霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 熟々尽(つくづくし)〔三一二〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm0712
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]:出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第六篇 宗教雑感 > 第六章 信仰の基調
001八(はち)『本当(ほんたう)にだよ、002たうとう腰抜(こしぬ)かしよつたナ。003併(しか)しながら俺(おれ)が腰(こし)を抜(ぬ)かしたお蔭(かげ)で、004貴様(きさま)たちは助(たす)かり、005コシて安心(あんしん)して居(を)れるのだよ。006コシコシ云(い)ふない、007腰抜(こしぬけ)野郎(やらう)奴(め)』
008鹿(しか)『シカし、009健寅(たけとら)とか云(い)ふドエライ目(め)を剥(む)いた宣伝使(せんでんし)は何処(どこ)へ逃(に)げたのかイ、010酋長(しうちやう)さまは居(ゐ)らつしやらぬじやないか』
011甲(かふ)『只今(ただいま)ナ、012天(てん)から日(ひ)の大神(おほかみ)様(さま)とか日(ひ)の入(いり)の神(かみ)様(さま)とかいふお方(かた)がヒヨツクリコと現(あらは)れて三五教(あななひけう)の宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)はれたのだ。013さうするとウラル彦(ひこ)の乾児(こぶん)の健寅彦(たけとらひこ)奴(め)が、014あの大(おほ)きな目(め)をサツパリ閉(ふさ)ぎよつて、015デカイ頭(あたま)を拘(かか)へて縮(ちぢ)こまつて了(しま)つて、016終(しま)ひには野鼠(のねずみ)のやうに小鼠(こねずみ)と一緒(いつしよ)に山(やま)の奥(おく)へ逃(に)げて行(ゆ)きよつたよ。017そして酋長(しうちやう)さま夫婦(ふうふ)に日(ひ)の暮(くれ)とやらの神(かみ)様(さま)が、018ウラナギとかウラナミとかいふ名(な)を下(くだ)さつて酋長(しうちやう)さま夫婦(ふうふ)は喜(よろこ)ンで、019この山(やま)へドンドンお出(い)で遊(あそ)ばしたのだワ』
020鹿(しか)『何(なに)ツ!、021ウラ那芸(なぎ)? ウラル彦(ひこ)の為(ため)にナギな目(め)に会(あ)つたのでウラナギといふのかい』
022甲(かふ)『知(し)らぬわい』
023乙(おつ)『知(し)らぬなら言(い)うてやらうか。024ウラナギぢやない、025ツラナギぢやぞ。026その名(な)の因縁(いんねん)はマア、027ザツトこの方(はう)の申(まを)す通(とほ)りだ。028エヘン、029ツラツラ惟(をもん)みるにツライこの世(よ)にツライ目(め)して蛸(たこ)をツラれて聞(き)きヅライ宣伝歌(せんでんか)を聞(き)かされて好(よ)いツラの皮(かは)ぢや。030俺(おれ)アもう首(くび)でもツラねばならぬかと思(おも)ふほどツラかつた。031それをツライとも思(おも)はずにジツとして耐(こら)へて御座(ござ)つて、032酋長(しうちやう)さまはツライナンギを辛抱(しんばう)し、033外(そと)へ落(おと)す涙(なみだ)を内(うち)へ溢(こぼ)して素知(そし)らぬ顔(かほ)して飲(の)みたい酒(さけ)も呑(の)まず、034鋭(するど)い刃(やいば)を目(め)の前(まへ)へ突(つ)きつけられ、035ツラを晒(さら)されても何(なん)のツラからうといふやうなツラ構(がま)へをしてござつたのぢや。036それでツラナギの神(かみ)、037ツラナミの神(かみ)さまだ。038分(わか)つたか』
039鹿(しか)『へー、040ツラツラと大(おほ)きな面(つら)をしよつて何(なに)劫託(ごふたく)をツラねさらすのだい。041そンな事(こと)を聞(き)かされるのも良(よ)いツラの皮(かは)だ。042ヤイ、043そこいらにウラル彦(ひこ)の宣伝使(せんでんし)が酒(さけ)でも忘(わす)れて行(ゆ)きよりやせぬかなあ』
044 一同(いちどう)四辺(あたり)を見(み)まはして、
045『おゝ彼処(そこ)にも此処(ここ)にも沢山(たくさん)徳利(とくり)を置(お)いとるわい。046ロハの酒(さけ)なら呑(の)ンでやろかい』
047甲(かふ)『ヤイヤイ、048おけおけ、049それを呑(の)む位(ぐらゐ)なら俺(おれ)達(たち)は、050こンな辛(つら)い目(め)はしやせぬのだよ』
051乙(おつ)『きまつた事(こと)だい。052彼奴(あいつ)の前(まへ)なり、053酋長(しうちやう)の前(まへ)だから、054気張(きば)つてゐたが、055健寅彦(たけとらひこ)の居(を)らぬ後(あと)なら何(なん)ぼ飲(の)ンだつて分(わか)らぬぢやないか。056宣伝使(せんでんし)の前(まへ)で飲(の)むのは剛腹(がうはら)だからなア』
057丙(へい)『それでも神(かみ)さまは見(み)てござるぞ。058おけおけ』
059 斯(か)く言(い)つて口々(くちぐち)に喋(しやべつ)てゐるところへ、060現(あら)はれたのは酋長(しうちやう)の妻(つま)面那美(つらなみ)の神(かみ)なりき。061面那美(つらなみ)の神(かみ)は一同(いちどう)に向(むか)ひ、
062『お前(まへ)達(たち)は神(かみ)様(さま)の教(をしへ)を守(まも)つてよく忍(しの)むでくれた。063これからは妾(わらは)が酋長(しうちやう)となつて、064お前(まへ)たちを守(まも)つてやる。065我(わ)が夫(をつと)は今日(けふ)より三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)となつて、066世界(せかい)の人民(じんみん)を助(たす)けにお廻(まは)り遊(あそ)ばすのだよ。067今(いま)までは此(こ)の小(ちひ)さい白雪郷(はくせつきやう)だけ守(まも)つてゐたが、068もはやそンな時期(じき)ではない。069こンな郷(さと)位(ぐらゐ)は妾(わらは)一人(ひとり)で沢山(たくさん)だから、070今日(けふ)限(かぎ)りこの郷(さと)を御(ご)出立(しゆつたつ)遊(あそ)ばすのだから、071お前(まへ)たちもお暇(いとま)乞(ご)ひにこの山奥(やまおく)まで出(で)てくるがよい。072ウラル彦(ひこ)の宣伝使(せんでんし)のやうに酒(さけ)ばかり飲(の)むことは出来(でき)ぬが、073今日(けふ)は門出(かどで)の祝(いはひ)だから、074充分(じゆうぶん)に酒(さけ)も飲(の)むがいい』
075乙(おつ)『それ見(み)たか、076今日(けふ)は飲(の)ンでもいいつて最前(さいぜん)から俺(おれ)が言(い)つたじやらう。077そこいらにウラル彦(ひこ)の宣伝使(せんでんし)が残(のこ)した酒(さけ)がある。078みんな飲(の)ンでやらうかい』
079 一同(いちどう)は先(さき)を争(あらそ)うて、080その徳利(とくり)を拾(ひろ)い上(あ)げて飲(の)みはじめたるを、081面那美(つらなみ)の神(つかさ)はこの光景(くわうけい)を見(み)て顔(かほ)をしかめ、
082『人間(にんげん)といふ奴(やつ)は口卑(くちいや)しいものだなア。083あゝこれでは夫(をつと)の留守番(るすばん)もなかなか大抵(たいてい)ぢやなからう。084兎(と)も角(かく)何(なに)ごとも神(かみ)様(さま)にお任(まか)せするより外(ほか)に仕方(しかた)がない』
085と独(ひと)り言(ごと)を言(い)ひながら小声(こごゑ)になつて宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひ、086もと来(き)し道(みち)へ引返(ひきかへ)し行(ゆ)く。087老若(らうにやく)男女(なんによ)は片手(かたて)に徳利(とくり)を抱(かか)へながら、088姫神(ひめがみ)の後(あと)に従(したが)つて山奥(やまおく)に進(すす)み入(い)るに、089少(すこ)し平坦(へいたん)なる処(ところ)に、090日(ひ)の出神(でのかみ)は酋長(しうちやう)と共(とも)に美(うつく)しき女性(ぢよせい)の前(まへ)に端坐(たんざ)しゐたり。091この女性(ぢよせい)は前(まへ)に述(の)べたる祝姫(はふりひめ)の宣伝使(せんでんし)なり。092祝姫(はふりひめ)は健寅彦(たけとらひこ)の数多(あまた)の弟子(でし)共(ども)に取(と)り囲(かこ)まれ、093酒(さけ)と剣(けん)とを以(もつ)てこの酋長(しうちやう)のごとくに責(せ)められたりしが、094少(すこ)しも恐(おそ)れず、095諄々(じゆんじゆん)として、096三五教(あななひけう)の教理(けうり)を説(と)き諭(さと)しければ、097一同(いちどう)は大(おほ)いに怒(いか)りて祝姫(はふりひめ)を今(いま)や打殺(うちころ)さむとなす折(をり)しも、098日(ひ)の出神(でのかみ)現(あら)はれ来(きた)りて大音声(だいおんじやう)に宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひたる。099その声(こゑ)に何(いづ)れも縮(ちぢ)み上(あが)り、100コソコソと四方(しはう)八方(はつぱう)に姿(すがた)を潜(ひそ)めし際(さい)なりける。
101 ここに日(ひ)の出神(でのかみ)、102面那芸(つらなぎ)の神(かみ)、103祝姫(はふりひめ)の三柱(みはしら)は白雪山(はくせつざん)を下(くだ)り、104一(いつ)たん白雪郷(はくせつきやう)の酋長(しうちやう)の家(いへ)に一泊(いつぱく)し、105歓(よろこ)びを尽(つく)して宣伝(せんでん)に出発(しゆつぱつ)したりける。
106(大正一一・一・三〇 旧一・三 桜井重雄録)
107(第八章~第一二章 昭和一〇・二・二二 於増田分院 王仁校正)
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