霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三九章 駱駝隊(らくだたい)〔三三九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第7篇 日出神 よみ(新仮名遣い):ひのでのかみ
章:第39章 駱駝隊 よみ(新仮名遣い):らくだたい 通し章番号:339
口述日:1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所: 筆録者:高木鉄男 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
熊公は大砂漠を越えるために、数十頭の駱駝を連れてきた。一向は駱駝に乗って豊の国の都に着いた。
都では、熊公の帰還を群集が声をそろえて祝した。実は熊公は、八十熊別という豊の国の大酋長であった。
八十熊別は神通力で日の出神が筑紫洲にやってきて、豊の国に来ることを前知し、砂漠の難を救うべく駱駝を引き連れて、そま人の格好をして霧島山麓まで出迎えていたのであった。
都の群集は酋長・八十熊別が連れてきた客人たちを見て、いろいろ話しに花を咲かせている。
宣伝使たちが招き入れられた八十熊別の館には、天を衝いて五色の雲が立ち昇った。群集はあっと驚いてその場に合掌するのみであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-10 17:53:23 文字数:2236 OBC :rm0739
愛善世界社版:237頁 八幡書店版:第2輯 119頁 修補版: 校定版:244頁 普及版:101頁 初版: ページ備考:
001 霧島山(きりしまやま)の坂道(さかみち)を、002西南(せいなん)に向(むか)つて下(くだ)り来(き)たりし四(よ)人(にん)の宣伝使(せんでんし)は、003大(だい)の男(をとこ)の熊公(くまこう)を先頭(せんとう)に足(あし)に任(まか)せて下(くだ)り行(ゆ)く。
004熊公(くまこう)『モシモシ、005この方(はう)へモー少(すこ)し行(ゆ)けば大沙漠(だいさばく)です。006この沙漠(さばく)をば越(こ)えぬ事(こと)には、007豊(とよ)の国(くに)の都(みやこ)には行(ゆ)けませぬ。008幸(さいは)ひ向(むか)ふの森林(しんりん)に沢山(たくさん)の駱駝(らくだ)が居(を)ります。009彼奴(きやつ)の背中(せなか)に跨(またが)つて沙漠(さばく)を横断(わうだん)いたしませうか』
010日出(ひのでの)神(かみ)『それは面白(おもしろ)からう、011便利(べんり)だ。012駱駝(らくだ)を七八頭(しちはつとう)引張(ひつぱ)つて来(き)て呉(く)れないか』
013熊公『畏(かしこ)まりました』
014と熊公(くまこう)は駱駝(らくだ)の群(むれ)に向(むか)つて駈(か)け出(だ)しぬ。015四(よ)人(にん)の宣伝使(せんでんし)は路傍(みちばた)の草(くさ)の上(うへ)に腰(こし)うち掛(か)け、016息(いき)を休(やす)め居(ゐ)る。017暫(しばら)くありて駱駝(らくだ)を使(つか)ひ馴(な)れたる熊公(くまこう)は、018数十頭(すうじつとう)の駱駝(らくだ)を引張(ひつぱ)り来(き)たり。
019日出(ひのでの)神(かみ)『ヤア、020沢山(たくさん)のものだなあ』
021熊公(くまこう)『何(ど)れなつと、022御(お)気(き)に入(い)つた奴(やつ)に御(お)召(め)し下(くだ)さい。023外(ほか)の奴(やつ)は控(ひか)へとして連(つ)れて行(ゆ)きます。024沙漠(さばく)の中(なか)は水(みづ)が有(あ)りませぬから、025水(みづ)が無(な)くなつたら、026此奴(こいつ)の背中(せなか)の団瘤(だんこぶ)を破(やぶ)つて水(みづ)を出(だ)して飲(の)みつつ行(ゆ)くのです』
027面那芸(つらなぎ)『調法(てうはふ)なものだなあ』
028と感心(かんしん)する。029日(ひ)の出神(でのかみ)は翻然(ひらり)と駱駝(らくだ)に跨(またが)り、030続(つづ)いて三(さん)人(にん)の宣伝使(せんでんし)も熊公(くまこう)も同(おな)じく、031駱駝(らくだ)の上(うへ)の人(ひと)となりぬ。
032日出(ひのでの)神(かみ)『これは焦暑(いらあつ)い、033焦付(こげつ)くやうな沙漠(さばく)を歩(ある)くより苦労(くらう)はない。034本当(ほんたう)にラクダ』
035と無駄口(むだぐち)を喋(しやべ)りながら駱駝(らくだ)を並(なら)べて、036春風(はるかぜ)涼(すず)しき不毛(ふまう)の沙漠(さばく)を進(すす)みゆく。
037 折(をり)から旋風(せんぷう)吹起(ふきおこ)り、038砂塵(さぢん)を捲(ま)き上(あ)げ、039四辺(しへん)暗澹(あんたん)として咫尺(しせき)を弁(べん)ぜざるに立到(たちいた)り、040加(くは)ふるに折悪(をりあ)しく向(むか)ふ風(かぜ)なれば、041時々(ときどき)一行(いつかう)は駱駝(らくだ)の頭(あたま)を廻(めぐ)らして、042風(かぜ)を背中(せなか)に受(う)け息(いき)を休(やす)めける。043暫(しばら)くありて猛烈(まうれつ)なる旋風(せんぷう)は、044ピタリと止(とま)り、045酷熱(こくねつ)の春(はる)の太陽(たいやう)はガンガンと輝(かがや)き始(はじ)めたり。046熊公(くまこう)は先頭(せんとう)に立(た)ち、047歌(うた)ひ始(はじ)めたり。
048熊公『日(ひ)が出(で)た日(ひ)が出(で)た沙漠(さばく)の空(そら)に
049日(ひ)が出(で)た日(ひ)が出(で)た駱駝(らくだ)に乗(の)つて
050これが日(ひ)の出(で)の宣伝使(せんでんし)
051頭(あたま)は暑(あつ)い顔(かほ)も暑(あつ)い
052厚(あつ)い情(なさけ)に絆(ほだ)されて
053水(みづ)も漏(も)らさぬ熱(あつ)い中(なか)
054暑(あつ)い肥(ひ)の国(くに)立(た)ち出(い)でて
055豊日(とよひ)の別(わけ)の宣伝使(せんでんし)
056豊(とよ)の都(みやこ)へ進(すす)み行(ゆ)く
057照(て)れよ照(て)れ照(て)れ日(ひ)の出神(でのかみ)よ
058吹(ふ)けよ吹(ふ)け吹(ふ)け科戸(しなど)の風(かぜ)よ
059起(た)てよ起(た)てたて砂煙(すなけぶり)
060駱駝(らくだ)の足(あし)の続(つづ)かむ限(かぎ)り
061駱駝(らくだ)はえらかろ己(おのれ)はらくだ
062雨(あめ)も降(ふ)れ降(ふ)れドツサリ降(ふ)れよ
063降(ふ)つて湧(わ)いたる宣伝使(せんでんし)
064天(てん)の星(ほし)から天降(あまくだ)り
065豊(とよ)の御国(みくに)の砂(すな)の原(はら)
066進(すす)み行(ゆ)く身(み)の雄々(をを)しさよ
067豊(とよ)の都(みやこ)はもう少(すこ)し
068少(すこ)しと云(い)つてもまだ百(ひやく)里(り)
069百(ひやく)里(り)千(せん)里(り)も何(な)ンのその
070進(すす)めよ進(すす)め駱駝隊(らくだたい)
071進(すす)めよ進(すす)め駱駝隊(らくだたい)』
072と四辺(あたり)憚(はばか)らず、073出任(でまか)せの歌(うた)を歌(うた)ひつつ進(すす)みゆく。074数多(あまた)の駱駝(らくだ)の背(せ)に載(の)せたる果物(くだもの)に、075饑(うゑ)を凌(しの)ぎながら、076日(ひ)を重(かさ)ねて漸(やうや)く豊(とよ)の都(みやこ)に着(つ)きにける。
077 大(だい)の男(をとこ)の熊公(くまこう)は、078都(みやこ)間近(まぢか)くなりしより元気(げんき)を増(ま)し、079駱駝(らくだ)の尻(しり)を無性(むしやう)矢鱈(やたら)に打(う)ちながら、080一目散(いちもくさん)に都(みやこ)を指(さ)して獅子(しし)奮迅(ふんじん)の勢(いきほひ)にて駆込(かけこ)みぬ。081次(つ)いで四(よ)人(にん)の宣伝使(せんでんし)は、082吾(わ)れ劣(おと)らじと駱駝(らくだ)の尻(しり)に鞭打(むちう)ちて、083雲(くも)を霞(かすみ)と駆(か)けり行(ゆ)く。084豊(とよ)の都(みやこ)の入口(いりぐち)には、085数多(あまた)の群衆(ぐんしう)声(こゑ)を揃(そろ)へてウローウローと、086熊公(くまこう)の帰還(きくわん)を祝(しゆく)しける。
087 この熊公(くまこう)は、088豊(とよ)の国(くに)の大酋長(だいしうちやう)なり。089本名(ほんみやう)を八十(やそ)熊別(くまわけ)といふ。090八十(やそ)熊別(くまわけ)は神通力(じんつうりき)を持(も)ちゐたり。091日(ひ)の出神(でのかみ)の宣伝使(せんでんし)が、092このアフリカの筑紫島(つくしじま)に渡(わた)り、093熊襲(くまそ)の国(くに)に上陸(じやうりく)し肥(ひ)の国(くに)を越(こ)え豊(とよ)の国(くに)に下(くだ)り来(く)ることを前知(ぜんち)し、094この沙漠(さばく)の難(なん)を救(すく)ふべく数多(あまた)の駱駝(らくだ)を引連(ひきつ)れ、095霧島山(きりしまやま)の山麓(さんろく)迄(まで)この一行(いつかう)を迎(むか)へむために来(き)たりしものなり。096しかして態(わざ)と熊公(くまこう)と只人(ただびと)の名(な)を名告(なの)り居(ゐ)たるなり。097八十(やそ)熊別(くまわけ)は豊(とよ)の都(みやこ)に着(つ)くや否(いな)や、098国人(くにびと)は踊(をど)り狂(くる)うて無事(ぶじ)の帰還(きくわん)を祝(しゆく)しける。099国人(くにびと)の歓呼(よろこび)の声(こゑ)に包(つつ)まれて、100八十(やそ)熊別(くまわけ)は四(よ)人(にん)の宣伝使(せんでんし)と共(とも)に吾(わが)館(やかた)に轡(くつわ)を連(つら)ねて、101悠々(いういう)と奥深(おくふか)く姿(すがた)を隠(かく)しける。
102 あとに残(のこ)りし群集(ぐんしふ)は、103口々(くちぐち)に言葉(ことば)の花(はな)を咲(さ)かしゐたりけり。
104甲(かふ)『オイ大酋長(だいしうちやう)の八十(やそ)熊別(くまわけ)さまは、105何(ど)う考(かんが)へてあンな蓑虫(みのむし)見(み)た様(やう)な、106乞食(こじき)の様(やう)な、107色(いろ)の白(しろ)い奴(やつ)や、108赤(あか)い奴(やつ)や、109黒(くろ)い奴(やつ)をあの広(ひろ)い沙漠(さばく)を越(こ)えて引張(ひつぱ)つて来(き)たのであらうか。110チツト物好(ものず)きにも程(ほど)があるぢやないか。111あンな奴(やつ)を連(つ)れて来(こ)ようものなら、112豊(とよ)の国(くに)はさつぱり蹂躪(ふみにじ)られてしまひ、113ドドのドン詰(づま)りは、114自分(じぶん)も敲(たた)き出(だ)されてしまふかも知(し)れやあしないぜ』
115乙(おつ)『八十(やそ)熊別(くまわけ)さま丈(だけ)なら宜(よ)いが、116俺(おれ)たちも何処(どこ)へ敲(たた)きやられるか知(し)れやあしない。117困(こま)つた事(こと)になつたものだのー』
118丙(へい)『貴様(きさま)たちに何(なに)が判(わか)るかい。119アレ丈(だけ)力(ちから)の強(つよ)い賢(かしこ)い立派(りつぱ)な八十(やそ)熊別(くまわけ)さまに抜目(ぬけめ)があるものかい、120燕雀(えんじやく)何(な)ンぞ大鵬(たいほう)の志(こころざし)を知(し)らむやだ。121燕(つばめ)や雀(すずめ)がチユーチユーと云(い)つたつてあくものかい』
122乙(おつ)『燕雀(えんじやく)とは何(な)ンぢや、123俺(おい)らが燕雀(えんじやく)なら、124貴様(きさま)たちは糞蟲(くそむし)だよ』
125丙(へい)『何(なに)が糞蟲(くそむし)だい、126糞(くそ)が呆(あき)れらあ。127燕雀(えんじやく)の糞(くそ)から湧(わ)きよつた、128貴様(きさま)が糞蟲(くそむし)だよ』
129丁(てい)『貴様(きさま)らは何(な)ンにも知(し)りはしない、130この方(はう)の申(まを)す事(こと)を謹(つつし)ンで承(うけたま)はらう。131この間(あひだ)も艮(うしとら)の天(てん)に当(あた)つて、132五色(ごしき)の雲(くも)が立(た)ち昇(のぼ)つたのを、133貴様(きさま)らも見(み)たじやらう』
134丙(へい)『オー見(み)た見(み)た、135あれは一体(いつたい)なンだらうナア』
136丁(てい)『黙(だま)つて俺(おれ)の云(い)ふ事(こと)を聞(き)け。137天(てん)に風雲(ふううん)の変(へん)あり人(ひと)に病(やまひ)の苦(くる)しみありだ。138何(な)ンでも世(よ)の中(なか)が変(かは)つて来(く)るのよ。139夫(そ)れで賢(かしこ)い八十(やそ)熊別(くまわけ)様(さま)は御覧(ごらん)遊(あそ)ばして、140何(な)ンでも立派(りつぱ)な神(かみ)様(さま)が艮(うしとら)の方(はう)に現(あら)はれてござると仰有(おつしや)つて、141駱駝(らくだ)を引連(ひきつ)れて御(お)出(いで)遊(あそ)ばしたのぢや。142夫(そ)れ今(いま)大酋長(だいしうちやう)様(さま)に踵(つ)いて来(き)たあの神(かみ)さまは、143五色(ごしき)の雲(くも)の変化(へんげ)遊(あそ)ばしたのに違(ちが)ひないのだ。144愚図(ぐづ)々々(ぐづ)吐(ぬ)かすと天罰(てんばつ)が当(あた)るぞ』
145甲(かふ)『道理(だうり)で、146乞食(こじき)の雲助(くもすけ)が天(てん)から降(ふ)つて来(き)よつたのか、147てんで別(わけ)が分(わか)らぬわい。148やそ天(てん)やけとか雲天焼(くもてんやけ)とか、149何(な)ンとか云(い)ふ神(かみ)が交(まじ)つとると云(い)ふ事(こと)じや』
150丁(てい)『分(わか)らぬ奴(やつ)ぢや、151貴様(きさま)らに話(はなし)は出来(でき)ぬ。152掴(つか)まへ処(どころ)の無(な)い事(こと)ばかり吐(ぬ)かしよつて』
153甲(かふ)『掴(つか)まへても居(を)らぬのに話(はな)すもはなさぬも有(あ)るものかい、154馬鹿(ばか)ツ!』
155 没分漢(わからずや)が寄(よ)つて集(たか)つて、156勝手(かつて)な下馬評(げばひやう)を試(こころ)みてゐる。157八十(やそ)熊別(くまわけ)の館(やかた)には、158又(また)もや天(てん)を衝(つ)いて五色(ごしき)の雲(くも)立(た)ち昇(のぼ)つた。159群集(ぐんしふ)はアツと叫(さけ)ンでその場(ば)に倒(たふ)れ合掌(がつしやう)するのみ。
160(大正一一・二・二 旧一・六 高木鉄男録)
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