霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四〇章 言霊解(げんれいかい)二〔三九〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻 篇:第6篇 黄泉比良坂 よみ(新仮名遣い):よもつひらさか
章:第40章 言霊解二 よみ(新仮名遣い):げんれいかい二 通し章番号:390
口述日:1922(大正11)年02月10日(旧01月14日) 口述場所: 筆録者:谷村真友(再録) 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
殺された火の神の頭に現れた神、というのは言論界に現れた悪神ということである。胸に現れた神とは、政治家や大臣など、国を治める立場の人々の悪思想を表している。
同様にして、中流階級、農民階層、実業家などにも利己主義・物質主義がはびこっていることを暗示している。
伊邪那美命が黄泉国の食事を食べたために、元の世界に戻れなくなった、とあるのは、物質文明の毒のために、地球上の霊魂が汚された、ということを現している。
伊邪那岐命は霊で、伊邪那美命は体である。この世は霊ばかりではいけない、霊肉一致でなければならない。日本は霊主体従の教えをもっと世界万民を安育しなければならない。
古事記に言う黄泉国とは、今日の悪化した世の中を指している。そこに霊系の伊邪那岐神が御降りになったということは、精神文明の徳をもって、森羅万象一切のものを愛撫するという至仁至愛の大御心から地球を完成される、ということである。
火力文明のために黄泉国となってしまった世界を、一度元に還そうということである。神の教えにしたがって神が改心し、国魂が改心し、人民が改心して完全な国を造れ、悪の守護神も改心してくれ、ということである。
伊邪那美命がもう少し早くご注意くだされたら、とお答えになった。そして黄泉神と相談するというのは、黄泉国を支配する体主霊従の主権者たちを説き伏せよう、ということである。
しかしなかなか黄泉神たちの議論がまとまらない様子を示している。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-06-11 18:15:56 文字数:3945 OBC :rm0840
愛善世界社版:287頁 八幡書店版:第2輯 253頁 修補版: 校定版:291頁 普及版:128頁 初版: ページ備考:
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]:神霊界 > 大正9年12月1日号(第132号) > 皇典と現代(二)
001『殺(ころ)されましし迦具土(かぐつちの)神(かみ)の御頭(みかしら)に、002成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は、003正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)、004次(つぎ)に御胸(みむね)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は淤縢山(おどやま)津見(づみの)神(かみ)、005次(つぎ)に御腹(みはら)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は奥山津見(おくやまづみの)神(かみ)、006次(つぎ)に御陰(みほと)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は、007闇山津見(くらやまづみの)神(かみ)、008次(つぎ)に左(ひだり)の御手(みて)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は志芸山(しぎやま)津見(づみの)神(かみ)、009次(つぎ)に右(みぎり)の御手(みて)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は、010羽山津見(はやまづみの)神(かみ)、011次(つぎ)に左(ひだり)の御足(みあし)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は、012原山津見(はらやまづみの)神(かみ)、013右(みぎり)の御足(みあし)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)は戸山津見(とやまづみの)神(かみ)』
014 殺(ころ)された火(ひ)の神(かみ)の頭(あたま)に成(な)りませる神(かみ)はよい神(かみ)ではない。015即(すなは)ち正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)は強(つよ)く尊(たふと)い位置(ゐち)にある悪(わる)い神(かみ)といふ意味(いみ)であります。016ヤといふ事(こと)は、017言霊(げんれい)上(じやう)、018ア行(しま)は天(てん)の声(こゑ)、019ヤ行(しま)は人(ひと)の声(こゑ)、020ワ行(しま)は地(ち)の声(こゑ)、021即(すなは)ちヤは人(ひと)の声(こゑ)、022世界(せかい)一般(いつぱん)人種(じんしゆ)の衆口(しうこう)愚論(ぐろん)でマツミは魔積(まつ)みでありますから、023ヤマツミといふ事(こと)は言論界(げんろんかい)に悪魔(あくま)が住(す)むといふ意味(いみ)で、024これが正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)の起(おこ)ることになります。025頭(あたま)に成(な)りませるとは、026即(すなは)ち上(うへ)の方(はう)はいらぬと云(い)うて、027今日(こんにち)のデモクラシーの如(ごと)く、028人類(じんるゐ)は平等(べうどう)に天(てん)の恵(めぐみ)を享(う)くるといふ説(せつ)で、029階級(かいきふ)撤廃(てつぱい)なぞといふ思想(しさう)が起(おこ)るといふ事(こと)であります。
030 次(つぎ)に『御胸(みむね)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)、031淤縢山(おどやま)津見(づみの)神(かみ)』の胸(むね)といふのは、032人間(にんげん)の身体(しんたい)にたとふれば、033心臓(しんざう)や肺臓(はいざう)や乳(ちち)の辺(あたり)で、034政治家(せいぢか)でいへば、035大臣(だいじん)とか、036親任官(しんにんくわん)とか、037勅任官(ちよくにんくわん)などが胸(むね)であります。038即(すなは)ち是(これ)等(ら)の人々(ひとびと)の思想(しさう)が書(か)いてあるのであります。039下(した)から種々(しゆじゆ)な思想(しさう)上(じやう)の戦争(せんそう)が起(おこ)つて、040それに胸(むね)を痛(いた)めて、041おどおどして居(ゐ)るから軍隊(ぐんたい)や、042警察(けいさつ)の力(ちから)で圧迫(あつぱく)脅威(けふゐ)するといふ意味(いみ)になります。
043 次(つぎ)に『御腹(みはら)に成(な)りませる神(かみ)の名(な)、044奥山津見(おくやまづみの)神(かみ)』といふのは、045国民(こくみん)の中堅(ちうけん)即(すなは)ち中流(ちうりう)社会(しやくわい)といふことで、046人体(じんたい)にたとふれば臍(へそ)に当(あた)るのであります。
047 オは心(こころ)、048クは組(く)むとか、049苦(くるし)むとかいふ事(こと)で、050中流(ちうりう)階級(かいきふ)は中央(ちうあう)に立(た)つて、051何(ど)うしたらよからうかと云(い)うて、052苦(くるし)んで居(を)るのであります。053即(すなは)ち保守(ほしゆ)主義(しゆぎ)でも行(ゆ)かず、054新(あたら)しい主義(しゆぎ)でも行(ゆ)かず、055その中(なか)を採(と)つて、056うまくやりたいといふ言霊(げんれい)上(じやう)の意味(いみ)になるのであります。
057 次(つぎ)に『御陰(みほと)に成(な)りませる神(かみ)の名(な)、058闇山津見(くらやまづみの)神(かみ)』といふのは、059ほとは農業(のうげふ)に従事(じうじ)する民(たみ)で、060人体(じんたい)にたとふれば陰部(いんぶ)に当(あた)りまして、061子(こ)を産(う)み出(だ)す所(ところ)であります。062即(すなは)ち農家(のうか)といふことになります。063この百姓(ひやくしやう)は現在(げんざい)如何(いか)なる思想(しさう)があつて、064その意味(いみ)が何(なん)であるかわからず、065指導者(しだうしや)に依(よ)つて如何(どう)でもなることを意味(いみ)して居(を)るのであります。066全(まつた)く時(とき)の勢(いきほひ)に依(よ)つて何方(どつち)にもつく無定見(むていけん)な思想(しさう)が闇山(くらやま)津見(づみ)神(かみ)といふことになります。
067 次(つぎ)に『左(ひだり)の御手(みて)に成(な)りませる神(かみ)の名(な)、068志芸山(しぎやま)津見(づみの)神(かみ)』の、069この左(ひだり)の手(て)といふことは上(うへ)の方(はう)の手(て)といふことで、070即(すなは)ち政治家(せいぢか)で、071右(みぎ)の手(て)は実業(じつげふ)のことになります。072総(すべ)て政治家(せいぢか)は神(かみ)の左手(ひだりて)の役(やく)、073実業家(じつげふか)は右(みぎ)の手(て)の役(やく)で、074右(みぎ)の手(て)で仕事(しごと)をして、075左(ひだり)の手(て)で治(をさ)めることになるのであります。076志芸山(しぎやま)津見(づみの)神(かみ)のシは水(みづ)で、077ギは神(かみ)と国(くに)と重(かさ)なりたる意味(いみ)であります。078さうすると政治家(せいぢか)は精神(せいしん)文明(ぶんめい)に気(き)がつかずに、079精神(せいしん)教育(けういく)よりも、080物質(ぶつしつ)の方(はう)に重(おも)きを置(お)くといふ意味(いみ)になります。081今日(こんにち)は到(いた)る所(ところ)に排日(はいにち)思想(しさう)が起(おこ)つて居(を)りますが、082この思想(しさう)の問題(もんだい)は思想(しさう)で抑(おさ)へつけなければならぬのに、083貿易(ぼうえき)の上(うへ)にも圧迫(あつぱく)を受(う)け、084軍備(ぐんび)も彼方(むかう)はよく整(ととの)へて居(を)るとなりますと、085此(この)方(はう)にも日本(にほん)なれば八々(はちはち)艦隊(かんたい)を造(つく)つたり、086陸軍(りくぐん)を増(まし)たりして、087国(くに)を護(まも)らうとして居(ゐ)る考(かんが)への盛(さか)んな時(とき)のことを志芸山(しぎやま)津見(づみの)神(かみ)といふのであります。
088 次(つぎ)に『右(みぎ)の御手(みて)に成(な)りませる神(かみ)の御名(みな)、089羽山津見(はやまづみの)神(かみ)』といふのは、090下々(しもじも)の百姓(ひやくしやう)や労働者(らうどうしや)、091実業家(じつげふか)を指(さ)したものであります。092即(すなは)ち戦争(せんそう)が起(おこ)れば人気(にんき)が悪(わる)くなるかも知(し)れぬが米(こめ)が高(たか)くなつたり、093物価(ぶつか)が騰(あが)つたりするから、094米(こめ)を貯(たくは)へて置(お)いて儲(まう)けてやらうとか、095又(また)沢山(たくさん)品物(しなもの)を仕入(しい)れて置(お)いて一儲(ひとまう)けしようとか、096如何(どう)したら金(かね)が儲(まう)かるかと云(い)ふことばかりを考(かんが)へて居(を)る。097実(じつ)に下(した)の人民(じんみん)の真心(まごころ)が、098乱(みだ)れた利己主義(われよし)といふことになります。
099 ハは開(ひら)くといふことでありますがハヤマツミと続(つづ)きますと、100何(なに)か変動(へんどう)が起(おこ)れば儲(まう)けたいと云(い)つて考(かんが)へこむ意味(いみ)で、101即(すなは)ち大火事(おほくわじ)があれば材木(ざいもく)が騰(あが)るから、102今(いま)の中(うち)に之(これ)を仕入(しい)れてやらうとか、103饑饉(ききん)が来(き)て百穀(ひやくこく)実(みの)らず、104不作(ふさく)であつたら今(いま)の間(うち)に米(こめ)を沢山(たくさん)買込(かひこ)んでおいて一儲(ひとまう)けしようとか、105実(じつ)に不都合(ふつがふ)な利己主義(われよし)にかぶれて、106何事(なにごと)か変動(へんどう)を待(ま)つて居(ゐ)る魂(たましひ)を、107羽山津見(はやまづみの)神(かみ)といふのであります。
108 次(つぎ)に『左(ひだり)の御足(みあし)に成(な)りませる神(かみ)の名(な)、109原山津見(はらやまづみの)神(かみ)、110右(みぎ)の御足(みあし)に成(な)りませる神(かみ)の名(な)、111戸山津見(とやまづみの)神(かみ)』といふのは、112この足(あし)は海外(かいぐわい)へ発展(はつてん)する考(かんが)へを持(も)つ人(ひと)の事(こと)で、113海外(かいぐわい)へ行(ゆ)くなら外国(ぐわいこく)の思想(しさう)を研究(けんきう)して来(き)てやらう、114外国(ぐわいこく)は真(しん)の文明国(ぶんめいこく)だ、115わが国(くに)は未開国(みかいこく)だ。116向方(むかう)の国(くに)と親善(しんぜん)をして談笑(だんせう)の裡(うち)に、117国際間(こくさいかん)の紛擾(ふんぜう)を都合(つがふ)よく解決(かいけつ)をつけたいといふ、118即(すなは)ち西洋(せいやう)文明(ぶんめい)に憧憬(あこがれ)て居(ゐ)る、119総(すべ)ての学者(がくしや)の説(せつ)が、120左(ひだり)の足(あし)の原山津見(はらやまづみの)神(かみ)であります。
121 トヤといふのは外(そと)に開(ひら)くといふことで、122この戸山津見(とやまづみの)神(かみ)は、123移民(いみん)とか、124出稼(でかせぎ)とかいふ事(こと)で、125外国(ぐわいこく)に移民(いみん)を送(おく)るとか、126外国(ぐわいこく)は外国(ぐわいこく)で移民(いみん)排斥(はいせき)とか、127種々(しゆじゆ)の大問題(だいもんだい)が勃発(ぼつぱつ)する事(こと)で、128丁度(ちやうど)今日(こんにち)の世(よ)の中(なか)によく似(に)て居(ゐ)るのであります。129この移民(いみん)といふことは、130神代(かみよ)では何(ど)ういふ事(こと)を示(しめ)されたものか判(わか)りませぬが、131斯(こ)ういふ風(ふう)に言霊(げんれい)的(てき)予言(よげん)が示(しめ)されて居(を)るのであります。132即(すなは)ち吾(わ)が同胞(どうはう)が遠国(ゑんごく)の空(そら)で、133排日(はいにち)のために悔(くや)し残念(ざんねん)を耐(こら)へて、134言(い)ふに言(い)はれぬ苦労(くらう)をして居(ゐ)るのに国民(こくみん)が冷淡(れいたん)であるとか、135政府(せいふ)は何(なに)をして居(ゐ)るかというて、136反対(はんたい)やら、137不平(ふへい)やらを持出(もちだ)す、138其(そ)の状態(じやうたい)を戸山津見(とやまづみの)神(かみ)といふのであります。
139『是(ここ)に其(その)妹(いも)伊弉冊(いざなみの)命(みこと)を相見(あひみ)まく欲(おもほ)して、140黄泉国(よもつのくに)に追往(おひい)でましき。141爾(すなは)ち殿騰戸(とののあげと)より出向(いでむか)へます時(とき)に、142伊弉諾(いざなぎの)命(みこと)語詔(かたら)ひたまはく、143愛(うつ)くしき我(わが)那邇妹(なにもの)命(みこと)、144吾汝(あれいまし)と作(つく)れりし国(くに)未(いま)だ作(つく)り竟(を)へずあれば、145還(かへ)りまさねとのりたまひき、146爾(ここ)に伊弉冊(いざなみの)命(みこと)の答(こたへ)曰(まを)したまはく、147悔(くや)しきかも、148速(と)く来(き)まさずて吾(あ)は黄泉(よもつ)戸喫(へぐひ)しつ。149然(しか)れども愛(うつ)くしき、150我(あが)那勢(なせの)命(みこと)入来(いりき)ませる事(こと)恐(かしこ)ければ還(かへ)りなむを。151且(しばら)く黄泉神(よもつがみ)と相論(あげつら)はむ。152我(あ)をな視(み)たまひそ。153如此(かく)白(まを)して其(その)殿内(とぬち)に還(かへ)り入(い)りませる間(ほど)甚久(いとひさ)しくて待(ま)ちかねたまひき。154故(かれ)、155左(ひだり)の御美髪(みみづら)に刺(さ)させる湯津津間(ゆづつま)櫛(ぐし)の男柱(をばしら)一箇(ひとつ)取闕(とりか)きて、156一火(ひとひ)燭(とも)して入見(いりみ)ます時(とき)に、157蛆(うじ)集(たか)り蘯(とどろ)きて、158御頭(みかしら)には大雷(おほいかづち)居(を)り、159御胸(みむね)には火雷(ほのいかづち)居(を)り、160御腹(みはら)には黒雷(くろいかづち)居(を)り、161御陰(みほと)には拆雷(さくいかづち)居(を)り、162左(ひだり)の御手(みて)には若雷(わかいかづち)居(を)り、163右(みぎり)の御手(みて)には土雷(つちいかづち)居(を)り、164左(ひだり)の御足(みあし)には鳴雷(なるいかづち)居(を)り、165右(みぎり)の御足(みあし)には伏雷(ふしいかづち)居(を)り併(あは)せて八(やくさ)の雷神(いかづちがみ)成(な)り居(を)りき』
166 この御言葉(みことば)は地球(ちきう)上(じやう)の霊魂(れいこん)なる大国魂(おほくにたま)の守護(しゆご)が悪(わる)いから、167斯(こ)うなつたのであり、168火(ひ)の文明(ぶんめい)即(すなは)ち物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)の惨毒(さんどく)の為(ため)に斯(かく)の如(ごと)く世界(せかい)が殆(ほとん)ど滅亡(めつぼう)に瀕(ひん)したのであります。
169 伊弉諾(いざなぎの)命(みこと)は霊(れい)で、170伊弉冊(いざなみの)命(みこと)は体(たい)であります。171この世(よ)の中(なか)は霊(れい)ばかりでもいけない、172即(すなは)ち霊肉(れいにく)一致(いつち)でなければならぬのであります。173我(わが)日本(にほん)は霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)の教(をしへ)を以(もつ)て、174世界(せかい)の国魂(くにたま)を生(い)かし、175世界(せかい)万民(ばんみん)を安育(あんいく)させて行(ゆ)かねばならぬ国(くに)であります。176世界(せかい)を道義(だうぎ)的(てき)に精神(せいしん)文明(ぶんめい)の徳沢(とくたく)を以(もつ)て、177全地球(ぜんちきう)一切(いつさい)を愛撫(あいぶ)すると曰(い)ふ至仁至愛(みろく)の大御心(おほみこころ)から、178日(ひ)の大神(おほかみ)が地球(ちきう)を完成(くわんせい)し玉(たま)ふ為(ため)に、179伊弉冊(いざなみの)命(みこと)に会見(くわいけん)を申込(まをしこ)み、180遥々(はるばる)と御(お)降(くだ)りになつた事(こと)であります。
181『其(そ)の妹(いも)伊弉冊(いざなみの)命(みこと)を相見(あひみ)まく欲(おもほ)して黄泉国(よもつのくに)に追往(おひい)でましき』といふ、182この黄泉国(よもつのくに)は死後(しご)のことをいうたのでなくして、183今日(こんにち)の全世界(ぜんせかい)の状態(じやうたい)が黄泉国(よもつのくに)であります。184そこで天(てん)から、185本当(ほんたう)の神(かみ)様(さま)が下(くだ)つて来(き)て岩戸(いはと)の騰戸(あげど)をば少(すこ)し開(ひら)いて見(み)られたのであります。186さうすると世界(せかい)各国(かくこく)、187戸(と)が閉(しま)つてゐる。188この戸(と)といふことは閥(ばつ)の事(こと)でありまして、189門閥(もんばつ)だとか、190政党閥(せいたうばつ)だとか、191資本閥(しほんばつ)だとか、192学閥(がくばつ)だとか、193宗教閥(しうけうばつ)などいふものが戸(と)であります。
194 その戸(と)を開(あ)けて、195伊弉諾(いざなぎの)命(みこと)が曰(いは)れますには、196『我(あ)が愛(うつ)くしき』と云(い)ふ事(こと)は、197要(えう)するに地球(ちきう)の国魂(くにたま)も世界(せかい)一般(いつぱん)の人民(じんみん)も、198森羅(しんら)万象(ばんしやう)一切(いつさい)のものを皆(みな)愛(あい)し玉(たま)ひての御(お)言葉(ことば)であります。199すなはち霊系(れいけい)と体系(たいけい)と相俟(あひま)つて、200美(うる)はしい世界(せかい)を作(つく)らむとしたが、201火(ひ)の神(かみ)所謂(いはゆる)火力(くわりよく)文明(ぶんめい)のために、202世界(せかい)は黄泉国(よもつくに)と化(な)つたのである。203それで今(いま)一度(いちど)元(もと)に還(かへ)れと曰(い)はれたのであります。204この太元(もと)に還(かへ)れといふことは、205神(かみ)の教(をしへ)に従(したが)つて神(かみ)が改心(かいしん)し、206国魂(くにたま)が改心(かいしん)し、207人民(じんみん)が改心(かいしん)して、208上下(しやうか)一致(いつち)し以(もつ)て完全(くわんぜん)なる国(くに)を作(つく)らむとの意味(いみ)であります。209即(すなは)ち地球(ちきう)上(じやう)の悪(あく)の守護神(しゆごじん)に、210改心(かいしん)してくれといふことになります。
211 そこで伊弉冊(いざなみの)命(みこと)は答(こたへ)て曰(いは)るるには、212『悔(くや)しきかも速(と)く来(き)まさずして、213吾(あ)は黄泉(よもつ)戸喫(へぐひ)しつ』とあります。214これは残念(ざんねん)なことを致(いた)しました。215吾(われ)は黄泉(よもつ)戸喫(へぐひ)した。216モウ少(すこ)し早(はや)く御(ご)注意(ちうい)下(くだ)さらば、217茲(ここ)まで地球(ちきう)上(じやう)の一切(いつさい)は腐敗(ふはい)せなかつたで在(あ)らうに、218今日(こんにち)となつては実(じつ)に曇(くも)り切(き)り、219濁(にご)り切(き)り、220腐(くさ)り切(き)りた世(よ)の中(なか)で手(て)のつけやうもない。221往(ゆ)きも戻(もど)りも、222上(あ)げも下(おろ)しも、223二進(につち)も三進(さつち)も行(ゆ)かぬ状態(じやうたい)であるといふ意味(いみ)であります。
224 即(すなは)ち神(かみ)も、225吾(われ)も、226人(ひと)も、227共(とも)に皆(みな)汚(けが)されて居(ゐ)ることでありますから、228天(てん)から誠(まこと)の神(かみ)が御(お)出(いで)下(くだ)さいまして、229地球(ちきう)が破滅(はめつ)せむとするのを直(なほ)してやらう、230完全(くわんぜん)なる天国(てんごく)を建設(けんせつ)してやらう、231と曰(いは)れますのは、232誠(まこと)に恐(おそ)れ多(おほ)い、233尊(たふと)い、234忝(かたじけ)ない神(かみ)の御(お)言葉(ことば)でありますから、235私(わたくし)は国魂(くにたま)即(すなは)ち世界(せかい)一般(いつぱん)の神人(しんじん)が改心(かいしん)すれば、236と曰(い)ふ事(こと)を『還(かへ)りなむ』と申(まを)すのである。237しかし一寸(ちよつと)黄泉神(よもつがみ)と相談(さうだん)して見(み)ますから、238それまで御(お)待(ま)ちを願(ねが)ひますと答(こた)へられたのであります。239この黄泉神(よもつがみ)といふのは、240現代(げんだい)の暗黒(あんこく)世界(せかい)を支配(しはい)して居(ゐ)る各(かく)体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)国(こく)の主権者(しゆけんしや)や大統領(だいとうりやう)といふことでありまして、241相論(あげつら)うといふことは、242一応(いちおう)この事(こと)を相談(さうだん)して見(み)ませう、243多勢(おほぜい)に理(り)を説(と)いて聞(き)かせて、244その意見(いけん)を聴(き)いて見(み)ませうといふ事(こと)であります。
245 次(つぎ)に『甚久(いとひさ)しく待(ま)ちかねたまひき』といふのは、246この議論(ぎろん)が一寸(ちよつと)や、247そつとの間(あひだ)に纏(まと)まらずに、248やれ物質(ぶつしつ)主義(しゆぎ)がよいとか、249金銀(きんぎん)為本(ゐほん)がよいとか、250天産(てんさん)自給(じきふ)だとか、251いろいろの議論(ぎろん)があつて、252二(に)年(ねん)や三(さん)年(ねん)で尽(つ)き果(は)てぬのであります。253神(かみ)様(さま)は今(いま)ぢや早(はや)ぢやというて早(はや)く改心(かいしん)せよと、254明治(めいぢ)二十五(にじふご)年(ねん)から言(い)ひ続(つづ)けに言(い)はれて御(お)急(いそ)ぎになつて居(ゐ)るが、255黄泉神(よもつがみ)の議論(ぎろん)は中々(なかなか)纏(まと)まらぬといふ如(や)うな意味(いみ)であります。
256(大正九・一一・一 於五六七殿講演 外山豊二録)
257(大正一一・二・一〇 旧一・一四 谷村真友再録)
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