霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第二章 銅木像(どうもくぞう)〔五五二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第14巻 如意宝珠 丑の巻 篇:第1篇 五里夢中 よみ(新仮名遣い):ごりむちゅう
章:第2章 銅木像 よみ(新仮名遣い):どうもくぞう 通し章番号:552
口述日:1922(大正11)年03月23日(旧02月25日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年11月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行が脱衣婆に別れを告げて西へと進んで行くと、山に行く手をさえぎられた。天津祝詞をあげると、山は数十里の彼方へと退散して道が開けた。
突然、土中から見上げるばかりの大きさの銅木像が現れた。銅木像は、自分は機械であって、腹の中へ入れば機械装置で自分を操ることができるのだ、と告げた。源五郎は鼻の穴から銅木像に入って操ることになった。
源五郎が入った銅木像は、自分はウラル教の大目付だと大声を放つと、鼻の穴から黒煙を噴出した。次に、水洟を滅茶苦茶に四方八方に噴出した。
また、源五郎の銅木像は、着物を奪われた恨みとばかりに、熱い小便茶を噴出して一同にかける。音彦だけは面白がって、平気でこの光景を楽しんでいる。
銅木像は弥次彦、与太彦とおかしな問答を交わすと、どこかへ行ってしまった。すると、向こうから日の出別宣伝使ら一行がやってくるのが見えた。
気がつくと、三人は小鹿峠のふもとの川べりに気絶していて、日の出別宣伝使ら一行の鎮魂によって救われたところであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-12-19 01:31:59 OBC :rm1402
愛善世界社版:38頁 八幡書店版:第3輯 170頁 修補版: 校定版:40頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001 音彦(おとひこ)002弥次彦(やじひこ)003与太彦(よたひこ)004源五郎(げんごらう)一行(いつかう)()(にん)は、005三途川(せうづがは)脱衣婆(だついばば)(わか)れを()げて、006際限(さいげん)もなき雑草(ざつさう)原野(げんや)西(にし)西(にし)へと(すす)()き、007ピタツと()(あた)つた禿山(はげやま)008三方(さんぱう)(やま)(かこ)まれ進路(しんろ)(うしな)当惑(たうわく)(てい)
009(おと)『サア、010ピタツと()(つま)つた、011これで冥土(めいど)(たび)()(つま)りだ、012(なん)とか(ひと)(かんが)へねばなるまい』
013()宣伝使(せんでんし)さま、014サア天津(あまつ)祝詞(のりと)言霊(ことたま)だ、015()()(とき)使用(しよう)するのが言霊(ことたま)活用(くわつよう)ぢやありませぬか』
016音彦『アヽさうだつたナア』
017()()ち、018(こゑ)(おごそ)かに天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)する。019(たちま)行当(ゆきあた)つた禿山(はげやま)(くも)(ごと)数十(すうじふ)()彼方(あなた)急速度(きふそくど)(もつ)遁走(とんそう)した。
020()『アヽ言霊(ことたま)威力(ゐりよく)()ふものは(えら)いものだナア。021信仰(しんかう)(ちから)(やま)をも(うご)かすと()ふことを()いて()る、022流石(さすが)宣伝使(せんでんし)だ、023貴方(あなた)信仰(しんかう)威力(ゐりよく)(たし)かなものだ。024もうかういふ経験(けいけん)()以上(いじやう)は、025焦熱(せうねつ)地獄(ぢごく)であらうが、026八寒(はつかん)地獄(ぢごく)であらうが、027(なん)(おそ)るる(ところ)あらむやだ。028地獄(ぢごく)のドン(ぞこ)まで浸入(しんにふ)して、029吾々(われわれ)一行(いつかう)幽政(いうせい)大改革(だいかいかく)断行(だんかう)するのだなア』
030(おと)『オイ(あま)油断(ゆだん)をするな、031油断(ゆだん)すると()らず()らずに慢心(まんしん)()(おも)はぬ失敗(しつぱい)(えん)ぜないとも(かぎ)らぬ。032隅々(すみずみ)までも()()けて(すす)まねばならぬぞ』
033 ()()(うち)忽然(こつぜん)として見上(みあ)ぐる(ばか)りの銅木像(どうもくぞう)地中(ちちう)よりヌツと(あら)はれて()た。
034()『イヨー()よつたなア、035矢張(やつぱ)幽界(いうかい)幽界(いうかい)だ。036(ひと)つの特徴(とくちよう)があるワイ。037オイコラ幽界(いうかい)化物(ばけもの)038吾々(われわれ)通路(つうろ)(さへぎ)不届(ふとど)きもの、039スツコメスツコメ。040現界(げんかい)化物(ばけもの)とは(ちが)つて幽界(いうかい)化物(ばけもの)はよつぽど形式(けいしき)(ちが)つて()るワイ。041コラ化物(ばけもの)返答(へんたふ)せぬかい、042銅木像(どうもくざう)()が』
043銅木像『グワツハヽヽヽー、044グウツフヽヽヽー、045ギエツヘヽヽヽー、046ギヰツヒヽヽヽー』
047弥次彦『ナンダ、048ガヽヽ、049ギヽヽと、050濁音(だくおん)のみを使(つか)ひよつて、051吾々(われわれ)(なん)心得(こころえ)()るのだい、052三途川(せうづがは)脱衣婆(だついばば)でさへも、053ヘコまして()弥次彦(やじひこ)さまだぞ』
054銅木像(おれ)(どう)()とで(つく)つた機械(きつかい)化物(ばけもの)だ。055愚図(ぐづ)々々(ぐづ)(ぬか)すと(どたま)から()みてやらうか』
056()『アハヽヽヽ、057貴様(きさま)大蛇(をろち)化物(ばけもの)だな、058()ましてやりたいが、059生憎(あひにく)(なん)にもないワイ、060田子(たご)宿(やど)のお(たけ)(うち)()まされた小便茶(しよんべんちや)なと()まして()らうか』
061(どう)『イヤ(おれ)(ちや)()みたくない。062(はだか)(やつ)()みたいのだ』
063()『ウンさうか、064よしよし()註文(ちうもん)(どほ)此処(ここ)にウラル(けう)源五郎(げんごらう)といふ(やつ)が、065真裸(まつぱだか)になつて()()るワイ、066これが()みたいのだらう』
067(どう)『ガーバー』
068()『ホンに、069()機嫌(きげん)()いお(かほ)だことわいのう。070サア(げん)チヤン、071()苦労(くらう)ながら(ひと)()みて(もら)(たま)へ』
072源五郎(はだか)はお(まへ)(こと)だよ、073その着物(きもの)(みんな)(わし)着物(きもの)だ。074モシモシ銅木像(どうもくぞう)さま、075弥次彦(やじひこ)076与太彦(よたひこ)小鹿峠(こしかたうげ)手前(てまへ)で、077真裸(まつぱだか)になりました。078(はだか)道中(だうちう)(つづ)けて()経験(けいけん)のある(やつ)です。079(わし)三途(せうづ)(かは)渡場(わたしば)此奴(こいつ)()二人(ふたり)泥棒(どろばう)されたのですから、080(これ)()二人(ふたり)をとつくりと()みて()つて(くだ)さいませ』
081(どう)『ギヰツヒヽヽヽ、082オーさうだらう、083弥次彦(やじひこ)084与太彦(よたひこ)(あぢ)()ささうだのう』
085()『コラ源公(げんこう)086貴様(きさま)真正(ほんと)真裸(まつぱだか)だ、087(おれ)脱衣婆(だついばば)承認(しようにん)()着物(きもの)()()るのだよ。088モシモシ銅木像(どうもくぞう)さま、089それはお(かんが)(ちが)ひぢやありませぬか』
090銅木像(おれ)機械(きかい)だ、091モウこれ()りで(もの)()はぬ。092(まへ)たち勝手(かつて)(おれ)(はら)這入(はい)つて機械(きかい)使(つか)ふたが()からう。093(はら)這入(はい)れば色々(いろいろ)機械(きかい)装置(さうち)完備(くわんび)して()るから、094一々(いちいち)使用法(しようはふ)(しる)してある。095その(つな)をひくと(この)銅木像(どうもくざう)大活動(だいくわつどう)(えん)ずるのだ、096ガハヽヽヽヽ』
097()『ヤア此奴(こいつ)面白(おもしろ)いぞ、098吾々(われわれ)十万(じふまん)億土(おくど)(たび)をすると(おも)つて、099閻魔(えんま)(やつ)退屈(たいくつ)ざましにコンナ副産物(ふくさんぶつ)(こしら)へて()いたのだらう。100ヤアもう文明(ぶんめい)空気(くうき)()ふものは何処(どこ)までも()(わた)つたものだワイ、101(ひと)(おれ)這入(はい)つてこの機械(きかい)使(つか)つて()やうかなア』
102(げん)『お(まへ)()(おれ)着物(きもの)追剥(おひはぎ)をしたのだから、103(つみ)加重(かちよう)して()る、104到底(たうてい)この機械(きかい)使用(しよう)する権利(けんり)はなからう。105(おれ)(はだか)だから着物(きもの)(かは)りにこの銅木像(どうもくぞう)(なか)潜入(せんにふ)して、106(ひと)使(つか)つて()るから、107(まへ)()(ちから)一杯(いつぱい)相手(あひて)になつて()たらどうだ。108ウラル(けう)大目付役(おほめつけやく)と、109三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)信者(しんじや)との問答(もんだふ)面白(おもしろ)いかも()れないぞ』
110()『オイ弥次彦(やじひこ)111源五郎(げんごらう)()(とほ)りにさして()たらどうだ。112ナア音彦(おとひこ)さま、113それが()いぢやありませぬか』
114(おと)()からう、115ソンナラ(げん)チヤン、116あなた這入(はい)つて(くだ)さいナ』
117(げん)『コレは有難(ありがた)い、118(ひと)(あや)つり人形(にんぎやう)(やう)自由(じいう)自在(じざい)(うご)かして()ませうかい。119ヤア入口(いりぐち)何処(どこ)だ、120アハア(おほ)きな(はな)(あな)()けて()よる、121此処(ここ)から(ひと)つガサガサと這入(はい)つてやらうか』
122()つて銅木像(どうもくぞう)身体(からだ)杣人(そまびと)(やま)にでも(のぼ)るやうに(つゑ)をつきながら(のぼ)()く。
123()『イヨー面白(おもしろ)いな。124まるで(うし)(はへ)がたかつたやうに(ちい)さく()える。125よつぽど(おほ)きな銅木像(どうもくざう)だワイ』
126 源五郎(げんごらう)はとうとう(はな)(あな)から這入(はい)つて(しま)つた。
127()『ヤア、128とうとう這入(はい)つて(しま)ひよつた、129これから面白(おもしろ)いのだ、130オイ(はや)芸当(げいたう)(はじ)めぬかい』
131(どう)『ウヽヽヽヽ、132ウラル(けう)大目付役(おほめつけやく)鷲掴(わしづかみ)源五郎(げんごらう)とは(おれ)(こと)だ。133サアサア三五教(あななひけう)(まめ)宣伝使(せんでんし)134モウかうなる以上(いじやう)大丈夫(だいぢやうぶ)だ、135銅木像(どうもくざう)合羽(かつぱ)(かぶ)つた源五郎(げんごらう)だ。136ウーフヽヽヽ』
137()『ヤア怪体(けつたい)銅木像(どうもくざう)だ、138源五郎(げんごらう)気取(きど)りになりよつて()しからぬ。139ヤイ銅木像(どうもくざう)140洒落(しやれ)(こと)をするない』
141(どう)洒落(しやれ)たも洒落(しやれ)ぬもあつたものかい』
142とグルグルグルと(じや)()(がさ)(ごと)目玉(めだま)急速度(きふそくど)(もつ)廻転(くわいてん)させる。
143()『ヤア(おつ)(こと)をやりよるワ。144多寡(たくわ)機械(きかい)だ、145輪転機(りんてんき)でも使(つか)ひよつて目玉(めだま)廻転(くわいてん)させて()るのだらう。146コラ(あんま)目玉(めだま)()くと()がモーターになつてへコ()れるぞ』
147(どう)『この()(こは)いか、148冥途(いど)(たび)ぢや、149()たちの()()まして()()めに()(おれ)から()()いて()せたのだ、150(ついで)(はな)()いて()らうか』
151()()いて()よ、152(おれ)此処(ここ)(ゆつく)りと春風(はるかぜ)()かれて花見(はなみ)見物(けんぶつ)をやつて()らう。153ヨウ小山(こやま)のやうな(はな)をピコツカせよるぞ、154無恰好(ぶかつかう)(はな)だなア。155ヤア()いた()いた、156(なん)だベンチレーターのやうな(はな)をしよつて、157天井(てんじやう)()ぐやうな調子(てうし)(はな)(あな)(うへ)()けて()やがる。158天井(てんじやう)燻香(くんかう)したと(おも)(ちが)へよつたなア、159オイ化像(ばけざう)160チツト勘考(かんかう)して()い』
161(どう)(おれ)鼻息(はないき)()()らしてやろうか、162このベンチレーターは猛烈(まうれつ)噴煙(ふんえん)()くから用意(ようい)(いた)せ』
163()『アハヽヽヽ、164(かは)れば(かは)るものだ、165機械(きかい)(もの)()時節(じせつ)だから、166これも形式(けいしき)(かは)つた蓄音器(ちくおんき)だなア。167オイ蓄音器(ちくおんき)先生(せんせい)168レコードが(やぶ)れぬ(やう)(しづ)かに(まは)して()よ、169(あんま)虐使(ぎやくし)すると使用(しよう)期間(きかん)短縮(たんしゆく)するぞ』
170 化像(ばけざう)(みぎ)()をガタガタガタガタと(うご)かし、171機械(きかい)(てき)(ゆび)(もつ)一方(いつぱう)小鼻(こばな)(おさ)へ、172(ひだり)直径(ちよくけい)一丈(いちぢやう)(ぐらゐ)大鼻孔(だいびこう)より黒煙(こくえん)(しき)りに噴出(ふんしゆつ)し、173四辺(あたり)真暗闇(まつくらやみ)になつて(しま)つた。
174()『コラコラ化像(ばけざう)175程度(ていど)()らぬかい、176治安(ちあん)妨害(ばうがい)だぞ。177(すこ)しソツと()かぬか』
178(どう)()かいでかい()かいでかい、179()いて()いて()(まく)つてやるのだ』
180()此奴(こいつ)(おも)(ちが)ひだ、181意想外(いさうぐわい)だ。182モシモシ宣伝使(せんでんし)さま、183言霊(ことたま)言霊(ことたま)だ』
184(おと)弥次彦(やじひこ)さま、185(ゆつく)りなさいませ、186()()()いたら原料(げんれう)()くなるから大丈夫(だいぢやうぶ)だ、187(なに)ほど(おほ)きいと()つたつて、188さう無尽蔵(むじんざう)(つづ)くものぢやないからナア』
189 化像(ばけざう)(また)もや(ひだり)(うで)をガタガタガタガタと(おと)をさせ、190機械(きかい)(てき)(ひだり)小鼻(こばな)(おさ)へ、191(みぎ)()(もと)位置(ゐち)にチント(なほ)し、192(まね)(ねこ)のやうな恰好(かつかう)にし、193今度(こんど)(みぎ)(あな)から()くわ()くわ滅茶(めつちや)やたらに、194二百十(にひやくとを)()暴雨(あらし)のやうにブウブウ(ねば)つたミヅバナ四方(しはう)八方(はつぱう)吹散(ふきち)らす。
195()『アーア、196コリヤたまらぬ、197(はな)だらけだ、198何処(どこ)もかもニチヤニチヤになつてしまつた。199まるで紙雛(かんびな)()みて()()したやうな()面相(めんさう)になつたワイ、200オイ化像(ばけざう)201もう()加減(かげん)中止(ちうし)せぬかい、202しぶとい(やつ)ぢやなア』
203(どう)(おれ)はしぶとい、204貴様(きさま)(やう)淡泊(たんぱく)人間(にんげん)とは(ちが)ふ、205粘着性(ねんちやくせい)()つて()るのだ、206まだまだまだまだ(ねば)つく(やつ)噴出(ふんしゆつ)するぞ。207宿(やど)()くてお(たけ)(うち)()めて(もら)つて、208結構(けつこう)握飯(にぎりめし)頂戴(ちやうだい)して(ばば)鼻汁(はな)(まじ)つたの、209(まじ)らぬのと小言(こごと)をほざきよつたその(むく)い、210身体中(からだぢう)鼻啖(はなたん)でこね(まは)して()るのだぞ』
211()『コレコレ音彦(おとひこ)(さま)212イヤ宣伝使(せんでんし)さま、213コンナ(とき)こそ、214それ科戸(しなど)(かぜ)(あめ)八重雲(やへくも)吹放(ふきはな)(こと)(ごと)く、215大津辺(おほつべ)()大船(おほふね)()こき(はな)(くそ)こき(はな)ちて、216大和田(おほわだ)(はら)(はな)()れる(こと)(ごと)く、217(はら)(たま)(きよ)(たま)へをやつて(くだ)さいな、218かう(よご)れてはどうにも、219こうにも仕方(しかた)がない』
220(おと)『マヽじつくりとするのだよ。221芸者(げいしや)でさへも(はな)()しいと()ふて()ぶた()をこすりながら、222ボンボラ三味線(さみせん)()きよる。223(なに)もせないで(これ)()沢山(たくさん)はな頂戴(ちやうだい)すれば結構(けつこう)だ。224(ばけ)さま(また)()頂戴(ちやうだい)225はな()()(えん)()()226はな沢山(たくさん)()つて(また)()(くだ)さい………ナンテ()つて背中(せなか)をポンと(たた)いた。227さうすると弥次彦(やじひこ)蒟蒻(こんにやく)(やう)になつてグニヤグニヤとなるまでには大分(だいぶ)資本(もと)()る、228コンナに沢山(たくさん)はな頂戴(ちやうだい)して、229不足(ふそく)()(どころ)か』
230()『モシモシ宣伝使(せんでんし)さま、231貴方(あなた)はどうかして()ますなア、232芸者(げいしや)花代(はなだい)混線(こんせん)して()やしませぬか』
233(おと)天混線(てんこんせん)(むなし)うする(なか)れ、234(とき)鼻汁(はなじる)泣面(なきづら)(あた)るを、235アハヽヽヽヽ』
236()『ドウモ、237尾籠(びろう)(こと)だワイ、238鼻振(びしん)239紙也(かみなり)240()(あめ)だ、241ヤアもう結構(けつこう)々々(けつこう)242花見(はなみ)だと(おも)つて()つたに落花(らくくわ)狼籍(らうぜき)243開闢(かいびやく)以来(いらい)()ンばりとした花見(はなみ)遊山(ゆさん)だ。244オイ源公(げんこう)245イヽ加減(かげん)悪戯(いたづら)()めたらどうだい』
246(どう)今度(こんど)小便(せよんべん)竜吐水(りうとすゐ)だ、247田子(たご)宿(しゆく)(おい)土瓶(どびん)(なか)小便(せよんべん)()れたを(おぼ)えて()るだらう。248(をり)(あし)土瓶(どびん)()(あは)せがないから貴様(きさま)薬鑵頭(やくわんあたま)を、249土瓶(どびん)代用(だいよう)として注入(ちうにふ)してやらう、250チツト(あつ)小便茶(せよんべんちや)だぞ』
251()()れはこれはめつそうな、252沢山(たくさん)(はな)頂戴(ちやうだい)いたしまして(その)(うへ)に、253結構(けつこう)なお(ちや)頂戴(ちやうだい)しましては、254(かへつ)てお()(どく)さまで御座(ござ)います、255(わたくし)迷惑(めいわく)いたします、256どうぞお(ちや)(だけ)はまた(ほか)のお(きやく)()()つて(くだ)さい。257生憎(あひにく)(はだか)一旦(いつたん)されたものだからお茶代(ちやだい)御座(ござ)いませぬからお(ちや)()(ぞん)258それでは商売(しやうばい)資本(もと)(つづ)きますまい。259閻魔(えんま)(ちやう)から執達吏(しつたつり)がやつて()て、260破産(はさん)申請(しんせい)をやられては(かへつ)てお(いへ)迷惑(めいわく)261(あと)はさつぱり家計(かけい)紊乱(びんらん)(とも)苦辛(くしん)為体(ていたらく)262マアマアお(ちや)(だけ)はお()(くだ)さつたが()ろしからう』
263(どう)『この芸者(げいしや)(ちや)()(こと)大々(だいだい)々々(だいだい)(きら)ひで御座(ござ)んす。264(ちや)(くらゐ)はエヽ遠慮(ゑんりよ)なしにあがつて(くだ)さい。265本当(ほんたう)番茶(ばんちや)なら()いが小便茶(せよんべんちや)で、266あまり原料(もと)()りませぬ。267(ちや)つとおあがりなさい。268薬鑵(やかん)(ふた)()けて(くだ)さい』
269()『イヤもう沢山(たくさん)270此方(こつち)薬鑵(やくわん)(ちや)(わか)して()りますから、271この(うへ)(いただ)いた(ところ)(たふ)(うへ)(たふ)()むやうなもの、272倹約(けんやく)流行(りうかう)()(なか)273無駄(むだ)費用(ひよう)(はぶ)いて、274それを社会(しやくわい)事業(じげふ)にでも投資(とうし)した(はう)(なに)ほど娑婆(しやば)人間(にんげん)(よろこ)(こと)(わか)りませぬぞ』
275(どう)『ヤアそれでも、276もうすでに準備(じゆんび)出来(でき)()ます』
277(だい)竜吐水(りうとすゐ)(ごと)小便茶(せうべんちや)(にじ)のやうに()()した。
278()『コリヤ、279(あつ)(あつ)い、280何程(なんぼ)(あつ)(こころざし)()つても、281コー(ちや)にされては有難(ありがた)くもないワ、282(しか)一利(いちり)あれば一害(いちがい)あり、283(はな)だらけの身体(からだ)洗濯(せんたく)には()つて()いぢや、284(はら)()つが茶腹(ちやばら)()つ、285(しか)小便(せよんべん)(だけ)閉口(へいこう)だ』
286(どう)『それは見本(みほん)だ、287本物(ほんもの)()れから幾何(いくら)でも大洪水(だいこうずゐ)()たほど()馳走(ちそう)して()げませう』
288()『お香水(かうすゐ)なら結構(けつこう)だが、289この見本(みほん)ではねつから()()らぬ、290破約(はやく)だ。291もう此方(こちら)からこの代物(しろもの)小便(せよんべん)しますワ』
292(どう)『アハヽヽヽヽ』
293()『オイオイ源五郎(げんごらう)のサツク()が、294()加減(かげん)悪戯(いたづら)()めたらどうだい』
295(どう)貴様(きさま)脱衣婆(だついばば)上前(うはまへ)をハネよつて、296源五郎(げんごらう)着物(きもの)無理(むり)掠奪(りやくだつ)した()しからぬ(やつ)だ、297(いま)此処(ここ)(はだか)になれ。298その着物(きもの)をすつかりと源五郎(げんごらう)さまに返上(へんじやう)するのだ』
299()『エヽ穢苦(むさくる)しい、300鼻汁(はなみづ)だらけの小便茶(せよんべんちや)(しゆ)みたコンナ着物(きもの)は、301(たれ)()たいものかい。302サア何時(いつ)でも(かへ)してやるワ』
303(どう)洗濯(せんたく)をして(もと)(とほ)りに綺麗(きれい)(かわ)かして(かへ)すのだぞ』
304()305()洗濯(せんたく)せえと()つたつて(かは)もなし(ばば)ぢやあるまいし、306ソンナ無理(むり)註文(ちうもん)はするものぢやないワ、307(かへ)してやつたら結構(けつこう)だ』
308とムクムクと(はだか)になり、
309二人(ふたり)『サアこれでスイとした(うま)赤子(あかご)だ』
310(どう)『ウワハヽヽヽヽ、311見事(みごと)(はだか)になりよつたなア、312これから(おれ)(くち)から万本針(まんぼんばり)()いて()らう、313貴様(きさま)身体(からだ)(みな)ささつて()がはへた(やう)にしてやるワ、314キツヒヽヽヽ』
315()『エヽ仕様(しやう)もない針合(はりあひ)のない(こと)だ、316愚図(ぐづ)々々(ぐづ)()かすとハリ(たふ)すぞ。317モシモシ宣伝使(せんでんし)さま(なに)して御座(ござ)る、318吾々(われわれ)二人(ふたり)()れほど(くる)しみて()るのに、319貴方(あなた)傍観(ばうくわん)して()つて、320それで(ひと)(たす)ける宣伝使(せんでんし)()へますか』
321(おと)『ヨー結構(けつこう)花見(はなみ)だ。322桜花(あうくわ)爛漫(らんまん)として(くも)(ごと)く、323そこへ日光(につくわう)七色(なないろ)(えい)じた(にじ)(うるは)しさ、324(あと)から(はり)(やう)霧雨(きりあめ)ビシヨビシヨと()つて()るこの風情(ふぜい)()つたら、325(なん)とも(たと)(やう)のない気候(きこう)326与太彦(よたひこ)327弥次彦(やじひこ)二人(ふたり)花見踊(はなみをどり)をして()せるし、328(あやつ)人形(にんぎやう)色々(いろいろ)曲芸(きよくげい)(えん)じて観覧(くわんらん)(きよう)すると()体裁(ていさい)だから面白(おもしろ)くて(たま)らぬワイ。329霊界(れいかい)物語(ものがたり)第一(だいいつ)(くわん)にあつた(とほ)り、330()(ちう)(らく)あり、331(らく)(ちう)()ありだ。332天国(てんごく)()つても(くる)しみあり、333地獄(ぢごく)()つても(たのし)みがあると()ふは()()つたものだ、334(こころ)()ちやう(ひと)つで地獄(ぢごく)となり、335極楽(ごくらく)となる。336嗚呼(ああ)有難(ありがた)いものだ』
337()『アヽ薩張(さつぱ)駄目(だめ)だ。338(ちから)(おも)宣伝使(せんでんし)はこの(とほ)知覚(ちかく)神経(しんけい)麻痺(まひ)しちまつて、339コンナ(くる)しい場面(ばめん)極楽(ごくらく)浄土(じやうど)()えるとは(なん)とした(こと)だらう』
340(どう)『サア(これ)からだ、341(みぎ)(あし)(おれ)(ひと)四股(しこ)()みたら小鹿峠(こしかたうげ)がガタガタガタガタ、342(ひだり)(あし)をウンと()みたら貴様(きさま)()天上(てんじやう)()がけてプリンプリン、343泥田(どろた)(なか)真逆(まつさか)(さま)にヅドン キューの一言(ひとこゑ)冥土(めいど)旅路(たびぢ)344アハヽヽヽ』
345()(なん)だ、346小鹿峠(こしかたうげ)(こと)まで(なら)べよつて、347オイ源五郎(げんごらう)348()加減(かげん)()()ぬかい、349今度(こんど)(おれ)(ばん)だ』
350 銅木像(どうもくざう)はムクムクと()(あが)四股(しこ)をドンドンと()みながら、351さしも(たか)禿山(はげやま)一足(ひとあし)(また)げ、352のそりのそりと(あゆ)()し、
353銅木像『ヤアヤア太陽(たいやう)(あんま)(ひく)いものだから、354(あたま)()(あた)りよつて仕方(しかた)がないワ、355あすこにも(つき)がぶら(さが)つて()る、356(こし)でもしやがめ(とほ)つてやらうかい』
357(かみなり)のやうに()呶鳴(どな)りつつ西(にし)(はう)へと(すす)()く。
358()『ヤアヤア化像(ばけざう)(やつ)359源五郎(げんごらう)一緒(いつしよ)(はら)(なか)()れて何処(どこ)へか()つてしまひよつた、360アヽ仕方(しかた)がない、361真裸(まつぱだか)だ、362(たれ)()ぬかいな、363着物(きもの)用意(ようい)をせなくちや閻魔(えんま)(ちやう)()(まで)に、364ポリスに出会(であ)つたらまた監禁(かんきん)だ』
365()『オイオイ(むか)ふを()よ、366()出別(でわけ)宣伝使(せんでんし)(さき)()鷹彦(たかひこ)367岩彦(いはひこ)368梅彦(うめひこ)369亀彦(かめひこ)面々(めんめん)()つて()るぢやないか、370祝詞(のりと)(こゑ)(きこ)()したぞ』
371()『ヤア()()た、372()宣伝使(せんでんし)何処(どこ)()つたかと(おも)へば、373矢張(やつぱ)大蛇(おろち)()まれて冥土(めいど)(たび)をやつてゐるのだなア、374(しか)しまア道連(みちづれ)出来(でき)(にぎ)やかで()いワイ』
375 ()出別(でわけ)一行(いつかう)(うま)(ひづめ)(おと)カツカツと此方(こちら)(むか)つて(すす)()る。
376()『モシモシ、377(わたくし)(あたま)小便(せよんべん)だらけだ、378(みづ)でも()いて(きよ)めて(くだ)さいませぬか』
379()『ヤア鷹彦(たかひこ)サン、380岩彦(いはひこ)サン、381貴方(あなた)がた一同(いちどう)谷川(たにがは)(みづ)でも、382()みてかけてやつて(くだ)さい』
383(たか)384(いは)(かしこ)まりました』
385(たに)(くだ)りて(くち)(みづ)(ふく)(さん)(にん)(かほ)(むか)つて伊吹(いぶき)をした。386ウヽーンと(うな)ると(とも)にハツと()()けば、387小鹿峠(こしかたうげ)(ふもと)河辺(かはべり)(さん)(にん)気絶(きぜつ)して()たるなり。
388()『ヤー結構(けつこう)々々(けつこう)389吾々(われわれ)()るのが(すこ)(おそ)かつたら、390とうとう冥土(めいど)(たび)をする(ところ)だつたなア、391マア(いのち)があつて(なに)より結構(けつこう)392サア()れからフサの(みやこ)()いて、393それからコーカス(ざん)(すす)(こと)にしよう』
394大正一一・三・二三 旧二・二五 谷村真友録)
文芸社文庫『あらすじで読む霊界物語』絶賛発売中!
逆リンク(このページにリンクが張られているページ)
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki