霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 (どろ)(かは)〔五五八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第14巻 如意宝珠 丑の巻 篇:第2篇 幽山霊水 よみ(新仮名遣い):ゆうざんれいすい
章:第8章 泥の川 よみ(新仮名遣い):どろのかわ 通し章番号:558
口述日:1922(大正11)年03月24日(旧02月26日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年11月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
弥次彦と勝彦は、三途の川のほとりにいた。弥次彦は勝手知った脱衣婆の小屋を訪ね、夫婦気取りで気安く脱衣婆を呼び出すが、脱衣婆は弥次彦の現界での行いをあげつらって非難をし始めた。
脱衣婆は綿々と説教を垂れるが、最後に弥次彦のようなヤンチャを地獄に通すと、閻魔大王から叱られるのが恐い、と本音を吐く。弥次彦はますます調子に乗って、吹きだす。勝公が横から茶々を入れる。
さんざんおかしな問答を交わした後、脱衣婆は与太彦や六が探しているから、娑婆に帰るように、と諭す。また、芝居口調でコーカス山やアーメニヤの分け目の戦いに参加せずに幽界に戻ってくるなら、このあばら家には入れない、とふざける。弥次彦、勝公も調子に乗って合いの手を入れる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-12-26 18:11:57 OBC :rm1408
愛善世界社版:131頁 八幡書店版:第3輯 205頁 修補版: 校定版:136頁 普及版:61頁 初版: ページ備考:
001 (はて)しも()れぬ枯野原(かれのはら)002(かみ)(めぐみ)(あらし)()く、003(にご)()りたる(かは)()に、004二人(ふたり)(やうや)()きにける。
005()『ヤ、006(なん)だい、007(また)もや幽界(いうかい)逆転(ぎやくてん)旅行(りよかう)だな、008オウ此処(ここ)三途(せうづ)(かは)だ。009勝公(かつこう)010ナンデもこの(へん)(おれ)なじみ(すこぶ)別嬪(べつぴん)が、011楽隠居(らくいんきよ)をやつて()(はず)だがナア』
012(かつ)弥次彦(やじひこ)サン、013此処(ここ)はどうやら娑婆気(しやばけ)(はな)れた(ところ)のやうですなア、014小鹿峠(こしかたうげ)暴風(ばうふう)(くしけ)づり、015突貫(とつくわん)最中(さいちう)(なん)だか()(へん)になつたと(おも)つたが最後(さいご)016局面(きよくめん)(たちま)一変(いつぺん)して(くさ)茫々(ばうばう)たる枯野原(かれのはら)になつて()る、017(べつ)飛行機(ひかうき)()つた(おぼ)えもないのに、018何時(いつ)()にコンナ(ところ)()ただらう、019哲学者(てつがくしや)たら()(やつ)()()夢中(むちう)遊行(いうかう)でも()つたのぢやあるまいか。020(たれ)催眠術(さいみんじゆつ)上手(じやうず)(やつ)()れて()て、021(はや)覚醒(かくせい)でもさして()れないと、022まかり間違(まちが)へば幽界(いうかい)旅行(りよかう)となるかも()れないなア』
023()()れないも(なに)もあつたものか、024(まさ)幽界(いうかい)旅行(りよかう)だ、025此処(ここ)三途(せうづ)(かは)渡場(わたしば)だよ』
026(かつ)『それにしては、027(ばば)アが()らぬじやないか』
028()『この(ごろ)物価(ぶつか)騰貴(とうき)収支(しうし)(つぐな)はぬと()えて、029廃業(はいげふ)しよつたのだらうよ、030それよりもマア(おれ)(むかし)なじみ別嬪(べつぴん)(かこ)つて()るのだ、031それに面会(めんくわい)さして()らうかい』
032(かつ)貴様(きさま)何処(どこ)までも弥次(やじ)(しき)だな、033(ところ)もあらうに怪態(けたい)(わる)い、034三途(せうづ)(かは)(ほとり)妾宅(せふたく)(かま)へると()(こと)があるものかい』
035()『それでも(むか)ふが妾宅(せふたく)したのだから仕方(しかた)がないさ。036新月(しんげつ)(まゆ)(こま)やかに、037(みどり)したたる()(ひか)り、038(はな)恰好(かつかう)から(くち)恰好(かつかう)039ホンノリとした桃色(ももいろ)(ほつぺた)040それはそれは(なに)ともかとも()へぬ逸品(いつぴん)だよ』
041(かつ)『ヨウ、042ソンナ逸品(いつぴん)があるのか、043(おれ)にもいつぴん()せて()れぬかい』
044()洒落(しやれ)ない、045これから千騎(せんき)一騎(いつき)だよ、046(あを)047(くろ)048(あか)049(しろ)050橄欖(かんらん)051種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)百鬼(ひやくき)千鬼(せんき)万鬼(ばんき)格闘(かくとう)をせなければならないのだ。052アハヽヽヽヽ』
053(かつ)何者(なにもの)(あら)はれ(きた)るとも、054神変(しんぺん)不可思議(ふかしぎ)言霊(ことたま)武器(ぶき)使用(しよう)すれば大丈夫(だいぢやうぶ)だ、055(それ)よりも(はや)くその逸品(いつぴん)とやらを、056()高覧(かうらん)(そな)(まつ)らぬかい』
057()『よしよし(おどろ)くな、058随分(ずゐぶん)別嬪(べつぴん)だぞ、059一度(いちど)(かほ)(をが)んだが最後(さいご)060万劫(まんご)末代(まつだい)五六七(みろく)()までも(わす)れることの出来(でき)ないやうな、061すごい(やう)(おそ)ろしい別嬪(べつぴん)だ。062一寸(ちよつと)(おれ)()いて()い、063それ其処(そこ)見越(みこ)しの(まつ)といふ()ちんまりとした、064妾宅(せふたく)があると(おも)つたのは(ゆめ)だ、065茅葺(かやぶき)雪隠(せんち)小屋(ごや)のやうな(なか)に、066今頃(いまごろ)はビイビイチヨンだ』
067(かつ)怪体(けたい)(こと)()ふぢやないか、068(なに)がビイビイチヨンだい』
069 弥次彦(やじひこ)藁小屋(わらごや)()(すき)より一寸(ちよつと)(のぞ)いて、
070()『ヤー()機嫌(きげん)だなア、071また()つて()ました、072オツトドツコイ女房(にようばう)脱衣場(だついば)のお()アサン、073二世(にせ)(つま)天下(てんか)一品(いつぴん)色黒(いろくろ)(をとこ)074弥次彦(やじひこ)サンだ、075(はや)()()けぬかい』
076 藁小屋(わらごや)(なか)より、
077『エーエーまた()たのか、078よう()(まよ)ふて()餓鬼(がき)だな、079この(かは)一遍(いつぺん)(わた)つたら(わた)(こと)出来(でき)三途(せうづ)(かは)だのに、080(なに)しに娑婆(しやば)から冥土(めいど)()(まよ)ふて()るのだい、081娑婆(しやば)幽霊(いうれい)()が』
082()『コラコラ夫婦(ふうふ)()ふものは、083ソンナ水臭(みづくさ)いものぢやないぞ、084三途(せうづ)(かは)()ふからは三度(さんど)までは、085(わた)るのは(あた)(まへ)だ。086(めし)でも(いち)(にち)三度(さんど)()はねばその()()れぬのだ、087娑婆(しやば)幽霊(いうれい)とはそれや(なに)をぬかしよるのだい』
088(ばば)『お(まへ)娑婆(しやば)幽霊(いうれい)だよ、089幽霊(いうれい)会社(くわいしや)(くび)()()したり、090幽霊株(いうれいかぶ)()(まは)したり、091これやちつと有利得(いうりえ)(かぶ)だと()へば、092(よく)(かは)()()つて、093身魂(みたま)(けが)し、094女房(にようばう)子供(こども)苦労(くらう)をさせ、095世間(せけん)(やつ)迷惑(めいわく)をかけ、096どうして娑婆(しやば)()つて()けやうかなぞと、097(こし)から(あし)()(やつ)(やう)に、098藻掻(もが)きよつて(ちう)ぶらりの(かげ)(うす)代物(しろもの)だ。099娑婆(しやば)幽霊(いうれい)()ふたのが(なに)不思議(ふしぎ)だい。100幽冥界(いうめいかい)には貴様(きさま)のやうな亡者(まうじや)一人(ひとり)()らないぞ、101学亡者(がくまうじや)親方(おやかた)()が』
102()『コリヤ(ばば)ア、103それや(なに)ぬかしよるのだ、104女房(にようばう)老爺(おやぢ)ぼろ(くそ)()ふと()(こと)があるものか、105貞操(ていさう)()(こと)()つて()るか、106不貞腐(ふてくさ)(ばば)()が』
107(ばば)不貞腐(ふてくされ)とは(なん)だ、108(をんな)ばかりが不貞腐(ふてくさ)れぢやない、109(をとこ)(やつ)にも沢山(たくさん)不貞腐(ふてくさ)れがあるぢやないか。110貴様(きさま)(なん)だ、111娑婆(しやば)()つて彼方(あちら)小便(せうべん)ひつかけ、112此方(こちら)(くそ)をひつかけ、113(となり)(かか)をチョロマカシ、114近所(きんじよ)(むすめ)(たぶら)かし、115(かか)アが(ふる)くなつたと()つては、116博労(ばくらう)(うま)(うし)()(かへ)する(やう)に、117人間(にんげん)畜生(ちくしやう)機械(きかい)(やう)(あつかひ)をしよつて、118不貞腐(ふてくさ)れの張本(ちやうほん)()が。119この(ばば)()()えても地獄(ぢごく)開設(かいせつ)以来(いらい)120この川端(かはばた)規則(きそく)(まも)つて職務(しよくむ)忠実(ちうじつ)(つと)めて()るのぢや、121貴様(きさま)のやうに月給(げつきふ)(たか)いの(やす)いの、122此処(ここ)辛度(しんど)いの(らく)だのと、123(ねこ)()のやうにクレクレと(かは)りよつて落着(おちつ)きのない我楽多(がらくた)人間(にんげん)とは、124チート(わけ)(ちが)ふのだよ。125(また)しても(また)しても、126この(ばば)厄介(やくかい)をかけよつて、127モウ()加減(かげん)退却(たいきやく)せい、128貴様(きさま)()るのはモチツト(はや)いワ。129此処(ここ)()るのは、130娑婆(しやば)(つみ)(ほろ)ぼした(やつ)()(ところ)だ。131貴様(きさま)罪悪(ざいあく)借金(しやくきん)沢山(たくさん)()んで()るから、132モツトモツト(くる)しい()をしてから()()るのだ。133罪悪(ざいあく)借金(しやくきん)娑婆(しやば)(のこ)して、134コンナ(ところ)()げて()るとは、135(あんま)(ずる)いぢやないか、136薄志(はくし)弱行(じやくかう)にも(ほど)があるワ、137この三途(せうづ)(かは)はドンナ(ところ)だと(おも)つて()るか、138貴様(きさま)身魂(みたま)洗濯(せんたく)する(どころ)かい、139(てん)()へば(あめ)安河(やすかは)同様(どうやう)(ところ)ぢやぞ』
140()『エー八釜敷(やかまし)い、141(くち)()(かか)だ、142(をんな)(さか)しうて(うし)()りそこなふと()(こと)がある、143折角(せつかく)夫婦(ふうふ)になつてやつたが、144今日(けふ)(かぎ)()くだり(はん)をやるから覚悟(かくご)せい、145夫婦(ふうふ)喧嘩(げんくわ)(いぬ)でも()はぬと()ふが、146この弥次彦(やじひこ)サンはソンナ執着心(しふちやくしん)のある(をとこ)ぢやないぞ』
147(ばば)(たれ)弥次彦(やじひこ)女房(にようばう)になると()つたか、148貴様(きさま)勝手(かつて)(この)(まへ)()(まよ)ふて()(とき)に、149わしの()弥次彦(やじひこ)だから、150(まへ)老爺彦(おやぢひこ)だと()ひよつて、151自分(じぶん)一人(ひとり)できめたのでないか、152正式(せいしき)結婚(けつこん)でもなけりや、153自由(じいう)結婚(けつこん)でもない、154貴様(きさま)(はう)(なに)ほど縁談(えんだん)申込(まをしこ)んでも、155此方(こちら)(はう)から真平(まつぴら)御免(ごめん)だ、156肱鉄(ひぢてつ)だ。157この(ひろ)幽冥(いうめい)世界(せかい)貴様(きさま)女房(にようばう)になる(やつ)は、158半人(はんにん)でも四半人(しはんにん)でも()ると(おも)ふか、159(あんま)自惚(うぬぼれ)するない、160罪悪(ざいあく)()ちた娑婆(しやば)でさへも、161愛想(あいさう)をつかされた結果(けつくわ)162コンナ結構(けつこう)地獄(ぢごく)()()よつて、163女房(にようばう)ぢやの、164ヘツたくれぢやのと、165(なに)劫託(がふたく)()ふのぢや、166此処(ここ)(くぎ)()きがあるから、167(した)でも()いてやらうかい』
168()『コラ古婆(ふるばば)169それや(なに)(ぬか)しよるのだ、170貴様(きさま)世間(せけん)()ずだから、171ソンナ馬鹿(ばか)(こと)()ふのだ。172廿四(にじふし)世紀(せいき)今日(こんにち)に、173原始(げんし)時代(じだい)のやうな、174(ふる)(あたま)()つてゐるから(わか)らぬのだ、175今日(こんにち)娑婆(しやば)(なん)(かんが)へて()る、176天国(てんごく)浄土(じやうど)完成(くわんせい)時代(じだい)だ。177中空(ちうくう)()ける飛行機(ひかうき)飛行船(ひかうせん)はすでに廃物(はいぶつ)となり、178(あま)羽衣(はごろも)()精巧(せいかう)無比(むひ)機械(きかい)発明(はつめい)され、179汽車(きしや)(ちう)(はし)つて(いち)時間(じかん)五百(ごひやく)(マイル)といふ速力(そくりよく)だ、180蓮華(れんげ)(はな)(ところ)(せま)きまで()(みだ)れ、181(なん)ともかとも()れない黄金(わうごん)世界(せかい)現出(げんしゆつ)して()るのだ。182それに貴様(きさま)開闢(かいびやく)(むかし)から涎掛(よだれかけ)沢山(たくさん)(くび)にかけて道端(みちばた)にチヨコナンと、183番卒(ばんそつ)(やく)(つと)めて()(やつ)(やう)に、184コンナちつぽけ雪隠(せんち)小屋(ごや)焦附(こげつ)きよつて、185娑婆(しやば)()うだの()うだのと()資格(しかく)があるか、186廿四(にじふし)世紀(せいき)(にい)サンだぞ』
187(ばば)『さうかいやい、188それほど娑婆(しやば)結構(けつこう)なら、189なぜ娑婆(しやば)()つて苦業(くげふ)をせぬのかい、190ナンボ(ひら)けたと()つても、191日輪(にちりん)(さま)(ふた)つも(みつ)つも()てをる(はず)もなからう、192何時(いつ)何時(いつ)満月(まんげつ)(ばか)りと()(わけ)にも()くまい、193五十六(ごじふろく)(おく)七千万(しちせんまん)(ねん)(むかし)から(かは)らぬものは(まこと)(ばか)りだ。194どうだ貴様(きさま)物質(ぶつしつ)(てき)欲望(よくばう)とか、195文明(ぶんめい)とか()(やつ)眩惑(げんわく)されよつて、196視力(しりよく)(うしな)つたのだらう、197資力(しりよく)がなくては娑婆(しやば)()つたとて、198会社(くわいしや)(ひと)つも()ちはせぬぞ、199株券(かぶけん)()ふと()つたつて、200(かぶ)(いち)(まい)()へはしまい、201貴様(きさま)二十四(にじふし)世紀(せいき)だと()ふて威張(ゐば)つて()るが、202十五万(じふごまん)(ねん)ほど(むかし)過去(くわこ)となつて()るのが(わか)らないか、203(いま)一万(いちまん)八千(はつせん)世紀(せいき)だぞ、204(ふる)(やつ)だなア』
205()『オイ()アサン、206一寸(ちよつと)()つて()れ、207(おれ)紀元前(きげんぜん)五十万(ごじふまん)(ねん)(むかし)に、208娑婆(しやば)(あら)はれて大活動(だいくわつどう)(つづ)け、209ついたつた(いま)210小鹿峠(こしかたうげ)宣伝歌(せんでんか)(うた)つて(とほ)つた(やう)(おも)ふが、211(なん)だ、212それから十万(じふまん)(ねん)()れたとは、213一寸(ちよつと)合点(がつてん)()かぬワイ』
214(ばば)光陰(くわういん)()(ごと)しだと、215十八(じふはつ)世紀(せいき)豆人間(まめにんげん)(ほざ)()つたが、216光陰(くわういん)()つのはソンナ(おそ)いものぢやない、217ヂヤイロコンパスが(いつ)分間(ぷんかん)八千(はつせん)回転(くわいてん)(まは)(やう)に、218()(なか)貴様(きさま)(やう)(わか)らぬ(やつ)には頓着(とんちやく)なしに、219ドシドシと進行(しんかう)して()くのだ。220貴様(きさま)(つみ)決算期(けつさんき)()るまで、221まア一度(いちど)娑婆(しやば)(かへ)つて、222苦労(くらう)をして()るが()からうぞ。223一時(いつとき)でも(はや)(かへ)つて民衆(みんしう)運動(うんどう)でもやつて、224ポリスの()厄介(やくかい)にでもなつて()い、225さうせないと貴様(きさま)(つみ)(おも)いから、226この三途(せうづ)(かは)(わた)るが最後(さいご)石仏(いしぼとけ)(はう)()んだ(やう)にブルブルとも(なん)とも()はずに寂滅(じやくめつ)為楽(ゐらく)だよ』
227()『オツト()つた、228一旦(いつたん)亡者(まうじや)になつたものが、229また(かは)へはまつて、230寂滅(じやくめつ)為楽(ゐらく)()(こと)があつてたまるかい、231(わけ)(わか)らぬ(ばば)だなア』
232(ばば)貴様(きさま)(わか)らぬ(わけ)だ、233娑婆(しやば)(やつ)二重(にぢう)転売(てんばい)()かして、234一遍(いつぺん)()りよつて二度(にど)()つたり仕様(しやう)もない六〇六(ろくぴやくろく)(がう)()厄介(やくかい)にならねばならぬ(やう)(くさ)(をんな)に、235(よだれ)()らしながら揚句(あげく)()てには二次会(にじくわい)とか三次会(さんじくわい)とか()かして(さわ)ぐぢやないか。236それさへあるに一夫(いつぷ)一婦(いつぷ)天則(てんそく)(やぶ)り、237第一(だいいち)夫人(ふじん)第二(だいに)夫人(ふじん)だの、238第一(だいいち)妾宅(せふたく)だの第二(だいに)第三(だいさん)239何々(なになに)妾宅(せふたく)だのと洒落(しやれ)よつて、240体主(たいしゆ)霊従(れいじう)のありつ()けを(つく)して()(むし)けらの()うな人間(にんげん)(ばか)りだらう。241現界(げんかい)(こと)(ただち)幽界(いうかい)(うつ)るのだ、242一遍(いつぺん)()んだ(くらゐ)ぢや死太(しぶと)身魂(みたま)が、243仲々(なかなか)改心(かいしん)いたさぬから(いま)一遍(いつぺん)出直(でなほ)し、244それでも改心(かいしん)せずば三遍(さんぺん)四遍(しへん)何遍(なんべん)でも()(ほろぼ)すのだ。245貴様(きさま)娑婆(しやば)廿(にじつ)世紀(せいき)(ごろ)(はじ)まつた三五教(あななひけう)(をしへ)()いてゐるだらう、246改心(かいしん)をいたさねば何遍(なんべん)でも、247身魂(みたま)()いて()るぞよと()ふことがあるだらう、248(いま)娑婆(しやば)(やつ)一度(いちど)()んだら、249二度(にど)()なないと、250多寡(たくわ)をくくつて()やがるが、251一度(いちど)あつた(こと)は、252二度(にど)三度(さんど)もあるものだぞ、253何遍(なんべん)でも()なねばならないぞ』
254()『ヤア、255文明(ぶんめい)(かぜ)がコンナ(ところ)まで()いて()よつて、256(ばば)(やつ)この(まへ)旅行(りよかう)した(とき)とは、257よほど娑婆気(しやばけ)のある(こと)()かしよる、258かうして()ると時代(じだい)(ちから)(えら)いものだ、259幽界(いうかい)までも支配(しはい)すると()えるワイ』
260(ばば)『それや(なに)幽界(いうかい)261貴様(きさま)小鹿峠(こしかたうげ)(とほ)(とき)に、262一方(いつぱう)(をとこ)間抜面(まぬけづら)見込(みこ)んで、263(かた)()(あは)せ、264()()うな(かぜ)()()らされよつて、265冥土(めいど)道連(みちづ)れに勝公(かつこう)幽界(いうかい)誘拐(いうかい)して()よつた(やつ)だ、266愚図(ぐづ)々々(ぐづ)ぬかさずと、267もう一遍(いつぺん)甦生(よみがへ)りて一苦労(ひとくらう)して()い。268まだまだ地獄(ぢごく)()()()資格(しかく)具備(ぐび)して()ないワ、269(いづ)一度(いちど)二度(にど)はこの(かは)(わた)()けの権利(けんり)は、270登記簿(とうきぼ)にチヤンと()けて、271(たしか)保留(ほりう)して()いてやるワ、272どうだ(うれ)しいか』
273()『エヽ、274ツベコベと()()かす(ばば)ぢやないか、275(ろく)(こと)一寸(ちよつと)()ひよらぬワイ。276道理(だうり)ぢや、277老婆心(らうばしん)()かすことだから、278これもあまり誅究(ちうきう)するのは可愛想(かあいさう)だ。279オイオイ勝公(かつこう)280貴様(きさま)何故(なぜ)沈黙(ちんもく)(まも)つて()るのだ、281チツト(くらゐ)砲門(はうもん)(ひら)いて砲撃(はうげき)をやつたらどうだい、282(てき)間近(まぢか)押寄(おしよ)せたりだ、283なにほど堅牢(けんらう)(ふね)だと()つたつて艦齢(かんれい)()ぎた老朽艦(らうきうかん)のしかもたつた一隻(いつせき)だよ』
284(かつ)『オイ弥次公(やじこう)285場所柄(ばしよがら)(わきま)へぬかい、286(なん)()ふたつて此処(ここ)()たらお(ばあ)サンの勢力(せいりよく)範囲(はんゐ)だ、287従順(じゆうじゆん)服従(ふくじゆう)するより仕方(しかた)がないじやないか、288魚心(うをごころ)あれば水心(みづごころ)だ、289なアお()アサン、290なんぼ悪道(あくだう)なお(やく)だと()つても矢張(やつぱり)()もあり(なみだ)もあるだらう、291この弥次公(やじこう)御存(ごぞん)じの(とほ)(うま)れつきの弥次(やじ)(てき)一片(いつぺん)(をとこ)ですから、292()にさえられず神直日(かむなほひ)293大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)して、294(ゆる)してやつて(くだ)さいませ』
295(ばば)(なん)()つてもこの(をとこ)はこれだから………今度(こんど)から、296(さき)地獄(ぢごく)にやりたいのだけれども、297閻魔(えんま)サマから、298(なん)()めに貴様(きさま)は、299川番(かはばん)をして()つたのぢや、300コンナヤンチヤ通過(つうくわ)さすと()(こと)があるものか、301(なん)娑婆(しやば)追返(おひかへ)さないのかと、302免職(めんしよく)(くら)ふか(わか)らない。303サヽ(いち)()(はや)(しり)()つからげて足許(あしもと)(あか)るい(うち)にいんだりいんだり』
304()『アハヽヽヽ、305とうとう(ばば)(やつ)306本音(ほんね)()きよつたな、307ヤア面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、308エーこの三途(せうづ)(かは)ばサンばサンと(むか)ふに(わた)つて、309(あを)(くろ)(しろ)(あか)種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)(おに)(ども)を、310(かた)(ぱし)から鷲掴(わしづかみ)311香物桶(かうものをけ)(なか)にブチ()んで、312(うへ)からグツと千引岩(ちびきいは)おもしをかけ味噌漬(みそづけ)にして、313朝夕(あさゆふ)副食物(ふくしよくぶつ)にしてやるのだ、314娑婆(しやば)()たつて(かた)パンを(ひと)つか(みつ)つばかりパクついて、315(うま)いの(あぢ)ないのと()ふて()るよりも、316()()くの(おに)味噌漬(みそづけ)だ、317稀代(きたい)珍味(ちんみ)佳肴(かかう)だ、318吾々(われわれ)前途(ぜんと)有望(いうばう)だ、319オツトドツコイ幽霊(いうれい)だ、320サアババサン(ゆる)りと、321(みづ)(なが)れを()(くら)シヤンセ、322人間(にんげん)老少(らうせう)不定(ふぢやう)だ、323(かなら)達者(たつしや)にして(くら)せよ、324アハヽヽヽヽ』
325(ばば)『エーエ八釜敷(やかまし)いワイ、326(わた)ろと()ふたつて(わた)しては()らないぞ』
327()(なに)328(わた)さむと仰有(おつしや)つても(わた)しは(わた)しの(かんが)へで(この)(わた)しを(わた)つて()せますワイ、329(わた)しの()神徳(しんとく)(かは)(はた)から(ゆび)(くわ)へて()()(くだ)さいや、330()アサン左様(さやう)なら』
331(ばば)『オツト()つた()つた、332()てと(まを)せば()つたが()からうぞ』
333()(なに)(ぬか)しよるのだい、334春先(はるさき)になるとそろそろ逆上(ぎやくじやう)しよつて、335三途(せうづ)(かは)(ばば)()336三途(せうづ)のない(やつ)だ、337(しか)しながら(この)(かは)大変(たいへん)(にご)つて()るぢやないか、338この(まへ)旅行(りよかう)した(とき)とは天地(てんち)相違(さうゐ)だ』
339(ばば)(きま)つた(こと)よ、340娑婆(しやば)(やつ)毎日(まいにち)341()にち(きたな)(こと)ばつかりしやがつて、342結構(けつこう)水神(すゐじん)()守護(しゆご)(あそ)ばす溝川(みぞがは)へ、343糞滓(くそかす)344小便(せうべん)垂流(たれなが)して、345一等(いつとう)旅館(りよくわん)だの、346特等(とくとう)旅館(りよくわん)だとか(ほざ)いて、347そこら(ぢう)(くそ)まぶれに(よご)すなり、348サツカリンの這入(はい)つた(くさ)つた(さけ)を、349ガブガブ()みよつて肺臓(はいざう)(いた)め、350そこら(ぢう)()()()らすものだから、351(あめ)()(たび)(みな)この三途(せうづ)(かは)(なが)()むのだ、352それだからこの(とほ)(かは)(にご)つてしもうのだ、353この(かは)(なか)には貴様(きさま)(くそ)小便(せうべん)(まじ)つて()るワイ、354一杯(いつぱい)(のど)(かわ)いたら()んだらどうだい』
355()(なに)()かしよるのだ、356コンナ(もの)()めるかいやい、357ソンナ(こと)()くとこの(かは)(わた)るのが(いや)になつて()た、358(ばば)()(とほり)イヤだけど、359(ふたた)娑婆(しやば)引返(ひきかへ)さうかな』
360(ばば)『お(まへ)(たち)(くそ)小便(せうべん)()(たん)のこの(かは)(きたな)いのか、361(まへ)身体(からだ)(なに)だ、362(くそ)よりも小便(せうべん)よりも、363鼻啖(はなたん)よりも、364もつと穢苦(むさくる)しいぞ、365(くそ)身体(からだ)糞水(くそみづ)(つか)つて糞水(くそみづ)()むのが、366それが、367(なに)(きたな)いのぢや、368共飲(ともの)みぢや遠慮(ゑんりよ)はいらぬ、369貴様(きさま)(もの)を、370貴様(きさま)()むのぢやないかい』
371()『これは()しからぬ、372共食(ともぐひ)共飲(ともの)みとは天地(てんち)(かみ)(さま)大違反(だいゐはん)罪悪(ざいあく)だ、373(ひと)(ひと)()ひ、374(ねこ)(ねこ)()ふと()(こと)があつて(たま)らうかい』
375(ばば)()かすな()かすな、376貴様(きさま)(おや)(すね)()ぢつて()()らないで、377(やま)()(いへ)()み、378まだ()()らずに(くら)()ひよつて、379揚句(あげく)(はて)には可愛(かあい)()まで(おに)(やう)()つて()ふて、380それでもまだ()らいで友達(ともだち)()ひ、381世間(せけん)のおとなしい人間(にんげん)(あせ)(あぶら)(しぼ)つて()ぶり、382餓鬼(がき)のやうな(やつ)ぢや、383(あんま)(おほ)きい(かほ)して(ほほ)げたを(たた)くものぢやないぞ』
384()『ヤアこの(ばば)仲々(なかなか)ヒラけてゐよるワイ、385一寸(ちよつと)(はな)せる(やつ)だ』
386(かつ)(きま)つた(こと)よ、387毎日(まいにち)()にち世界中(せかいぢう)のいはゆる文明(ぶんめい)亡者(まうじや)が、388此処(ここ)通過(つうくわ)するのだから、389門前(もんぜん)(すずめ)(きやう)()むとか()ふてな、390()(おぼ)見覚(みおぼ)えて()るのだ、391貴様(きさま)小学校(せうがくかう)()392(おれ)赤門(あかもん)()のチヤーチヤー大先生(だいせんせい)だと()きよつたが、393このお()アサンは赤門(あかもん)どころか、394よつぽど黒門(くろもん)だ。395早稲田(わせだ)大学(だいがく)出身(しゆつしん)(だい)博士(はかせ)だ、396洋行(やうかう)()アサンだぞ、397うつかりして()ると赤門(あかもん)先生(せんせい)赤恥(あかはぢ)()いてアフンと(いた)さねばならぬぞよ』
398()『コラ、399カカ勝公(かつこう)400横槍(よこやり)()れない、401尋常(じんじやう)学校(がくかう)落第生(らくだいせい)()が』
402(かつ)(いま)学校(がくかう)卒業(そつげふ)したつて(なに)になるのだ、403(ろく)でもない(こと)ばつかり(をし)へられよつて、404尋常(じんじやう)(あひだ)本当(ほんたう)教育(けういく)だ、405それ以上(いじやう)になると薩張(さつぱ)四足(よつあし)身魂(みたま)教育(けういく)だ、406(あんま)学者(がくしや)()るな、407学者(がくしや)()()いた時代(じだい)廿(にじつ)世紀(せいき)初頭(しよとう)だ、408二十四(にじふし)世紀(せいき)になつて()るのに(がく)のナンノと、409(がく)()いてあきれるワ』
410()『それでも矢張(やは)形式(けいしき)()まねば、411ナンボ二十四(にじふし)世紀(せいき)だとてあまり買手(かひて)がないぞ、412赤門(あかもん)()()へばアカンモンでも威張(ゐば)つて(すぐ)買手(かひて)()くし、413卒業(そつげふ)早々(さうさう)立派(りつぱ)会社(くわいしや)予約(よやく)()みに()れるのだ』
414勝『まるで人間(にんげん)貨物(くわもつ)間違(まちが)へてゐる()(なか)だから仕方(しかた)がないワイ、415時世(ときよ)時節(じせつ)(ちから)には(かみ)もかなはぬと仰有(おつしや)るのだから、416(おれ)時勢(じせい)逆行(ぎやくかう)する(やう)な、417馬鹿(ばか)でないからまア一寸(ちよつと)此処(ここ)らで切上(きりあ)げて()かうかい。418なア赤門(あかもん)先生(せんせい)
419()(なん)()つたつて赤門(あかもん)()貨物(くわもつ)だらうが、420物品(ぶつぴん)だらうが、421(あたひ)()いから、422仕様(しやう)がないワ、423この()アサンのやうに何程(なんぼ)大学(だいがく)卒業(そつげふ)したつて、424黒門(くろもん)苦労者(くらうもん)()(なん)立派(りつぱ)でも使(つか)()がないのだ、425それだからカンカ不遇(ふぐう)何時(いつ)川端柳(かはばたやなぎ)()てクヨクヨと、426脱衣婆(だついばば)境遇(きやうぐう)(あま)んぜねばならないのだよ。427アヽ(わし)はどうして赤門(あかもん)這入(はい)らなかつたらう、428(どん)アカンモンでも赤門(あかもん)()なればドント出世(しゆつせ)出来(でき)るが、429(わし)(また)どうして黒門(くろもん)苦労者(くらうもん))になつただらうといくら(くや)んでも(あと)(まつ)りだ、430何時(いつ)()にも(つる)()ふものをたぐらねば出世(しゆつせ)出来(でき)はしないぞ。431あの(いも)()よ、432(つる)にぶら(さが)つてなつて()るのぢや、433それだから游泳術(いうえいじゆつ)上手(じやうず)(やつ)をみんな芋蔓(いもづる)()ふのだよ』
434(かつ)『エヽ(わけ)(わか)らぬ(こと)()ふな、435まるで薩摩(さつま)芋屁(いもぺ)でも()つた(やう)(くさ)(くさ)理窟(りくつ)()べよつて(はな)()ちがならぬワイ。436ヤアお()アサン、437(なが)らく()面倒(めんだう)いたしました、438末長(すゑなが)(よろ)しうお(たの)(まを)します、439オツトドツコイ三途(せうづ)(かは)のお()アサンにお(たの)みするやうでは、440(ろく)(こと)ぢやない、441末長(すゑなが)うお(たの)(まを)しませぬワ、442アハヽヽヽ』
443(ばば)『ア、444さうださうだ、445(わし)厄介(やくかい)になるやうな(やつ)は、446どうで(ろく)(やつ)ぢやないワ、447それよりもお(まへ)(つれ)与太(よた)(ろく)心配(しんぱい)をして()(ただ)らして(さが)して()る。448(はや)(かへ)つてやりなさいよ』
449()『オーさうだつた、450ウツカリ()アサンとの外交(ぐわいかう)談判(だんぱん)貴重(きちよう)光陰(くわういん)夢中(むちう)になつて消費(せうひ)して()つたものだから、451二人(ふたり)(やつ)452(おれ)記憶(きおく)から消滅(せうめつ)して仕舞(しま)つて()つた、453消滅(せうめつ)地獄(ぢごく)()ちたやうだ。454今頃(いまごろ)はさぞ心身(しんみ)()がして()るであらう(ほど)に、455もうしもうし勝五郎(かつごろう)サンエ、456(かつ)チヤンえ、457此処(ここ)らあたりは山家(やまが)(ゆゑ)458オツトドツコイ(かは)べり(ゆゑ)459(さぞ)(さむ)かつたで御座(ござ)んしようなア浄瑠璃の『箱根霊験躄仇討』のシャレ。
460(かつ)『オイしつかりせぬかい、461此処(ここ)箱根山(はこねやま)ぢやないぞ、462(おれ)(いざり)間違(まちが)へて(もら)つては迷惑(めいわく)千万(せんばん)だ』
463(ばば)『ヤレこの障子(しやうじ)()けまいぞ()けまいぞ、464そも三浦(みうら)(かへ)りしとは坂本(さかもと)(しろ)(かへ)りしか、465よも此処(ここ)へのめのめと(まよ)ふて()()弥次彦(やじひこ)ぢやあるまい、466そりや人違(ひとちが)ひ、467()(また)それが(ぢやう)なれば、468コーカス(ざん)469アーメニヤ()()大事(だいじ)(たたか)ひに参加(さんか)もせずに(もど)つて()不届者(ふとどきもの)この茅屋根(あばらやね)(うち)(ばば)城廓(じやうくわく)470その(おく)れた(たましひ)でこの藁戸(わらと)一重(ひとへ)(やぶ)らるるならサヽヽ(やぶ)つて()よと浄瑠璃の『鎌倉三代記』の「三浦別の段」のシャレ。
471()百筋(ももすぢ)千筋(ちすぢ)()()けて、472()つかづいたるあばらや(うち)473チヤンチヤンぢや』
474(かつ)『ハハアそのお言葉(ことば)(わす)れねばこそ、475故郷(こきやう)(いで)今日(けふ)まで一度(いちど)便(たよ)りも(いた)さねど、476(いのち)(あやふ)しと()くより(かぜ)()()ばされ、477(たま)(くだ)(むね)(いた)み、478(まなこ)(くら)んで三五(あななひ)(みち)(わす)れし不調法(ぶてうはふ)479真平(まつぴら)御免(ごめん)(くだ)されかし、480いで戦場(せんぢやう)駆向(かけむか)ひ、481華々(はなばな)しき功名(こうみやう)して、482コーカス(ざん)におつつけ凱陣(がいぢん)(つかまつ)らむ』
483()『アハヽヽヽヽヽ』
484(ばば)『オホヽヽヽヽ、485もう()しばいだよ』
486大正一一・三・二四 旧二・二六 谷村真友録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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