霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 熟々尽(つくづくし)〔三一二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第2篇 白雪郷 よみ(新仮名遣い):はくせつきょう
章:第12章 熟々尽 よみ(新仮名遣い):つくづくし 通し章番号:312
口述日:1922(大正11)年01月30日(旧01月03日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
八は、自分が逃げる途中で腰を抜かしたおかげで、日の出神を村につれてくることができたのだ、と屁理屈を言っている。
村人たちがおかしな会話をしているところへ、酋長の妻の面那美司が戻ってきた。そして、面那芸司は三五教の宣伝使となって旅に出ることになったこと、白雪郷は面那美司がひとり酋長となって治めることになったことを伝えた。
面那美司が、今日は門出のめでたい日だから、特別に酒を飲んでもいいというと、村人たちは先を争って、大中教の使徒たちが残した徳利に群がった。
面那美司はこの光景にあきれつつ、宣伝歌を歌いながら山道へと引き返していった。老若男女は面那美司について山中に入っていった。すると、祝姫はすでに救出されて、日の出神と酋長とともに端座していた。
祝姫が大中教の宣伝使らに取り囲まれて、改宗を脅迫され、今にも打ち殺されようとしたとき、日の出神が現れて、大音声に宣伝歌を歌ったので、大中教の者らは縮み上がってこそこそと四方八方に姿を潜めてしまったのであった。
日の出神、面那芸司、祝姫は山を下り、白雪郷に一泊すると、宣伝の旅に出発して行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0712
愛善世界社版:69頁 八幡書店版:第2輯 60頁 修補版: 校定版:74頁 普及版:30頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第六篇 宗教雑感 > 第六章 信仰の基調
001(はち)本当(ほんたう)にだよ、002たうとう腰抜(こしぬ)かしよつたナ。003(しか)しながら(おれ)(こし)()かしたお(かげ)で、004貴様(きさま)たちは(たす)かり、005コシ安心(あんしん)して()れるのだよ。006コシコシ()ふない、007腰抜(こしぬけ)野郎(やらう)()
008鹿(しか)シカし、009健寅(たけとら)とか()ふドエライ()()いた宣伝使(せんでんし)何処(どこ)()げたのかイ、010酋長(しうちやう)さまは()らつしやらぬじやないか』
011(かふ)只今(ただいま)ナ、012(てん)から()大神(おほかみ)(さま)とか()(いり)(かみ)(さま)とかいふお(かた)がヒヨツクリコと(あらは)れて三五教(あななひけう)宣伝歌(せんでんか)(うた)はれたのだ。013さうするとウラル(ひこ)乾児(こぶん)健寅彦(たけとらひこ)()が、014あの(おほ)きな()をサツパリ(ふさ)ぎよつて、015デカイ(あたま)(かか)へて(ちぢ)こまつて(しま)つて、016(しま)ひには野鼠(のねずみ)のやうに小鼠(こねずみ)一緒(いつしよ)(やま)(おく)()げて()きよつたよ。017そして酋長(しうちやう)さま夫婦(ふうふ)()(くれ)とやらの(かみ)(さま)が、018ウラナギとかウラナミとかいふ()(くだ)さつて酋長(しうちやう)さま夫婦(ふうふ)(よろこ)ンで、019この(やま)へドンドンお()(あそ)ばしたのだワ』
020鹿(しか)(なに)ツ!、021ウラ那芸(なぎ)? ウラル(ひこ)(ため)ナギ()()つたのでウラナギといふのかい』
022(かふ)()らぬわい』
023(おつ)()らぬなら()うてやらうか。024ウラナギぢやない、025ツラナギぢやぞ。026その()因縁(いんねん)はマア、027ザツトこの(はう)(まを)(とほ)りだ。028エヘン、029ツラツラ(をもん)みるにツライこの()ツライ()して(たこ)ツラれて()ヅライ宣伝歌(せんでんか)()かされて()ツラ(かは)ぢや。030(おれ)アもう(くび)でもツラねばならぬかと(おも)ふほどツラかつた。031それをツライとも(おも)はずにジツとして(こら)へて御座(ござ)つて、032酋長(しうちやう)さまはツラナンギ辛抱(しんばう)し、033(そと)(おと)(なみだ)(うち)(こぼ)して素知(そし)らぬ(かほ)して()みたい(さけ)()まず、034(するど)(やいば)()(まへ)()きつけられ、035ツラ(さら)されても(なん)ツラからうといふやうなツラ(がま)へをしてござつたのぢや。036それでツラナギ(かみ)037ツラナミ(かみ)さまだ。038(わか)つたか』
039鹿(しか)『へー、040ツラツラと(おほ)きな(つら)をしよつて(なに)劫託(ごふたく)ツラねさらすのだい。041そンな(こと)()かされるのも()ツラ(かは)だ。042ヤイ、043そこいらにウラル(ひこ)宣伝使(せんでんし)(さけ)でも(わす)れて()きよりやせぬかなあ』
044 一同(いちどう)四辺(あたり)()まはして、
045『おゝ彼処(そこ)にも此処(ここ)にも沢山(たくさん)徳利(とくり)()いとるわい。046ロハ(さけ)なら()ンでやろかい』
047(かふ)『ヤイヤイ、048おけおけ、049それを()(ぐらゐ)なら(おれ)(たち)は、050こンな(つら)()はしやせぬのだよ』
051(おつ)『きまつた(こと)だい。052彼奴(あいつ)(まへ)なり、053酋長(しうちやう)(まへ)だから、054気張(きば)つてゐたが、055健寅彦(たけとらひこ)()らぬ(あと)なら(なん)()ンだつて(わか)らぬぢやないか。056宣伝使(せんでんし)(まへ)()むのは剛腹(がうはら)だからなア』
057(へい)『それでも(かみ)さまは()てござるぞ。058おけおけ』
059 ()()つて口々(くちぐち)(しやべつ)てゐるところへ、060(あら)はれたのは酋長(しうちやう)(つま)面那美(つらなみ)(かみ)なりき。061面那美(つらなみ)(かみ)一同(いちどう)(むか)ひ、
062『お(まへ)(たち)(かみ)(さま)(をしへ)(まも)つてよく(しの)むでくれた。063これからは(わらは)酋長(しうちやう)となつて、064(まへ)たちを(まも)つてやる。065()(をつと)今日(けふ)より三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)となつて、066世界(せかい)人民(じんみん)(たす)けにお(まは)(あそ)ばすのだよ。067(いま)までは()(ちひ)さい白雪郷(はくせつきやう)だけ(まも)つてゐたが、068もはやそンな時期(じき)ではない。069こンな(さと)(ぐらゐ)(わらは)一人(ひとり)沢山(たくさん)だから、070今日(けふ)(かぎ)りこの(さと)()出立(しゆつたつ)(あそ)ばすのだから、071(まへ)たちもお(いとま)()ひにこの山奥(やまおく)まで()てくるがよい。072ウラル(ひこ)宣伝使(せんでんし)のやうに(さけ)ばかり()むことは出来(でき)ぬが、073今日(けふ)門出(かどで)(いはひ)だから、074充分(じゆうぶん)(さけ)()むがいい』
075(おつ)『それ()たか、076今日(けふ)()ンでもいいつて最前(さいぜん)から(おれ)()つたじやらう。077そこいらにウラル(ひこ)宣伝使(せんでんし)(のこ)した(さけ)がある。078みんな()ンでやらうかい』
079 一同(いちどう)(さき)(あらそ)うて、080その徳利(とくり)(ひろ)()げて()みはじめたるを、081面那美(つらなみ)(つかさ)はこの光景(くわうけい)()(かほ)をしかめ、
082人間(にんげん)といふ(やつ)口卑(くちいや)しいものだなア。083あゝこれでは(をつと)留守番(るすばん)なかなか大抵(たいてい)ぢやなからう。084()(かく)(なに)ごとも(かみ)(さま)にお(まか)せするより(ほか)仕方(しかた)がない』
085(ひと)(ごと)()ひながら小声(こごゑ)になつて宣伝歌(せんでんか)(うた)ひ、086もと()(みち)引返(ひきかへ)()く。087老若(らうにやく)男女(なんによ)片手(かたて)徳利(とくり)(かか)へながら、088姫神(ひめがみ)(あと)(したが)つて山奥(やまおく)(すす)()るに、089(すこ)平坦(へいたん)なる(ところ)に、090()出神(でのかみ)酋長(しうちやう)(とも)(うつく)しき女性(ぢよせい)(まへ)端坐(たんざ)しゐたり。091この女性(ぢよせい)(まへ)()べたる祝姫(はふりひめ)宣伝使(せんでんし)なり。092祝姫(はふりひめ)健寅彦(たけとらひこ)数多(あまた)弟子(でし)(ども)()(かこ)まれ、093(さけ)(けん)とを(もつ)てこの酋長(しうちやう)のごとくに()められたりしが、094(すこ)しも(おそ)れず、095諄々(じゆんじゆん)として、096三五教(あななひけう)教理(けうり)()(さと)しければ、097一同(いちどう)(おほ)いに(いか)りて祝姫(はふりひめ)(いま)打殺(うちころ)さむとなす(をり)しも、098()出神(でのかみ)(あら)はれ(きた)りて大音声(だいおんじやう)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひたる。099その(こゑ)(いづ)れも(ちぢ)(あが)り、100コソコソと四方(しはう)八方(はつぱう)姿(すがた)(ひそ)めし(さい)なりける。
101 ここに()出神(でのかみ)102面那芸(つらなぎ)(かみ)103祝姫(はふりひめ)三柱(みはしら)白雪山(はくせつざん)(くだ)り、104(いつ)たん白雪郷(はくせつきやう)酋長(しうちやう)(いへ)一泊(いつぱく)し、105(よろこ)びを(つく)して宣伝(せんでん)出発(しゆつぱつ)したりける。
106大正一一・一・三〇 旧一・三 桜井重雄録)
107(第八章~第一二章 昭和一〇・二・二二 於増田分院 王仁校正)
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