霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第66巻(巳の巻)
序文
総説
第1篇 月の高原
01 暁の空
〔1683〕
02 祖先の恵
〔1684〕
03 酒浮気
〔1685〕
04 里庄の悩
〔1686〕
05 愁雲退散
〔1687〕
06 神軍義兵
〔1688〕
第2篇 容怪変化
07 女白浪
〔1689〕
08 神乎魔乎
〔1690〕
09 谷底の宴
〔1691〕
10 八百長劇
〔1692〕
11 亞魔の河
〔1693〕
第3篇 異燭獣虚
12 恋の暗路
〔1694〕
13 恋の懸嘴
〔1695〕
14 相生松風
〔1696〕
15 喰ひ違ひ
〔1697〕
第4篇 恋連愛曖
16 恋の夢路
〔1698〕
17 縁馬の別
〔1699〕
18 魔神の囁
〔1700〕
19 女の度胸
〔1701〕
20 真鬼姉妹
〔1702〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第66巻
> 第4篇 恋連愛曖 > 第16章 恋の夢路
<<< 喰ひ違ひ
(B)
(N)
縁馬の別 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一六章
恋
(
こひ
)
の
夢路
(
ゆめぢ
)
〔一六九八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第66巻 山河草木 巳の巻
篇:
第4篇 恋連愛曖
よみ(新仮名遣い):
れんれんあいあい
章:
第16章 恋の夢路
よみ(新仮名遣い):
こいのゆめじ
通し章番号:
1698
口述日:
1924(大正13)年12月17日(旧11月21日)
口述場所:
祥雲閣
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年6月29日
概要:
舞台:
バルガン城へ向かう原野、西(オーラ山)へ向かう原野
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6616
愛善世界社版:
227頁
八幡書店版:
第11輯 814頁
修補版:
校定版:
231頁
普及版:
67頁
初版:
ページ備考:
001
梅公
(
うめこう
)
『
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
002
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
003
開
(
ひら
)
いて
散
(
ち
)
りて
実
(
み
)
を
結
(
むす
)
ぶ
004
月日
(
つきひ
)
と
大地
(
だいち
)
の
恩
(
おん
)
を
知
(
し
)
れ
005
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
清
(
きよ
)
むる
生神
(
いきがみ
)
は
006
高天原
(
たかあまはら
)
に
神集
(
かむつど
)
ふ
007
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
008
黒雲
(
くろくも
)
包
(
つつ
)
む
天地
(
あめつち
)
を
009
厳
(
いづ
)
の
伊吹
(
いぶき
)
に
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
010
瑞
(
みづ
)
の
清水
(
しみづ
)
に
清
(
きよ
)
めつつ
011
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
を
永久
(
とこしへ
)
に
012
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
建設
(
けんせつ
)
し
013
百八十
(
ももやそ
)
国
(
くに
)
の
民草
(
たみぐさ
)
を
014
常住
(
じやうぢう
)
不断
(
ふだん
)
の
信楽
(
しんらく
)
に
015
救
(
すく
)
はむものと
遠近
(
をちこち
)
に
016
神
(
かみ
)
のよさしの
宣伝使
(
せんでんし
)
017
まくばり
給
(
たま
)
ふぞ
尊
(
たふと
)
けれ
018
照国別
(
てるくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
019
産砂山
(
うぶすなやま
)
の
霊場
(
れいぢやう
)
を
020
後
(
あと
)
に
眺
(
なが
)
めて
河鹿山
(
かじかやま
)
021
沐雨
(
もくう
)
櫛風
(
しつぷう
)
の
苦
(
く
)
を
忍
(
しの
)
び
022
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に
継
(
つ
)
いでデカタンの
023
風
(
かぜ
)
も
激
(
はげ
)
しき
高原地
(
かうげんち
)
024
トルマン
国
(
ごく
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
025
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
蟠
(
わだか
)
まる
026
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
悪霊
(
あくれい
)
に
027
左右
(
さいう
)
されたる
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
028
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
が
029
人
(
ひと
)
の
住家
(
すみか
)
を
焼
(
や
)
き
払
(
はら
)
ひ
030
金銀
(
きんぎん
)
物資
(
ぶつし
)
を
掠奪
(
りやくだつ
)
し
031
人妻
(
ひとづま
)
娘
(
むすめ
)
の
分
(
わか
)
ちなく
032
魔手
(
ましゆ
)
を
延
(
の
)
ばして
掻
(
か
)
ツ
攫
(
さら
)
ひ
033
深山
(
みやま
)
の
奥
(
おく
)
へと
忍
(
しの
)
び
行
(
ゆ
)
く
034
此
(
この
)
国民
(
くにたみ
)
は
戦
(
をのの
)
きて
035
夜
(
よ
)
も
日
(
ひ
)
も
碌
(
ろく
)
に
寝
(
ね
)
むられぬ
036
塗炭
(
とたん
)
の
苦
(
くる
)
しみ
見
(
み
)
るにつけ
037
如何
(
いか
)
にもなして
救
(
すく
)
はむと
038
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
はあせれども
039
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
御許
(
みゆる
)
しを
040
得
(
え
)
ざる
悲
(
かな
)
しさ
村肝
(
むらきも
)
の
041
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
押
(
おさ
)
へつつ
042
義勇
(
ぎゆう
)
の
軍
(
いくさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
043
バルガン
城
(
じやう
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
044
士気
(
しき
)
は
俄
(
にはか
)
に
昂舞
(
かうぶ
)
して
045
其
(
その
)
勢
(
いきほひ
)
は
天
(
てん
)
を
衝
(
つ
)
く
046
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
やジャンクさま
047
これの
軍
(
いくさ
)
を
指揮
(
しき
)
なして
048
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へばバラモンの
049
勇士
(
ゆうし
)
は
如何
(
いか
)
に
多
(
おほ
)
くとも
050
荒野
(
あらの
)
を
風
(
かぜ
)
の
渡
(
わた
)
るごと
051
服
(
まつろ
)
ひ
来
(
きた
)
るは
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
052
吾
(
われ
)
梅公
(
うめこう
)
は
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
053
軍
(
いくさ
)
に
在
(
あ
)
らうが
有
(
あ
)
るまいが
054
此
(
この
)
全局
(
ぜんきよく
)
の
戦
(
たたか
)
ひに
055
いくらの
影響
(
えいきやう
)
あるべきぞ
056
師
(
し
)
の
御心
(
みこころ
)
に
叛
(
そむ
)
くとは
057
吾
(
われ
)
も
覚悟
(
かくご
)
の
上
(
うへ
)
ながら
058
はやりきつたる
魂
(
たましひ
)
は
059
タライの
村
(
むら
)
の
花香姫
(
はなかひめ
)
060
スガコの
姫
(
ひめ
)
やサンダーさま
061
三人
(
みたり
)
の
哀
(
あは
)
れな
境遇
(
きやうぐう
)
を
062
救
(
すく
)
ひ
出
(
いだ
)
して
天国
(
てんごく
)
の
063
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
香
(
にほ
)
ふ
喜
(
よろこ
)
びに
064
救
(
すく
)
はにやおかぬと
雄健
(
をたけ
)
びし
065
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
目
(
め
)
を
忍
(
しの
)
び
066
夜陰
(
やいん
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
嘎々
(
かつかつ
)
と
067
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
068
限
(
かぎ
)
りも
知
(
し
)
らぬ
荒野原
(
あれのはら
)
069
目的
(
あてど
)
もなしに
来
(
きた
)
りけり
070
オーラの
峰
(
みね
)
を
見渡
(
みわた
)
せば
071
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
な
光
(
ひか
)
る
妖光
(
えうくわう
)
は
072
曲神
(
まがかみ
)
共
(
ども
)
の
集
(
あつ
)
まりて
073
醜
(
しこ
)
の
企
(
たく
)
みをなしつつも
074
世人
(
よびと
)
を
苦
(
くる
)
しめ
居
(
ゐ
)
るならむ
075
心
(
こころ
)
のせいかは
知
(
し
)
らねども
076
オーラの
山
(
やま
)
が
気
(
き
)
にかかり
077
寝
(
ね
)
ても
醒
(
さ
)
めても
忘
(
わす
)
られぬ
078
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
唯
(
ただ
)
一騎
(
いつき
)
079
駒
(
こま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
の
続
(
つづ
)
く
迄
(
まで
)
080
如何
(
いか
)
に
山途
(
やまみち
)
嶮
(
けは
)
しとも
081
如何
(
いか
)
でひるまむ
大和魂
(
やまとだま
)
082
思
(
おも
)
ひつめたる
鉄石
(
てつせき
)
の
083
心
(
こころ
)
の
征矢
(
そや
)
ははや
既
(
すで
)
に
084
真弓
(
まゆみ
)
の
弦
(
つる
)
を
放
(
はな
)
れたり
085
最早
(
もはや
)
返
(
かへ
)
らぬ
吾
(
わが
)
意気地
(
いくぢ
)
086
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
三人
(
みたり
)
のあで
人
(
びと
)
を
087
まんまと
救
(
すく
)
はせたまへかし
088
三五教
(
あななひけう
)
を
守
(
まも
)
ります
089
国治立
(
くにはるたち
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
090
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
091
御前
(
みまへ
)
に
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる』
092
梅公
(
うめこう
)
はジャンクの
家
(
いへ
)
に
宿
(
とま
)
つた
時
(
とき
)
、
093
スガコやサンダーの
何者
(
なにもの
)
にか
攫
(
さら
)
はれた
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
き、
094
何
(
なん
)
となくオーラ
山
(
さん
)
に
悪漢
(
わるもの
)
の
為
(
た
)
めに
閉
(
と
)
ぢ
籠
(
こ
)
められて
居
(
ゐ
)
るやうな、
095
暗示
(
あんじ
)
を
何者
(
なにもの
)
にか
与
(
あた
)
へられた。
096
さうして
婆
(
ば
)
アさまの
家
(
いへ
)
を
訪
(
たづ
)
ねた
時
(
とき
)
、
097
サンヨの
娘
(
むすめ
)
花香
(
はなか
)
がバラモン
軍
(
ぐん
)
に
捉
(
とら
)
はれたと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
、
098
之
(
これ
)
も
何処
(
どこ
)
かの
山奥
(
やまおく
)
に
隠
(
かく
)
されて
居
(
ゐ
)
るやうな
気
(
き
)
がした。
099
自分
(
じぶん
)
は
恋
(
こひ
)
でもなく
色
(
いろ
)
でもなく
何
(
なん
)
となく
同情心
(
どうじやうしん
)
に
駆
(
か
)
られ、
100
この
可憐
(
かれん
)
な
女
(
をんな
)
を
助
(
たす
)
けてやりたいと
義侠心
(
ぎけふしん
)
に
充
(
み
)
たされて
居
(
ゐ
)
た。
101
けれども
自分
(
じぶん
)
は
照国別
(
てるくにわけ
)
の
従者
(
じゆうしや
)
であり
102
勝手
(
かつて
)
気儘
(
きまま
)
に
列
(
れつ
)
を
離
(
はな
)
れる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
103
如何
(
いかが
)
はせむかと
兎
(
と
)
つ
追
(
お
)
ひつ
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れながら、
104
照国別
(
てるくにわけ
)
、
105
ジャンクの
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
に
従
(
したが
)
ひ
106
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
打
(
う
)
つて
渺茫
(
べうばう
)
たる
大広原
(
だいくわうげん
)
を
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
したが、
107
黄昏時
(
たそがれどき
)
になり、
108
自分
(
じぶん
)
の
乗馬
(
じやうば
)
は
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
鞭
(
むち
)
打
(
う
)
つても
いましめ
ても
一歩
(
いつぽ
)
も
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
まうとはしない。
109
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
に
数多
(
あまた
)
の
義勇軍
(
ぎゆうぐん
)
は
梅公
(
うめこう
)
を
大広原
(
だいくわうげん
)
の
中
(
なか
)
に
残
(
のこ
)
し
110
馬
(
うま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
に
砂塵
(
しやぢん
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げながら
暴風
(
ばうふう
)
の
如
(
ごと
)
き
勢
(
いきほひ
)
にてバルガン
城
(
じやう
)
をさして
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
111
梅公
(
うめこう
)
は
馬上
(
ばじやう
)
にて
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み
暫
(
しば
)
し
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
たが……
吾
(
わが
)
馬
(
うま
)
に
限
(
かぎ
)
つて
何故
(
なぜ
)
進
(
すす
)
まぬのだらう、
112
何
(
なに
)
か
深
(
ふか
)
き
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
のましますならむ……と
試
(
こころ
)
みに
右
(
みぎ
)
の
手綱
(
たづな
)
を
一寸
(
ちよつと
)
引
(
ひ
)
けば
駒
(
こま
)
は
頭
(
かしら
)
を
西
(
にし
)
に
立直
(
たてなほ
)
し、
113
星明
(
ほしあか
)
りの
原野
(
げんや
)
をあてどもなく
一瀉
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
の
勢
(
いきほひ
)
で
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
した。
114
梅公
(
うめこう
)
は……あゝ
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
には
済
(
す
)
まない、
115
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
肝腎
(
かんじん
)
の
駒
(
こま
)
が
進
(
すす
)
まないのは
何
(
なに
)
か
特別
(
とくべつ
)
の
使命
(
しめい
)
が
神界
(
しんかい
)
から
下
(
くだ
)
つたのだらう。
116
今
(
いま
)
となつては
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
のまにまに
行動
(
かうどう
)
するのみ……と
決心
(
けつしん
)
の
臍
(
ほぞ
)
を
固
(
かた
)
めた。
117
乗馬
(
じやうば
)
は
漸
(
やうや
)
く
梅公
(
うめこう
)
の
心
(
こころ
)
を
知
(
し
)
つたかの
如
(
ごと
)
く、
118
フサフサとした
太
(
ふと
)
い
長
(
なが
)
い
尾
(
を
)
を
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
り
乍
(
なが
)
ら、
119
勇
(
いさ
)
ましく
高
(
たか
)
く
嘶
(
いなな
)
きつつポカリポカリと
静
(
しづか
)
に
歩
(
あゆ
)
み
出
(
だ
)
した。
120
蒼
(
あを
)
ずんだ
空
(
そら
)
に
金銀色
(
きんぎんしよく
)
の
星
(
ほし
)
は
金箔
(
きんぱく
)
を
打
(
う
)
つたる
如
(
ごと
)
くキラリキラリと
輝
(
かがや
)
いて
121
梅公
(
うめこう
)
の
行動
(
かうどう
)
を
監視
(
かんし
)
するものの
如
(
ごと
)
くに
思
(
おも
)
はれた。
122
天
(
てん
)
は
高
(
たか
)
くして
静
(
しづか
)
に、
123
地
(
ち
)
は
際限
(
さいげん
)
なき
茫々
(
ばうばう
)
たる
原野
(
げんや
)
、
124
猛獣
(
まうじう
)
の
声
(
こゑ
)
も
聞
(
きこ
)
えず、
125
そよ
と
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
の
響
(
ひびき
)
もなし、
126
唯
(
ただ
)
駒
(
こま
)
の
鼻
(
はな
)
呼吸
(
いき
)
、
127
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
のみ
砂地
(
すなぢ
)
の
草
(
くさ
)
ツ
原
(
ぱら
)
を
駆
(
か
)
け
行
(
ゆ
)
く
音
(
おと
)
が
柔
(
やはら
)
かにポカポカと
聞
(
きこ
)
ゆるのみであつた。
128
左手
(
ゆんで
)
の
方
(
かた
)
の、
129
コンモリとした
小山
(
こやま
)
をみれば
木立
(
こだち
)
の
間
(
あひだ
)
からチヨロチヨロと
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
130
梅公
(
うめこう
)
は……あの
山麓
(
さんろく
)
に
人家
(
じんか
)
あり、
131
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ
立
(
た
)
ち
寄
(
よ
)
つて
様子
(
やうす
)
を
探
(
さぐ
)
りみむ……と
左手
(
ゆんで
)
に
馬首
(
ばしゆ
)
を
廻
(
めぐ
)
らせば、
132
駒
(
こま
)
は
勢
(
いきほ
)
ひ
込
(
こ
)
んで
驀進
(
まつしぐら
)
に
進
(
すす
)
みゆく。
133
梅公
(
うめこう
)
は
火
(
ひ
)
を
目当
(
めあて
)
に
駒
(
こま
)
の
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
ばせながら、
134
木蔭
(
こかげ
)
に
近
(
ちか
)
づき
眺
(
なが
)
むれば、
135
バラモンの
落武者
(
おちむしや
)
と
見
(
み
)
えて
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
荒
(
あら
)
くれ
男
(
をとこ
)
、
136
一人
(
ひとり
)
の
美人
(
びじん
)
を
後手
(
うしろで
)
に
縛
(
しば
)
り、
137
何事
(
なにごと
)
か
荒々
(
あらあら
)
しく
叫
(
さけ
)
びながら
女
(
をんな
)
の
体
(
からだ
)
を
所
(
ところ
)
かまはず
鞭
(
むち
)
にて
打
(
う
)
ち
据
(
す
)
ゑてゐる。
138
其
(
その
)
度毎
(
たびごと
)
に
女
(
をんな
)
はヒイヒイと
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げ、
139
髪
(
かみ
)
振
(
ふり
)
乱
(
みだ
)
し、
140
無念
(
むねん
)
の
歯
(
は
)
を
喰
(
くひ
)
しばり
美人
(
びじん
)
乍
(
なが
)
らも
形相
(
ぎやうさう
)
凄
(
すさま
)
じく、
141
遉
(
さすが
)
の
梅公
(
うめこう
)
も
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
す
許
(
ばか
)
りであつた。
142
梅公
(
うめこう
)
は……
如何
(
いか
)
にもして
彼女
(
かのぢよ
)
を
助
(
たす
)
けてやりたい。
143
今
(
いま
)
や
彼
(
かれ
)
は
血
(
ち
)
に
餓
(
う
)
ゑたる
豺狼
(
さいらう
)
の
餌食
(
ゑじき
)
たらむとするのであるか、
144
あゝ
不愍
(
ふびん
)
なものだ。
145
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
敵
(
てき
)
は
数人
(
すうにん
)
の
荒武者
(
あらむしや
)
、
146
自分
(
じぶん
)
は
一人
(
ひとり
)
だ。
147
されど、
148
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
駿足
(
しゆんそく
)
を
力
(
ちから
)
として
万一
(
まんいち
)
失敗
(
しつぱい
)
した
時
(
とき
)
は
一目散
(
いちもくさん
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
せばよい。
149
一
(
ひと
)
つ
試
(
ため
)
しに
脅
(
おど
)
かして
見
(
み
)
む……と、
150
密樹
(
みつじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
駒
(
こま
)
を
寄
(
よ
)
せ
馬上
(
ばじやう
)
より
大音声
(
だいおんじやう
)
、
151
梅公
(
うめこう
)
『ウハヽヽヽ、
152
某
(
それがし
)
はオーラ
山
(
さん
)
に
鎮
(
しづ
)
まる
天降坊
(
てんかうばう
)
と
申
(
まを
)
す
大天狗
(
だいてんぐ
)
だ。
153
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
不届
(
ふとど
)
き
至極
(
しごく
)
にも、
154
繊弱
(
かよわ
)
き
婦人
(
ふじん
)
を
弄
(
もてあそ
)
び、
155
無体
(
むたい
)
の
恋慕
(
れんぼ
)
を
企
(
くはだ
)
て、
156
非望
(
ひばう
)
を
遂
(
と
)
げむとする
憎
(
につく
)
き
曲者
(
くせもの
)
、
157
今
(
いま
)
や
当山
(
たうざん
)
の
眷族
(
けんぞく
)
共
(
ども
)
が
報告
(
はうこく
)
により、
158
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
の
悪人
(
あくにん
)
共
(
ども
)
を
征伐
(
せいばつ
)
せむ
為
(
た
)
め、
159
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ふたり、
160
不届者
(
ふとどきもの
)
奴
(
め
)
、
161
其処
(
そこ
)
動
(
うご
)
くな、
162
ウーウー』
163
と
唸
(
うな
)
り
立
(
た
)
つるや、
164
寝耳
(
ねみみ
)
に
水
(
みづ
)
のバラモン
共
(
ども
)
は
忽
(
たちま
)
ち
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
165
女
(
をんな
)
を
捨
(
す
)
てて、
166
『
天狗
(
てんぐ
)
だ
天狗
(
てんぐ
)
だ』
167
と
呼
(
よ
)
ばはり
乍
(
なが
)
ら
軍服
(
ぐんぷく
)
や
帽
(
ばう
)
や
靴
(
くつ
)
、
168
剣
(
けん
)
などを
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
捨
(
す
)
ておき、
169
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひに
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
つて
了
(
しま
)
つた。
170
梅公
(
うめこう
)
『アハヽヽヽ。
171
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
弱虫
(
よわむし
)
共
(
ども
)
、
172
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
に
辟易
(
へきえき
)
して
脆
(
もろ
)
くも
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
つたるその
可笑
(
をか
)
しさ。
173
ても
扨
(
さ
)
ても
愉快
(
ゆくわい
)
な
事
(
こと
)
だわい』
174
と
独語
(
ひとりご
)
ちつつ
駒
(
こま
)
の
手綱
(
たづな
)
を
引
(
ひ
)
きしめ
引
(
ひ
)
きしめ
女
(
をんな
)
の
傍
(
かたはら
)
に
進
(
すす
)
みより、
175
ヒラリと
駒
(
こま
)
を
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りて
女
(
をんな
)
の
縄目
(
なはめ
)
を
解
(
と
)
き
水筒
(
すいとう
)
の
水
(
みづ
)
を
口
(
くち
)
に
含
(
ふく
)
ませ、
176
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
背
(
せな
)
を
叩
(
たた
)
けば、
177
ウンと
女
(
をんな
)
は
呼吸
(
いき
)
吹
(
ふ
)
きかへし、
178
梅公
(
うめこう
)
の
顔
(
かほ
)
を
星影
(
ほしかげ
)
に
透
(
す
)
かし
見
(
み
)
て、
179
女
(
をんな
)
『どうかお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいませ。
180
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
つても
私
(
わたし
)
は
許嫁
(
いひなづけ
)
が
厶
(
ござ
)
いますから、
181
身
(
み
)
を
汚
(
けが
)
す
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
182
これ
許
(
ばか
)
りは
御
(
ご
)
勘弁
(
かんべん
)
を
願
(
ねが
)
ひます。
183
いくらお
責
(
せ
)
め
下
(
くだ
)
さいましても
命
(
いのち
)
にかへても
操
(
みさを
)
を
守
(
まも
)
らねばなりませぬ』
184
と
掌
(
て
)
を
合
(
あは
)
す。
185
梅公
(
うめこう
)
『これこれお
女中
(
ぢよちう
)
、
186
拙者
(
せつしや
)
は
決
(
けつ
)
してバラモン
軍
(
ぐん
)
ではない。
187
三五教
(
あななひけう
)
の
梅公
(
うめこう
)
と
云
(
い
)
ふ
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
だ。
188
お
前
(
まへ
)
さまが
大勢
(
おほぜい
)
の
男
(
をとこ
)
に
責
(
せ
)
められて
居
(
を
)
るのを
見
(
み
)
るに
忍
(
しの
)
びず、
189
命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
敵
(
てき
)
を
追
(
お
)
ひ
散
(
ち
)
らしてやつたのだ。
190
安心
(
あんしん
)
しなさい。
191
決
(
けつ
)
して
操
(
みさを
)
を
破
(
やぶ
)
るやうな
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
さないから、
192
安心
(
あんしん
)
なさいませ。
193
こんな
所
(
ところ
)
に
長居
(
ながゐ
)
して
居
(
ゐ
)
ては
又
(
また
)
もや
敵
(
てき
)
が
引返
(
ひきかへ
)
して
来
(
く
)
るかも
知
(
し
)
れぬ。
194
詳
(
くは
)
しき
話
(
はなし
)
は
途々
(
みちみち
)
承
(
うけたま
)
はりませう。
195
吾
(
わが
)
馬
(
うま
)
にお
乗
(
の
)
りなさい』
196
と
云
(
い
)
ひながら
女
(
をんな
)
を
抱
(
かか
)
へて
自分
(
じぶん
)
と
共
(
とも
)
に
駒
(
こま
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
り、
197
再
(
ふたた
)
び
元
(
もと
)
の
高原
(
かうげん
)
を
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
198
梅公
(
うめこう
)
は
馬上
(
ばじやう
)
ながら
女
(
をんな
)
に
向
(
むか
)
つて
遭難
(
さうなん
)
の
顛末
(
てんまつ
)
を
尋
(
たづ
)
ねた。
199
梅公
(
うめこう
)
『これお
女中
(
ぢよちう
)
さま、
200
お
前
(
まへ
)
さまは、
201
どうして
又
(
また
)
、
202
こんな
所
(
ところ
)
へ
誘拐
(
かどわか
)
されて
来
(
き
)
たのだ。
203
何
(
なに
)
か
深
(
ふか
)
い
訳
(
わけ
)
があらう。
204
差支
(
さしつかへ
)
ない
限
(
かぎ
)
り、
205
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじふ
)
を
話
(
はな
)
して
貰
(
もら
)
ひたいものだなア』
206
女
(
をんな
)
『ハイ、
207
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
に
預
(
あづか
)
りまして、
208
お
蔭様
(
かげさま
)
で
危難
(
きなん
)
を
免
(
まぬが
)
れました。
209
妾
(
わたし
)
はタライの
村
(
むら
)
の
花香
(
はなか
)
と
申
(
まを
)
す
娘
(
むすめ
)
で
厶
(
ござ
)
いますが、
210
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
以前
(
いぜん
)
バラモンの
軍人
(
ぐんじん
)
が
吾
(
わ
)
が
村
(
むら
)
に
屯営
(
とんえい
)
致
(
いた
)
し、
211
其
(
その
)
際
(
さい
)
母
(
はは
)
を
縛
(
しば
)
り
上
(
あ
)
げ、
212
妾
(
わたし
)
を
無理
(
むり
)
無体
(
むたい
)
に
縛
(
しば
)
つて
馬
(
うま
)
の
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
せ、
213
其処辺
(
そこら
)
中
(
ぢう
)
を
引
(
ひ
)
き
廻
(
まは
)
し、
214
遂
(
つひ
)
にはあの
洞ケ丘
(
ほらがをか
)
の
森林
(
しんりん
)
に
誘
(
おび
)
き
出
(
だ
)
し、
215
寄
(
よ
)
つてかかつて
獣欲
(
じうよく
)
を
遂
(
と
)
げむとして
居
(
ゐ
)
ました
所
(
ところ
)
、
216
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
がお
出
(
いで
)
下
(
くだ
)
さつて
危
(
あやふ
)
い
所
(
ところ
)
を
救
(
すく
)
はれ、
217
何
(
なん
)
ともお
礼
(
れい
)
の
申
(
まを
)
しやうが
厶
(
ござ
)
いませぬ』
218
梅公
(
うめこう
)
『
何
(
なに
)
、
219
お
前
(
まへ
)
さまが、
220
花香
(
はなか
)
さまか、
221
何
(
なん
)
と
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
があるものだ。
222
実
(
じつ
)
は
一昨朝
(
きのうのあさ
)
の
事
(
こと
)
、
223
お
前
(
まへ
)
の
家
(
いへ
)
へ
立
(
た
)
ち
寄
(
よ
)
つて
見
(
み
)
ればサンヨさまは、
224
雁字
(
がんじ
)
搦
(
がら
)
みに
縛
(
しば
)
りつけられ、
225
眉間
(
みけん
)
から
血
(
ち
)
を
出
(
だ
)
して、
226
虫
(
むし
)
の
息
(
いき
)
になつて
居
(
ゐ
)
られた
所
(
ところ
)
、
227
吾
(
わが
)
お
師匠
(
ししやう
)
様
(
さま
)
の
照国別
(
てるくにわけ
)
様
(
さま
)
一行
(
いつかう
)
がお
救
(
すく
)
ひ
申
(
まを
)
し、
228
漸
(
やうや
)
く
全快
(
ぜんくわい
)
された。
229
其
(
その
)
時
(
とき
)
にお
前
(
まへ
)
さまの
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いたのだ。
230
サンヨさまの
仰有
(
おつしや
)
るには「
娘
(
むすめ
)
は
到底
(
たうてい
)
命
(
いのち
)
の
無
(
な
)
いものと
諦
(
あきら
)
めて
居
(
ゐ
)
ます。
231
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
232
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
で
娘
(
むすめ
)
を
救
(
すく
)
うて
下
(
くだ
)
さつたならば、
233
娘
(
むすめ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
一切
(
いつさい
)
お
任
(
まか
)
せする」と
頼
(
たの
)
まれました。
234
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らお
前
(
まへ
)
さまにはエルソンと
云
(
い
)
ふ
意中
(
いちう
)
の
男
(
をとこ
)
があるでせう』
235
花香
(
はなか
)
は
驚
(
おどろ
)
いて、
236
花香
(
はなか
)
『ハイ、
237
母
(
はは
)
迄
(
まで
)
が
豪
(
えら
)
いお
世話
(
せわ
)
になりましてお
礼
(
れい
)
の
申
(
まを
)
しやうも
厶
(
ござ
)
いませぬ。
238
そして
母
(
はは
)
が
妾
(
わらは
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
にお
任
(
まか
)
せ
申
(
まを
)
しますと
申
(
まを
)
しまして
厶
(
ござ
)
いますか』
239
梅公
(
うめこう
)
『
確
(
たしか
)
に
頼
(
たの
)
まれましたが、
240
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
其処
(
そこ
)
へエルソンさまが
見舞
(
みまひ
)
に
見
(
み
)
えてサンヨさまに
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
を
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けられたので、
241
大変
(
たいへん
)
にサンヨさまもお
喜
(
よろこ
)
びになり、
242
お
前
(
まへ
)
さまが
無事
(
ぶじ
)
で
帰
(
かへ
)
つたなら、
243
きつと
夫婦
(
ふうふ
)
にしてやらうと
云
(
い
)
ふお
約束
(
やくそく
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
ますよ』
244
花香
(
はなか
)
『あれまア、
245
母
(
はは
)
がそんな
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
しましたか。
246
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
妾
(
わたし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
をお
任
(
まか
)
せすると
云
(
い
)
つたぢや
御座
(
ござ
)
いませぬか。
247
何
(
ど
)
うも
母
(
はは
)
の
言葉
(
ことば
)
として
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
に
任
(
まか
)
すと
云
(
い
)
ふのは
合点
(
がつてん
)
が
参
(
まゐ
)
り
兼
(
か
)
ねます』
248
梅公
(
うめこう
)
『ハヽヽヽヽ。
249
これ
花香
(
はなか
)
さま、
250
さう
深
(
ふか
)
く
考
(
かんが
)
へてはいけない。
251
私
(
わたし
)
は
宣伝使
(
せんでんし
)
、
252
天下
(
てんか
)
を
股
(
また
)
にかけて
旅行
(
りよかう
)
するもの、
253
サンヨさまが、
254
私
(
わたし
)
に
任
(
まか
)
すと
云
(
い
)
つたのは、
255
そんな
夫婦
(
ふうふ
)
関係
(
くわんけい
)
のやうな
深
(
ふか
)
い
意味
(
いみ
)
ぢやない。
256
要
(
えう
)
するに……
娘
(
むすめ
)
を
救助
(
きうじよ
)
して
呉
(
く
)
れ……と
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
だ。
257
エルソンさまに
云
(
い
)
はれた
事
(
こと
)
と
私
(
わたし
)
に
云
(
い
)
はれた
事
(
こと
)
とは
大
(
おほい
)
に
意味
(
いみ
)
が
違
(
ちが
)
ひますよ』
258
花香
(
はなか
)
『ハイ、
259
分
(
わか
)
りました。
260
偉
(
えら
)
い
御
(
ご
)
厄介
(
やくかい
)
をかけまして
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まない
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
います。
261
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
妾
(
わたし
)
は
貴方
(
あなた
)
が
何
(
なん
)
だか
恋
(
こひ
)
しく
思
(
おも
)
はれてなりませぬわ』
262
梅公
(
うめこう
)
『これこれ
花香
(
はなか
)
さま、
263
さう
脱線
(
だつせん
)
してはいけませぬよ。
264
今
(
いま
)
貴女
(
あなた
)
が
悪漢
(
わるもの
)
にさいなまれて
居
(
ゐ
)
た
時
(
とき
)
、
265
木蔭
(
こかげ
)
に
隠
(
かく
)
れて
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
れば、
266
どこ
迄
(
まで
)
も……
女
(
をんな
)
の
操
(
みさを
)
を
破
(
やぶ
)
らない……と
云
(
い
)
うて、
267
命
(
いのち
)
に
代
(
か
)
へて
操
(
みさを
)
を
守
(
まも
)
つたぢやありませぬか。
268
夫
(
それ
)
はきつとエルソンの
為
(
た
)
めでせう』
269
花香
(
はなか
)
『いいえ、
270
エルソンなんか
一回
(
いつくわい
)
も
約束
(
やくそく
)
した
事
(
こと
)
はありませぬ。
271
彼方
(
あちら
)
の
方
(
はう
)
から
何
(
なん
)
とか
彼
(
か
)
とか
云
(
い
)
うて
幾度
(
いくたび
)
となく
云
(
い
)
ひ
寄
(
よ
)
られた
事
(
こと
)
は
厶
(
ござ
)
いますが、
272
いつとても
体
(
てい
)
よくお
断
(
ことわ
)
りを
申
(
まをし
)
て
居
(
ゐ
)
るのです』
273
梅公
(
うめこう
)
『そんなら、
274
貴女
(
あなた
)
の
恋人
(
こひびと
)
はまだ
外
(
ほか
)
にあるのですか』
275
花香
(
はなか
)
『ハイ、
276
立派
(
りつぱ
)
なお
方
(
かた
)
が
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
厶
(
ござ
)
います』
277
梅公
(
うめこう
)
『
其
(
その
)
恋人
(
こひびと
)
と
云
(
い
)
ふのは
今
(
いま
)
何
(
なに
)
をして
居
(
を
)
られるのですか』
278
花香
(
はなか
)
『ハイ、
279
お
恥
(
はづ
)
かし
乍
(
なが
)
ら
今
(
いま
)
妾
(
わたし
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
を
)
られます』
280
梅公
(
うめこう
)
『ハヽヽヽヽ。
281
これ
花香
(
はなか
)
さま、
282
冗談
(
じようだん
)
云
(
い
)
つちやいけませぬよ。
283
貴女
(
あなた
)
は
私
(
わたし
)
を
揶揄
(
からか
)
つて
居
(
ゐ
)
るのですな』
284
花香
(
はなか
)
『イエイエ
勿体
(
もつたい
)
ない、
285
命
(
いのち
)
の
恩人
(
おんじん
)
、
286
神
(
かみ
)
の
与
(
あた
)
へた
恋人
(
こひびと
)
に
対
(
たい
)
し、
287
どうして
揶揄
(
からかひ
)
なんぞ
致
(
いた
)
しませう。
288
妾
(
わたし
)
の
言葉
(
ことば
)
は
熱血
(
ねつけつ
)
より
迸
(
ほとばし
)
つて
居
(
を
)
りますの』
289
梅公
(
うめこう
)
『どうも
合点
(
がつてん
)
のゆかぬ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひますね』
290
花香
(
はなか
)
『
妾
(
わらは
)
は
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
な
夢
(
ゆめ
)
に
麗
(
うるは
)
しき
神人
(
しんじん
)
と
遇
(
あ
)
つて
居
(
を
)
ります。
291
其
(
その
)
御
(
お
)
方
(
かた
)
はいつも
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り、
292
妾
(
わたし
)
を
山野
(
さんや
)
に
導
(
みちび
)
いていろいろの
教訓
(
けうくん
)
をして
下
(
くだ
)
さいますが、
293
今
(
いま
)
貴方
(
あなた
)
のお
顔
(
かほ
)
を
拝
(
をが
)
みまして、
294
初
(
はじ
)
めて
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
の
恋人
(
こひびと
)
に
遇
(
あ
)
へたと
思
(
おも
)
つて
喜
(
よろこ
)
びに
耐
(
た
)
えませぬ。
295
妾
(
わたし
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
なる
恋人
(
こひびと
)
と
深
(
ふか
)
く
契
(
ちぎり
)
を
結
(
むす
)
びました。
296
其
(
その
)
夢
(
ゆめ
)
に
現
(
あら
)
はれた
方
(
かた
)
は
貴方
(
あなた
)
にそつくりです。
297
お
顔
(
かほ
)
と
云
(
い
)
ひお
声
(
こゑ
)
と
云
(
い
)
ひ
298
馬
(
うま
)
の
乗
(
の
)
りかたと
云
(
い
)
ひ、
299
この
馬
(
うま
)
迄
(
まで
)
がそつくりですもの。
300
これが
何
(
ど
)
う
疑
(
うたが
)
はれませう』
301
梅公
(
うめこう
)
は
吐息
(
といき
)
をつきながら、
302
梅公
(
うめこう
)
『ハテナ、
303
これや
夢
(
ゆめ
)
ではあるまいか。
304
どうも
合点
(
がつてん
)
のゆかぬ
事
(
こと
)
があるものだ。
305
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
伴
(
とも
)
をしながら
女房
(
にようばう
)
を
連
(
つ
)
れて
歩
(
ある
)
く
訳
(
わけ
)
にもゆかず、
306
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
たものだなア』
307
花香
(
はなか
)
『もし
貴方
(
あなた
)
は
梅
(
うめ
)
さまと
云
(
い
)
ふ
名
(
な
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬか。
308
いつも
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
で、
309
梅公
(
うめこう
)
さま
梅公
(
うめこう
)
さまと
云
(
い
)
つて
交際
(
つきあ
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたよ』
310
梅公
(
うめこう
)
『
成程
(
なるほど
)
私
(
わし
)
の
名
(
な
)
は
梅公
(
うめこう
)
だ。
311
さうしてお
前
(
まへ
)
さまの
名
(
な
)
は
花香
(
はなか
)
。
312
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
かを
)
りと
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
だなー、
313
ハヽヽヽヽ。
314
何
(
なん
)
だか
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らなくなつて
来
(
き
)
ましたわい』
315
花香
(
はなか
)
『
貴方
(
あなた
)
は……
二人
(
ふたり
)
の
仲
(
なか
)
は
神
(
かみ
)
の
定
(
さだ
)
めた
真
(
まこと
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
だ……とお
感
(
かん
)
じになりませぬか』
316
梅公
(
うめこう
)
『まア
悠
(
ゆつく
)
り
思案
(
しあん
)
さして
下
(
くだ
)
さい。
317
馬上
(
ばじやう
)
では
分
(
わか
)
りませぬわ。
318
何処
(
どこ
)
かへ
下
(
お
)
りて
悠
(
ゆつく
)
りと
考
(
かんが
)
へませう。
319
や、
320
幸
(
さいは
)
ひ
此処
(
ここ
)
に、
321
好
(
よ
)
い
場所
(
ばしよ
)
がある。
322
花香
(
はなか
)
さま、
323
貴女
(
あなた
)
はこのまま
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さい。
324
私
(
わたし
)
は
一寸
(
ちよつと
)
鎮魂
(
ちんこん
)
をして
神勅
(
しんちよく
)
を
伺
(
うかが
)
つて
見
(
み
)
ませう』
325
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
馬
(
うま
)
をヒラリと
飛
(
と
)
びおりた。
326
花香
(
はなか
)
『もし
梅公
(
うめこう
)
様
(
さま
)
、
327
女
(
をんな
)
が
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは、
328
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
謎
(
なぞ
)
で
厶
(
ござ
)
いませうかな、
329
一寸
(
ちよつと
)
考
(
かんが
)
へて
下
(
くだ
)
さいな』
330
梅公
(
うめこう
)
『
女
(
をんな
)
に
馬
(
うま
)
、
331
フン、
332
成程
(
なるほど
)
、
333
媽
(
かか
)
と
云
(
い
)
ふ
洒落
(
しやれ
)
だな。
334
かかる
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
は
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
誰
(
たれ
)
も
味
(
あぢ
)
はうたものはあるまい』
335
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み
瞑目
(
めいもく
)
して
鎮魂
(
ちんこん
)
の
行
(
ぎやう
)
に
入
(
い
)
つた。
336
花香
(
はなか
)
も
馬
(
うま
)
をヒラリと
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り
傍
(
かたはら
)
に
同
(
おな
)
じく
座
(
ざ
)
して
鎮魂
(
ちんこん
)
の
姿勢
(
しせい
)
を
取
(
と
)
つた。
337
無心
(
むしん
)
の
馬
(
うま
)
は
目
(
め
)
を
閉
(
つむ
)
つて
四辺
(
あたり
)
の
草
(
くさ
)
をむしつて
居
(
ゐ
)
る。
338
暫
(
しばら
)
くあつて
梅公
(
うめこう
)
も
花香
(
はなか
)
も
互
(
たがひ
)
に
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
はず、
339
再
(
ふたた
)
び
相乗
(
あひの
)
り
馬
(
うま
)
にて
際限
(
さいげん
)
もなき
広野
(
くわうや
)
をオーラ
山
(
さん
)
の
峰
(
みね
)
を
目蒐
(
めが
)
けて、
340
野嵐
(
のあらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くのであつた。
341
(
大正一三・一二・一七
旧一一・二一
於祥雲閣
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 喰ひ違ひ
(B)
(N)
縁馬の別 >>>
霊界物語
>
第66巻
> 第4篇 恋連愛曖 > 第16章 恋の夢路
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【16 恋の夢路|第66巻(巳の巻)|霊界物語/rm6616】
合言葉「みろく」を入力して下さい→