霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四八章 悲喜(ひき)交々(こもごも)〔三四八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻 篇:第9篇 小波丸 よみ(新仮名遣い):さざなみまる
章:第48章 悲喜交々 よみ(新仮名遣い):ひきひきこもごも 通し章番号:348
口述日:1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所: 筆録者:湯浅仁斎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月31日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
祝姫に名を問いかけられた宣伝使は、北光神であった。北光神はなんと、祝姫に対して、蚊取別の思いを聞き入れて結婚せよ、と歌い返した。
祝姫は何よりも忌み嫌う蚊取別の恋慕を迷惑に思っていたので、北光神が蚊取別の思いをかなえることが、世を救う宣伝使の役目だ、と聞かされて倒れんばかりに驚いた。
祝姫は船中に悩み苦しみつつあったが、宣伝使となって立派な功名を立てようという名誉心のために、数多あった縁談をすべて断ってきた自らの行為に思いを致し、これも吾が身の報いと決心した。
そして、北光神、蚊取別に対して、蚊取別と夫婦の契りを結ぶことを承諾する歌を返した。
後に、祝姫は蚊取別によく仕え、また夫婦東西に分かれて神の教えを宣伝することになる。天の岩戸の変において偉勲をたてた雲依彦とは、蚊取別の後身である。太玉姫は、祝姫の後身である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-06 19:49:27 OBC :rm0748
愛善世界社版:295頁 八幡書店版:第2輯 140頁 修補版: 校定版:305頁 普及版:125頁 初版: ページ備考:
001 (つき)()(わた)(なみ)(うへ)客人(きやくじん)満載(まんさい)したる小波丸(さざなみまる)は、002このローマンスを()せて(なみ)(つづみ)()たせつつ、003東南(とうなん)(むか)つて(すす)()く。004祝姫(はふりひめ)(うた)(こた)ふべく以前(いぜん)宣伝使(せんでんし)は、005(また)もや()つて(こゑ)(すず)しく(うた)(はじ)めたり。
006北光神常世(とこよ)(なみ)重浪(しきなみ)
007(わた)りて(やうや)筑紫嶋(つくしじま)
008(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
009(たけ)(くる)へる熊襲国(くまそくに)
010()(くに)(とよ)(くに)()えて
011(やうや)うここに北光(きたてる)
012三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
013目一箇(まひとつ)(がみ)(うた)はれて
014(にしき)(はた)()りながら
015千尋(ちひろ)(うみ)打渡(うちわた)
016黄金(こがね)(やま)(すす)()
017(おも)へば(おな)(のり)(ふね)
018(おな)(をしへ)()(つた)
019この()(まが)祝姫(はふりひめ)
020蚊取(かとり)(わけ)(ねら)はれて
021(くるし)(おも)ひの()(こころ)
022幾重(いくへ)にも(はか)(まゐ)らせる
023さはさり(なが)()(なか)
024()はれ()ふるも(まへ)()
025(つき)せぬ(えにし)()くからは
026(あだ)()てなよ祝姫(はふりひめ)
027蚊取(かとり)(わけ)(かんばせ)
028しこの醜女(しこめ)()たれども
029()()(おも)真心(まごころ)
030生命(いのち)かけての(こひ)(やみ)
031(やみ)()らして(たす)くるは
032世人(よびと)(すく)大神(おほかみ)
033(こころ)(あら)はす宣伝使(せんでんし)
034(さいは)(なれ)独身者(ひとりもの)
035(いづ)一度(いちど)(つま)()
036(なれ)()(うへ)表面(うはつら)
037(はな)(まよ)ふな()(もと)
038如何(どう)なり()くも(ひと)()
039この()(つく)りし大神(おほかみ)
040(こころ)(まま)祝姫(はふりひめ)
041蚊取(かとり)(わけ)妻女(さいぢよ)なる
042蚊取(かとり)(ひめ)のその(おもて)
043(はな)にも(まが)優姿(やさすがた)
044されど(こころ)(くさ)()
045(つま)ある()をも打忘(うちわす)
046花光彦(はなてるひこ)()()りて
047(いま)常世(とこよ)佗住居(わびずまゐ)
048(たよ)(すべ)なき独身(ひとりみ)
049男心(をとこごころ)(あは)れさを
050()みて(たす)けよ祝姫(はふりひめ)
051(うた)ひければ、052祝姫(はふりひめ)(へび)よりもげぢげぢよりも、053(なに)よりも(いや)なる蚊取別(かとりわけ)恋慕(れんぼ)され、054(ちから)(かぎ)りに()(かく)れつつありし矢先(やさき)055執念深(しふねんぶか)くも何処(いづこ)よりともなく蚊取別(かとりわけ)がこの(ふね)()りゐて、056いやな(うた)(うた)ひしに(ちぢ)(あが)り、057胸苦(むなぐる)しく嘔吐(おうど)(もよほ)(やう)(おも)ひに(なや)みゐたりしが、058(ちから)(おも)宣伝使(せんでんし)北光(きたてるの)(かみ)は、
059蚊取別(かとりわけ)()()(おも)ひを(かな)へてやれ、060それが宣伝使(せんでんし)()(すく)(やく)だ。061(さいは)独身(ひとりみ)だから』
062(すす)められたのには(たふ)れぬ(ばか)りに(おどろ)きける。
063 祝姫(はふりひめ)(こころ)(うち)(おも)(やう)064あゝこンな(こと)なら何故(なぜ)もちと(はや)(をつと)()つて(おか)なかつた。065彼方(あちら)からも此方(こちら)からも(をつと)にならう、066女房(にようばう)()れいと、067沢山(たくさん)矢入(やい)れがあつた。068その(なか)には立派(りつぱ)(をとこ)沢山(たくさん)あつたのに、069まあ世界(せかい)(ひろ)周章(あわ)てるには(およ)ばぬ、070大神(おほかみ)(さま)のため世界(せかい)のために宣伝使(せんでんし)となり、071(ひと)つの功名(こうみやう)()てて立派(りつぱ)神司(かみ)となつたその(うへ)では、072どんな()(をつと)でも立派(りつぱ)(をとこ)でも()てると(おも)つたのは(あやま)り、073あまり玉撰(たまえら)びをして(をとこ)(せつ)ない(おも)ひを無下(むげ)(ことは)つた。074その天罰(てんばつ)(むく)うて()て、075世界(せかい)二人(ふたり)()いやうな(みにく)(をとこ)(をつと)()たねばならぬか、076それとも、077せめて智慧(ちゑ)なりと(ひと)(すぐ)れ、078(こころ)高尚(かうしやう)(をとこ)ならたとへ(いろ)(くろ)うても、079ひよつとこでも(かま)ひはせぬが、080()りに()つて世界(せかい)醜男(ぶをとこ)()はねばならぬか。081あゝ(なさけ)ない。082如何(どう)しようぞや。083とばかりに船底(ふなぞこ)にしがみついて()()しける。084祝姫(はふりひめ)決心(けつしん)(ほぞ)(かた)め、085またもや()つて(うた)もて北光(きたてるの)(かみ)(こた)へたり。
086祝姫昨日(きのふ)(かは)今日(けふ)(そら)
087(さだ)()()()(なが)
088浮世(うきよ)義理(ぎり)(から)まれて
089(うれ)しい(かな)しい(ふね)(うへ)
090(うれ)しい(くや)しい(なみ)(うへ)
091(こころ)(なみ)(さわ)げども
092なみなみならぬ北光(きたてる)
093(かみ)(みこと)御教(みをしへ)
094我身(わがみ)(むね)にひしひしと
095(くぎ)()たるる(ごと)くなり
096あゝ何事(なにごと)(ひと)()
097吾身(わがみ)(まま)にならぬもの
098(せつ)ない(おも)ひの恋男(こひをとこ)
099(せつ)ない(おも)ひの(わが)(こころ)
100(ゆき)(すみ)ほど(かは)れども
101(せつ)ない(おも)ひは(おな)(こと)
102()()(すゑ)(おそ)ろしや
103頑固(かたくな)(こころ)()()てて
104(なれ)(みこと)(いつくし)
105(むく)(まつ)らむ祝姫(はふりひめ)
106蚊取(かとり)(わけ)宣伝使(かみさま)
107(かなら)無情(つれな)(をんな)ぞと
108(にく)(たま)はず末長(すゑなが)
109千代(ちよ)八千代(やちよ)(おろか)なる
110(わらは)(つま)(いつくし)
111(とら)()野辺(のべ)山奥(やまおく)
112(たがひ)()()(たづさ)へて
113(むつ)びに(むつ)玉椿(たまつばき)
114鴛鴦(おし)(ちぎり)何時迄(いつまで)
115(つづ)かせ(たま)へよ蚊取別(かとりわけ)
116(うた)をもつて北光(きたてるの)(かみ)(ならび)蚊取別(かとりわけ)承諾(しようだく)(むね)(こた)へたりける。
117 (ここ)祝姫(はふりひめ)蚊取別(かとりわけ)によく(つか)貞節(ていせつ)(なら)びなく、118婦人(ふじん)亀鑑(きかん)(うた)はれて夫婦(ふうふ)(とも)東西(とうざい)(わか)れて(かみ)(をしへ)宣伝(せんでん)し、119(あま)岩戸(いはと)(へん)(おい)偉勲(ゐくん)()てた雲依彦(くもよりひこ)蚊取別(かとりわけ)後身(こうしん)にして、120太玉姫(ふとたまひめ)祝姫(はふりひめ)後身(こうしん)なりける。
121大正一一・二・二 旧一・六 湯浅仁斎録)
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