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第二四章　筑紫(つくし)上陸(じやうりく)〔三二四〕

インフォメーション

著者：出口王仁三郎巻：霊界物語第7巻霊主体従午の巻篇：第5篇亜弗利加よみ（新仮名遣い）：あふりか

章：第24章筑紫上陸よみ（新仮名遣い）：つくしじょうりく通し章番号：324

口述日：1922（大正11）年01月31日（旧01月04日）口述場所：筆録者：桜井重雄校正日：校正場所：初版発行日：1922（大正11）年5月31日

概要：舞台：あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]：

日の出神は、純世姫神が鎮まる筑紫の島に上陸して宝を探る楽しさを歌った。

船中の客たちがまたしても馬鹿話をしている間に、日の出神は面那芸、祝姫を連れて筑紫の島に上陸した。

主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]：備考：タグ：データ凡例：データ最終更新日：2020-05-06 18:45:56 OBC ：rm0724

愛善世界社版：149頁八幡書店版：第2輯 88頁修補版：校定版：155頁普及版：64頁初版：ページ備考：

001　日(ひ)の出神(でのかみ)は唄(うた)ひ玉(たま)ふ。

002日の出神『天津(あまつ)御空(みそら)も海原(うなばら)も

003真澄(ますみ)の姫(ひめ)の永遠(とことは)に

004鎮(しづ)まりゐます冠島(かむりじま)

005名(な)さへ目出度(めでた)き竜宮(りうぐう)の

006宝(たから)の島(しま)を後(あと)にして

007科戸(しなど)の風(かぜ)の吹(ふ)くままに

008流(なが)れ流(なが)れて今(いま)ここに

009筑紫(つくし)の島(しま)の島影(しまかげ)を

010幽(かす)かに眺(なが)め皇神(すめかみ)の

011深(ふか)き仕組(しぐみ)も不知火(しらぬひ)の

012わが身(み)の魂(たま)の愚(おろか)さよ

013心(こころ)つくしの益良雄(ますらを)が

014深(ふか)き仕組(しぐみ)を駿河(するが)なる

015富士(ふじ)の御山(みやま)に千木(ちぎ)高(たか)く

016鎮(しづ)まりゐます木(こ)の花姫(はなひめ)の

017神(かみ)の御言(みこと)を畏(かしこ)みて

018塩(しほ)の八百路(やほぢ)を渡(わた)りつつ

019心(こころ)の空(そら)も純世姫(すみよひめ)

020神(かみ)の命(みこと)の永遠(とことは)に

021鎮(しづ)まりゐますこの島(しま)は

022天津(あまつ)御神(みかみ)の造(つく)らしし

023宝(たから)の島(しま)と聞(きこ)ゆなる

024珍(うづ)の島根(しまね)を目(ま)のあたり

025越(こ)えて又(また)もやこの島(しま)の

026宝(たから)を探(さぐ)る楽(たのし)さは

027黒白(あやめ)も分(わ)かぬ闇(やみ)の世(よ)を

028天津(あまつ)日(ひ)の出(で)の東天(とうてん)に

029現(あら)はれ給(たま)ひし如(ごと)くなり

030現(あら)はれ給(たま)ひし如(ごと)くなり』

031（船客の一人）甲『オイ、032今(いま)の歌(うた)を聞(き)いたか。033この昼中(ひるなか)に目(め)の玉(たま)の闇(やみ)だとか、034暗(くら)がりだとか仰有(おつしや)つたじやらう。035東(ひがし)の空(そら)から、036お日(ひ)さまが出(で)るとか聞(き)いたじやらう、037一寸(ちよつと)可笑(をか)しいじやないか。038日天(につてん)様(さま)は西(にし)の空(そら)に傾(かたむ)いてゐらつしやるのに、039苟(いやし)くも人(ひと)を教(をし)へる宣伝使(せんでんし)ともあるものが何(なん)であンな訳(わけ)の分(わか)らぬ事(こと)を言(い)ふのだらうね』

040乙『貴様(きさま)はそれだから困(こま)るのよ。041何(なん)でもかでもチヨツピリと聞(き)きはつりよつて、042知(し)らぬ者(もの)の半分(はんぶん)も知(し)らぬくせに、043知(し)つた者(もの)のやうにナゼそンな脱線(だつせん)した講釈(かうしやく)をするのだ。044貴様(きさま)と一緒(いつしよ)に連(つら)なつてゐると、045俺(おれ)アもう情(なさけ)ない。046あまりわけが分(わか)らなさ過(すぎ)らア』

047甲『分(わか)らぬ分(わか)らぬて、048何(なに)が分(わか)らぬ。049分(わか)らぬとは貴様(きさま)のことじやないか。050嬶(かか)アや子(こ)のあるざまをしよつて、051五十(ごじふ)の尻(けつ)を作(つく)つて居(を)り乍(なが)ら、052貴様(きさま)のとこのおさんの○○へ○○しよつて、053嬶(かか)アに見(み)つけられ、054それがために嬶(かか)アは悋気(りんき)の角(つの)を振(ふる)ひ立(た)てて、055死(し)ぬの生(い)きるの暇(ひま)をくれのと、056毎日(まいにち)日日(ひにち)犬(いぬ)も食(く)はぬ喧嘩(けんくわ)をおつ始(ぱじ)め、057近所(きんじよ)の大迷惑(おほめいわく)だつたよ。058酋長(しうちやう)の木兵衛(もくべゑ)さまが心配(しんぱい)して、059いろいろと道理(だうり)を説(と)き諭(さと)して噛(か)ンで飲(の)むやうにおつしやつても、060貴様(きさま)は死(し)ンでも彼奴(あいつ)とは別(わか)れぬとか、061分(わか)らぬとか吐(ぬ)かしたぢやないか。062ソレに俺(おれ)が分(わか)らぬもあつたものかい』

063船頭『サアサア船(ふね)が着(つ)きましたよ。064お客(きやく)さま、065また此処(ここ)で十日(とをか)ばかり風(かぜ)を待(ま)たな、066常世(とこよ)の国(くに)へは行(ゆ)けやしない。067グヅグヅしとると、068この船(ふね)は何処(どこ)へ行(ゆ)くか分(わか)りやしないぞ。069早(はや)う立(た)たぬかい』

070甲『八釜(やかま)しう言(い)うない。071立(た)てらりやせぬわ』

072乙『立(た)てないつて貴様(きさま)何(なに)して居(ゐ)るのだい』

073甲『貴様(きさま)ら先(さき)へ上(あが)れ、074俺(おれ)は後(あと)から上(あが)る』

075乙『腹(はら)の悪(わる)い奴(やつ)だナ。076皆(みんな)上(あが)つた後(あと)で何(なに)か忘(わす)れ物(もの)でもあつたら、077猫(ねこ)ババでもキメ込(こ)まうと思(おも)ひよつてケツが呆(あき)れらア』

078甲『そのケツだよ』

079乙『貴様(きさま)ケツて何(なん)だい。080ははあ坐(すわ)つたままで、081糞(くそ)を放(た)れよつたのだな。082ハヽーそれで読(よ)めた。083じつとしてをれ。084バタバタすると臭(くさ)いぞ。085臭(くさ)い野郎(やらう)だナ』

086　船頭(せんどう)は心(こころ)せはし気(げ)に、

087船頭『おい、088早(はや)く立(た)たぬか』

089甲『はいはい、090今(いま)立(た)ちます』

091船頭『そのババたれ腰(ごし)は何(なん)だい』

092甲『本当(ほんたう)にタレたのだい』

093　船頭(せんどう)は真赤(まつか)になりながら、

094船頭『すつくり掃除(さうぢ)せい。095掃除(さうぢ)せにや上(あ)がらせぬぞ。096糞放(くそたれ)奴(め)が』

097　日(ひ)の出神(でのかみ)は二人(ふたり)の宣伝使(せんでんし)と共(とも)に上陸(じやうりく)し、098又(また)もや宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひながら、099後(あと)をも見(み)ずに奥深(おくふか)く進(すす)み行(ゆ)く。

100（大正一一・一・三一　旧一・四　桜井重雄録）

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