霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第7巻(午の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 大台ケ原
第1章 日出山上
第2章 三神司邂逅
第3章 白竜
第4章 石土毘古
第5章 日出ケ嶽
第6章 空威張
第7章 山火事
第2篇 白雪郷
第8章 羽衣の松
第9章 弱腰男
第10章 附合信神
第11章 助け船
第12章 熟々尽
第3篇 太平洋
第13章 美代の浜
第14章 怒濤澎湃
第15章 船幽霊
第16章 釣魚の悲
第17章 亀の背
第4篇 鬼門より竜宮へ
第18章 海原の宮
第19章 無心の船
第20章 副守飛出
第21章 飲めぬ酒
第22章 竜宮の宝
第23章 色良い男
第5篇 亜弗利加
第24章 筑紫上陸
第25章 建日別
第26章 アオウエイ
第27章 蓄音器
第28章 不思議の窟
第6篇 肥の国へ
第29章 山上の眺
第30章 天狗の親玉
第31章 虎転別
第32章 水晶玉
第7篇 日出神
第33章 回顧
第34章 時の氏神
第35章 木像に説教
第36章 豊日別
第37章 老利留油
第38章 雲天焼
第39章 駱駝隊
第8篇 一身四面
第40章 三人奇遇
第41章 枯木の花
第42章 分水嶺
第43章 神の国
第44章 福辺面
第45章 酒魂
第46章 白日別
第47章 鯉の一跳
第9篇 小波丸
第48章 悲喜交々
第49章 乗り直せ
第50章 三五〇
附録 第三回高熊山参拝紀行歌
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスク完了しました
。どうもありがとうございます。
|
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第7巻(午の巻)
> 第4篇 鬼門より竜宮へ > 第21章 飲めぬ酒
<<< 副守飛出
(B)
(N)
竜宮の宝 >>>
第二一章
飲
(
の
)
めぬ
酒
(
さけ
)
〔三二一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
篇:
第4篇 鬼門より竜宮へ
よみ(新仮名遣い):
きもんよりりゅうぐうへ
章:
第21章 飲めぬ酒
よみ(新仮名遣い):
のめぬさけ
通し章番号:
321
口述日:
1922(大正11)年01月31日(旧01月04日)
口述場所:
筆録者:
井上留五郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年5月31日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
また海面は波荒く、船の出港は見合わされ、ほとんど一ケ月逗留することになった。
この島は、潮満、潮干の玉が秘め隠され、豊玉姫神、玉依姫神がこれを守護していた。大洪水以前に、ウラル彦の軍勢のために玉は取られ、二柱の女神は遠く東に逃れて、天の真奈井の冠島、沓島に隠れたという、因縁の深い島である。
その後は、ウラル彦の部下の荒熊別という者が占領して酒の泉を湛えた。神伊邪那岐神がこの島の守護神として真澄姫命を遣わした。そのため、荒熊別は常世の国へと逃げ帰ってしまった。
日の出神は真澄姫命の神霊を祭るために、久々司、久木司に命じて、竜宮島の竜の宮を造営させた。そして、田依彦を飯依彦と改名し、この島の守護神とした。
造営の人夫たちは、目付け役の久々司が行ってしまった後で、酒が飲みたいとこぼしている。そこへ、久木司がやってきて、自然に湧いている酒だから、遠慮なく飲むがよい、と飲酒を許可した。
人夫たちは先を争って酒の泉にやって来たが、大きな岩で蓋をされ、ところどころに人の口くらいの孔があいているのみであった。
人夫たちはその孔に舌を入れて、何とか酒を飲もうとしていたが、そのうちにめいめい喉がごろごろ鳴り出して、腹の中から焼け石が飛び出した。それ以降、この郷の人間は酒の匂いを嗅ぐのもいやになり、神の教えをよく守り、飯依彦の指揮にしたがって楽しく生活を送ることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-05-06 18:01:40
OBC :
rm0721
愛善世界社版:
129頁
八幡書店版:
第2輯 81頁
修補版:
校定版:
135頁
普及版:
56頁
初版:
ページ備考:
001
またもや
海面
(
かいめん
)
は
波
(
なみ
)
荒
(
あら
)
く
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
ひ、
002
出帆
(
しゆつぱん
)
を
見合
(
みあ
)
はすの
止
(
や
)
むなきに
致
(
いた
)
り、
003
風
(
かぜ
)
を
待
(
ま
)
つこと
殆
(
ほとん
)
ど
一
(
いつ
)
ケ
月
(
げつ
)
に
及
(
およ
)
びける。
004
この
島
(
しま
)
は
潮満
(
しほみつ
)
、
005
潮干
(
しほひる
)
の
玉
(
たま
)
を
秘
(
ひ
)
めかくされ、
006
豊玉姫
(
とよたまひめの
)
神
(
かみ
)
、
007
玉依姫
(
たまよりひめの
)
神
(
かみ
)
これを
守護
(
しゆご
)
し
給
(
たま
)
ひつつありしが、
008
世界
(
せかい
)
大洪水
(
だいこうずゐ
)
以前
(
いぜん
)
に、
009
ウラル
彦
(
ひこ
)
の
率
(
ひき
)
ゆる
軍勢
(
ぐんぜい
)
の
為
(
ため
)
に
玉
(
たま
)
は
占領
(
せんりやう
)
され、
010
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
は
遠
(
とほ
)
く
東
(
ひがし
)
に
逃
(
のが
)
れて、
011
天
(
あめ
)
の
真名井
(
まなゐ
)
の
冠島
(
をしま
)
、
012
沓島
(
めしま
)
に
隠
(
かく
)
れたまひし
因縁
(
いんねん
)
深
(
ふか
)
き
嶋
(
しま
)
なりける。
013
その
後
(
ご
)
はウラル
彦
(
ひこ
)
の
部下
(
ぶか
)
荒熊別
(
あらくまわけ
)
といふ
者
(
もの
)
、
014
この
島
(
しま
)
を
占領
(
せんりやう
)
し、
015
数多
(
あまた
)
の
部下
(
ぶか
)
を
集
(
あつ
)
め、
016
酒
(
さけ
)
の
泉
(
いづみ
)
を
湛
(
たた
)
へて、
017
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじゆう
)
のあらむかぎりを
尽
(
つく
)
しゐたり。
018
然
(
しか
)
るに
天教山
(
てんけうざん
)
に
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
ふ
神
(
かむ
)
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
神
(
かみ
)
はこの
島
(
しま
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
として
真澄姫
(
ますみひめの
)
命
(
みこと
)
を
遣
(
つか
)
はし
給
(
たま
)
ひぬ。
019
それより
荒熊別
(
あらくまわけ
)
は
神威
(
しんゐ
)
に
怖
(
おそ
)
れ、
020
夜陰
(
やいん
)
に
乗
(
じやう
)
じて
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
つたりける。
021
その
時
(
とき
)
の
名残
(
なごり
)
として、
022
今
(
いま
)
に
酒
(
さけ
)
の
泉
(
いづみ
)
は
滾々
(
こんこん
)
と
湧
(
わ
)
き
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
たるなりき。
023
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
真澄姫
(
ますみひめの
)
命
(
みこと
)
の
神霊
(
しんれい
)
を
祭
(
まつ
)
る
可
(
べ
)
く、
024
久々
(
くくの
)
神
(
かみ
)
、
025
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
に
命
(
めい
)
じ、
026
大峡
(
おほがひ
)
小峡
(
をがひ
)
の
木
(
き
)
を
伐
(
き
)
り、
027
美
(
うつく
)
しき
宮
(
みや
)
を
営
(
いとな
)
ましめたまふ。
028
是
(
これ
)
を
竜宮島
(
りうぐうじま
)
の
竜
(
たつ
)
の
宮
(
みや
)
といふ。
029
而
(
しか
)
して
田依彦
(
たよりひこ
)
をこの
嶋
(
しま
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
となし、
030
名
(
な
)
を
飯依彦
(
いひよりひこ
)
と
改
(
あらた
)
めしめたまへり。
031
久々
(
くくの
)
神
(
かみ
)
、
032
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
はこの
嶋
(
しま
)
の
人々
(
ひとびと
)
をかり
集
(
あつ
)
め、
033
宮殿
(
きうでん
)
造営
(
ざうえい
)
の
棟梁
(
とうりやう
)
として
忠実
(
ちうじつ
)
に
立働
(
たちはたら
)
きぬ。
034
嶋
(
しま
)
の
谷々
(
たにだに
)
には
木
(
き
)
を
伐
(
き
)
る
音
(
おと
)
、
035
削
(
けづ
)
る
音
(
おと
)
、
036
人
(
ひと
)
の
叫
(
さけ
)
び
声
(
ごゑ
)
盛
(
さか
)
ンに
聞
(
きこ
)
えける。
037
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
海辺
(
かいへん
)
の
見
(
み
)
はらし
佳
(
よ
)
き
高殿
(
たかどの
)
に
昇
(
のぼ
)
りて、
038
海上
(
かいじやう
)
の
静
(
しづ
)
まるを
待
(
ま
)
ちゐたまひぬ。
039
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
には
彼方
(
あちら
)
にも
此方
(
こちら
)
にも、
040
斧鉞
(
ふゑつ
)
の
音
(
おと
)
丁々
(
ちやうちやう
)
と
聞
(
きこ
)
え
盛
(
さかん
)
に
伐木
(
ばつぼく
)
しゐたり。
041
甲
『おい、
042
皆
(
みな
)
一服
(
いつぷく
)
しやうじやないか。
043
いま
久々
(
くくの
)
神
(
かみ
)
があちらへ
行
(
ゆ
)
きよつたで、
044
叔母
(
をば
)
の
死
(
し
)
ンだも
食
(
じ
)
き
休
(
やす
)
みと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるよ。
045
鬼
(
おに
)
の
様
(
やう
)
な
大将
(
たいしやう
)
が
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つた
留守
(
るす
)
の
間
(
ま
)
に、
046
鬼
(
おに
)
の
来
(
こ
)
ぬ
間
(
ま
)
の
洗濯
(
せんたく
)
だ。
047
おいおい、
048
休
(
やす
)
め
休
(
やす
)
め』
049
乙
『おーい
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
、
050
一緒
(
いつしよ
)
に
休
(
やす
)
まうかい』
051
丙
『それでも
休
(
やす
)
むと
音
(
おと
)
が
止
(
とま
)
るから、
052
また
呶鳴
(
どな
)
られるよ』
053
甲
『
休
(
やす
)
ンで、
054
そこらの
木
(
き
)
を
叩
(
たた
)
いて
居
(
を
)
ればよいワイ』
055
乙
『
一体
(
いつたい
)
、
056
宮
(
みや
)
を
建
(
た
)
てるとか
云
(
い
)
つて、
057
まるで
吐血
(
とけつ
)
の
起
(
おこ
)
つた
様
(
やう
)
に、
058
夜
(
よ
)
さにも
俺
(
おい
)
らを
寝
(
ね
)
ささずに、
059
ひどく
酷使
(
こきつか
)
ひよるじやないか。
060
結構
(
けつこう
)
な
酒
(
さけ
)
はあーして
湧
(
わ
)
いて
居
(
を
)
るのに、
061
飲
(
の
)
まれぬなどと
吐
(
ぬ
)
かしよるし、
062
堪
(
たま
)
つたものじやない。
063
合間
(
あひま
)
には
酒
(
さけ
)
位
(
ぐらゐ
)
、
064
ただ
湧
(
わ
)
いて
居
(
を
)
るのじやもの、
065
飲
(
の
)
まして
呉
(
く
)
れたつてよかりさうなものじやないか。
066
一体
(
いつたい
)
こりや
何
(
なん
)
の
宮
(
みや
)
だらう』
067
甲
『
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
まさぬから、
068
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
ア
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つ、
069
その
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てさせぬため、
070
神
(
かみ
)
さまを
祭
(
まつ
)
らすのだ。
071
それで
何
(
なん
)
でも、
072
腹
(
はら
)
が
たつよ
姫
(
ひめ
)
とか、
073
真澄姫
(
ますみひめ
)
とか
桝呑姫
(
ますのみひめ
)
とかいふ
神
(
かみ
)
さまじやさうだよ』
074
乙
『
けたい
な
神
(
かみ
)
さまだね。
075
立
(
た
)
つものは
腹
(
はら
)
ばかりぢやない。
076
疳癪
(
かんしやく
)
も
立
(
た
)
つし、
077
鳥
(
とり
)
も
立
(
た
)
つし、
078
立疳姫
(
たつかんひめ
)
の
神
(
かみ
)
やら、
079
立鳥姫
(
たつとりひめ
)
の
神
(
かみ
)
も
祭
(
まつ
)
つたらどうだらう』
080
丙
『
馬鹿
(
ばか
)
いふない。
081
それまた
彼処
(
あすこ
)
へ
痛
(
いた
)
い
奴
(
やつ
)
さまが
来
(
き
)
たぞ。
082
それそれ
釘
(
くぎ
)
の
神
(
かみ
)
さまだ』
083
甲
『
釘
(
くぎ
)
ぢやない。
084
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
さまといふのだい。
085
なまくらをして
居
(
ゐ
)
ると、
086
首
(
くび
)
きりの
神
(
かみ
)
さまにならつしやるぞ』
087
かかる
処
(
ところ
)
へ
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
は
廻
(
まは
)
り
来
(
き
)
たり、
088
久木神
『オー、
089
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
だな。
090
酒
(
さけ
)
が
飲
(
の
)
みたさうな
顔
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
るが、
091
酒
(
さけ
)
はあまり
飲
(
の
)
まぬがよいぞ。
092
俺
(
おれ
)
も
今
(
いま
)
まで
酒
(
さけ
)
が
好
(
す
)
きだつたが、
093
たうとう
嫌
(
きら
)
ひになつて
了
(
しま
)
つた。
094
好
(
す
)
きなものを
無理
(
むり
)
に
止
(
や
)
めよと
云
(
い
)
つても、
095
止
(
や
)
むものぢやない。
096
お
前
(
まへ
)
たちは
充分
(
じうぶん
)
に
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
ンで
満足
(
たんのう
)
したら、
097
しまひには
舌
(
した
)
がもつれ
口
(
くち
)
が
痺
(
しび
)
れ
副守
(
ふくしゆ
)
が
飛出
(
とびだ
)
して
酒
(
さけ
)
が
飲
(
の
)
めなくなるかも
知
(
し
)
れぬぞよ。
098
飲
(
の
)
みたい
飲
(
の
)
みたいと
思
(
おも
)
つて
辛抱
(
しんばう
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
099
根性
(
こんじやう
)
が
曲
(
まが
)
つてよく
無
(
な
)
い。
100
酒
(
さけ
)
は
百薬
(
ひやくやく
)
の
長
(
ちやう
)
だ、
101
御
(
お
)
神酒
(
みき
)
あがらぬ
神
(
かみ
)
は
無
(
な
)
いから、
102
お
前
(
まへ
)
たちも
神
(
かみ
)
さまになりたくば、
103
ちつとも
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
要
(
い
)
らぬ。
104
自然
(
しぜん
)
に
湧
(
わ
)
く
酒
(
さけ
)
だから
遠慮
(
ゑんりよ
)
なしに
飲
(
の
)
ンで
来
(
こ
)
い』
105
と
云
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
てて、
106
この
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
る。
107
後
(
あと
)
見送
(
みおく
)
つて、
108
甲
『おいおい、
109
久々
(
くくの
)
神
(
かみ
)
は
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
むなと、
110
喧
(
やかま
)
しう
吐
(
ぬ
)
かすが、
111
いま
来
(
き
)
た
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
さまは
流石
(
さすが
)
に
苦労人
(
くらうじん
)
じやなあ。
112
根性
(
こんじやう
)
が
歪
(
ゆが
)
ンではいかぬから、
113
飲
(
の
)
みたい
丈
(
だ
)
け
飲
(
の
)
ンで
来
(
こ
)
いと
云
(
い
)
ひよつたぞ。
114
お
許
(
ゆる
)
しが
出
(
で
)
たのだ。
115
天下
(
てんか
)
御免
(
ごめん
)
だ。
116
飲
(
の
)
ンで
来
(
こ
)
うかい』
117
一同
『よからう、
118
よからう』
119
と、
120
大勢
(
おほぜい
)
は
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて、
121
酒
(
さけ
)
の
湧
(
わ
)
き
出
(
いづ
)
る
滝壺
(
たきつぼ
)
指
(
さ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
122
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
酒
(
さけ
)
の
泉
(
いづみ
)
の
滝壺
(
たきつぼ
)
は、
123
千引
(
ちびき
)
の
岩
(
いは
)
にてすつかり
包
(
つつ
)
まれ、
124
処々
(
ところどころ
)
に
人
(
ひと
)
の
口
(
くち
)
位
(
ぐらゐ
)
な
孔
(
あな
)
が
上面
(
じやうめん
)
に
開
(
あ
)
いてをる。
125
甲
『やいやい
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
、
126
久木
(
くきの
)
神
(
かみ
)
も
腹
(
はら
)
が
悪
(
わる
)
いじやないか。
127
こンな
巨大
(
おほ
)
きな
岩
(
いは
)
で、
128
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら、
129
ぴつたりと
蓋
(
ふた
)
をして
置
(
お
)
きよつて、
130
飲
(
の
)
みたけりや
飲
(
の
)
ンで
来
(
こ
)
いなンて、
131
俺
(
おい
)
らを
馬鹿
(
ばか
)
にするじやないか』
132
一同
『さうだな、
133
しかし
其処
(
そこ
)
に
孔
(
あな
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
を
)
るじやないか。
134
その
孔
(
あな
)
から
口
(
くち
)
を
突込
(
つつこ
)
ンだらどうだい』
135
甲
『おー、
136
それもさうだ。
137
皆
(
みな
)
の
奴
(
やつ
)
ここから
飲
(
の
)
まう
飲
(
の
)
まう』
138
一同
(
いちどう
)
は
岩蓋
(
いはぶた
)
の
上
(
うへ
)
に
取
(
と
)
り
縋
(
すが
)
つて、
139
その
孔
(
あな
)
より
舌
(
した
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
てゐたるが、
140
甲
『おい
甘
(
うま
)
さうな
酒
(
さけ
)
は
沢山
(
たくさん
)
あるが、
141
舌
(
した
)
が
届
(
とど
)
かぬワイ。
142
もう
一分
(
いちぶ
)
といふ
所
(
ところ
)
だ』
143
乙
『
貴様
(
きさま
)
舌
(
した
)
が
短
(
みじか
)
いのだ、
144
どれどれ
俺
(
おれ
)
が
飲
(
の
)
ンで
見
(
み
)
てやらう』
145
甲
『
貴様
(
きさま
)
は
何時
(
いつ
)
も
舌
(
した
)
の
長
(
なが
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
146
舌長
(
したなが
)
に
物
(
もの
)
を
吐
(
ぬ
)
かすから、
147
こンな
時
(
とき
)
にや
重宝
(
ちようほう
)
だ。
148
やつて
見
(
み
)
よ』
149
乙
『エヘン』
150
と
咳払
(
せきばら
)
ひしながら、
151
岩
(
いは
)
の
孔
(
あな
)
から
舌
(
した
)
を
突込
(
つきこ
)
ンで
見
(
み
)
たが、
152
是
(
これ
)
も
届
(
とど
)
かない。
153
交
(
かは
)
る
交
(
がは
)
るやつて
見
(
み
)
たが、
154
どうしても
酒
(
さけ
)
の
所
(
ところ
)
までは、
155
間隔
(
かんかく
)
があつて
嘗
(
な
)
めることが
出来
(
でき
)
ない。
156
しかしその
孔
(
あな
)
からは
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へぬ
馨
(
かんば
)
しい
酒
(
さけ
)
の
匂
(
にほ
)
ひがして
居
(
を
)
るので、
157
各自
(
めいめい
)
に
口
(
くち
)
を
当
(
あ
)
てて
匂
(
にほ
)
ひを
嗅
(
か
)
いだ。
158
喉
(
のど
)
は
各自
(
めいめい
)
にごろごろ
唸
(
うな
)
り
出
(
だ
)
して、
159
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
の
焼石
(
やけいし
)
は
残
(
のこ
)
らず
酒壺
(
さけつぼ
)
に
向
(
むか
)
つてジユンジユンと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて、
160
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みにける。
161
それよりこの
郷
(
さと
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
162
酒
(
さけ
)
の
匂
(
にほ
)
ひを
嗅
(
か
)
ぐさへも
嫌
(
いや
)
になり、
163
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
をよく
守
(
まも
)
り、
164
飯依彦
(
いひよりひこの
)
神
(
かみ
)
の
指揮
(
さしづ
)
に
従
(
したが
)
ひて、
165
名
(
な
)
にし
負
(
お
)
ふ
竜宮島
(
りうぐうじま
)
の
楽
(
たの
)
しき
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
りたりける。
166
(
大正一一・一・三一
旧一・四
井上留五郎
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 副守飛出
(B)
(N)
竜宮の宝 >>>
霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第7巻(午の巻)
> 第4篇 鬼門より竜宮へ > 第21章 飲めぬ酒
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第21章 飲めぬ酒|第7巻|霊主体従|霊界物語|/rm0721】
合言葉「みろく」を入力して下さい→