意
(
ようい
)
調
(
ととの
)
へられ、
003
一応
(
いちおう
)
主客
(
しゆきやく
)
の
慇懃
(
いんぎん
)
なる
挨拶
(
あいさつ
)
も
終
(
をは
)
りて
各自
(
かくじ
)
晩餐
(
ばんさん
)
の
席
(
せき
)
に
着
(
つ
)
きぬ。
004
夕食
(
ゆふしよく
)
も
茲
(
ここ
)
に
相済
(
あひす
)
み、
005
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
神床
(
かむどこ
)
に
向
(
むか
)
つて
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
する。
006
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
は
一行
(
いつかう
)
に
向
(
むか
)
ひ
慇懃
(
いんぎん
)
にその
労
(
らう
)
を
謝
(
しや
)
し、
007
且
(
か
)
つ、
008
闇山津見
『
折
(
を
)
り
入
(
い
)
つて
宣伝使
(
せんでんし
)
にお
訊
(
たづ
)
ね
申
(
まを
)
し
度
(
た
)
き
事
(
こと
)
があります。
009
何卒
(
どうぞ
)
御
(
ご
)
教示
(
けうじ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
010
と
云
(
い
)
ふ。
011
淤縢山津見
『
何事
(
なにごと
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
012
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
伺
(
うかが
)
つて
見
(
み
)
ませう』
013
蚊々虎
『
宇宙
(
うちう
)
万有
(
ばんいう
)
一切
(
いつさい
)
の
事
(
こと
)
を
説
(
と
)
き
明
(
あか
)
す
宣伝使
(
せんでんし
)
、
014
大
(
だい
)
は
宇宙
(
うちう
)
より
小
(
せう
)
は
虱
(
しらみ
)
の
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
まで』
015
淤縢山津見
『コラコラ
蚊々虎
(
かがとら
)
、
016
お
黙
(
だま
)
りなさい』
017
闇山津見
『
私
(
わたくし
)
は
高天原
(
たかあまはら
)
に
坐
(
まし
)
ましたる
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
が、
018
黄泉
(
よもつ
)
の
国
(
くに
)
へお
出
(
いで
)
ましになつたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
承
(
うけたま
)
はつて
居
(
ゐ
)
ました。
019
然
(
しか
)
るに
此
(
この
)
ごろ
常世
(
とこよ
)
のロッキー
山
(
ざん
)
に
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
が
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
うたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
巴留国
(
はるのくに
)
の
棟梁
(
とうりやう
)
鷹取別
(
たかとりわけ
)
より
承
(
うけたま
)
はりました。
020
二人
(
ふたり
)
の
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
がおありなさるとすれば、
021
どちら
が
真実
(
ほんたう
)
で
御座
(
ござ
)
いませうか。
022
吾々
(
われわれ
)
はその
去就
(
きよしう
)
に
迷
(
まよ
)
ひ、
023
どうとかしてその
真偽
(
しんぎ
)
を
究
(
きは
)
め
度
(
た
)
きものと、
024
日夜
(
にちや
)
祈願
(
きぐわん
)
をして
居
(
を
)
りました。
025
然
(
しか
)
るに
昨夜
(
さくや
)
の
夢
(
ゆめ
)
に「
明日
(
みやうにち
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
がこの
国
(
くに
)
へ
来
(
く
)
るから、
026
五月姫
(
さつきひめ
)
を
迎
(
むか
)
ひに
遣
(
つか
)
はせ」とのお
告
(
つ
)
げでありました。
027
それ
故
(
ゆゑ
)
今日
(
こんにち
)
は
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
を
町端
(
まちはづ
)
れの
国魂
(
くにたま
)
の
森
(
もり
)
に
群衆
(
ぐんしう
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
ませ、
028
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
出
(
いで
)
を
待
(
ま
)
たせて
居
(
を
)
りましたところ、
029
夢
(
ゆめ
)
のお
告
(
つ
)
げの
通
(
とほ
)
り、
030
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に、
031
お
目
(
め
)
に
懸
(
かか
)
つたのも、
032
全
(
まつた
)
く
御
(
ご
)
神示
(
しんじ
)
の
動
(
うご
)
かぬところと
深
(
ふか
)
く
信
(
しん
)
じます。
033
この
事
(
こと
)
について
何卒
(
どうか
)
御
(
ご
)
教示
(
けうじ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
034
淤縢山津見
『サア
確
(
たし
)
かに
吾々
(
われわれ
)
は
竜宮城
(
りうぐうじやう
)
より
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
のお
供
(
とも
)
を
致
(
いた
)
して
参
(
まゐ
)
りましたが、
035
途中
(
とちう
)
で
別
(
わか
)
れました。
036
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
には
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
生神
(
いきがみ
)
と、
037
面那芸
(
つらなぎの
)
司
(
かみ
)
がお
伴
(
とも
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
る
筈
(
はず
)
であります。
038
ロッキー
山
(
ざん
)
に、
039
これから
行
(
ゆ
)
くと
仰
(
あふ
)
せになりましたから、
040
それが
真実
(
まこと
)
の
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
でありませう』
041
蚊々虎
(
かがとら
)
の
身体
(
しんたい
)
は
俄
(
にはか
)
に
振動
(
しんどう
)
を
始
(
はじ
)
め、
042
遂
(
つひ
)
には
口
(
くち
)
を
切
(
き
)
り、
043
蚊々虎
『オヽヽ
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
、
044
汝
(
なんぢ
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
は
違
(
ちが
)
ふぞ
違
(
ちが
)
ふぞ。
045
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
は、
046
テヽヽ
矢張
(
やつぱ
)
り
云
(
い
)
はれぬ、
047
云
(
い
)
はれぬ。
048
ロッキー
山
(
ざん
)
に
現
(
あら
)
はれたのは、
049
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
妻
(
つま
)
大国姫
(
おほくにひめ
)
の
化
(
ば
)
け
神
(
がみ
)
だぞよ』
050
淤縢山津見
『
汝
(
なんぢ
)
は
何
(
いづ
)
れの
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
ぞ、
051
現
(
げん
)
に
吾々
(
われわれ
)
は
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
のお
伴
(
とも
)
をして
海上
(
かいじやう
)
に
別
(
わか
)
れたのだ。
052
その
時
(
とき
)
のお
言葉
(
ことば
)
に、
053
これよりロッキー
山
(
ざん
)
に
立籠
(
たてこも
)
ると
仰
(
あふ
)
せになつた。
054
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
吾
(
われ
)
を
偽
(
いつは
)
る
邪神
(
じやしん
)
であらう』
055
蚊々虎
(
かがとら
)
は
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
揚
(
あ
)
げながら
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り、
056
蚊々虎
『
違
(
ちが
)
ふ
違
(
ちが
)
ふ、
057
サツパリ
違
(
ちが
)
ふ。
058
ロッキー
山
(
ざん
)
の
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
は、
059
大国姫
(
おほくにひめ
)
だ。
060
もつと
確
(
しつ
)
かり
審神
(
さには
)
を
致
(
いた
)
せ。
061
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
何
(
いづ
)
れの
神
(
かみ
)
と
思
(
おも
)
うて
居
(
を
)
るか。
062
盲人
(
めくら
)
の
審神者
(
さには
)
、
063
モーちつと
霊眼
(
れいがん
)
を
開
(
ひら
)
いて、
064
我
(
わ
)
が
正体
(
しやうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けよ』
065
淤縢山津見
『
如何
(
いか
)
に
巧
(
たくみ
)
に
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つるとも、
066
この
審神者
(
さには
)
の
眼
(
め
)
を
暗
(
くら
)
ます
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まい。
067
外
(
ほか
)
の
事
(
こと
)
ならいざ
知
(
し
)
らず、
068
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
事
(
こと
)
に
就
(
つ
)
いては
此
(
この
)
方
(
はう
)
確
(
たしか
)
に
見届
(
みとど
)
けてある。
069
偽
(
いつは
)
りを
云
(
い
)
ふな、
070
退
(
さが
)
れ
退
(
さが
)
れ』
071
蚊々虎
『
断
(
だん
)
じて
退
(
さが
)
らぬ。
072
汝
(
なんぢ
)
の
霊眼
(
れいがん
)
の
開
(
ひら
)
くるまで』
073
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
両手
(
りやうて
)
を
組
(
く
)
み、
074
霊縛
(
れいばく
)
を
加
(
くは
)
へむとす。
075
蚊々虎
(
かがとら
)
は
大口
(
おほぐち
)
開
(
あ
)
けて、
076
蚊々虎
『ウワハヽヽー
小癪
(
こしやく
)
な、
077
やり
居
(
を
)
るワイ。
078
ウワハヽヽー
余
(
あま
)
り
可笑
(
をかし
)
うて
腹
(
はら
)
の
皮
(
かは
)
が
捻
(
よ
)
れるワイ。
079
ウワハヽヽー』
080
淤縢山津見
『
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
様
(
さま
)
、
081
この
神懸
(
かむがか
)
りは
当
(
あて
)
にはなりませぬ。
082
大変
(
たいへん
)
な
大曲津
(
おほまがつ
)
が
憑
(
くつ
)
ついて
居
(
ゐ
)
ます。
083
あの
通
(
とほ
)
り
笑
(
わら
)
ひ
転
(
こ
)
けて、
084
吾々
(
われわれ
)
を
嘲弄
(
てうろう
)
いたす
強太
(
しぶと
)
い
悪神
(
あくがみ
)
。
085
コンナ
奴
(
やつ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
信
(
しん
)
じなくても
宜
(
よろ
)
しい。
086
吾々
(
われわれ
)
は
生
(
いき
)
た
証拠人
(
しようこにん
)
、
087
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
は、
088
この
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
のロッキー
山
(
ざん
)
に
確
(
たしか
)
に
居
(
を
)
られます』
089
蚊々虎
(
かがとら
)
は
又
(
また
)
もや
大口
(
おほぐち
)
開
(
あ
)
けて、
090
蚊々虎
『アハヽヽ、
091
あかぬ、
092
あかぬ、
093
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
の
盲
(
めくら
)
の
審神者
(
さには
)
イヽヽ
如何
(
いか
)
に
霊縛
(
れいばく
)
を
加
(
くは
)
へても、
094
ウヽヽ
動
(
うご
)
かぬ
動
(
うご
)
かぬ。
095
煩
(
うるさ
)
いか
倦厭
(
うんざり
)
したか。
096
エエヽ
偉
(
えら
)
さうに
審神者
(
さには
)
面
(
づら
)
を
提
(
さ
)
げて
何
(
なん
)
の
態
(
ざま
)
、
097
俺
(
おれ
)
の
正体
(
しやうたい
)
が
分
(
わか
)
らぬか。
098
可笑
(
をか
)
しいぞ
可笑
(
をか
)
しいぞ、
099
ウワハヽヽ。
100
カヽヽ
可哀
(
かはい
)
さうなものだ。
101
キヽヽ
気張
(
きば
)
つて
気張
(
きば
)
つて
汗泥
(
あせみどろ
)
になつて、
102
両手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで、
103
ウンウンと
霊縛
(
れいばく
)
は
何
(
なん
)
の
態
(
ざま
)
だ。
104
クヽヽ
苦労
(
くらう
)
が
足
(
た
)
らぬぞ。
105
コンナ
審神者
(
さには
)
が
苦
(
くる
)
しいやうな
事
(
こと
)
で、
106
どうして
宣伝使
(
せんでんし
)
がつとまるか。
107
ケヽヽ
怪
(
け
)
しからぬ
奴
(
やつ
)
だ、
108
見当
(
けんたう
)
は
取
(
と
)
れまい、
109
権幕
(
けんまく
)
ばかりが
強
(
つよ
)
うても
神
(
かみ
)
には
叶
(
かな
)
ふまいがな。
110
コヽヽこれでもまだ
我
(
が
)
を
張
(
は
)
るか、
111
困
(
こま
)
りはせぬか。
112
サヽヽ
審神者
(
さには
)
のなんのと、
113
好
(
よ
)
くもほざいたものだ、
114
サツパリ
霊眼
(
れいがん
)
の
利
(
き
)
かぬ
探
(
さぐ
)
り
審神者
(
さには
)
だ
、
115
シヽヽ
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
は
知
(
し
)
らぬと
云
(
い
)
へ、
116
強太
(
しぶと
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
117
神
(
かみ
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
を
敵対
(
てきた
)
うて、
118
この
神
(
かみ
)
は
邪神
(
じやしん
)
だの、
119
当
(
あて
)
にならぬのとは、
120
それや
何
(
なに
)
の
囈言
(
たはごと
)
だ。
121
スヽヽ
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
気
(
き
)
のつく
審神者
(
さには
)
でないと、
122
霊界
(
れいかい
)
の
事
(
こと
)
は
澄
(
す
)
み
切
(
き
)
るやうには
分
(
わか
)
らぬぞ。
123
セヽヽ
宣伝使
(
せんでんし
)
面
(
づら
)
を
提
(
さ
)
げて、
124
盲
(
めくら
)
審神者
(
さには
)
が
俺
(
おれ
)
を
審神
(
さには
)
するなぞとは
片腹痛
(
かたはらいた
)
い。
125
ソヽヽそんな
事
(
こと
)
で
世界
(
せかい
)
の
人間
(
にんげん
)
が
導
(
みちび
)
かれるか』
126
淤縢山津見
『タヽヽ
頼
(
たの
)
みます、
127
もう
分
(
わか
)
りました。
128
怺
(
こら
)
へて
下
(
くだ
)
さい、
129
併
(
しか
)
し
貴神
(
あなた
)
はお
考
(
かんが
)
へ
違
(
ちが
)
ひではありませぬか。
130
現
(
げん
)
に
私
(
わたくし
)
は
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
のお
伴
(
とも
)
して
御
(
おん
)
口
(
くち
)
づからロッキー
山
(
ざん
)
に
行
(
ゆ
)
くと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
承
(
うけたま
)
はつたものですから、
131
この
事
(
こと
)
計
(
ばか
)
りはどうしても
真実
(
ほんたう
)
に
出来
(
でき
)
ませぬ』
132
蚊々虎
『
何
(
なに
)
ほど
云
(
い
)
うても
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
宣伝使
(
せんでんし
)
、
133
神
(
かみ
)
はこれからタヽヽ
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
るぞよ』
134
言葉
(
ことば
)
終
(
をは
)
ると
共
(
とも
)
に
蚊々虎
(
かがとら
)
の
肉体
(
にくたい
)
は、
135
座敷
(
ざしき
)
に
仰向様
(
あふむけざま
)
に
打倒
(
うちたふ
)
れたり。
136
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は
再
(
ふたた
)
び
鎮魂
(
ちんこん
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
137
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
138
而
(
そう
)
して
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
は、
139
ロッキー
山
(
ざん
)
に
伊弉冊
(
いざなみの
)
神
(
かみ
)
の
隠
(
かく
)
れ
居
(
ゐ
)
ます
事
(
こと
)
を
確
(
たしか
)
に
信
(
しん
)
じ
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
に
固
(
かた
)
く、
140
相違
(
さうゐ
)
ない
事
(
こと
)
を
告
(
つ
)
げけり。
141
闇山
(
くらやま
)
津見
(
づみ
)
は
厚
(
あつ
)
く
感謝
(
かんしや
)
してその
夜
(
よ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
話
(
はなし
)
に
夜
(
よ
)
を
明
(
あか
)
したり。
142
附言
(
ふげん
)
143
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
の
火
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
みまして、
144
黄泉国
(
よもつのくに
)
に
至
(
いた
)
りましたるその
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
は、
145
黄泉国
(
よもつのくに
)
より
葦原
(
あしはら
)
の
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
に
向
(
むか
)
つて、
146
荒
(
すさ
)
び
疎
(
うと
)
び
来
(
く
)
る
曲津神
(
まがつかみ
)
達
(
たち
)
を
黄泉国
(
よもつのくに
)
に
封
(
ふう
)
じて、
147
地上
(
ちじやう
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
らざるやう
牽制
(
けんせい
)
的
(
てき
)
の
御
(
ご
)
神策
(
しんさく
)
に
出
(
い
)
でさせられたるなり。
148
それより
黄泉
(
よもつの
)
神
(
かみ
)
は
海
(
うみ
)
の
竜宮
(
りうぐう
)
に
居所
(
きよしよ
)
を
変
(
へん
)
じ、
149
再
(
ふたた
)
び
葦原
(
あしはら
)
の
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
を
攪乱
(
かくらん
)
せむとする
形勢
(
けいせい
)
見
(
み
)
えしより、
150
又
(
また
)
もや
海
(
うみ
)
の
竜宮
(
りうぐう
)
に
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
は
到
(
いた
)
らせたまひ、
151
茲
(
ここ
)
に
牽制
(
けんせい
)
的
(
てき
)
経綸
(
けいりん
)
を
行
(
おこな
)
はせ
給
(
たま
)
ひつつありける。
152
乙米姫
(
おとよねひめの
)
命
(
みこと
)
を
身代
(
みがは
)
りとなして
黄泉
(
よもつの
)
神
(
かみ
)
を
竜宮
(
りうぐう
)
に
封
(
ふう
)
じ
置
(
お
)
き、
153
自
(
みづか
)
らは
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
迎
(
むか
)
へられて、
154
ロッキー
山
(
ざん
)
に
立籠
(
たてこも
)
るべく
言挙
(
ことあ
)
げしたまひ、
155
窃
(
ひそか
)
に
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
、
156
面那芸
(
つらなぎの
)
司
(
かみ
)
とともに
伊弉諾
(
いざなぎ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
在
(
まし
)
ます
天教山
(
てんけうざん
)
に
帰
(
かへ
)
りたまひぬ。
157
されど
世
(
よ
)
の
神々
(
かみがみ
)
も
人々
(
ひとびと
)
も、
158
この
水
(
みづ
)
も
漏
(
も
)
らさぬ
御
(
ご
)
経綸
(
けいりん
)
を
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
るものは
無
(
な
)
かりける。
159
ロッキー
山
(
ざん
)
に
現
(
あら
)
はれたる
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
はその
実
(
じつ
)
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
妻
(
つま
)
大国姫
(
おほくにひめ
)
に
金狐
(
きんこ
)
の
悪霊
(
あくれい
)
憑依
(
ひようい
)
して、
160
神名
(
しんめい
)
を
騙
(
かた
)
り、
161
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんのう
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
には
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
悪霊
(
あくれい
)
憑依
(
ひようい
)
し、
162
表面
(
へうめん
)
は、
163
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
偽称
(
ぎしよう
)
しつつ、
164
種々
(
しゆじゆ
)
の
作戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
を
進
(
すす
)
め、
165
遂
(
つひ
)
に
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
の
戦
(
たたか
)
ひを
起
(
おこ
)
したるなり。
166
故
(
ゆゑ
)
に
黄泉
(
よもつ
)
比良坂
(
ひらさか
)
に
於
(
おい
)
て
伊弉冊
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
の
向
(
むか
)
ひ
立
(
た
)
たして
事戸
(
ことど
)
を
渡
(
わた
)
したまうたる
故事
(
こじ
)
は、
167
真
(
しん
)
の
月界
(
げつかい
)
の
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
なる
伊弉冊
(
いざなみの
)
大神
(
おほかみ
)
にあらず
大国姫
(
おほくにひめ
)
の
化身
(
けしん
)
なりしなり。
168
(
大正一一・二・八
旧一・一二
加藤明子
録)
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(N)
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