霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四章 石土(いはつち)毘古(びこ)〔三〇四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第1篇 大台ケ原 よみ(新仮名遣い):おおだいがはら
章:第4章 石土毘古 よみ(新仮名遣い):いわつちびこ 通し章番号:304
口述日:1922(大正11)年01月30日(旧01月03日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
日の出神らはなおも油断ならじと白竜に詰め寄った。真鉄彦が長剣をもって白竜の頭部に斬りつけると、一条の血煙とともに白雲がもうもうと立ち込め、中から最前の女性が現れた。
女性は、自分は天の御柱神(神伊弉諾命)の御子で、石巣比売であると明かした。夫の石土毘古とともに、父大神が松の世の礎として造った岩窟に住んでいたが、八岐大蛇が邪神軍を引き連れて襲い掛かり、我ら夫婦を亡ぼして岩窟の主となろうとしているのだ、と明かした。
そこへ、ひとりの従者があわただしく走り来て、石土毘古が今にも殺されそうになっている、と注進した。
岩窟の奥では、邪神が石土毘古を拷問していた。石土毘古はそれに屈せず、逆に日の出神・康代彦・真鉄彦が岩窟に進んできた今、降伏すべきは邪神の側である、と毅然と言い放った。
怒った八岐大蛇の号令により、石土毘古は邪神の手下どもに攻め囲まれてしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-04-12 07:19:49 文字数:1768 OBC :rm0704
愛善世界社版:23頁 八幡書店版:第2輯 44頁 修補版: 校定版:25頁 普及版:10頁 初版: ページ備考:
001 日(ひ)の出神(でのかみ)は白竜(はくりう)に向(むか)ひ、
002『いま汝(なんぢ)が我(わ)が前(まへ)に正体(しやうたい)を現(あら)はし、003帰順(きじゆん)の意(い)を表(へう)したるは何故(なにゆゑ)ぞ。004汝(なんぢ)には最(もつと)も深(ふか)き謀計(ぼうけい)あらむ。005一旦(いつたん)帰順(きじゆん)と見(み)せかけ、006神々(かみがみ)が心(こころ)を緩(ゆる)ませ、007その虚(きよ)に乗(じやう)じて我々(われわれ)を亡(ほろ)ぼさむとするか。008その手(て)は喰(く)はぬぞ、009有体(ありてい)に白状(はくじやう)せよ』
010と三方(さんぱう)より詰(つ)め寄(よ)れば、011白竜(はくりう)は両眼(りやうがん)に涙(なみだ)を湛(たた)へ、012頭(かしら)を大地(だいち)に摺(す)りつけ絶対(ぜつたい)帰順(きじゆん)の意(い)を表(へう)するにぞ、013真鉄彦(まがねひこ)は長剣(ちやうけん)を揮(ふる)つて、014電光(でんくわう)石火(せきくわ)、015白竜(はくりう)の頭部(とうぶ)を目(め)がけて斬(き)りつくれば、016一条(いちでう)の血煙(ちけむり)上空(じやうくう)に向(むか)つて立(た)ち昇(のぼ)るよと見(み)る間(ま)に、017白雲(はくうん)濛々(もうもう)として起(おこ)り、018咫尺(しせき)を弁(べん)ぜざるに到(いた)りぬ。019やや暫(しばら)くありて、020濛々(もうもう)たる白雲(はくうん)の中(なか)より以前(いぜん)の女性(ぢよせい)茫然(ばうぜん)と現(あら)はれ来(きた)り、021声(こゑ)も微(かすか)に語(かた)るやう、
022『妾(わらは)こそは、023天(あめ)の御柱神(みはしらがみ)の御子(みこ)にして、024石巣(いはす)比売(ひめ)と申(まを)すものなり。025我(わが)夫(をつと)は石土(いはつち)毘古(びこ)と申(まを)し侍(はべ)る。026常磐(ときは)堅磐(かきは)の松(まつ)の世(よ)の礎(いしずゑ)たらしめむとしてわが父(ちち)大神(おほかみ)は、027この御山(みやま)に巌窟(がんくつ)を作(つく)り我(われ)ら夫婦(ふうふ)を此処(ここ)に住(すま)はせたまふ。028然(しか)るにアーメニヤのウラル彦(ひこ)に憑依(ひようい)せる八岐(やまた)の大蛇(をろち)は、029如何(いか)にしてこの仙郷(せんきやう)を探(さぐ)りたりけむ、030数多(あまた)の邪神(じやしん)を引(ひ)き連(つ)れ当山(たうざん)に襲(おそ)ひ来(きた)りて我(われ)ら夫婦(ふうふ)を亡(ほろ)ぼし、031自(みづか)ら代(かは)つて当山(たうざん)の主(ぬし)たらむとしたりしを、032妾(わらは)は佯(いつは)つて彼(かれ)が味方(みかた)となり、033汝(なんぢ)ら救(すく)ひの神(かみ)の来(きた)るを待(ま)ちつつありしが、034今(いま)や天運(てんうん)循環(じゆんかん)してこの喜(よろこ)びに遇(あ)ふ』
035と初(はじ)めて語(かた)る巌窟(いはや)の秘密(ひみつ)、036三柱(みはしら)の神(かみ)は言葉(ことば)を揃(そろ)へて、
037『貴女(あなた)は噂(うはさ)にきく石巣(いはす)比売(ひめ)に御(お)座(は)せしや、038思(おも)はぬところにて不思議(ふしぎ)の対面(たいめん)、039これぞ全(まつた)く幽界(かくりよ)に鎮(しづ)まりたまふ、040野立彦(のだちひこの)神(かみ)の御(おん)引(ひ)き合(あは)せ、041嬉(うれ)しや忝(かたじけ)なや』
042と四柱(よはしら)一緒(いつしよ)に手(て)を拍(う)つて神言(かみごと)を奏上(そうじやう)したりける。043この時(とき)前方(ぜんぱう)より一人(ひとり)の男(をとこ)慌(あわただ)しく走(はし)りきたり石巣(いはす)比売(ひめ)に向(むか)ひ両手(りやうて)をつきながら、
044『一大事(いちだいじ)が出来(しゆつたい)いたしたり。045石土(いはつち)毘古(びこ)は今(いま)や八岐(やまた)の大蛇(をろち)のために虐殺(ぎやくさつ)されむとしたまふ。046我(われ)はその惨状(さんじやう)を見(み)るに忍(しの)びず、047貴女(あなた)に報告(はうこく)に参(まゐ)りたり。048すぐさま来(きた)らせたまへ』
049と云(い)ふより早(はや)く、050ひらりと体(たい)を躱(かは)し一目散(いちもくさん)にもと来(き)し道(みち)を走(はし)り行(ゆ)く。
051 ここは巌窟(がんくつ)の最(もつと)も奥深(おくふか)き一室(いつしつ)にして、052幾百丈(いくひやくぢやう)とも知(し)れぬ大瀑布(だいばくふ)が落(お)ちゐたり。053瀑布(ばくふ)の傍(かたはら)には大小(だいせう)無数(むすう)の鍾乳石(しようにうせき)[※校正本では鍾の字が「鐘」(鐘乳石)になっている]054よりなれる自然(しぜん)の石像(せきざう)、055数限(かずかぎ)りなく停立(ていりつ)し、056かつ一方(いつぱう)瀑布(ばくふ)の左側(ひだりがは)には、057水晶(すゐしやう)の母岩(ぼがん)針(はり)のごとく立(た)ち並(なら)び、058あたかも氷(こほり)の刃(やいば)を立(た)てたる如(ごと)くなりき。059傍(かたはら)の高座(かうざ)には白髪(はくはつ)異様(いやう)の大男(おほをとこ)、060大蛇(をろち)の変化(へんげ)は、061数多(あまた)の部下(ぶか)を従(したが)へ石土(いはつち)毘古(びこ)を高手(たかて)小手(こて)に縛(いまし)め、062従者(じゆうしや)共(ども)をして石土(いはつち)毘古(びこ)の身体(しんたい)を氷(こほり)の刃(やいば)の上(うへ)に、063どつとばかりに投(な)げつけ、064またもや之(これ)を頭上(づじやう)に差(さ)し上(あ)げ、065再(ふたた)び投(な)げつけ、066終(をは)つて大瀑布(だいばくふ)に投(とう)じ、067浮(うか)み来(く)るを見(み)るや再(ふたた)び刺股(さすまた)をもつて前後(ぜんご)左右(さいう)より滝壺(たきつぼ)に押(お)し込(こ)み、068虐待(ぎやくたい)の限(かぎ)りをつくし、069再(ふたた)び大蛇(をろち)の前(まへ)に引(ひ)き据(す)ゑきたつて厳酷(げんこく)なる訊問(じんもん)を始(はじ)めたり。070その中(なか)の大男(おほをとこ)の一人(ひとり)は、
071『汝(なんぢ)は石土(いはつち)毘古(びこ)ならずや。072今(いま)まで大台(おほだい)ケ原(はら)の竜神(りうじん)と佯(いつは)り我(われ)らを籠絡(ろうらく)し、073日(ひ)ごろの大望(たいまう)を破壊(はくわい)せむとする悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)の敵(てき)なり。074表面(へうめん)帰順(きじゆん)せし如(ごと)く見(み)せかけ、075汝(なんぢ)が妻(つま)の石巣(いはす)比売(ひめ)と共(とも)に我(われ)に近(ちか)く仕(つか)へ巌窟(がんくつ)の秘密(ひみつ)を探(さぐ)り、076これを聖地(せいち)の日(ひ)の出神(でのかみ)に密告(みつこく)せしならむ。077すみやかに白状(はくじやう)におよべ。078この上(うへ)一言(いちごん)にても詐言(さげん)をなさば汝(なんぢ)を首途(かどで)の血祭(ちまつ)りとなし、079妻(つま)も同(おな)じく虐殺(ぎやくさつ)し、080次(つい)で日(ひ)の出神(でのかみ)を亡(ほろ)ぼし、081直(ただち)に天下(てんか)に躍(をど)り出(い)でて葦原(あしはら)の瑞穂(みづほ)の国(くに)を我意(わがい)のごとく蹂躙(じうりん)せむ。082汝(なんぢ)いかに勇猛(ゆうまう)なりとも、083敵中(てきちう)に陥(おちい)り如何(いか)に焦慮(せうりよ)するも衆寡(しうくわ)敵(てき)せず及(およ)ばぬ忠義立(ちうぎだて)をなさむよりは、084今(いま)より我(われ)に降服(かうふく)し、085心底(しんてい)より我(われ)に従(したが)ふか。086返答(へんたふ)次第(しだい)によつては汝(なんぢ)夫婦(ふうふ)の生命(いのち)は風前(ふうぜん)の燈火(ともしび)、087所存(しよぞん)は如何(いか)に』
088と厳(きび)しく責(せ)め問(と)ひけるに、089石土(いはつち)毘古(びこ)は些(すこし)も恐(おそ)れず、
090『いかに衆寡(しうくわ)敵(てき)せずとは雖(いへど)も、091我(われ)ら夫婦(ふうふ)は神(かむ)伊弉諾(いざなぎの)命(みこと)の御子(みこ)にして当山(たうざん)の主(ぬし)たり。092悪魔(あくま)の張本(ちやうほん)八岐(やまたの)大蛇(をろち)の如(ごと)き素性(すじやう)卑(いや)しき悪神(あくがみ)に、093如何(いか)でか降服(かうふく)せむや。094汝(なんぢ)今(いま)より悪(あく)を悔(く)い善(ぜん)に移(うつ)り、095我々(われわれ)に従(したが)つて神業(しんげふ)に参加(さんか)せざるか。096神(かみ)は一切(いつさい)の神人(しんじん)を愛(あい)したまふ。097徒(いたづら)に悪神(あくがみ)を殺(ころ)すは、098我(われ)の欲(ほつ)するところに非(あら)ず。099もはや今日(こんにち)は日(ひ)の出神(でのかみ)、100康代彦(やすよひこ)、101真鉄彦(まがねひこ)の三柱(みはしら)の勇将(ゆうしやう)、102巌窟(がんくつ)の奥深(おくふか)く進(すす)み来(きた)れり。103我(われ)こそ実(じつ)に鬼(おに)に鉄棒(かなぼう)なり。104汝(なんぢ)悪神(あくがみ)の運命(うんめい)はもはや尽(つ)きた。105鶏卵(けいらん)をもつて巌(いはほ)より堅(かた)きわが石土(いはつち)毘古(びこ)に抵抗(ていかう)するは、106自(みづか)ら滅(ほろ)びを招(まね)くものぞ、107汝(なんぢ)速(すみや)かに悔(く)い改(あらた)めよ』
108と手足(てあし)を縛(しば)られながら説(と)き諭(さと)せば、109八岐(やまたの)大蛇(をろち)は大(おほい)に怒(いか)り、
110『いまはの際(きは)に何(なん)の繰言(くりごと)。111皆(みな)の奴(やつ)ども彼(かれ)を突(つ)け、112彼(かれ)を打(う)て、113斬(き)れよ』
114と厳(きび)しく命令(めいれい)すれば、
115『アイ』
116と答(こた)へて数多(あまた)の部下(ぶか)は、117各自(てんで)に柄物(えもの)を携(たづさ)へ、118四方(しはう)八方(はつぱう)より攻囲(せめかこ)む。119一人(ひとり)の伴(とも)の奴(やつこ)は何(なに)思(おも)ひけむ、120一目散(いちもくさん)にこの場(ば)を駆(か)け出(だ)し、121行衛(ゆくゑ)をくらましける。
122(大正一一・一・三〇 旧一・三 加藤明子録)
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