霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 羽衣(はごろも)(まつ)〔三〇八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第2篇 白雪郷 よみ(新仮名遣い):はくせつきょう
章:第8章 羽衣の松 よみ(新仮名遣い):はごろものまつ 通し章番号:308
口述日:1922(大正11)年01月30日(旧01月03日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
日の出神を乗せた大船は、熊野の浦を出て東に進んでいた。東海には天教の山を望む、のどかな船旅であった。
たちまち高波に船は木の葉のように漂う危うさ。天教の山もいつしか雲に包まれてしまった。船は難を避けようと、三保の松原目当てに岸に着いた。
人々は岸に上ったが、波はたけり狂って、羽衣の松もほとんど水に没しようという勢いであった。みな小高い丘にかけのぼり、海が凪ぐのを待っていた。そこへ、微妙の音楽が天上より聞こえて、かぐわしい色々の花が降ってきた。
男女の二神が雲に乗って降ってきた。日の出神に会釈をすると、声を張り上げて歌い、天女の舞を舞い始めた。
二神は三保津彦・三保津姫の分霊である、沫那岐神・沫那美神であった。邪神は大台ケ原を出て常世の国に巣食っており、日の出神が常世の国に渡るべきことを告げ、その旅路の守護を申し出た。
二神は舞い終わると、天教山に向かって姿を隠した。これより、日の出神は艱難辛苦の末に、再び常世の国にわたることになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0708
愛善世界社版:49頁 八幡書店版:第2輯 53頁 修補版: 校定版:53頁 普及版:21頁 初版: ページ備考:
001 ()出神(でのかみ)()せたる大船(おほぶね)は、002熊野(くまの)(うら)()()で、003(をり)から()()順風(じゆんぷう)真帆(まほ)()(なが)ら、004(ひがし)(むか)つて(すす)ませたまへり。
005 さしもに(たか)天教(てんけう)九山八海(はちす)(やま)は、006白扇(はくせん)逆様(さかさま)()けたる(ごと)東海(とうかい)(なみ)に、007その(かげ)(うつ)長閑(のどか)さ。008()()についで(すす)()浪路(なみぢ)(はる)かに遠江(とほたふみ)009(たちま)(なみ)天上(てんじやう)(むか)つて()(あが)り、010(ふね)()()(ごと)くに(ただよ)(あや)ふさ。011一同(いちどう)乗客(じやうきやく)は、012(かな)はぬ(とき)神頼(かみだの)み、013各自(てんで)()()大海原(おほうなばら)(かみ)(むか)つて、014(あつ)祈願(きぐわん)駿河湾(するがわん)015天教山(てんけうざん)何時(いつ)しか(くも)(つつ)まれにけり。
016 この難風(なんぷう)()けむとて、017(むか)ふに三保(みほ)松原(まつばら)や、018(あま)羽衣(はごろも)老木(らうぼく)(まつ)目標(めあて)に、019(ふね)(やうや)(きし)()きたり。020一行(いつかう)(かほ)はあたかも死人(しにん)のごとく(いろ)蒼白(あをざ)めて、021()勇気(ゆうき)さへも()くなりてゐたり。
022 ()出神(でのかみ)は、023真先(まつさき)上陸(じやうりく)し、024(つづ)いて人々(ひとびと)生命(いのち)からがら白砂(はくしや)青松(せいしよう)のこの(しま)辿(たど)()き、025ほつと(いき)()きけるが、026(かぜ)はますます(はげ)しく、027(なみ)(たけ)(くる)ひて羽衣(はごろも)(まつ)は、028ほとんど(みづ)(ぼつ)せむとするの(いきほひ)なりける。
029 この(しま)(すく)()げられたる()出神(でのかみ)をはじめ、030数多(あまた)人々(ひとびと)(しま)小高(こだか)(ところ)()(のぼ)り、031(うみ)()()くを()ちつつありし(とき)しも微妙(びめう)音楽(おんがく)天上(てんじやう)より(きこ)えて、032(かんば)しき色々(いろいろ)(はな)()らせ宛然(さながら)花莚(はなむしろ)()()めたる(ごと)くなりける。
033 暫時(しばらく)ありて男女(だんぢよ)二神(にしん)は、034(くも)()つてこの()(くだ)(きた)り、035()出神(でのかみ)会釈(ゑしやく)しながら流暢(りうてう)なる(こゑ)()()げて、036天女(てんによ)(まひ)(うた)()(はじ)めたりける。
037『これや()世界(せかい)にほまれ駿河(するが)富士(ふじ)
038よしや()()愛鷹(あしたか)
039(やま)より(たか)曲事(まがごと)
040(つも)れば(つも)天教(てんけう)
041(やま)()します()花姫(はなひめ)
042(かみ)(みこと)御光(みひかり)
043()照妙(てるたへ)薄衣(うすごろも)
044(あま)羽衣(はごろも)(まと)ひつつ
045瑞穂(みづほ)(くに)千代(ちよ)八千代(やちよ)
046芽出度(めでた)(くに)()(をさ)
047(をさ)めて(きよ)(かみ)(くに)
048村雲(むらくも)四方(よも)(ふさ)ぐとも
049(あか)(まこと)(こころ)もて
050(まこと)(みち)麻柱(あななひ)
051(まこと)(とほ)(まこと)ある
052(かみ)()()宣伝使(せんでんし)
053荒風(あらかぜ)(たけ)()ゆるとも
054(なみ)(けは)しく()つとても
055わが()(もと)(かみ)(くに)
056()花姫(はなひめ)()(かぎ)
057()永久(とこしへ)心安(うらやす)
058神世(かみよ)三保(みほ)松原(まつばら)
059(まつ)千歳(ちとせ)(いろ)()ひて
060(みどり)()ひなす三保津(みほつ)(ひこ)
061三保津(みほつ)(ひめ)(いま)ここに
062(あら)はれ()でて()前途(ゆくて)
063(きよ)(まも)らむ沫那岐(あわなぎ)
064(かみ)(みこと)沫那美(あわなみ)
065(かみ)(みこと)(まも)ります
066大海原(おほうなばら)(やす)らけく
067常世(とこよ)(くに)(わた)りませ
068ウラルの(やま)(あら)はれし
069魔神(まがみ)(いま)常世国(とこよくに)
070()出ケ嶽(でがだけ)立出(たちい)でて
071(ふたた)御国(みくに)(おそ)()
072(いま)経綸(しぐみ)最中(もなか)なり
073(いま)経綸(しぐみ)最中(もなか)なり
074沫那岐(あわなぎ)(ひこ)沫那美(あわなみ)
075(かみ)(まも)りにすくすくと
076()()でませよ宣伝使(せんでんし)
077()()でませよ宣伝使(せんでんし)
078(こゑ)(すず)しく(うた)ひ、079中空(ちうくう)()ひながら天教山(てんけうざん)(むか)つて、080その姿(すがた)(かく)したまひける。
081 この沫那岐(あわなぎ)082沫那美(あわなみ)二神(にしん)は、083いま(あら)はれたる三保津(みほつ)(ひこ)084三保津(みほつ)(ひめ)分霊(わけみたま)なり。085(これ)より()出神(でのかみ)は、086種々(しゆじゆ)(くる)しみに()へ、087(つひ)(ふたた)常世(とこよ)(くに)(わた)りける。
088大正一一・一・三〇 旧一・三 外山豊二録)
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