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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第7巻(午の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 大台ケ原
第1章 日出山上
第2章 三神司邂逅
第3章 白竜
第4章 石土毘古
第5章 日出ケ嶽
第6章 空威張
第7章 山火事
第2篇 白雪郷
第8章 羽衣の松
第9章 弱腰男
第10章 附合信神
第11章 助け船
第12章 熟々尽
第3篇 太平洋
第13章 美代の浜
第14章 怒濤澎湃
第15章 船幽霊
第16章 釣魚の悲
第17章 亀の背
第4篇 鬼門より竜宮へ
第18章 海原の宮
第19章 無心の船
第20章 副守飛出
第21章 飲めぬ酒
第22章 竜宮の宝
第23章 色良い男
第5篇 亜弗利加
第24章 筑紫上陸
第25章 建日別
第26章 アオウエイ
第27章 蓄音器
第28章 不思議の窟
第6篇 肥の国へ
第29章 山上の眺
第30章 天狗の親玉
第31章 虎転別
第32章 水晶玉
第7篇 日出神
第33章 回顧
第34章 時の氏神
第35章 木像に説教
第36章 豊日別
第37章 老利留油
第38章 雲天焼
第39章 駱駝隊
第8篇 一身四面
第40章 三人奇遇
第41章 枯木の花
第42章 分水嶺
第43章 神の国
第44章 福辺面
第45章 酒魂
第46章 白日別
第47章 鯉の一跳
第9篇 小波丸
第48章 悲喜交々
第49章 乗り直せ
第50章 三五〇
附録 第三回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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(B)
(N)
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第一六章
釣魚
(
てうぎよ
)
の
悲
(
かなしみ
)
〔三一六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
篇:
第3篇 太平洋
よみ(新仮名遣い):
たいへいよう
章:
第16章 釣魚の悲
よみ(新仮名遣い):
ちょうぎょのかなしみ
通し章番号:
316
口述日:
1922(大正11)年01月31日(旧01月04日)
口述場所:
筆録者:
広瀬義邦
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年5月31日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
日の出神はふたたび、三五教の教えを織り込み、人々に心の鬼大蛇を戒める宣伝歌を歌い始めた。すると、またしても海面は風凪ぎ、波は鎮まった。
船中から一人の男が日の出神に話しかけた。二度までも船の危急を救ったことと、清き美わしい教えの教示に感謝の念を表し、自分の身の上を語り始めた。
この男は、先の長髪の男の息子であり、海に身を投げた女が探していた恋人であった。男は、むざむざ目の前で父親と恋人を亡くした悩みを、日の出神に打ち明けた。
日の出神はにっこりとして、神は必ずや親子夫婦の再会を得させたまう、ただ本心に立ち返って三五教の教えを守り、天地の神を真心より賛美するようにと諭した。
男は日の出神に感謝し、涙を流しながら宣伝歌を歌い始めた。日の出神は海を指して、あれを見よ、と男に注意を促した。そこには、波の間に漂う男女の姿が見えた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-05-04 17:44:16
OBC :
rm0716
愛善世界社版:
94頁
八幡書店版:
第2輯 69頁
修補版:
校定版:
98頁
普及版:
40頁
初版:
ページ備考:
001
再
(
ふたた
)
び
暴
(
あれ
)
たる
光景
(
くわうけい
)
に
船
(
ふね
)
の
諸人
(
もろびと
)
はまたも
不安
(
ふあん
)
の
念
(
ねん
)
に
駆
(
か
)
られ、
002
猫
(
ねこ
)
に
逐
(
お
)
はれし
鼠
(
ねずみ
)
の
如
(
ごと
)
く
頭
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れ
呼吸
(
いき
)
を
凝
(
こら
)
し、
003
戦慄
(
をのの
)
き
伏
(
ふ
)
して
チウ
の
声
(
こゑ
)
も
挙
(
あ
)
げ
得
(
え
)
ざりける。
004
この
四辺
(
あたり
)
は
大小
(
だいせう
)
無数
(
むすう
)
の
岩石
(
がんせき
)
水面
(
すゐめん
)
に
起伏
(
きふく
)
して
危険
(
きけん
)
極
(
きは
)
まる
区域
(
くゐき
)
なり。
005
一
(
ひと
)
つ
違
(
ちが
)
へば
船
(
ふね
)
は
忽
(
たちま
)
ち
破壊
(
はくわい
)
覆没
(
ふくぼつ
)
の
厄
(
やく
)
に
遭
(
あ
)
ふ
地点
(
ちてん
)
にして、
006
地獄
(
ぢごく
)
の
釜
(
かま
)
の
一足飛
(
いつそくと
)
び、
007
人々
(
ひとびと
)
の
生命
(
いのち
)
は
恰
(
あたか
)
も
轍迹
(
てつぷ
)
の
魚
(
うを
)
か
石上
(
せきじやう
)
の
累卵
(
るいらん
)
か、
008
危険
(
きけん
)
刻々
(
こくこく
)
に
迫
(
せま
)
り
来
(
き
)
たりける。
009
このとき
船
(
ふね
)
の
一方
(
いつぱう
)
に
声
(
こゑ
)
あり。
010
(日の出神)
『
禍
(
わざはひ
)
多
(
おほ
)
き
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
011
飯
(
めし
)
食
(
く
)
ふ
暇
(
ひま
)
も
附
(
つ
)
け
狙
(
ねら
)
ふ
012
情
(
なさけ
)
嵐
(
あらし
)
の
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
び
013
何
(
なん
)
の
容赦
(
ようしや
)
も
荒浪
(
あらなみ
)
の
014
涙
(
なみだ
)
の
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
みたる
015
世
(
よ
)
の
諸人
(
もろびと
)
を
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
016
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
救
(
すく
)
はむと
017
黄金山
(
わうごんざん
)
に
現
(
あら
)
はれし
018
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
019
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
現
(
あら
)
はれて
020
波風
(
なみかぜ
)
猛
(
たけ
)
る
荒海
(
あらうみ
)
を
021
渡
(
わた
)
りてここに
太平
(
たいへい
)
の
022
神世
(
かみよ
)
を
修理
(
つくり
)
固成
(
かた
)
めむと
023
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
024
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
海原
(
うなばら
)
や
025
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
弥
(
い
)
や
深
(
ふか
)
く
026
大御
(
おほみ
)
稜威
(
みいづ
)
は
久方
(
ひさかた
)
の
027
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
にそそり
立
(
た
)
つ
028
天教山
(
てんけうざん
)
も
啻
(
ただ
)
ならず
029
神徳
(
しんとく
)
高
(
たか
)
き
照妙
(
てるたへ
)
の
030
衣
(
ころも
)
を
捨
(
す
)
てて
簑笠
(
みのかさ
)
の
031
服装
(
みなり
)
も
軽
(
かる
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
032
重
(
おも
)
き
罪人
(
つみびと
)
救
(
すく
)
はむと
033
教
(
をしへ
)
の
船
(
ふね
)
に
棹
(
さを
)
さして
034
闇
(
やみ
)
の
海原
(
うなばら
)
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
035
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
に
036
苦
(
くる
)
しみ
迷
(
まよ
)
ふ
人々
(
ひとびと
)
の
037
心
(
こころ
)
の
波
(
なみ
)
は
騒
(
さわ
)
ぐとも
038
魂
(
みたま
)
の
月
(
つき
)
は
曇
(
くも
)
るとも
039
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
040
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
言霊
(
ことたま
)
に
041
眠
(
ねむり
)
を
醒
(
さま
)
せ
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
け
042
眠
(
ねむり
)
を
醒
(
さま
)
せ
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
け
043
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
044
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わけ
)
る
045
この
世
(
よ
)
を
修理固成
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
046
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
047
ただ
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
048
直霊
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
せ
049
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
は
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
050
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
人草
(
ひとぐさ
)
は
051
恵
(
めぐみ
)
も
深
(
ふか
)
き
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
052
祈
(
いの
)
りて
効験
(
しるし
)
あらざらめ
053
祈
(
いの
)
れよ
祈
(
いの
)
れ
諸人
(
もろびと
)
よ
054
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
055
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
に
在
(
あ
)
り
056
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
押開
(
おしひら
)
き
057
鬼
(
おに
)
や
大蛇
(
をろち
)
を
逐
(
お
)
ひ
出
(
いだ
)
し
058
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
059
心
(
こころ
)
の
倉
(
くら
)
に
隙間
(
すきま
)
なく
060
充
(
み
)
たせ
足
(
た
)
らはせ
諸人
(
もろびと
)
よ
061
充
(
み
)
たせ
足
(
た
)
らはせ
諸人
(
もろびと
)
よ
062
世
(
よ
)
は
紫陽花
(
あじさゐ
)
の
七変
(
ななかは
)
り
063
月日
(
つきひ
)
は
落
(
お
)
つる
世
(
よ
)
ありとも
064
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひは
乾
(
かわ
)
くとも
065
千代
(
ちよ
)
も
八千代
(
やちよ
)
も
変
(
かは
)
りなき
066
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
力
(
ちから
)
とし
067
大神光
(
おほみひかり
)
を
目標
(
めじるし
)
に
068
波風
(
なみかぜ
)
高
(
たか
)
き
荒海
(
あらうみ
)
の
069
潮
(
しほ
)
踏
(
ふ
)
み
分
(
わ
)
けて
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
れ
070
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
071
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
言霊
(
ことたま
)
の
072
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
太祝詞
(
ふとのりと
)
073
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
宣
(
の
)
れよ
人
(
ひと
)
074
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
宣
(
の
)
れよ
人
(
ひと
)
075
この
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
埴安彦
(
はにやすひこ
)
の
076
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
077
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
開
(
ひら
)
きたる
078
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
をば
079
耳
(
みみ
)
の
戸
(
と
)
開
(
あ
)
けて
菊
(
きく
)
の
秋
(
あき
)
080
四方
(
よも
)
の
山々
(
やまやま
)
紅
(
くれなゐ
)
に
081
錦
(
にしき
)
織
(
お
)
りなす
真心
(
まごころ
)
は
082
神
(
かみ
)
に
通
(
かよ
)
へる
心
(
こころ
)
ぞや
083
神
(
かみ
)
に
通
(
かよ
)
へる
心
(
こころ
)
ぞや
084
吾
(
われ
)
は
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
なるぞ
085
わが
言霊
(
ことたま
)
は
常世
(
とこよ
)
行
(
ゆ
)
く
086
暗
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らして
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
087
百
(
もも
)
の
曲事
(
まがごと
)
祝姫
(
はふりひめ
)
088
長閑
(
のどか
)
な
海面
(
うなづら
)
面那芸
(
つらなぎ
)
の
089
厳
(
いづ
)
の
息吹
(
いぶき
)
に
凪
(
な
)
ぎて
行
(
ゆ
)
く
090
実
(
げ
)
にも
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
恩
(
おん
)
091
実
(
げ
)
にも
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
』
092
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
ると
共
(
とも
)
に、
093
またも
海面
(
かいめん
)
は
風
(
かぜ
)
凪
(
な
)
ぎ、
094
波
(
なみ
)
静
(
しづ
)
まり、
095
月
(
つき
)
は
中天
(
ちうてん
)
に
皎々
(
かうかう
)
として
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
め、
096
さしも
頑強
(
ぐわんきやう
)
なる
船
(
ふね
)
の
人々
(
ひとびと
)
も
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
洪徳
(
こうとく
)
を
感謝
(
かんしや
)
したりける。
097
船客
(
せんきやく
)
の
中
(
なか
)
より
色
(
いろ
)
浅黒
(
あさぐろ
)
き、
098
口元
(
くちもと
)
の
締
(
しま
)
りたる
中肉
(
ちうにく
)
中背
(
ちうぜい
)
の
男
(
をとこ
)
、
099
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
100
恭
(
うやうや
)
しく
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
きながら、
101
男
『
一度
(
いちど
)
ならず
二度
(
にど
)
までも、
102
この
遭難
(
さうなん
)
を
救
(
すく
)
ひ、
103
吾
(
われ
)
らに
清
(
きよ
)
き
美
(
うる
)
はしき
教
(
をしへ
)
を
垂
(
た
)
れさせ
玉
(
たま
)
ひしことを
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
く
感謝
(
かんしや
)
いたします』
104
と
云
(
い
)
ひつつ
涙
(
なみだ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ、
105
男
『さて、
106
宣伝使
(
せんでんし
)
にお
尋
(
たづ
)
ね
申
(
まを
)
したきことがあります。
107
お
聴
(
き
)
き
届
(
とど
)
け
下
(
くだ
)
されますや』
108
と
耻
(
はづ
)
かし
気
(
げ
)
にいう。
109
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は、
110
日の出神
『
吾
(
われ
)
は
世界
(
せかい
)
を
導
(
みちび
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
、
111
何事
(
なにごと
)
なりとも
問
(
と
)
はせ
給
(
たま
)
へ』
112
と
快
(
こころよ
)
く
答
(
こた
)
へたまへば、
113
彼
(
か
)
の
男
(
をとこ
)
は、
114
男
『
私
(
わたくし
)
は
実
(
じつ
)
は
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
者
(
もの
)
であります。
115
ふとしたことより
郷
(
さと
)
の
女
(
をんな
)
と
恋
(
こひ
)
に
落
(
お
)
ち、
116
白雪郷
(
はくせつきやう
)
を
追
(
お
)
ひ
出
(
いだ
)
され
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
遁
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
かむと
致
(
いた
)
しました。
117
然
(
しか
)
るに
唯
(
ただ
)
一足
(
ひとあし
)
違
(
ちが
)
ひにて、
118
船
(
ふね
)
は
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
へ
出帆
(
しゆつぱん
)
いたし、
119
次
(
つぎ
)
の
船
(
ふね
)
を
待
(
ま
)
つて、
120
今
(
いま
)
や
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
渡
(
わた
)
らうと
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
ります。
121
然
(
しか
)
るに
吾
(
わ
)
が
恋
(
こひ
)
しき
女
(
をんな
)
はわが
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひ、
122
同
(
おな
)
じ
船
(
ふね
)
に
如何
(
いか
)
なる
因縁
(
いんねん
)
か
乗
(
の
)
ることとなりました。
123
しかし
彼
(
か
)
の
女
(
ぢよ
)
は
私
(
わたくし
)
の
此
(
こ
)
の
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
を
)
ることは
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
りませぬ。
124
私
(
わたくし
)
も
亦
(
また
)
その
女
(
をんな
)
の
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
を
)
ることは
毫
(
すこし
)
も
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
かなかつたのです。
125
時
(
とき
)
しも
船
(
ふね
)
の
一方
(
いつぱう
)
に
当
(
あた
)
つて、
126
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた
女
(
をんな
)
あり、
127
よくよく
視
(
み
)
れば、
128
私
(
わたし
)
の
日頃
(
ひごろ
)
恋
(
こ
)
ひ
慕
(
した
)
ふ
彼
(
かれ
)
なれば、
129
噫
(
ああ
)
、
130
彼
(
かれ
)
は
一旦
(
いつたん
)
約
(
やく
)
したる
言葉
(
ことば
)
を
守
(
まも
)
り、
131
遥々
(
はるばる
)
遠
(
とほ
)
き
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
、
132
我
(
われ
)
を
捜
(
たづ
)
ねて
来
(
きた
)
りしか、
133
嗚呼
(
ああ
)
、
134
愛
(
いと
)
しの
者
(
もの
)
よ、
135
と
自
(
みづか
)
ら
名乗
(
なの
)
りを
挙
(
あ
)
げ、
136
相擁
(
あひよう
)
して
泣
(
な
)
きたく
思
(
おも
)
ひました。
137
傍
(
かたはら
)
を
見
(
み
)
れば
豈計
(
あにはか
)
らむや、
138
我
(
わ
)
が
父
(
ちち
)
の
儼然
(
げんぜん
)
として
船中
(
せんちう
)
に
控
(
ひか
)
へて
居
(
を
)
るに
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
きました。
139
思
(
おも
)
ひは
同
(
おな
)
じ
一蓮
(
いちれん
)
托生
(
たくしやう
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
140
とつおいつ
、
141
吐息
(
といき
)
を
漏
(
も
)
らす
折
(
をり
)
からに、
142
彼
(
か
)
の
女
(
ぢよ
)
は
遂
(
つひ
)
に
何
(
なに
)
思
(
おも
)
ひけむ、
143
深
(
ふか
)
き
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げて、
144
泡
(
あわ
)
と
消
(
き
)
えゆく
哀
(
あは
)
れさ。
145
亦
(
また
)
もや
我
(
わ
)
が
父
(
ちち
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひて
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
となりしを
見
(
み
)
る
我身
(
わがみ
)
の
苦
(
くる
)
しさ。
146
私
(
わたくし
)
もその
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
と
父
(
ちち
)
との
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひ、
147
この
海原
(
うなばら
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げむやと
決心
(
けつしん
)
はいたしたものの、
148
何
(
なん
)
となく
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
より「マア
待
(
ま
)
て、
149
マア
待
(
ま
)
て。
150
愛
(
あい
)
する
彼
(
か
)
の
女
(
ぢよ
)
と
恩
(
おん
)
深
(
ふか
)
き
父
(
ちち
)
の
弔
(
とむら
)
ひは
誰人
(
だれ
)
がなす。
151
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも
親
(
おや
)
一人
(
ひとり
)
子
(
こ
)
一人
(
ひとり
)
の
汝
(
なんぢ
)
、
152
身投
(
みな
)
げは
思
(
おも
)
ひ
止
(
とど
)
まれよ」と
頻
(
しき
)
りに
私語
(
ささや
)
きます。
153
我
(
わが
)
身
(
み
)
の
不覚
(
ふかく
)
より、
154
彼
(
か
)
の
女
(
ぢよ
)
を
殺
(
ころ
)
し、
155
大恩
(
だいおん
)
ある
我
(
わが
)
父
(
ちち
)
の
生命
(
いのち
)
まで
水
(
みづ
)
の
泡
(
あわ
)
となせしは
私
(
わたくし
)
の
罪咎
(
つみとが
)
、
156
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
よりも
深
(
ふか
)
きを
思
(
おも
)
へば
立
(
た
)
つてもゐても
居
(
を
)
られませぬ、
157
何卒
(
どうぞ
)
わが
心
(
こころ
)
の
迷
(
まよ
)
ひを
照
(
て
)
らさせ
給
(
たま
)
へ、
158
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
さま』
159
と
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
物語
(
ものがた
)
るを、
160
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
莞爾
(
につこ
)
として、
161
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
げに、
162
日の出神
『
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
老少
(
らうせう
)
不定
(
ふぢやう
)
、
163
会者
(
ゑしや
)
定離
(
ぢやうり
)
だ。
164
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
人
(
ひと
)
の
運命
(
うんめい
)
は
神
(
かみ
)
の
御手
(
みて
)
に
握
(
にぎ
)
られて
居
(
ゐ
)
る。
165
生
(
い
)
くるも
神
(
かみ
)
の
御慮
(
みこころ
)
、
166
死
(
し
)
するも
神
(
かみ
)
の
御慮
(
みこころ
)
ぞ。
167
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は、
168
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
せ、
169
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
は
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ。
170
また
来
(
く
)
る
春
(
はる
)
に
相生
(
あひおひ
)
の、
171
松
(
まつ
)
も
芽出度
(
めでた
)
き
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
再会
(
さいくわい
)
を、
172
必
(
かなら
)
ず
得
(
え
)
させ
玉
(
たま
)
はむ。
173
汝
(
なんぢ
)
はこれより
本心
(
ほんしん
)
に
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
り、
174
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
を
守
(
まも
)
り、
175
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
を
真心
(
まごころ
)
より
讃美
(
さんび
)
し
奉
(
たてまつ
)
れ』
176
と
教
(
をし
)
へ
玉
(
たま
)
へば、
177
彼
(
かれ
)
は
熱
(
あつ
)
き
涙
(
なみだ
)
を
湛
(
たた
)
へながら、
178
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
感謝
(
かんしや
)
し、
179
直
(
ただち
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
声
(
こゑ
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
ひはじめたり。
180
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
彼
(
か
)
の
男
(
をとこ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
181
日の出神
『
彼方
(
あなた
)
を
見
(
み
)
られよ』
182
と
指
(
ゆび
)
さしたまふ。
183
波
(
なみ
)
の
彼方
(
かなた
)
に、
184
浮
(
う
)
きつ
沈
(
しづ
)
みつ、
185
何
(
なに
)
かにのせられたる
男女
(
だんぢよ
)
の
影
(
かげ
)
見
(
み
)
えたり。
186
この
男女
(
だんぢよ
)
は
果
(
はた
)
して
何人
(
なにびと
)
ならむか。
187
(
大正一一・一・三一
旧一・四
広瀬義邦
録)
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