霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二三章 色(いろ)良(よ)い男(をとこ)〔三二三〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm0723
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
001 船頭(せんどう)は又(また)もや立(た)つて船歌(ふなうた)を唄(うた)ひ始(はじ)めたり。
002船頭『金(かね)は世界(せかい)の宝(たから)と聞(き)けど ここの宝(たから)は手(て)に合(あ)はぬ』
003と歌(うた)ひながら進(すす)み行(ゆ)く。004船頭(せんどう)は日(ひ)の出神(でのかみ)に向(むか)ひ、
005船頭『漸(やうや)く竜宮島(りうぐうじま)の区域(くゐき)は離(はな)れました。006これから先(さき)は何(ど)ンな話(はなし)をしても構(かま)ひませぬ。007どうぞ珍(めづ)らしい話(はなし)を聞(き)かして下(くだ)さい。008長(なが)い海(うみ)の上(うへ)、009嘸(さぞ)御(ご)退屈(たいくつ)でせうから、010充分(じうぶん)面白(おもしろ)い話(はなし)をして下(くだ)さいませ』
011と、012荒(あら)つぽい船頭(せんどう)に似(に)ず日(ひ)の出神(でのかみ)に向(むか)つては、013力(ちから)限(かぎ)り丁寧(ていねい)な言葉(ことば)を列(なら)べ立(た)てたり。014而(しかし)て一般(いつぱん)の船客(せんきやく)に向(むか)ひ、
015船頭『おい、016皆(みな)の御(お)客(きやく)さまよ、017是(これ)から何(ど)ンな話(はなし)をしてもよいわ。018もう竜宮島(りうぐうじま)の上(うへ)は越(こ)えた。019面白(おもしろ)い歌(うた)でも唄(うた)はつしやれ』
020 船客(せんきやく)の中(なか)から、
021甲『あゝヤレヤレ、022口(くち)に虫(むし)が湧(わ)くかと思(おも)つた。023これからチツと喋(しやべ)らして貰(もら)はうかい。024おい船頭衆(せんどうしう)、025何(なに)言(い)つても好(よ)いかい』
026船頭『生命(いのち)の洗濯(せんたく)ぢや、027面白(おもしろ)い事(こと)を話(はな)さつしやい』
028甲『何(ど)うも立派(りつぱ)な宝(たから)が浮(う)いたね。029一(ひと)つ俺(おれ)も欲(ほ)しかつた。030彼(あ)れ一(ひと)つ有(あ)つたら、031一生涯(いつしやうがい)親子(おやこ)兄弟(きやうだい)が「呑(の)めよ騒(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)は暗(やみ)よ」と云(い)つて、032ウラル彦(ひこ)さまのやうに暮(くら)されるのに、033一(ひと)つ位(くらゐ)くれたつて好(よ)ささうなものだに、034竜宮(りうぐう)の乙姫(おとひめ)といふ餓鬼(がき)や、035よつぽど欲(よく)な奴(やつ)ぢやナア』
036乙『欲(よく)な奴(やつ)は皆(みんな)、037竜宮(りうぐう)の乙姫(おとひめ)見(み)たやうな奴(やつ)だと云(い)はうがな、038欲(よく)有(あ)る奴(やつ)ぢやから偉(えら)いのだ。039ヨク無(な)い奴(やつ)は即(すなは)ち悪(わる)いのだよ。040よくよく思案(しあん)をしてみれば、041金(かね)が仇(かたき)の世(よ)の中(なか)か』
042甲『何(なに)を吐(ぬ)かすのだい。043貴様(きさま)の云(い)ふ事(こと)は、044チツとも分(わか)りやしないよ』
045乙『分(わか)らぬ筈(はず)だよ。046深(ふか)い深(ふか)い海(うみ)の底(そこ)に隠(かく)してあるのだもの、047分(わか)つたら貴様(きさま)のやうな欲心坊(よくしんばう)が、048みな持(も)つて帰(い)ンで了(しま)ふ。049それで乙姫(おとひめ)様(さま)が分(わか)らぬやうにして御座(ござ)るのぢや』
050甲『益々(ますます)分(わか)らぬことを言(い)ふ奴(やつ)だなあ』
051乙『そンなことは牛(うし)の爪(つめ)だい、052先(さき)から分(わか)つてらあ』
053丙『そンなけなりさうな話(はなし)はやめてくれ。054何(なん)だか羨(うらや)ましくなつてきた。055それよりも酒(さけ)を呑(の)ンで喧嘩(けんくわ)でもして見(み)ようかい。056俺(おれ)が呑(の)まぬ役(やく)の狸彦(たぬきひこ)とか、057狐彦(きつねひこ)とかになるさ。058貴様(きさま)らは徳利彦(とつくりひこ)と、059酔払彦(よつぱらひひこ)になつて歌(うた)を唄(うた)つて酒(さけ)を呑(の)むのだ。060さうすると俺(おれ)の狸彦(たぬきひこ)が、061貴様(きさま)の頭(あたま)をポカンとやるのだ。062さうすると日(ひ)の出神(でのかみ)さまが、063貴様(きさま)は狸(たぬき)かいとおつしやるのだ。064さうするとタヽヽヽタヽヽヽタノで御座(ござ)いますと云(い)ふのだ。065然(しか)り而(しかう)して日(ひ)の出神(でのかみ)さまが、066其処(そこ)に居(を)るのは徳利彦(とつくりひこ)か、067酔払彦(よつぱらひひこ)かと御(お)訊(たづ)ね遊(あそ)ばすのだ。068そこで俺(おれ)がトヽヽトヽヽトツクリと分(わか)りませぬと噛(か)ますのだ。069さうすると今度(こんど)は日(ひ)の出神(でのかみ)さまが、070そこに居(ゐ)るのは酔払彦(よつぱらひひこ)かと仰有(おつしや)るのだ。071さうすると俺(おれ)がヨヽヽヽヨヽヽヽヨウ酔(よ)うてゐますと噛(か)ますのだ。072さうすると日(ひ)の出神(でのかみ)さまが、073御(ご)感心(かんしん)遊(あそ)ばしてな、074俺(おれ)にはまた色(いろ)好(よ)い男(をとこ)とか、075何(なん)とかいふ神名(しんめい)を下(くだ)さるなり、076貴様(きさま)にはクヽヽクヽヽ黒狸(くろだぬき)とか、077クヽヽクヽヽ黒狐(くろぎつね)とかいふ名(な)を賜(たまは)つて、078竜宮島(りうぐうじま)の神(かみ)さまにして下(くだ)さるのだ』
079甲『やい、080貴様(きさま)は色(いろ)好(よ)い男(をとこ)なンて吐(ぬ)かしよつて、081俺(おれ)を黒狐(くろぎつね)の黒狸(くろだぬき)と、082何(なん)だい馬鹿(ばか)にするな。083それそれ日(ひ)の出神(でのかみ)さまが、084大(おほ)きな目(め)を剥(む)いて睨(にら)んでゐらつしやるぞ。085蝸牛蟲(でんでんむし)のやうに、086すつこめすつこめ』
087と他愛(たあい)なく馬鹿口(ばかぐち)を叩(たた)いて酒(さけ)をチビリチビリと呑(の)ンでゐる。088船頭(せんどう)は、
089船頭『オイ、090御(お)客(きやく)様(さま)、091常世(とこよ)の国(くに)に行(ゆ)くつもりだつたが、092お前(まへ)達(たち)が仕様(しやう)もない話(はなし)をするものだから、093さつぱり風(かぜ)が変(かは)つて了(しま)つたよ。094これは如何(どう)しても一旦(いつたん)は、095筑紫(つくし)の島(しま)へ押流(おしなが)されにや仕方(しかた)が無(な)い。096これもお前(まへ)達(たち)の身(み)から出(で)た錆(さび)だ。097必(かなら)ず船頭(せんどう)を悪(わる)いと思(おも)つてくれるなよ』
098丁『船頭(せんどう)、099吾々(われわれ)の前途(ぜんと)を見届(みとど)けるのは、100船頭(せんどう)の役(やく)ぢやないか。101飯(めし)は船中(せんちう)の虱(しらみ)のやうにセンドセンドかかつて喰(くら)ふなり、102そンなことで船商買(ふなしやうばい)[※「船商買」は御校正本通り。「あきない」を「商売」ではなく「商買」と表現する場合もある。]は務(つと)まらせんどうだアハヽヽヽ』
103 霧(きり)をすかして遥(はるか)向方(むかう)に、104波(なみ)に浮(うか)べるこンもりとした島(しま)かげ現(あら)はれたり。105船頭(せんどう)は、
106船頭『やあ、107たうとう筑紫(つくし)の島(しま)が見(み)えました』
108 日(ひ)の出神(でのかみ)は立(た)ち上(あが)り、109筑紫(つくし)の島(しま)に向(むか)つて、110またもや歌(うた)を唄(うた)ひたまう。
111(大正一一・一・三一 旧一・四 外山豊二録)
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