霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第27巻(寅の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 聖地の秋
01 高姫館
〔783〕
02 清潔法
〔784〕
03 魚水心
〔785〕
第2篇 千差万別
04 教主殿
〔786〕
05 玉調べ
〔787〕
06 玉乱
〔788〕
07 猫の恋
〔789〕
第3篇 神仙霊境
08 琉と球
〔790〕
09 女神託宣
〔791〕
10 太平柿
〔792〕
11 茶目式
〔793〕
第4篇 竜神昇天
12 湖上の怪物
〔794〕
13 竜の解脱
〔795〕
14 草枕
〔796〕
15 情意投合
〔797〕
第5篇 清泉霊沼
16 琉球の神
〔798〕
17 沼の女神
〔799〕
18 神格化
〔800〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスクのお知らせ
霊界物語
>
第27巻
> 第3篇 神仙霊境 > 第11章 茶目式
<<< 太平柿
(B)
(N)
湖上の怪物 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一一章
茶目式
(
ちやめしき
)
〔七九三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻
篇:
第3篇 神仙霊境
よみ(新仮名遣い):
しんせんれいきょう
章:
第11章 茶目式
よみ(新仮名遣い):
ちゃめしき
通し章番号:
793
口述日:
1922(大正11)年07月25日(旧06月02日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年6月20日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
三人は谷川に流されていく。常楠は、ハーリス山頂のご神業参加に急がねばならず、さりとて三人を救わねば命が危うく、やや迷っていたが、ご神業は遅れても参加できようが、三人の命は急を要すると腹を決め、島人を指揮して下流に三人を追っていった。
谷川がやや広く浅くなった場所で、人々は三人を救い上げて人工呼吸を施し、水を吐かせて反魂歌を歌って蘇生させた。常楠は三人を槻の大樹に送って介抱させ、自らは言依別、若彦を追って山頂に登って行った。
国依別、チャール、ベースの三人はようやく元気回復してきたが、竜神の柿を食ったせいか、腹が膨れてきて苦しみ出した。国依別は大蛇退散と言って、天の数歌を繰り返すと、腹は元のとおりに治って苦しさが収まった。国依別は神恩に感謝し、祝詞を上げた。
国依別はチャールとベースのためにも出任せの歌を歌いながら祈願をこらした。すると二人の腹も元のとおりに治ってしまった。島人たちはこの神力に驚き、国依別に合掌した。
国依別はチャール、ベースと共に大神に全快を感謝する祝詞を唱えると、足を早めてハーリス山に登り、力いっぱい宣伝歌を歌いながら言依別命一行を追って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-10-31 18:33:10
OBC :
rm2711
愛善世界社版:
182頁
八幡書店版:
第5輯 308頁
修補版:
校定版:
188頁
普及版:
81頁
初版:
ページ備考:
001
言依別
(
ことよりわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
002
ハーリス
山
(
ざん
)
に
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く
003
国依別
(
くによりわけ
)
はその
途中
(
とちう
)
004
谷
(
たに
)
の
向
(
むか
)
ふに
美
(
うる
)
はしく
005
枝
(
えだ
)
もたわわに
実
(
みの
)
りたる
006
太平柿
(
たいへいがき
)
を
見
(
み
)
るよりも
007
俄
(
にはか
)
に
食欲
(
しよくよく
)
勃発
(
ぼつぱつ
)
し
008
空腹
(
くうふく
)
まぎれに
道端
(
みちばた
)
に
009
芭蕉
(
ばせう
)
の
葉
(
は
)
をば
敷具
(
しきぐ
)
とし
010
悠々
(
いういう
)
端坐
(
たんざ
)
なし
乍
(
なが
)
ら
011
弥勒
(
みろく
)
如来
(
によらい
)
のその
如
(
ごと
)
く
012
左手
(
ゆんで
)
を
腿
(
もも
)
にチヨイと
載
(
の
)
せ
013
右手
(
めて
)
の
拳
(
こぶし
)
を
握
(
にぎ
)
りつつ
014
食指
(
ひとさしゆび
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
015
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まま
)
に
谷底
(
たにそこ
)
の
016
太平柿
(
たいへいがき
)
を
指
(
ゆび
)
さしつ
017
続
(
つづ
)
いて
我
(
わが
)
口
(
くち
)
我
(
わが
)
腹
(
はら
)
を
018
幾度
(
いくたび
)
となく
指示
(
さししめ
)
し
019
チヤール、ベースや
其
(
その
)
他
(
ほか
)
の
020
木登
(
きのぼ
)
り
上手
(
じやうず
)
の
人
(
ひと
)
あらば
021
谷間
(
たにま
)
を
越
(
こ
)
えて
攀上
(
よぢのぼ
)
り
022
さも
甘
(
うま
)
さうな
彼
(
あ
)
の
柿
(
かき
)
を
023
われに
一二個
(
いちにこ
)
献
(
たてまつ
)
れ
024
口
(
くち
)
に
言
(
い
)
はねど
仕方
(
しかた
)
にて
025
頻
(
しき
)
りに
示
(
しめ
)
す
可笑
(
をか
)
しさよ
026
ハーリス
山
(
ざん
)
の
竜神
(
りうじん
)
が
027
餌食
(
ゑじき
)
としたる
太平柿
(
たいへいがき
)
028
野心
(
やしん
)
を
起
(
おこ
)
し
人々
(
ひとびと
)
が
029
一個
(
いつこ
)
なりとも
取
(
と
)
るならば
030
忽
(
たちま
)
ち
神
(
かみ
)
の
御怒
(
みいか
)
りに
031
触
(
ふ
)
れて
腹部
(
ふくぶ
)
は
膨張
(
ばうてう
)
し
032
遂
(
つひ
)
には
蛇
(
へび
)
の
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
みて
033
生命
(
いのち
)
を
果
(
はた
)
すと
聞
(
きこ
)
えたる
034
危険
(
きけん
)
極
(
きは
)
まる
果実
(
くわじつ
)
なり
035
国依別
(
くによりわけ
)
の
食欲
(
しよくよく
)
は
036
旺
(
さかん
)
に
起
(
おこ
)
り
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
も
037
怺
(
たま
)
らぬままに
常楠
(
つねくす
)
に
038
採
(
と
)
つて
呉
(
く
)
れよと
促
(
うなが
)
せば
039
常楠
(
つねくす
)
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じつつ
040
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ずして
供人
(
ともびと
)
の
041
チヤール、ベースに
命令
(
めいれい
)
し
042
国依別
(
くによりわけ
)
の
要求
(
えうきう
)
を
043
充
(
みた
)
しやらんと
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
る
044
チヤール、ベースは
生神
(
いきがみ
)
の
045
託宣
(
たくせん
)
否
(
いな
)
むに
由
(
よし
)
も
無
(
な
)
く
046
蔓
(
つる
)
に
下
(
さが
)
つて
絶壁
(
ぜつぺき
)
を
047
谷間
(
たにま
)
に
下
(
くだ
)
り
激流
(
げきりう
)
の
048
中
(
なか
)
に
浮
(
うか
)
べる
岩頭
(
がんとう
)
を
049
飛
(
と
)
び
越
(
こ
)
え
飛
(
と
)
び
越
(
こ
)
え
向
(
むか
)
ふ
側
(
がは
)
050
漸
(
やうや
)
く
渡
(
わた
)
りて
柿
(
かき
)
の
根
(
ね
)
を
051
抱
(
いだ
)
いて
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
むれば
052
甘
(
うま
)
さうな
香
(
にほひ
)
がプンプンと
053
二人
(
ふたり
)
の
鼻
(
はな
)
をついて
来
(
く
)
る
054
忽
(
たちま
)
ち
二人
(
ふたり
)
は
意
(
い
)
を
決
(
けつ
)
し
055
猿
(
ましら
)
の
如
(
ごと
)
く
攀上
(
よぢのぼ
)
り
056
蚕
(
かひこ
)
の
虫
(
むし
)
が
桑
(
くは
)
の
葉
(
は
)
を
057
食
(
く
)
ひつくす
如
(
ごと
)
小口
(
こぐち
)
から
058
赤
(
あか
)
い
熟柿
(
じゆくし
)
を
むしり
取
(
と
)
り
059
ものをも
言
(
い
)
はず
大口
(
おほぐち
)
を
060
開
(
ひら
)
いて
頬張
(
ほほば
)
る
可笑
(
をか
)
しさよ
061
余
(
あま
)
りの
甘
(
うま
)
さに
両人
(
りやうにん
)
は
062
己
(
おの
)
が
役目
(
やくめ
)
を
忘却
(
ばうきやく
)
し
063
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
むしり
取
(
と
)
り
064
遮二
(
しやに
)
無二
(
むに
)
口
(
くち
)
に
放
(
ほ
)
り
込
(
こ
)
めば
065
忽
(
たちま
)
ち
膨
(
ふく
)
れた
布袋腹
(
ほていばら
)
066
息
(
いき
)
をスウスウ
喘
(
はづ
)
ませつ
067
鰒
(
ふぐ
)
の
木登
(
きのぼ
)
りした
様
(
やう
)
な
068
怪体
(
けたい
)
な
姿
(
すがた
)
となりにけり
069
国依別
(
くによりわけ
)
は
打仰
(
うちあふ
)
ぎ
070
一
(
ひと
)
つでよいから
甘
(
うま
)
い
奴
(
やつ
)
071
落
(
おと
)
して
呉
(
く
)
れと
呼
(
よ
)
ばはれど
072
馬耳
(
ばじ
)
東風
(
とうふう
)
の
両人
(
りやうにん
)
は
073
生命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずに
食
(
く
)
つて
居
(
ゐ
)
る
074
国依別
(
くによりわけ
)
は
思
(
おも
)
ふやう
075
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
076
必
(
かなら
)
ず
人
(
ひと
)
に
頼
(
たよ
)
るなよ
077
わが
身
(
み
)
の
事
(
こと
)
は
我
(
わが
)
身
(
み
)
にて
078
やらねばならぬと
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
079
芭蕉葉
(
ばせうば
)
の
席
(
せき
)
を
立上
(
たちあが
)
り
080
猿
(
ましら
)
の
如
(
ごと
)
く
断崖
(
だんがい
)
を
081
蔓
(
つる
)
を
力
(
ちから
)
に
谷底
(
たにぞこ
)
に
082
漸
(
やうや
)
く
下
(
くだ
)
り
対岸
(
むかふぎし
)
083
柿
(
かき
)
の
大木
(
おほき
)
に
抱
(
いだ
)
きつき
084
登
(
のぼ
)
りついたる
一
(
いち
)
の
枝
(
えだ
)
085
ここに
息
(
いき
)
をば
休
(
やす
)
めつつ
086
眼下
(
がんか
)
を
見
(
み
)
ればいと
高
(
たか
)
く
087
激流
(
げきりう
)
飛沫
(
ひまつ
)
の
水煙
(
みづけむり
)
088
水声
(
すゐせい
)
轟々
(
ぐわうぐわう
)
凄
(
すさま
)
じく
089
肝
(
きも
)
も
抜
(
ぬ
)
かるる
許
(
ばか
)
りなり
090
頭上
(
づじやう
)
の
二人
(
ふたり
)
は
右左
(
みぎひだり
)
091
猿
(
ましら
)
の
如
(
ごと
)
く
飛
(
と
)
び
交
(
か
)
ひて
092
五臓
(
ござう
)
六腑
(
ろつぷ
)
の
裂
(
さ
)
ける
迄
(
まで
)
093
生命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずに
食
(
く
)
つてゐる
094
国依別
(
くによりわけ
)
は
怺
(
たま
)
りかね
095
危
(
あやふ
)
き
所
(
ところ
)
に
上
(
のぼ
)
らねば
096
甘
(
うま
)
い
熟柿
(
じゆくし
)
は
食
(
く
)
へないと
097
生命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
細枝
(
ほそえだ
)
に
098
つかまり
乍
(
なが
)
ら
漸々
(
やうやう
)
に
099
一
(
ひと
)
つの
熟柿
(
じゆくし
)
をむしり
取
(
と
)
り
100
天下
(
てんか
)
無上
(
むじやう
)
の
珍味
(
ちんみ
)
ぞと
101
口
(
くち
)
にふくめば
忽
(
たちま
)
ちに
102
腹
(
はら
)
はふくれて
吹
(
ふ
)
く
息
(
いき
)
も
103
漸
(
やうや
)
く
苦
(
くる
)
しくなりにけり
104
柿
(
かき
)
の
根元
(
ねもと
)
を
見下
(
みお
)
ろせば
105
亀甲形
(
きつかふがた
)
の
斑紋
(
はんもん
)
ある
106
大蛇
(
をろち
)
の
群
(
むれ
)
の
数多
(
かずおほ
)
く
107
目
(
め
)
を
瞋
(
いか
)
らして
上
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
108
その
形相
(
ぎやうさう
)
の
凄
(
すさま
)
じさ
109
進退
(
しんたい
)
茲
(
ここ
)
に
谷
(
きは
)
まりて
110
国依別
(
くによりわけ
)
は
意
(
い
)
を
決
(
けつ
)
し
111
運
(
うん
)
をば
天
(
てん
)
に
任
(
まか
)
せつつ
112
生死
(
せいし
)
の
外
(
ほか
)
に
超越
(
てうゑつ
)
し
113
激潭
(
げきたん
)
飛沫
(
ひまつ
)
の
青淵
(
あをぶち
)
を
114
目蒐
(
めが
)
けて
飛込
(
とびこ
)
む
放
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
115
ザンブと
許
(
ばか
)
り
水煙
(
みづけぶり
)
116
立
(
た
)
つよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
国依別
(
くによりわけ
)
の
117
姿
(
すがた
)
は
水泡
(
みなわ
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せぬ
118
チヤール、ベースの
両人
(
りやうにん
)
は
119
上
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
れる
蛇
(
へび
)
を
見
(
み
)
て
120
怖
(
おそ
)
れ
戦
(
をのの
)
き
国依別
(
くによりわけ
)
の
121
珍
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
が
飛込
(
とびこ
)
みし
122
青淵
(
あをぶち
)
目蒐
(
めが
)
けて
飛込
(
とびこ
)
めば
123
これ
又
(
また
)
姿
(
すがた
)
は
消
(
き
)
えにけり
124
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
125
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
たる
常楠
(
つねくす
)
や
126
四五
(
しご
)
の
土人
(
どじん
)
の
供人
(
ともびと
)
は
127
驚
(
おどろ
)
き
周章
(
あわて
)
ワイワイと
128
谷
(
たに
)
の
流
(
なが
)
れに
沿
(
そ
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
129
三人
(
みたり
)
の
姿
(
すがた
)
は
何処
(
いづこ
)
ぞと
130
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
奔走
(
ほんそう
)
し
131
狂
(
くる
)
ひ
廻
(
まは
)
るぞ
是非
(
ぜひ
)
なけれ
132
谷間
(
たにま
)
を
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
133
いと
轟々
(
ぐわうぐわう
)
と
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
ぶ
134
言依別
(
ことよりわけ
)
や
若彦
(
わかひこ
)
は
135
斯
(
かか
)
る
事
(
こと
)
とは
知
(
し
)
らずして
136
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
137
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
歌
(
うた
)
ひつつ
138
谷
(
たに
)
を
伝
(
つた
)
ひて
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
139
足
(
あし
)
を
早
(
はや
)
めて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
140
常楠
(
つねくす
)
は
此処
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
迷
(
まよ
)
はざるを
得
(
え
)
なかつた。
141
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
せざればならず、
142
又
(
また
)
国依別
(
くによりわけ
)
以下
(
いか
)
を
助
(
たす
)
けなくては
人間
(
にんげん
)
の
道
(
みち
)
が
立
(
た
)
たず………。
143
常楠
(
つねくす
)
『あゝ
如何
(
どう
)
したらよからうか。
144
末代
(
まつだい
)
に
一度
(
いちど
)
の
此
(
この
)
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
を
外
(
はづ
)
しても
国依別
(
くによりわけ
)
その
外
(
ほか
)
を
助
(
たす
)
けねばならぬであらうか。
145
それだと
云
(
い
)
つて、
146
国依別
(
くによりわけ
)
の
生命
(
いのち
)
もヤツパリ
一
(
ひと
)
つだ。
147
グズグズして
居
(
を
)
れば
取返
(
とりかへ
)
しのつかない
事
(
こと
)
になつて
了
(
しま
)
ふ。
148
彼方
(
あちら
)
に
尽
(
つく
)
せば
此方
(
こちら
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬ。
149
此方
(
こちら
)
を
救
(
すく
)
はんとすれば、
150
大切
(
たいせつ
)
な
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
を
放棄
(
はうき
)
せねばならず。
151
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
は
最
(
もつと
)
も
重
(
おも
)
く、
152
人命
(
じんめい
)
も
亦
(
また
)
実
(
じつ
)
に
大切
(
たいせつ
)
である』
153
兎
(
と
)
やせん
角
(
かく
)
やせんと
暫
(
しばら
)
くは
四五間
(
しごけん
)
の
間
(
あひだ
)
を
上
(
のぼ
)
りつ、
154
下
(
くだ
)
りつ
処置
(
しよち
)
に
迷
(
まよ
)
うてゐた。
155
常楠
(
つねくす
)
『アヽ、
156
グヅグヅしてゐると、
157
一方
(
いつぱう
)
は
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
が
止
(
と
)
まつて
了
(
しま
)
ふ。
158
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
は
半時
(
はんとき
)
や
一時
(
ひととき
)
遅
(
おく
)
れたとこで
勤
(
つと
)
まらない
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
159
オーさうだ。
160
国依別
(
くによりわけ
)
を
助
(
たす
)
ける
方
(
はう
)
が
本当
(
ほんたう
)
だらう』
161
と
独語
(
ひとりごと
)
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
162
土人
(
どじん
)
の
声
(
こゑ
)
のする
方
(
はう
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
谷川
(
たにがは
)
を
伝
(
つた
)
ひ、
163
灌木
(
くわんぼく
)
を
分
(
わ
)
けて
下
(
くだ
)
つて
往
(
ゆ
)
く。
164
四五丁
(
しごちやう
)
下流
(
しも
)
に
当
(
あた
)
つて
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
供人
(
ともびと
)
は
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに、
165
『アレヨ アレヨ』
166
とさざめいてゐる。
167
見
(
み
)
れば
三
(
みつ
)
つの
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
、
168
浮
(
う
)
きつ
沈
(
しづ
)
みつ
激流
(
げきりう
)
に
流
(
なが
)
されて
下
(
くだ
)
り
往
(
ゆ
)
く。
169
何分
(
なにぶん
)
両方
(
りやうはう
)
は
壁
(
かべ
)
の
如
(
ごと
)
き
岩
(
いは
)
、
170
容易
(
ようい
)
に
近寄
(
ちかよ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
171
常楠
(
つねくす
)
は
大声
(
おほごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて、
172
常楠
(
つねくす
)
『
下流
(
しも
)
へ
下流
(
しも
)
へ』
173
と
呼
(
よ
)
ばはり
乍
(
なが
)
ら、
174
一目散
(
いちもくさん
)
に
下流
(
かりう
)
を
指
(
さ
)
して
十丁
(
じつちやう
)
許
(
ばか
)
り
駆出
(
かけだ
)
した。
175
此処
(
ここ
)
には
谷川
(
たにがは
)
稍
(
やや
)
広
(
ひろ
)
く
展開
(
てんかい
)
し
水
(
みづ
)
も
余程
(
よほど
)
浅
(
あさ
)
くなり
流
(
なが
)
れも
亦
(
また
)
緩
(
ゆる
)
やかになつて、
176
川底
(
かはぞこ
)
の
小砂利
(
こじやり
)
迄
(
まで
)
がハツキリ
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
177
常楠
(
つねくす
)
を
始
(
はじ
)
め
四五
(
しご
)
の
供人
(
ともびと
)
はザブザブと
川
(
かは
)
に
飛入
(
とびい
)
り、
178
流
(
なが
)
れ
来
(
きた
)
る
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
身体
(
からだ
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げんと
横梯陣
(
わうていぢん
)
を
作
(
つく
)
つて
待
(
ま
)
つてゐる。
179
漸
(
やうや
)
く
流
(
なが
)
れついたのは
国依別
(
くによりわけ
)
、
180
続
(
つづ
)
いて
二人
(
ふたり
)
も
無事
(
ぶじ
)
に
此処
(
ここ
)
に
流
(
なが
)
れて
来
(
き
)
た。
181
各
(
おのおの
)
一人
(
ひとり
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
二人
(
ふたり
)
宛
(
づつ
)
手分
(
てわ
)
けして
岸
(
きし
)
に
引上
(
ひきあ
)
げ、
182
水
(
みづ
)
を
吐
(
は
)
かせ、
183
種々
(
いろいろ
)
と
人工
(
じんこう
)
呼吸
(
こきふ
)
を
施
(
ほどこ
)
した
末
(
すゑ
)
、
184
常楠
(
つねくす
)
は
老人
(
らうじん
)
の
皺嗄
(
しわが
)
れ
声
(
ごゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げ
乍
(
なが
)
ら、
185
反魂歌
(
はんこんか
)
を
繰返
(
くりかへ
)
し
繰返
(
くりかへ
)
し
高唱
(
かうしやう
)
した。
186
国依別
(
くによりわけ
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
手足
(
てあし
)
を
動
(
うご
)
かし
出
(
だ
)
した。
187
常楠
(
つねくす
)
の
面
(
かほ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
輝
(
かがや
)
き
初
(
そ
)
めた。
188
又
(
また
)
もや
二人
(
ふたり
)
に
向
(
むか
)
つて
反魂歌
(
はんこんか
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
唱
(
とな
)
へ
上
(
あ
)
げるや、
189
漸
(
やうや
)
くにして
二人
(
ふたり
)
も
蘇生
(
そせい
)
した。
190
一同
(
いちどう
)
の
悦
(
よろこ
)
びは
譬
(
たと
)
ふるに
物
(
もの
)
なきまでであつた。
191
常楠
(
つねくす
)
の
命令
(
めいれい
)
に
依
(
よ
)
つて
国依別
(
くによりわけ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
を
天然
(
てんねん
)
ホテルの
槻木
(
つきのき
)
の
洞穴
(
どうけつ
)
に
送
(
おく
)
り、
192
土人
(
どじん
)
に
介抱
(
かいほう
)
させ
置
(
お
)
き
乍
(
なが
)
ら、
193
常楠
(
つねくす
)
は
時
(
とき
)
遅
(
おく
)
れては
一大事
(
いちだいじ
)
と、
194
疲
(
つか
)
れた
老
(
おい
)
の
足
(
あし
)
を
引
(
ひき
)
ずり
乍
(
なが
)
ら、
195
多羅
(
たら
)
の
木
(
き
)
の
杖
(
つゑ
)
を
力
(
ちから
)
にハーリス
山
(
ざん
)
の
谷間
(
たにま
)
を
目
(
め
)
がけて
再
(
ふたた
)
び
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
196
国依別
(
くによりわけ
)
、
197
チヤール、
198
ベースの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
漸
(
やうや
)
く
元気
(
げんき
)
恢復
(
くわいふく
)
した。
199
されど
竜神
(
りうじん
)
の
柿
(
かき
)
を
食
(
く
)
つた
天罰
(
てんばつ
)
か、
200
腹
(
はら
)
は
追々
(
おひおひ
)
膨張
(
ばうてう
)
して
臨月
(
りんげつ
)
の
女
(
をんな
)
の
様
(
やう
)
になつて
来
(
き
)
た。
201
チヤール、
202
ベースの
二人
(
ふたり
)
は、
203
ゴロリゴロリと
身体中
(
からだぢう
)
丸
(
まる
)
くなつて
毬
(
まり
)
のやうに
転
(
ころ
)
げ
廻
(
まは
)
り
苦
(
くる
)
しみ
乍
(
なが
)
ら、
204
チヤール『モシモシ、
205
国依別
(
くによりわけの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
206
何
(
なん
)
とかして
下
(
くだ
)
さいな』
207
国依別
(
くによりわけ
)
『マア
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れ。
208
俺
(
おれ
)
の
腹
(
はら
)
から
癒
(
なほ
)
さなくちやならないのだ』
209
チヤール『
元
(
もと
)
は
貴方
(
あなた
)
の
為
(
ため
)
に、
210
斯
(
こ
)
んな
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
つたのですから、
211
助
(
たす
)
けて
頂
(
いただ
)
かねばつまりませぬ。
212
何
(
なん
)
だか
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
に
大蛇
(
をろち
)
の
児
(
こ
)
がウヨウヨして
居
(
ゐ
)
るやうに
苦
(
くる
)
しくて
怺
(
たま
)
りませぬワ。
213
大蛇
(
をろち
)
の
赤児
(
あかご
)
が
出産
(
しゆつさん
)
するや
否
(
いな
)
や、
214
男女
(
だんぢよ
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
即座
(
そくざ
)
に
死
(
し
)
んで
了
(
しま
)
うと
言
(
い
)
ふことです。
215
これ
丈
(
だ
)
け
苦
(
くる
)
しくては
死
(
し
)
んだ
方
(
はう
)
が
優
(
まし
)
だが、
216
死
(
し
)
んでもつまらない。
217
宅
(
うち
)
には
女房
(
にようばう
)
や
子
(
こ
)
が
残
(
のこ
)
つてゐる。
218
何
(
なん
)
とかして
早
(
はや
)
く
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
はねば、
219
追々
(
おひおひ
)
苦
(
くる
)
しくなつて
来
(
き
)
ました』
220
国依別
(
くによりわけ
)
『いやしさに
世間
(
せけん
)
へ
恥
(
はぢ
)
を
かき
の
実
(
み
)
の
221
腹
(
はら
)
ふくれても
大蛇
(
だいじや
)
あるまい』
222
と
二度
(
にど
)
くり
返
(
かへ
)
し
口吟
(
くちずさ
)
み、
223
自分
(
じぶん
)
の
腹
(
はら
)
を
拳骨
(
げんこつ
)
を
固
(
かた
)
めて
三
(
みつ
)
つ
四
(
よ
)
つ
撲
(
なぐ
)
りつけ、
224
国依別
(
くによりわけ
)
『
大蛇
(
をろち
)
、
225
退散
(
たいさん
)
々々
(
たいさん
)
』
226
と
云
(
い
)
ひ
了
(
をは
)
つて、
227
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
苦
(
くる
)
しき
息
(
いき
)
をつき
乍
(
なが
)
ら
奏上
(
そうじやう
)
した。
228
不思議
(
ふしぎ
)
や
今迄
(
いままで
)
脹満
(
てうまん
)
のやうにふくれてゐた
国依別
(
くによりわけ
)
の
腹部
(
ふくぶ
)
は、
229
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くに
癒
(
なほ
)
り、
230
息
(
いき
)
も
平常
(
へいぜい
)
の
通
(
とほ
)
りになつて
来
(
き
)
た。
231
国依別
(
くによりわけ
)
は
直
(
ただ
)
ちに
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
232
感謝
(
かんしや
)
祈願
(
きぐわん
)
の
言葉
(
ことば
)
を
唱
(
とな
)
へて
神恩
(
しんおん
)
を
涙
(
なみだ
)
乍
(
なが
)
らに
感謝
(
かんしや
)
するのであつた。
233
チヤール、
234
ベースの
二人
(
ふたり
)
は、
235
断末魔
(
だんまつま
)
の
様
(
やう
)
な
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
236
ウンウンと
肩
(
かた
)
で
息
(
いき
)
をし
乍
(
なが
)
ら
呻
(
うめ
)
いてゐる。
237
その
惨状
(
さんじやう
)
目
(
め
)
も
当
(
あ
)
てられぬ
許
(
ばか
)
りであつた。
238
国依別
(
くによりわけ
)
は
両人
(
りやうにん
)
の
為
(
ため
)
に
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
汗水
(
あせみづ
)
を
垂
(
た
)
らして
感謝
(
かんしや
)
祈願
(
きぐわん
)
をしてゐる。
239
国依別
(
くによりわけ
)
『
竜神
(
りうじん
)
の
柿
(
かき
)
食
(
く
)
て
布袋
(
ほてい
)
になつ
チヤール
240
腹
(
はら
)
は
忽
(
たちま
)
ち
ヘース
なるらん。
241
柿
(
かき
)
取
(
と
)
つて
見
(
み
)
ればヘースが
当
(
あた
)
りまへ
242
腹
(
はら
)
ふくれチヤール
道理
(
だうり
)
わからぬ。
243
チヤール、ヘース、
国依別
(
くによりわけ
)
も
諸共
(
もろとも
)
に
244
天
(
あま
)
の
はら
から
下
(
くだ
)
りけるかな。
245
ハラハラと
涙
(
なみだ
)
流
(
なが
)
して
はら
を
撫
(
な
)
で
246
柿
(
かき
)
を
盗
(
ぬす
)
んだ
腹
(
はら
)
いせに
逢
(
あ
)
ひ。
247
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
てども
仕方
(
しかた
)
なし
248
竜神
(
りうじん
)
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てたのか
249
汝
(
なんぢ
)
は
横
(
よこ
)
に
長
(
なが
)
い
奴
(
やつ
)
250
腹
(
はら
)
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
しもならうまい
251
高天原
(
たかあまはら
)
にあれませる
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
たち
252
大海原
(
おほうなばら
)
にあれませる
速
(
はや
)
秋津姫
(
あきつひめの
)
神
(
かみ
)
253
はら
の
悩
(
なや
)
みを
祓
(
はら
)
ひ
玉
(
たま
)
へ
清
(
きよ
)
め
玉
(
たま
)
へ
254
ハラハラと
降
(
ふ
)
り
来
(
く
)
る
雨
(
あめ
)
に
空
(
そら
)
晴
(
は
)
れて
255
大蛇
(
をろち
)
の
空
(
そら
)
も
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
りけり。』
256
と
口
(
くち
)
から
出任
(
でまか
)
せの
腰折
(
こしを
)
れ
歌
(
うた
)
を
詠
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
257
チヤール、
258
ベースの
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
にチヨコナンと
坐
(
すわ
)
り、
259
両人
(
りやうにん
)
の
布袋腹
(
ほていばら
)
を
両方
(
りやうはう
)
の
手
(
て
)
で
撫
(
な
)
で
廻
(
まは
)
して
居
(
ゐ
)
る。
260
薄紙
(
うすがみ
)
を
剥
(
は
)
いだ
様
(
やう
)
に
二人
(
ふたり
)
の
腹
(
はら
)
は
漸次
(
ぜんじ
)
容積
(
ようせき
)
を
減
(
げん
)
じて
来
(
き
)
た。
261
国依別
(
くによりわけ
)
『それ
見
(
み
)
たか
女房
(
にようばう
)
が
撫
(
な
)
でる
ふぐ
の
腹
(
はら
)
262
オツトドツコイ
263
それ
見
(
み
)
たか
国依
(
くにより
)
なでる
柿
(
かき
)
つ
ぱら
264
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
はら
ひ
玉
(
たま
)
へ
清
(
きよ
)
め
玉
(
たま
)
へ
265
高山
(
たかやま
)
の
伊保理
(
いほり
)
、
短山
(
ひきやま
)
の
伊保理
(
いほり
)
266
かき
分
(
わ
)
けて
聞召
(
きこしめ
)
せよ
267
これが
盲
(
めくら
)
の
柿
(
かき
)
のぞき
268
節季
(
せつき
)
が
来
(
き
)
たぞ
節季
(
せつき
)
が
来
(
き
)
たぞ
269
かき
出
(
だ
)
せ
かき
出
(
だ
)
せ
270
四
(
し
)
月
(
ぐわつ
)
と
二
(
に
)
月
(
ぐわつ
)
の
死際
(
しにぎは
)
ではないぞ
271
今
(
いま
)
が
二人
(
ふたり
)
の
生命
(
いのち
)
の
瀬戸際
(
せとぎは
)
272
万劫
(
まんごう
)
末代
(
まつだい
)
生
(
い
)
き
通
(
どほ
)
し
273
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
守
(
まも
)
る
身
(
み
)
は
274
仮令
(
たとへ
)
大蛇
(
だいじや
)
の
潜
(
ひそ
)
むとも
275
大蛇
(
だいじや
)
あるまい
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
276
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
277
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
278
チヤール、ベースが
苦
(
くる
)
しみを
279
片時
(
かたとき
)
も
早
(
はや
)
く
救
(
すく
)
はせ
玉
(
たま
)
へ
280
その
源
(
みなもと
)
を
尋
(
たづ
)
ぬれば
281
国依別
(
くによりわけ
)
より
出
(
い
)
でし
事
(
こと
)
282
罪
(
つみ
)
は
全
(
まつた
)
く
我
(
わが
)
身
(
み
)
にあれば
283
何卒
(
なにとぞ
)
早
(
はや
)
く
両人
(
りやうにん
)
の
腹
(
はら
)
を
ひすぼ
らせ
旧
(
もと
)
の
元気
(
げんき
)
に
恢復
(
くわいふく
)
せしめ
玉
(
たま
)
へ
284
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
285
と
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
汗
(
あせ
)
みどろになつて
祈念
(
きねん
)
し
乍
(
なが
)
ら
両手
(
りやうて
)
にて、
286
両人
(
りやうにん
)
の
腹
(
はら
)
を
撫
(
な
)
で
下
(
お
)
ろした。
287
神徳
(
しんとく
)
忽
(
たちま
)
ち
現
(
あら
)
はれ、
288
二人
(
ふたり
)
は
半時
(
はんとき
)
余
(
あま
)
りの
間
(
あひだ
)
に
旧
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くになつて
了
(
しま
)
つた。
289
四五
(
しご
)
の
供人
(
ともびと
)
も
国依別
(
くによりわけ
)
の
祈願
(
きぐわん
)
に
依
(
よ
)
つて
忽
(
たちま
)
ち
全快
(
ぜんくわい
)
せし
事
(
こと
)
を
感歎
(
かんたん
)
し、
290
各
(
おのおの
)
口
(
くち
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
291
『
国依別
(
くによりわけ
)
の
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
』
292
と
合掌
(
がつしやう
)
するのであつた。
293
国依別
(
くによりわけ
)
は
大神
(
おほかみ
)
にチヤール、
294
ベースと
共
(
とも
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
祝詞
(
のりと
)
を
奏
(
そう
)
し
了
(
をは
)
り、
295
足
(
あし
)
を
早
(
はや
)
めて
再
(
ふたた
)
びハーリス
山
(
ざん
)
指
(
さ
)
して
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
296
国依別
(
くによりわけ
)
は
道々
(
みちみち
)
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
元気
(
げんき
)
旺盛
(
わうせい
)
八人
(
はちにん
)
連
(
づ
)
れにて、
297
言依別
(
ことよりわけ
)
の
登
(
のぼ
)
りたる
場所
(
ばしよ
)
を
辿
(
たど
)
り
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
298
国依別
(
くによりわけ
)
『
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
299
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
300
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
301
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
302
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
は
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
303
わが
改心
(
かいしん
)
と
言霊
(
ことたま
)
の
304
力
(
ちから
)
に
依
(
よ
)
りて
三柱
(
みはしら
)
の
305
尊
(
たふと
)
き
御子
(
みこ
)
は
救
(
すく
)
はれぬ
306
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
307
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
308
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
片時
(
かたとき
)
も
309
言依別
(
ことよりわけ
)
や
若彦
(
わかひこ
)
の
310
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
へ
311
導
(
みちび
)
き
玉
(
たま
)
へハーリスの
312
山
(
やま
)
を
守
(
まも
)
らす
高津
(
たかつ
)
神
(
かみ
)
313
不知
(
しらず
)
不識
(
しらず
)
の
過
(
あやま
)
ちを
314
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
315
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
ひし
竜神
(
たつがみ
)
の
316
恵
(
めぐ
)
みを
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
317
常楠翁
(
つねくすをう
)
は
今
(
いま
)
何処
(
いづこ
)
318
定
(
さだ
)
めて
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
進退
(
しんたい
)
を
319
言依別
(
ことよりわけ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
320
完全
(
うまら
)
に
詳細
(
つばら
)
に
宣
(
の
)
り
終
(
を
)
へて
321
今
(
いま
)
は
三人
(
みたり
)
の
笑
(
わら
)
ひ
草
(
ぐさ
)
322
森
(
もり
)
の
木霊
(
こだま
)
に
響
(
ひび
)
くらん
323
天
(
てん
)
を
封
(
ふう
)
じて
聳
(
そそ
)
り
立
(
た
)
つ
324
老木林
(
おいきばやし
)
の
谷
(
たに
)
の
道
(
みち
)
325
進
(
すす
)
む
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
涼
(
すず
)
しさよ
326
名
(
な
)
は
太平
(
たいへい
)
の
柿
(
かき
)
なれど
327
乱痴気
(
らんちき
)
騒
(
さわ
)
ぎの
此
(
この
)
始末
(
しまつ
)
328
太乱柿
(
たいらんがき
)
と
名
(
な
)
をつけて
329
以後
(
いご
)
の
戒
(
いまし
)
め
何人
(
なにびと
)
も
330
此
(
この
)
柿
(
かき
)
計
(
ばか
)
りは
食
(
く
)
はぬ
様
(
やう
)
に
331
標
(
しるし
)
を
立
(
た
)
てて
置
(
お
)
かうかな
332
いや
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
333
太平柿
(
たいへいがき
)
は
古
(
いにし
)
より
334
食
(
く
)
てはならぬと
里人
(
さとびと
)
が
335
よつく
承知
(
しようち
)
の
上
(
うへ
)
なれば
336
私
(
わし
)
の
様
(
やう
)
なる
周章者
(
あわてもの
)
337
よもや
一人
(
ひとり
)
も
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
338
必
(
かなら
)
ず
住
(
す
)
んで
居
(
を
)
らうまい
339
そんな
事
(
こと
)
して
暇
(
ひま
)
を
取
(
と
)
り
340
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
341
ガラリ
外
(
はづ
)
れて
了
(
しま
)
うたら
342
聖地
(
せいち
)
へ
帰
(
かへ
)
り
玉照彦
(
たまてるひこ
)
の
343
厳
(
いづ
)
の
命
(
みこと
)
や
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
344
瑞
(
みづ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
345
どうして
言
(
い
)
ひ
訳
(
わけ
)
立
(
た
)
つものか
346
国依別
(
くによりわけ
)
も
今日
(
けふ
)
よりは
347
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
から
立直
(
たてなほ
)
し
348
茶目
(
ちやめ
)
式
(
しき
)
からかひ
薩張
(
さつぱり
)
と
349
止
(
や
)
めて
真面目
(
まじめ
)
になりませう
350
天然
(
てんねん
)
ホテルの
入口
(
いりぐち
)
で
351
若彦
(
わかひこ
)
、
常楠
(
つねくす
)
両人
(
りやうにん
)
に
352
向
(
むか
)
つて
茶目
(
ちやめ
)
式
(
しき
)
発揮
(
はつき
)
なし
353
ハーリス
山
(
ざん
)
の
竜神
(
たつがみ
)
の
354
化
(
ば
)
けた
女神
(
めがみ
)
と
偽
(
いつは
)
つて
355
悦
(
えつ
)
に
入
(
い
)
つたるその
罰
(
ばち
)
で
356
俄
(
にはか
)
にこんな
失敗
(
しつぱい
)
を
357
神
(
かみ
)
から
言
(
い
)
ひつけられたのだ
358
あゝ
後
(
おく
)
れしか
後
(
おく
)
れしか
359
嘸
(
さぞ
)
今頃
(
いまごろ
)
は
言依別
(
ことよりわけ
)
の
360
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
若彦
(
わかひこ
)
が
361
常楠
(
つねくす
)
さまと
諸共
(
もろとも
)
に
362
人
(
ひと
)
は
見
(
み
)
かけによらぬもの
363
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
364
立派
(
りつぱ
)
な
奴
(
やつ
)
ぢやと
思
(
おも
)
うたに
365
神
(
かみ
)
の
禁
(
きん
)
じた
柿
(
かき
)
を
喰
(
く
)
ひ
366
谷
(
たに
)
に
落
(
お
)
ちこみ
他
(
ひと
)
の
手
(
て
)
に
367
かかつて
救
(
すく
)
はれ
何
(
なん
)
の
態
(
ざま
)
368
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
369
有名
(
いうめい
)
無実
(
むじつ
)
のタワケ
者
(
もの
)
370
チヤール、ベースの
両人
(
りやうにん
)
に
371
決
(
けつ
)
して
罪
(
つみ
)
はない
程
(
ほど
)
に
372
口
(
くち
)
の
賤
(
いや
)
しい
国依
(
くにより
)
の
373
わけ
が
分
(
わか
)
からぬその
為
(
ため
)
に
374
あれ
丈
(
だけ
)
苦
(
くるし
)
い
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
うた
375
常楠
(
つねくす
)
さまの
報告
(
はうこく
)
で
376
ヤツと
安心
(
あんしん
)
したものの
377
可哀相
(
かはいさう
)
なは
両人
(
りやうにん
)
ぢや
378
国依別
(
くによりわけ
)
は
神勅
(
しんちよく
)
を
379
叛
(
そむ
)
いて
神
(
かみ
)
の
冥罰
(
めいばつ
)
を
380
喰
(
く
)
つたのなれば
何
(
ど
)
うならうと
381
仮令
(
たとへ
)
死
(
し
)
んでも
構
(
かま
)
はない
382
二人
(
ふたり
)
の
奴
(
やつ
)
を
助
(
たす
)
けたい
383
なぞと
今頃
(
いまごろ
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
384
首
(
くび
)
を
鳩
(
あつ
)
めてひそびそと
385
小田原
(
をだはら
)
評定
(
へうぢやう
)
の
最中
(
さいちう
)
だろ
386
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
387
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
388
空中
(
くうちう
)
飛行
(
ひかう
)
の
曲芸
(
きよくげい
)
を
389
うまく
演
(
えん
)
じた
吾々
(
われわれ
)
は
390
お
蔭
(
かげ
)
で
生命
(
いのち
)
に
別条
(
べつでう
)
なく
391
シヤンシヤンここ
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
た
392
言依別
(
ことよりわけ
)
や
若彦
(
わかひこ
)
も
393
よもやこれ
丈
(
だけ
)
達者
(
たつしや
)
ぞと
394
思
(
おも
)
ひ
初
(
そ
)
めては
居
(
を
)
られまい
395
其処
(
そこ
)
へヌツクリ
顔
(
かほ
)
出
(
だ
)
せば
396
死
(
し
)
んだ
我
(
わが
)
子
(
こ
)
が
我
(
わが
)
家
(
いへ
)
に
397
笑
(
わら
)
つて
皈
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たやうに
398
悦
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
呉
(
く
)
れるだろ
399
オツトドツコイ
言
(
い
)
ひ
過
(
す
)
ぎた
400
又
(
また
)
茶目
(
ちやめ
)
式
(
しき
)
になりかけた
401
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
402
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しませ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
403
国津
(
くにつ
)
御神
(
みかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
404
国依別
(
くによりわけ
)
が
生命
(
せいめい
)
を
405
助
(
たす
)
けられたる
嬉
(
うれ
)
しさに
406
感謝
(
かんしや
)
の
歌
(
うた
)
を
奉
(
たてまつ
)
る
407
手
(
て
)
の
舞
(
ま
)
ひ
足
(
あし
)
の
踏
(
ふ
)
むところ
408
知
(
し
)
らずと
云
(
い
)
ふは
此
(
この
)
事
(
こと
)
か
409
余
(
あんま
)
り
嬉
(
うれ
)
しうて
持前
(
もちまへ
)
の
410
茶目
(
ちやめ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て
脱線
(
だつせん
)
し
411
不都合
(
ふつがふ
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ひました
412
幾重
(
いくへ
)
にも
御
(
お
)
詫
(
わび
)
申
(
まを
)
します
413
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
414
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
415
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
416
今度
(
こんど
)
の
事
(
こと
)
に
懲々
(
こりこり
)
し
417
毛筋
(
けすぢ
)
の
巾
(
はば
)
の
横幅
(
よこはば
)
も
418
反
(
そむ
)
かず
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
419
必
(
かなら
)
ず
守
(
まも
)
り
奉
(
たてまつ
)
る
420
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
421
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
422
と
元気
(
げんき
)
に
任
(
まか
)
せて
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
423
足並
(
あしなみ
)
揃
(
そろ
)
へて
奥
(
おく
)
へ
奥
(
おく
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
424
(
大正一一・七・二五
旧六・二
外山豊二
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 太平柿
(B)
(N)
湖上の怪物 >>>
霊界物語
>
第27巻
> 第3篇 神仙霊境 > 第11章 茶目式
Tweet
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【11 茶目式|第27巻(寅の巻)|霊界物語/rm2711】
合言葉「みろく」を入力して下さい→