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第11巻(戌の巻)
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第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第81巻(申の巻)
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第7巻(午の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 大台ケ原
01 日出山上
〔301〕
02 三神司邂逅
〔302〕
03 白竜
〔303〕
04 石土毘古
〔304〕
05 日出ケ嶽
〔305〕
06 空威張
〔306〕
07 山火事
〔307〕
第2篇 白雪郷
08 羽衣の松
〔308〕
09 弱腰男
〔309〕
10 附合信神
〔310〕
11 助け船
〔311〕
12 熟々尽
〔312〕
第3篇 太平洋
13 美代の浜
〔313〕
14 怒濤澎湃
〔314〕
15 船幽霊
〔315〕
16 釣魚の悲
〔316〕
17 亀の背
〔317〕
第4篇 鬼門より竜宮へ
18 海原の宮
〔318〕
19 無心の船
〔319〕
20 副守飛出
〔320〕
21 飲めぬ酒
〔321〕
22 竜宮の宝
〔322〕
23 色良い男
〔323〕
第5篇 亜弗利加
24 筑紫上陸
〔324〕
25 建日別
〔325〕
26 アオウエイ
〔326〕
27 蓄音器
〔327〕
28 不思議の窟
〔328〕
第6篇 肥の国へ
29 山上の眺
〔329〕
30 天狗の親玉
〔330〕
31 虎転別
〔331〕
32 水晶玉
〔332〕
第7篇 日出神
33 回顧
〔333〕
34 時の氏神
〔334〕
35 木像に説教
〔335〕
36 豊日別
〔336〕
37 老利留油
〔337〕
38 雲天焼
〔338〕
39 駱駝隊
〔339〕
第8篇 一身四面
40 三人奇遇
〔340〕
41 枯木の花
〔341〕
42 分水嶺
〔342〕
43 神の国
〔343〕
44 福辺面
〔344〕
45 酒魂
〔345〕
46 白日別
〔346〕
47 鯉の一跳
〔347〕
第9篇 小波丸
48 悲喜交々
〔348〕
49 乗り直せ
〔349〕
50 三五〇
〔350〕
附録 第三回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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> 第3篇 太平洋 > 第14章 怒濤澎湃
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第一四章
怒濤澎湃
(
どたうはうはい
)
〔三一四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
篇:
第3篇 太平洋
よみ:
たいへいよう
章:
第14章 怒濤澎湃
よみ:
どとうほうはい
通し章番号:
314
口述日:
1922(大正11)年01月31日(旧01月04日)
口述場所:
筆録者:
高木鉄男
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年5月31日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
船客たちが四方山話にふける一方、船中に歌を歌う女(奇姫)があった。それは、遠く常世の国へ旅立った男を思う歌であった。
その歌を聴いて、白雪郷から来た長髪の荒男(国彦)は、その女が自分の息子の恋人であることを知った。男の息子(高彦)は、この恋愛が白雪郷の規則を破ったかどで、村を追放されていたのであった。
男は女に、息子の居場所を教えてくれ、と頼み込んだ。そのとき、突然嵐がやってきた。すると女は荒れ狂う海に身を投げてしまった。
男は女を助けようと自ら海に飛び込んだ。
そんな中、暗中に静かに宣伝歌が響き聞こえてきた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0714
愛善世界社版:
82頁
八幡書店版:
第2輯 65頁
修補版:
校定版:
86頁
普及版:
35頁
初版:
ページ備考:
001
船戸
(
ふなど
)
の
神
(
かみ
)
はガラガラと
錨
(
いかり
)
を
釣上
(
つりあ
)
げたり。
002
折
(
をり
)
から
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
東風
(
とうふう
)
に
真帆
(
まほ
)
をかかげ
風
(
かぜ
)
を
孕
(
はら
)
まして、
003
果
(
はて
)
しもなき
大海原
(
おほうなばら
)
を
船底
(
ふなぞこ
)
に
鼓
(
つづみ
)
を
打
(
う
)
たせながら、
004
波上
(
はじやう
)
静
(
しづ
)
かに
辷
(
すべ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
005
日
(
ひ
)
は
西
(
にし
)
の
海
(
うみ
)
の
端
(
は
)
に
舂
(
うすづ
)
きて
水面
(
すゐめん
)
を
金色
(
こんじき
)
に
彩
(
いろど
)
りぬ。
006
東
(
ひがし
)
の
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
より
昇
(
のぼ
)
る
玉兎
(
ぎよくと
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
されて
日
(
ひ
)
は
海
(
うみ
)
に
隠
(
かく
)
るとも、
007
その
名
(
な
)
は
光
(
ひか
)
る
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
。
008
この
世
(
よ
)
の
幸
(
さち
)
を
祝
(
いは
)
ふ
祝姫
(
はふりひめ
)
、
009
連
(
つら
)
なる
浪
(
なみ
)
の
面那芸彦
(
つらなぎひこ
)
、
010
空
(
そら
)
は
一面
(
いちめん
)
の
星光
(
せいくわう
)
粗
(
まば
)
らに
輝
(
かがや
)
き、
011
月光
(
げつくわう
)
波間
(
はかん
)
に
浮
(
う
)
き
沈
(
しづ
)
み、
012
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
の
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
、
013
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に
踵
(
つ
)
いで
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
014
この
船
(
ふね
)
には
三人
(
さんにん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
始
(
はじ
)
め
国々
(
くにぐに
)
の
沢山
(
たくさん
)
の
人々
(
ひとびと
)
が
四方山
(
よもやま
)
の
話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
り、
015
波路
(
なみぢ
)
の
憂
(
う
)
さを
払
(
はら
)
ひ
慰
(
なぐさ
)
めてゐたり。
016
船中
(
せんちう
)
の
一方
(
いつぱう
)
より
白髪
(
しらが
)
交
(
まじ
)
りの
長髪
(
ちやうはつ
)
の
大男
(
おほをとこ
)
、
017
赤黒
(
あかぐろ
)
き
面
(
つら
)
をヌツト
出
(
だ
)
し、
018
『おい
船頭
(
せんどう
)
、
019
ここは
一体
(
いつたい
)
なんといふ
処
(
ところ
)
だ』
020
『
此処
(
ここ
)
かい、
021
ここは
海
(
うみ
)
といふ
処
(
ところ
)
だよ』
022
『
海
(
うみ
)
は
極
(
きま
)
つて
居
(
を
)
るワイ。
023
何
(
な
)
ンといふ
海
(
うみ
)
ぢや』
024
『
此処
(
ここ
)
かい、
025
ここは
乳
(
ちち
)
の
海
(
うみ
)
ぢや』
026
『フン
分
(
わか
)
つた。
027
生
(
うみ
)
の
父上
(
ちちうへ
)
母
(
はは
)
さまは
何処
(
どこ
)
に
如何
(
どう
)
して
御座
(
ござ
)
るやら、
028
生命
(
いのち
)
の
際
(
きは
)
に
唯
(
ただ
)
一目
(
ひとめ
)
、
029
会
(
あ
)
うて
死
(
し
)
にたい
顔
(
かほ
)
見
(
み
)
たい、
030
といふ
海
(
うみ
)
かい』
031
『
何処
(
どこ
)
の
奴
(
やつ
)
か
知
(
し
)
らぬが
縁起
(
えんぎ
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
吐
(
ぬ
)
かすない。
032
一寸
(
いつすん
)
下
(
した
)
は
水地獄
(
みづぢごく
)
だぞよ』
033
『
貴様
(
きさま
)
こそ
縁起
(
えんぎ
)
の
悪
(
わる
)
いことを
云
(
い
)
ふ、
034
水地獄
(
みづぢごく
)
なンて
俺
(
おれ
)
は
大
(
だい
)
の
嫌
(
きら
)
ひだ。
035
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
が
探険
(
たんけん
)
して
来
(
き
)
たやうな
恐
(
おそ
)
ろしい
処
(
ところ
)
が、
036
この
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
に
在
(
あ
)
るかと
思
(
おも
)
へば、
037
船乗
(
ふなのり
)
も
嫌
(
いや
)
になつてしまふワ』
038
このとき
船
(
ふね
)
の
一方
(
いつぱう
)
より
涼
(
すず
)
しい
女
(
をんな
)
の
歌
(
うた
)
ふ
声
(
こゑ
)
聞
(
きこ
)
えきたる。
039
『
山
(
やま
)
より
高
(
たか
)
き
父
(
ちち
)
の
恩
(
おん
)
040
海
(
うみ
)
より
深
(
ふか
)
き
母
(
はは
)
の
恩
(
おん
)
041
山
(
やま
)
と
海
(
うみ
)
との
恩
(
おん
)
忘
(
わす
)
れ
042
この
海原
(
うなばら
)
を
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
043
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
す
044
恋
(
こひ
)
しき
男
(
をとこ
)
に
会
(
あ
)
はむとて
045
此処
(
ここ
)
まで
来
(
き
)
たは
来
(
き
)
たものの
046
長
(
なが
)
き
浪路
(
なみぢ
)
に
倦
(
あ
)
き
果
(
は
)
てて
047
もと
来
(
き
)
し
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く
048
その
術
(
すべ
)
さへも
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
049
父母
(
ちちはは
)
棄
(
す
)
てて
恋慕
(
こひした
)
ふ
050
男
(
をとこ
)
に
付
(
つ
)
くか
恋慕
(
こひした
)
ふ
051
夫
(
をつと
)
を
捨
(
す
)
てて
海山
(
うみやま
)
の
052
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐ
)
みの
父母
(
ちちはは
)
の
053
御側
(
みそば
)
に
帰
(
かへ
)
り
村肝
(
むらきも
)
の
054
心
(
こころ
)
をつくし
仕
(
つか
)
ふるか
055
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
との
国境
(
くにざかひ
)
056
進
(
すす
)
むも
知
(
し
)
らに
退
(
しりぞ
)
くも
057
成
(
な
)
らぬ
苦
(
くる
)
しき
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
058
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
けど
059
妾
(
わらは
)
は
思案
(
しあん
)
に
暮
(
くれ
)
の
鐘
(
かね
)
060
故郷
(
こきやう
)
を
思
(
おも
)
ふ
恋
(
こひ
)
しさの
061
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
も
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
る
062
吁
(
ああ
)
如何
(
いか
)
にせむ
千尋
(
せんじん
)
の
063
深
(
ふか
)
き
海路
(
うなぢ
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げて
064
親
(
おや
)
に
背
(
そむ
)
きしこの
罪
(
つみ
)
を
065
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
神々
(
かみがみ
)
に
066
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
謝罪
(
しやざい
)
せむ』
067
と
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
むるや、
068
長髪
(
ちやうはつ
)
の
男
(
をとこ
)
はその
女
(
をんな
)
の
手
(
て
)
をグツト
握
(
にぎ
)
り、
069
『オイ
待
(
ま
)
て。
070
今
(
いま
)
の
歌
(
うた
)
で
様子
(
やうす
)
は
判
(
わか
)
つた。
071
俺
(
おれ
)
の
忰
(
せがれ
)
は
貴様
(
きさま
)
の
為
(
ため
)
に
結構
(
けつこう
)
な
白雪郷
(
はくせつきやう
)
に
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ず、
072
たうとう
里人
(
さとびと
)
より
刎
(
は
)
ね
出
(
だ
)
されて
仕舞
(
しま
)
つて、
073
この
前
(
まへ
)
の
月
(
つき
)
に
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
逐電
(
ちくでん
)
し、
074
夫
(
そ
)
れがために
俺
(
おれ
)
のところは
大変
(
たいへん
)
な
迷惑
(
めいわく
)
だ。
075
大切
(
たいせつ
)
な
忰
(
せがれ
)
は
白雪郷
(
はくせつきやう
)
の
規則
(
きそく
)
を
破
(
やぶ
)
つて、
076
村
(
むら
)
は
逐
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され、
077
俺
(
おれ
)
も
浮世
(
うきよ
)
の
義理
(
ぎり
)
で
勘当
(
かんどう
)
はしたものの、
078
如何
(
どう
)
しても
忘
(
わす
)
れられぬは
親子
(
おやこ
)
の
情愛
(
じやうあい
)
だ。
079
年寄
(
としよ
)
つた
俺
(
おれ
)
が
遥々
(
はるばる
)
この
浪路
(
なみぢ
)
を
渡
(
わた
)
つて
忰
(
せがれ
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふも
子
(
こ
)
故
(
ゆゑ
)
に
迷
(
まよ
)
ふ
親心
(
おやごころ
)
、
080
俺
(
おれ
)
の
女房
(
にようばう
)
は
夫
(
そ
)
れを
苦
(
く
)
にして
死
(
し
)
ンで
了
(
しま
)
ひよつたぞよ。
081
お
前
(
まへ
)
も
夫
(
そ
)
れほど
俺
(
おれ
)
の
忰
(
せがれ
)
を
慕
(
した
)
つて、
082
この
海原
(
うなばら
)
を
渡
(
わた
)
つて
行
(
ゆ
)
かうと
云
(
い
)
ふ
親切
(
しんせつ
)
は、
083
俺
(
おれ
)
が
忰
(
せがれ
)
を
思
(
おも
)
ふも
同
(
おな
)
じことだ。
084
思
(
おも
)
へば
実
(
じつ
)
に
有難
(
ありがた
)
い。
085
清
(
きよ
)
いお
前
(
まへ
)
の
志
(
こころざし
)
、
086
俺
(
おれ
)
の
可愛
(
かあい
)
い
忰
(
せがれ
)
を
愛
(
あい
)
して
呉
(
く
)
れるお
前
(
まへ
)
と
思
(
おも
)
へば、
087
如何
(
どう
)
したものか
今
(
いま
)
までの
腹立
(
はらだち
)
もスツカリと
水
(
みづ
)
の
泡沫
(
あわ
)
のやうに
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つて、
088
今
(
いま
)
は
一層
(
いつそう
)
憐
(
あはれ
)
なやうな
心持
(
こころもち
)
がして
来
(
き
)
た。
089
何
(
な
)
ンでも
堅
(
かた
)
い
約束
(
やくそく
)
をして
居
(
を
)
るのであらう。
090
お
前
(
まへ
)
に
聞
(
き
)
けば
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
何処
(
どこ
)
に
居
(
を
)
るといふことは
判
(
わか
)
つて
居
(
を
)
らう
筈
(
はず
)
、
091
どうぞ
包
(
つつ
)
まず
親
(
おや
)
ぢやと
思
(
おも
)
うて、
092
俺
(
おれ
)
に
逐一
(
ちくいち
)
知
(
し
)
らして
呉
(
く
)
れ。
093
俺
(
おれ
)
が
何
(
なに
)
ほど
山野
(
さんや
)
を
駈廻
(
かけまは
)
つて
探
(
さが
)
したとて、
094
この
海
(
うみ
)
よりも
広
(
ひろ
)
いダダツ
広
(
ぴろ
)
い
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
を、
095
十年
(
じふねん
)
や
二十年
(
にじふねん
)
探
(
さが
)
したとて、
096
探
(
さが
)
し
当
(
あた
)
らるるものではない。
097
忰
(
せがれ
)
の
在処
(
ありか
)
を
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れたら、
098
俺
(
おれ
)
もお
前
(
まへ
)
と
親子
(
おやこ
)
に
成
(
な
)
り、
099
親子
(
おやこ
)
三人
(
さんにん
)
睦
(
むつ
)
まじう、
100
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
何処
(
いづこ
)
の
端
(
はて
)
でも
厭
(
いと
)
はず、
101
暮
(
くら
)
す
考
(
かんがへ
)
だ』
102
とさしも
頑丈
(
ぐわんぢやう
)
の
荒男
(
あらをとこ
)
も、
103
子
(
こ
)
ゆゑの
暗
(
やみ
)
に
鎖
(
とざ
)
されて
四辺
(
あたり
)
かまはず
蚕豆
(
そらまめ
)
のやうな
涙
(
なみだ
)
をボロボロと
溢
(
こぼ
)
すその
憐
(
あはれ
)
さ。
104
今
(
いま
)
までさしも
晴朗
(
せいらう
)
なりし
大空
(
おほぞら
)
も
忽
(
たちま
)
ち
黒雲
(
こくうん
)
蔽
(
おほ
)
ひ、
105
一望模糊
(
いちばうもこ
)
として
電光
(
でんくわう
)
閃々
(
せんせん
)
、
106
雷鳴
(
らいめい
)
轟
(
とどろ
)
き、
107
凄然
(
せいぜん
)
として
風
(
かぜ
)
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ひ、
108
雨
(
あめ
)
は
沛然
(
はいぜん
)
として
降
(
ふ
)
り
来
(
きた
)
り、
109
怒濤澎湃
(
どとうはうはい
)
実
(
じつ
)
に
惨澹
(
さんたん
)
たる
光景
(
くわうけい
)
となりぬ。
110
今
(
いま
)
まで
四方山
(
よもやま
)
の
話
(
はなし
)
に
喧噪
(
けんそう
)
を
極
(
きは
)
めたる
一同
(
いちどう
)
の
乗客
(
せんきやく
)
は、
111
顔色
(
がんしよく
)
蒼白
(
さうはく
)
となり
得
(
え
)
もいはれぬ
不安
(
ふあん
)
の
念
(
ねん
)
に
満
(
み
)
たされけるが、
112
アツと
一声
(
ひとこゑ
)
叫
(
さけ
)
ぶよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
113
麗
(
うるは
)
しき
女
(
をんな
)
の
姿
(
すがた
)
は
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ
浪
(
なみ
)
に
向
(
むか
)
つてザンブと
許
(
ばか
)
り
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じたり。
114
長髪
(
ちやうはつ
)
の
男
(
をとこ
)
は
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに、
115
『ヤアわが
娘
(
むすめ
)
、
116
いな
他処
(
よそ
)
の
女
(
をんな
)
、
117
何故
(
なぜ
)
に
投身
(
とうしん
)
したぞ。
118
助
(
たす
)
ける
術
(
すべ
)
は
無
(
な
)
いか、
119
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
救
(
すく
)
へ
救
(
すく
)
へ』
120
という
声
(
こゑ
)
も、
121
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
浪
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
に
遮
(
さへぎ
)
られて、
122
一同
(
いちどう
)
の
耳
(
みみ
)
には
通
(
かよ
)
はざりける。
123
男
(
をとこ
)
は
天
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
し
暫
(
しば
)
し
何事
(
なにごと
)
か
祈
(
いの
)
ると
見
(
み
)
えしが、
124
またもや
身
(
み
)
を
跳
(
をど
)
らして
海中
(
かいちう
)
にザンブとばかり
飛込
(
とびこ
)
み、
125
水煙
(
みづけぶり
)
を
立
(
た
)
てて
姿
(
すがた
)
は
跡白浪
(
あとしらなみ
)
と
成
(
な
)
りにける。
126
心
(
こころ
)
なき
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
は
怒濤
(
どたう
)
の
山岳
(
さんがく
)
凄
(
すさま
)
じく、
127
船
(
ふね
)
を
木葉
(
このは
)
のごとく
翻弄
(
ほんろう
)
するのみ。
128
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ
深黒
(
しんこく
)
の
海面
(
かいめん
)
に、
129
一道
(
いちだう
)
の
光明
(
くわうみやう
)
船
(
ふね
)
を
目
(
め
)
がけて
射照
(
いてら
)
し
来
(
きた
)
るあり。
130
天
(
てん
)
には
電光
(
でんくわう
)
時々
(
ときどき
)
閃
(
ひらめ
)
き
渡
(
わた
)
り、
131
雷鳴
(
らいめい
)
轟
(
とどろ
)
き
惨
(
さん
)
また
惨
(
さん
)
。
132
一同
(
いちどう
)
何
(
いづ
)
れも
決死
(
けつし
)
の
覚悟
(
かくご
)
。
133
否
(
いな
)
ただ
口々
(
くちぐち
)
に
忍
(
しの
)
び
忍
(
しの
)
びに
何物
(
なにもの
)
をか
祈
(
いの
)
りゐたりけり。
134
『
浪風
(
なみかぜ
)
荒
(
あら
)
き
海原
(
うなばら
)
も
135
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
の
咆
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ
136
荒野
(
あれの
)
の
原
(
はら
)
も
何
(
なん
)
のその
137
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
任
(
まか
)
す
身
(
み
)
は
138
心
(
こころ
)
も
安
(
やす
)
き
法
(
のり
)
の
船
(
ふね
)
139
御世
(
みよ
)
を
救
(
すく
)
ひの
宣伝使
(
せんでんし
)
140
風
(
かぜ
)
も
吹
(
ふ
)
け
吹
(
ふ
)
け
浪
(
なみ
)
荒
(
あ
)
れよ
141
鳴
(
な
)
る
雷
(
いかづち
)
も
轟
(
とどろ
)
けよ
142
仮令
(
たとへ
)
この
身
(
み
)
は
海底
(
うなぞこ
)
の
143
藻屑
(
もくづ
)
となりて
果
(
はて
)
つるとも
144
などや
恐
(
おそ
)
れむ
竜宮
(
りうぐう
)
の
145
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御守
(
みまも
)
りに
146
開
(
ひら
)
く
稜威
(
みいづ
)
も
高天原
(
たかあまはら
)
の
147
聖地
(
せいち
)
に
救
(
すく
)
はれ
永久
(
とこしへ
)
に
148
春
(
はる
)
の
弥生
(
やよひ
)
の
花
(
はな
)
の
頃
(
ころ
)
149
心
(
こころ
)
の
清
(
きよ
)
き
益良夫
(
ますらを
)
が
150
暗路
(
やみぢ
)
を
光
(
ひか
)
り
照
(
てら
)
すてふ
151
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
152
風
(
かぜ
)
も
悪魔
(
あくま
)
も
祝姫
(
はふりひめ
)
153
荒
(
あら
)
き
海面
(
うみづら
)
面那芸
(
つらなぎ
)
の
154
凪
(
なぎ
)
て
目出度
(
めでた
)
き
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
155
凪
(
なぎ
)
て
目出度
(
めでた
)
き
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
156
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げし
157
吾身
(
わがみ
)
の
罪
(
つみ
)
を
久比奢母智
(
くひざもち
)
158
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
真心
(
まごころ
)
は
159
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
とに
貫
(
つらぬ
)
きて
160
今
(
いま
)
に
海原
(
うなばら
)
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
り
161
鏡
(
かがみ
)
のごとく
成
(
な
)
りぬべし
162
実
(
げ
)
にも
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
163
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みは
弥広
(
いやひろ
)
き
164
大海原
(
おほうなばら
)
の
如
(
ごと
)
くなり
165
大海原
(
おほうなばら
)
の
如
(
ごと
)
くなり』
166
と
暗中
(
あんちう
)
より
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
宣伝歌
(
せんでんか
)
響
(
ひび
)
き
来
(
き
)
たりぬ。
167
(
大正一一・一・三一
旧一・四
高木鉄男
録)
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【14 怒濤澎湃|第7巻(午の巻)|霊界物語/rm0714】
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