霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。実験用サイトサブスク
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一三章 寂光土(じやくくわうど)〔七〇五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第22巻 如意宝珠 酉の巻 篇:第4篇 改心の幕 よみ(新仮名遣い):かいしんのまく
章:第13章 寂光土 よみ(新仮名遣い):じゃっこうど 通し章番号:705
口述日:1922(大正11)年05月27日(旧05月01日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
蜈蚣姫の部下と仕えて悪を行っていた金助も、娑婆即寂光浄土の真諦を悟ると、たちまち黄金の肌となって弥勒の霊体を現し、鷹鳥山の山頂から四方を照らした。
黄金仏を確かめに来た鷹鳥姫は、元の山腹の庵に投げ返された。一方玉能姫は、生田の森に投げ返された。
若彦が金・銀の両人に教えを説いていると、突然二人は人事不省に陥ってしまった。若彦はあわてて二人を蘇生させようとするが、突然鷹鳥姫が中空から落ちてきたため、狼狽してしまう。
その間にも、バラモン教のスマートボールらが竹槍をかざしながら庵を取り囲んだ。信徒たちはこの有様に驚いて散り散りになってしまった。
若彦はこの惨状の中に、一視同仁の心を思い起こし、神様に懺悔を捧げて自分の慢心の罪のお詫びを始めた。若彦は心中開き、梅香の匂うごとき境地となった。スマートボールたちは今が機会と攻め寄せてくるが、若彦はその場に端座して、感謝の祈りを捧げるばかりであった。
バラモン教徒が槍で突きかかろうとしたその刹那、中空から火弾が落下して爆発し、四面白煙に包まれ、白狐の声が当たりに響いた。鷹鳥姫、金・銀の三人ははっと目を覚ました。
中空に女神の声が響き、鷹鳥姫の執着がいまだ去らないために、我を通して自ら地獄を生み出して自らが苦しむ、その憐れさを去り、一刻も早く本心に立ち返れ、と諭した。
鷹鳥姫は夢が覚めたごとく心に肯き、神界のため天下万民のためとして行ってきたことは、自分の心のおごりであったことに気づいた。鷹鳥姫は一心不乱に感謝の涙に咽びながら、天地の神霊に祈願を籠めた。
白煙が晴れると、そこは鷹鳥山の庵の庭園であった。上枝姫、中枝姫、下枝姫の三人が現れて、鷹鳥姫、若彦、金助、銀公を幣で払うと、庵の中に導いた。スマートボールらは身体強直したままこの様子を眺めている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-05-30 02:15:10 OBC :rm2213
愛善世界社版:167頁 八幡書店版:第4輯 442頁 修補版: 校定版:173頁 普及版:78頁 初版: ページ備考:
001(あらし)のたけぶ魔谷(まや)(だけ)
002バラモン(けう)立籠(たてこも)
003蜈蚣(むかで)(ひめ)教主(けうしゆ)とし
004(あさ)(ゆふ)なに真心(まごころ)
005(ささ)げて(つく)金助(きんすけ)
006(こころ)(こま)立直(たてなほ)
007(かみ)御稜威(みいづ)鷹鳥(たかとり)
008(やま)谷間(たにま)()()づる
009(なが)れも(きよ)清泉(きよいづみ)
010(たま)(あら)ひて(たちま)ちに
011(こころ)(その)一輪(いちりん)
012(はな)(かを)りを(みと)めてゆ
013(ただち)(ひら)大御空(おほみそら)
014高天原(たかあまはら)日月(じつげつ)
015(ひかり)(くま)なく()(わた)
016娑婆(しやば)(そく)寂光(じやくくわう)浄土(じやうど)真諦(しんたい)
017(さと)るや(たちま)黄金(わうごん)
018(きぬ)(つつ)まれ煌々(くわうくわう)
019(かがや)(わた)神御霊(かむみたま)
020紫磨(しま)黄金(わうごん)(はだ)(きよ)
021()(たけ)三丈(さんぢやう)三尺(さんじやく)
022三十三魂(みづのみたま)()(かは)
023鷹鳥山(たかとりやま)山頂(さんちやう)
024宇宙(うちう)万有(ばんいう)睥睨(へいげい)
025(ここ)弥勒(みろく)霊体(れいたい)
026(げん)じて四方(よも)(てら)しける
027(をり)しもあれや玉能姫(たまのひめ)
028鷹鳥姫(たかとりひめ)山上(さんじやう)
029(ひかり)(もと)めて岩ケ根(いはがね)
030(いほり)(あと)にエチエチと
031(ちか)づき()れば金像(きんざう)
032五丈(ごぢやう)(ろく)(しやく)七寸(ななすん)
033巨体(きよたい)(へん)(たま)ひつつ
034左右(さいう)御手(みて)鷹鳥(たかとり)
035(かみ)(つかさ)玉能姫(たまのひめ)
036(もの)をも()はず鷲掴(わしづか)
037中天(ちうてん)(たか)()げやれば
038(つばさ)なき()鷹鳥(たかとり)
039(ひめ)(つかさ)(たちま)ちに
040(もと)(いほり)(つつが)なく
041()(かへ)されて(むね)をつき
042(こころ)(しづ)めて三五(あななひ)
043(みち)蘊奥(おくが)細々(こまごま)
044(おく)(おく)まで(さぐ)()
045玉能(たまの)(ひめ)中天(ちうてん)
046(たま)(ごと)くに廻転(くわいてん)
047再度山(ふたたびやま)山麓(さんろく)
048()ちて生田(いくた)(もり)(なか)
049木々(きぎ)若芽(わかめ)春風(はるかぜ)
050(かを)稚姫君(わかひめぎみ)(かみ)
051(しづ)まりいます聖場(せいぢやう)
052(はし)なく(くだ)()きにけり
053(とほ)神代(かみよ)(むかし)より
054(すめ)大神(おほかみ)(さだ)めてし
055五六七(みろく)神政(しんせい)経綸地(けいりんち)
056時節(じせつ)()つて伊都能売(いづのめ)
057(うづ)御霊(みたま)姫神(ひめがみ)
058(つか)へて(ここ)時置師(ときおかし)
059(この)()(しの)杢助(もくすけ)
060(つま)のお(すぎ)(はら)()
061()()でませし初稚(はつわか)
062(ひめ)(みこと)諸共(もろとも)
063(きよ)(つか)ふる()御霊(みたま)
064三五(さんご)(つき)皎々(かうかう)
065四海(しかい)()らす神徳(しんとく)
066(しば)(かく)して岩躑躅(いはつつじ)
067(はな)()(はる)先駆(さきがけ)
068仕組(しぐ)ませ(たま)(たふと)さよ
069あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
070御霊(みたま)(さち)はひましまして
071鷹鳥山(たかとりやま)(いただき)
072示現(じげん)(たま)ひし弥勒神(みろくしん)
073(ふか)経綸(しぐみ)(ふた)()けて
074(かがや)(たま)(とき)()ちし
075堅磐(かきは)常磐(ときは)(まつ)()
076(さか)目出度(めでた)(かみ)(その)
077(はな)(くれなゐ)()(みどり)
078(あめ)(つち)とは(むらさき)
079(いろど)神代(みよ)祥瑞(しやうずゐ)
080天津(あまつ)(かみ)(たち)国津(くにつ)(かみ)
081(もも)神々(かみがみ)百人(ももびと)
082雄島(をしま)雌島(めしま)(へだ)てなく
083老木(をいき)若木(わかぎ)差別(けぢめ)なく
084(さか)ゆる御代(みよ)大八洲(おほやしま)
085()てる小松(こまつ)のすくすくと
086天津(あまつ)御光(みひかり)(つき)(みづ)
087()けて()()()ぶる(ごと)
088(すす)神代(かみよ)物語(ものがたり)
089黄金閣(わうごんかく)頂上(ちやうじやう)
090(かがや)(わた)日地月(につちげつ)
091(うづ)(ひさご)永久(とこしへ)
092(ひら)くる御代(みよ)(さきがけ)
093(かた)るも(うれ)神館(かむやかた)
094(つき)(かつら)手折(たを)りつつ
095言葉(ことば)(はな)(かざ)しゆく
096(しこ)魔風(まかぜ)()(すさ)
097()ちよ()てよと(せま)()
098(まが)(あらし)(なん)のその
099(まつ)(みさを)のどこまでも
100(かみ)御業(みわざ)(つか)へずば
101(かた)(こころ)山桜(やまざくら)
102大和心(やまとごころ)のどこまでも
103ひきて(かへ)さぬ(くは)(ゆみ)
104言葉(ことば)のツルを手繰(たぐ)りつつ
105五六七(みろく)()まで(つた)()
106ミロ()神代(みよ)松村(まつむら)
107(こころ)真澄(ますみ)のいと(きよ)
108(やま)()()(ふくいく)
109()(にほ)ひたる(のり)(はな)
110(たを)りて(かたる)善美世(うましよ)
111(ひら)(はじ)めて北村(きたむら)()
112(たか)御稜威(みいづ)()りわたり
113(うみ)(うちと)(やまかは)
114草木(くさき)もなべて皇神(すめかみ)
115(とよ)(めぐみに)(よく)しつつ
116神代(かみよ)(いは)神人(かみびと)
117稜威(いづ)身魂(みたま)()らさむと
118(ゆき)(たわ)める糸柳(いとやぎ)
119いと(やは)らかに長々(ながなが)
120二十二(にじふに)(くわん)小田巻(をだまき)
121(にしき)(いと)繰返(くりかへ)
122(こころ)加藤(かとう)()(あか)
123鷹鳥山(たかとりやま)高姫(たかひめ)
124娑婆(しやば)(そく)寂光(じやくくわう)浄土(じやうど)をば
125(こころ)(そこ)より正覚(しやうかく)
126国治立(くにはるたち)神業(かむわざ)
127(つか)(まつ)りて素盞嗚(すさのを)
128(かみ)(みこと)神力(しんりき)
129(さと)()めたる物語(ものがたり)
130(こと)葉車(はぐるま)欣々(いそいそ)
131(かぜ)のまにまに(すべ)()
132あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
133御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
134 鷹鳥姫(たかとりひめ)玉能姫(たまのひめ)(ともな)ひ、135山上(さんじやう)(ひかり)目標(めあて)(のぼ)()つた(あと)に、136若彦(わかひこ)金助(きんすけ)137銀公(ぎんこう)両人(りやうにん)(たい)し、138三五教(あななひけう)教理(けうり)()(さと)(をり)しも、139如何(いかが)はしけむ、140金助(きんすけ)141銀公(ぎんこう)二人(ふたり)はキヤツと一声(ひとこゑ)(さけ)ぶと(とも)()()(たふ)れ、142人事(じんじ)不省(ふせい)(おちい)つて(しま)つた。143若彦(わかひこ)(おどろ)いて谷水(たにみづ)()(きた)り、144両人(りやうにん)面部(めんぶ)伊吹(いぶき)狭霧(さぎり)()()け、145(よみがへ)らさむと(あせ)(をり)しも、146(かぜ)()つて頭上(づじやう)より(くだ)(きた)鷹鳥姫(たかとりひめ)姿(すがた)二度(にど)ビツクリ、147近寄(ちかよ)()れば、148鷹鳥姫(たかとりひめ)庭前(ていぜん)青苔(あをごけ)(うへ)仰向(あふむ)けとなり(だい)()になつて、
149鷹鳥姫『ウン』
150()つたきり、151ピリピリと手足(てあし)蠢動(しゆんどう)させて()る。152若彦(わかひこ)周章(しうしやう)狼狽(らうばい)()(ところ)()らず、153(みぎ)(ひだり)水桶(みづをけ)(ひつさ)げた(まま)()けまはる途端(とたん)に、154鷹鳥姫(たかとりひめ)(あし)(つまづ)き、155スツテンドウと()(うへ)手桶(てをけ)(とも)打倒(ぶつたふ)れた。156手桶(てをけ)(みづ)一滴(いつてき)(のこ)らず大地(だいち)吸収(きふしう)されて(しま)つた。157若彦(わかひこ)如何(どう)したものか、158挙措(きよそ)()(うしな)ひし結果(けつくわ)159立上(たちあが)(こと)出来(でき)なくなつて(しま)つた。160庭前(ていぜん)(こけ)(うへ)にやうやう()(おこ)し、161坐禅(ざぜん)姿勢(しせい)()り、162双手(もろて)()んで溜息(ためいき)吐息(といき)163思案(しあん)()れて()る。
164若彦(ああ)165(きん)166(ぎん)両人(りやうにん)()ひ、167(ちから)(たの)鷹鳥姫(たかとりひめ)(さま)()(とほ)り、168介抱(かいほう)しようにも(こし)()たず、169(くは)ふるに(つま)玉能姫(たまのひめ)消息(せうそく)はどうなつたであらう。170神徳(しんとく)(たか)鷹鳥姫(たかとりひめ)(さま)でさへ(かく)(ごと)悲惨(ひさん)()()(たま)うた(くらゐ)だから、171(わが)(つま)(また)どつかの谷間(たにま)()()てられ、172木端(こつぱ)微塵(みじん)になつたかも()れない。173あゝ、174(かみ)(ほとけ)もないものか』
175(やや)信仰(しんかう)(たが)(ゆる)まうとした。176(とき)しもあれや、177バラモン(けう)のスマートボール、178カナンボールを先頭(せんとう)に、179(てつ)180(くま)181(はち)(その)()数十(すうじふ)(にん)荒男(あらをとこ)182竹槍(たけやり)(かざ)しながら此方(こなた)()して(すす)(きた)り、183(この)(てい)()(なん)(おも)つたか近寄(ちかよ)りも()せず、184(かき)(つく)つて(たたず)()る。185神殿(しんでん)参拝(さんぱい)()りし七八(しちはち)(にん)老若(らうにやく)男女(なんによ)信徒(しんと)は、186(この)惨状(さんじやう)()()(てき)猛勢(まうせい)(きも)(つぶ)し、187裏口(うらぐち)よりコソコソと(のが)()で、188這々(はうばう)(てい)にて(やま)駆登(かけのぼ)り、189何処(いづこ)ともなく消散(せうさん)して(しま)つた。
190 山桜(やまざくら)折柄(をりから)()()山嵐(やまあらし)打叩(うちたた)かれて、191繽紛(ひんぷん)として()(みだ)れ、192無常(むじやう)迅速(じんそく)味気(あぢき)なき()有様(ありさま)遺憾(ゐかん)なく暴露(ばくろ)して()る。193若彦(わかひこ)(やうや)(われ)(かへ)独語(ひとりごと)
194若彦『あゝ(へい)(つよ)ければ(ほろ)び、195()(かた)ければ()れ、196(かは)(かた)ければ()く。197()(した)よりも(かた)くして()れに先立(さきだ)ちて(やぶ)るとかや。198吾々(われわれ)はミロクの大神(おほかみ)大御心(おほみこころ)誤解(ごかい)し、199(かち)(じやう)じて猛進(まうしん)(つづ)け、200(すす)むを()つて退(しりぞ)き、201直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、202宣直(のりなほ)(こと)(をこた)つて()た。203日夜(にちや)見直(みなほ)宣直(のりなほ)せの聖言(せいげん)も、204機械(きかい)(てき)無意識(むいしき)(くち)より()づる(やう)になつては、205モウ駄目(だめ)だ。206あゝ(あやま)つたり(あやま)つたり。
 
207()(ゆき)(たわ)めど()れぬ(やなぎ)こそ やはらかき(えだ)(ちから)なりけり
 
208とは言依別(ことよりのわけ)(みこと)(さま)()宣示(せんじ)であつた。209慈愛(じあい)(ふか)大神(おほかみ)(さま)吾々(われわれ)(めぐみ)(むち)(くは)へさせ(たま)うたのか、210(ほとん)荒廃(くわうはい)せむとする身魂(みたま)を、211(ふたた)()(なほ)(たま)ひしか、212あゝ有難(ありがた)(かたじけ)なし、213(かみ)(さま)214(ゆる)(くだ)さいませ。215(かみ)(ほとけ)()きものかと、216(いま)(いま)まで(うら)みの言葉(ことば)(まを)()げました。217(じう)()(がう)(せい)すの真理(しんり)を、218何故(なぜ)今迄(いままで)(さと)らなかつたか。219(くち)には(つね)(とな)へながら有言(いうげん)不実行(ふじつかう)(つみ)(かさ)ねて()吾々(われわれ)220(じつ)天地(てんち)(たい)(はづ)かしくなつて()ました。221鷹鳥姫(たかとりひめ)(さま)斯様(かやう)()にお()ひなさつたのも、222玉能姫(たまのひめ)消息(せうそく)(わか)らないのも、223(わが)脛腰(すねこし)()たなくなつたのも(この)若彦(わかひこ)誤解(ごかい)(つみ)224(じつ)(かみ)(さま)公平(こうへい)無私(むし)である。225敵味方(てきみかた)区別(くべつ)()つるは吾々(われわれ)人間(にんげん)煩悩(ぼんなう)(おに)()(わざ)226慈愛(じあい)(ふか)(かみ)(おん)()より見給(みたま)(とき)は、227一視(いつし)同仁(どうじん)228敵味方(てきみかた)などの障壁(しやうへき)はない。229あゝ(かみ)(さま)230あゝ、231(この)()(つく)(たま)ひし大神(おほかみ)(さま)232(こころ)(ひろ)(あつ)(かぎ)りなき神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)(かみ)(さま)233何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)234(いた)らぬ愚者(おろかもの)吾々(われわれ)(つみ)235神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)(くだ)さいませ。236今迄(いままで)曲事(まがごと)唯今(ただいま)(かぎ)()(なほ)します』
237(こゑ)(くも)らせ、238バラモン(けう)一味(いちみ)(まへ)()(こと)打忘(うちわす)れ、239浩歎(かうたん)(こゑ)()らして()る。240スマートボールは(こゑ)荒々(あらあら)しく、
241スマートボール『ヤイ三五教(あななひけう)青瓢箪(あをべうたん)242若彦(わかひこ)宣伝使(せんでんし)243(ざま)()やがれ。244金助(きんすけ)245銀公(ぎんこう)二人(ふたり)貴様(きさま)(うち)捕虜(ほりよ)にして()やがるのだらう。246(その)天罰(てんばつ)でバラモン(けう)()本尊(ほんぞん)大国別(おほくにわけの)(みこと)(さま)(にら)()けられ、247鷹鳥姫(たかとりひめ)(その)(ざま)248貴様(きさま)(また)脛腰(すねこし)()たず(なに)をベソベソと吠面(ほえづら)かわくのだ。249(おれ)(たち)はバラモンの(をしへ)(ため)魔道(まだう)(ひろ)むる(なんぢ)()一味(いちみ)征伐(せいばつ)せむが(ため)実行団(じつかうだん)組織(そしき)(この)()立向(たちむか)うたのだ。250これから(この)スマートボールが(なんぢ)()一味(いちみ)奴輩(やつばら)を、251芋刺(いもざ)し、252串刺(くしざ)し、253田楽刺(でんがくざ)し、254山椒(さんせう)味噌(みそ)()りつけて(あぶ)つて()つて(しま)ふのだ。255オイ()味噌(みそ)256貴様(きさま)肝腎要(かんじんかなめ)(ところ)で、257大変(たいへん)味噌(みそ)()けたものだなア。258コリヤ鬼味噌(おにみそ)259(なに)殊勝(しゆしよう)らしく(いの)つて()やがるのだ。260天道(てんたう)(さま)もテント()()(あそ)ばす道理(だうり)がないぞ。261サアこれから顛覆(てんぷく)だ』
262(やり)穂先(ほさき)(そろ)へて前後(ぜんご)左右(さいう)よりバラバラと()(かか)る。263悔悟(くわいご)(なみだ)()れたる若彦(わかひこ)は、264最早(もはや)心中(しんちう)豁然(かつぜん)として梅花(ばいくわ)()(にほ)ふが(ごと)く、265(すで)今迄(いままで)若彦(わかひこ)ではなかつた。266傲慢(がうまん)無礼(ぶれい)のスマートボールが罵詈(ばり)雑言(ざふごん)侮辱(ぶじよく)も、267(いま)妙音(めうおん)菩薩(ぼさつ)音楽(おんがく)か、268弥勒(みろく)如来(によらい)来迎(らいがう)かと(ひび)くばかりになつて()る。
269若彦『アヽ有難(ありがた)い。270われも北光(きたてる)(かみ)(さま)になるのかなア。271どうぞ(はや)()()いて()しい。272(なまじひ)肉眼(にくがん)所有(しよいう)して()るために、273宇宙(うちう)(ひかり)(みと)むることが出来(でき)ないのだ。274アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
275一生(いつしやう)懸命(けんめい)心中(しんちう)暗祈(あんき)黙祷(もくたう)(つづ)けて()る。276スマートボールは、
277スマートボール『オイ、278カナン、279どうだ。280これ(だけ)勢込(いきほひこ)んでやつて()たのに、281(ひと)つの応答(おうたふ)もせず、282(また)反抗(はんかう)(てき)態度(たいど)()らない(やつ)(むか)つて、283攻撃(こうげき)するも馬鹿(ばか)らしいぢやないか。284如何(どう)したらよからう』
285カナンボール(いま)こそ三五教(あななひけう)顛覆(てんぷく)させるには千載(せんざい)一遇(いちぐう)好機(かうき)だ、286(なに)躊躇(ちうちよ)逡巡(しゆんじゆん)する(こと)があるか。287一思(ひとおも)ひにやつて(しま)へよ、288スマートボール』
289スマートボール(しか)(なが)ら、290(まへ)屋内(をくない)駆入(かけい)り、291(きん)292(ぎん)在処(ありか)(さが)して()れよ。293(おれ)(これ)から此奴(こいつ)()引導(いんだう)をわたさねばならぬ。294……鷹鳥姫(たかとりひめ)(ばば)295(なら)びに若彦(わかひこ)のヘボ宣伝使(せんでんし)296よつく()け。297(この)()大自在天(だいじざいてん)大国別(おほくにわけの)(みこと)(しろ)しめす()(なか)だ。298(しか)るに(なん)ぞ、299天則(てんそく)違反(ゐはん)(つみ)()ひて、300永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)根底(ねそこ)(くに)に、301神退(かむやら)ひに退(やら)はれた国治立(くにはるたちの)(みこと)や、302現在(げんざい)漂浪(さすらひ)(たび)(つづ)けて()素盞嗚(すさのをの)(みこと)悪神(わるがみ)(かしら)(いただ)き、303(ねこ)(かぶ)つて、304天下(てんか)混乱(こんらん)させむとは(にく)奴共(やつども)305(てん)はバラモン(けう)蜈蚣姫(むかでひめ)部下(ぶか)スマートボールの()()りて(なんぢ)誅戮(ちうりく)すべく此処(ここ)(むか)はせ(たま)うたのだ。306サア(この)()置土産(おきみやげ)307遺言(ゆゐごん)あらば武士(ぶし)(なさけ)だ、308()いてやらう。309娑婆(しやば)(こころ)(のこ)さず、310一時(いつとき)(はや)幽界(いうかい)旅立(たびだち)(いた)せ。311覚悟(かくご)はよいか』
312部下(ぶか)目配(めくば)せしながら、313竹槍(たけやり)をすごいてアワヤ一突(ひとつき)にせむとする(をり)しも、314中空(ちうくう)より急速力(きふそくりよく)(もつ)(くだ)(きた)れる一塊(いつくわい)火弾(くわだん)315(たちま)(には)敷石(しきいし)衝突(しようとつ)して爆発(ばくはつ)し、316大音響(だいおんきやう)(とも)四面(しめん)白煙(はくえん)(つつ)まれ、317咫尺(しせき)(べん)ぜざるに立到(たちいた)つた。318(なか)よりコンコンと白狐(びやくこ)()(ごゑ)319(たに)彼方(あなた)此方(こなた)警鐘(けいしよう)乱打(らんだ)せし(ごと)く、320(しき)りに(きこ)えて()た。321レコード(やぶ)りの大音響(だいおんきやう)に、322失心(しつしん)して()鷹鳥姫(たかとりひめ)はハツと()()き、323(かしら)()げて(なが)むれば、324四辺(しへん)白煙(はくえん)(つつ)まれ、325()空中(くうちう)にあるか地底(ちてい)にあるか、326判別(はんべつ)(くる)しみつつ、327(ひと)(かしら)(かたむ)けて記憶(きおく)(いと)手繰(たぐ)つて()る。328金助(きんすけ)329銀公(ぎんこう)両人(りやうにん)もハツと()()き、330咫尺(しせき)(べん)ぜぬ白煙(はくえん)(なか)腹這(はらば)ひながら(おもて)()で、331若彦(わかひこ)332鷹鳥姫(たかとりひめ)(かたはら)()らず()らずに()つて()た。333(たちま)空中(くうちう)より優美(いうび)にして流暢(りうちよう)女神(めがみ)(こゑ)にて、
334女神三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)鷹鳥姫(たかとりひめ)335若彦(わかひこ)両人(りやうにん)336よつく()かれよ。337取別(とりわ)けて鷹鳥姫(たかとりひめ)執着(しふちやく)(ねん)(いま)()らず、338教主(けうしゆ)言依別(ことよりわけの)(みこと)示諭(じゆ)軽視(けいし)し、339執拗(しつえう)にも(なんぢ)意地(いぢ)()てむとし、340神業(しんげふ)繁多(はんた)()(もつ)聖地(せいち)(はな)れ、341(この)鷹鳥山(たかとりやま)(きよ)(かま)へ、342大神(おほかみ)(まつ)り、343(なんぢ)(うしな)ひし二個(にこ)宝玉(ほうぎよく)如何(いか)にもして(ふたた)取返(とりかへ)さむと、344千々(ちぢ)(こころ)(くだ)(なんぢ)熱心(ねつしん)345(よみ)すべきには()たれども、346(いま)自負心(じふしん)暗雲(あんうん)(なんぢ)心天(しんてん)()らず、347(つね)悶々(もんもん)として至善(しぜん)至美(しび)なる現天国(げんてんごく)悪魔(あくま)世界(せかい)(くわん)じ、348()くまでも初心(しよしん)貫徹(くわんてつ)せむと、349(まよ)ひに(まよ)(その)果敢(はか)なさよ。350地上(ちじやう)天国(てんごく)建設(けんせつ)せむとせば、351()(なんぢ)(こころ)天国(てんごく)()てよ。352(まよ)ひの(くも)(つつ)まれて、353(いま)(なんぢ)地獄(ぢごく)354餓鬼(がき)355修羅(しゆら)356畜生(ちくしやう)天地(てんち)()()し、357(なんぢ)(みづか)(くるし)(その)(あは)れさ。358片時(かたとき)(はや)本心(ほんしん)立復(たちかへ)り、359自我心(じがしん)滅却(めつきやく)し、360我情(がじやう)(くも)払拭(ふつしき)し、361明皓々(めいかうかう)たる真如(しんによ)日月(じつげつ)心天(しんてん)心海(しんかい)(かがや)かし(まつ)れ』
362(おごそ)かに神示(しんじ)()らせ(たま)ひ、363御姿(みすがた)()えねども、364空中(くうちう)(かへ)(たま)(その)気配(けはい)365()()(ごと)くに(かん)じられた。366鷹鳥姫(たかとりひめ)(ゆめ)()めたる(ごと)(こころ)打諾(うちうなづ)き、
367鷹鳥姫『アヽ(あやま)れり(あやま)れり、368今迄(いままで)吾々(われわれ)神界(しんかい)(ため)369天下(てんか)万民(ばんみん)(ため)最善(さいぜん)努力(どりよく)(つく)し、370不惜(ふじやく)身命(しんみやう)大活動(だいくわつどう)継続(けいぞく)し、371五六七(みろく)神政(しんせい)御用(ごよう)奉仕(ほうし)せしものと(おも)ひしは、372わが(こころ)(おごり)なりしか。373アヽわれ如何(いか)心力(しんりよく)(つく)すと(いへど)も、374無限(むげん)絶対(ぜつたい)375無始(むし)無終(むしう)大神(おほかみ)大御心(おほみこころ)(くら)ぶれば、376九牛(きうぎう)一毛(いちまう)だにも(およ)(がた)し。377慢心(まんしん)取違(とりちがひ)の………われは標本人(へうほんにん)なりしか、378(あゝ)(あさ)ましや(あさ)ましや。379慈愛(じあい)(ふか)(まこと)(かみ)(さま)380何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)鷹鳥姫(たかとりひめ)不明(ふめい)(あは)れみ(たま)ひ、381神業(しんげふ)一端(いつたん)奉仕(ほうし)せしめられむことを懇願(こんぐわん)(いた)します。382唯今(ただいま)より(こころ)()(あらた)め、383(まこと)(かみ)召使(めしつかひ)として微力(びりよく)(かぎ)りを(つく)させ(くだ)さいませ。384神慮(しんりよ)宏遠(くわうゑん)にして、385(われ)()凡夫(ぼんぶ)如何(いか)でか窺知(きち)(たてまつ)るを()む。386(いま)まで(をか)せし天津罪(あまつつみ)国津罪(くにつつみ)(まを)すも(さら)なり、387()らず()らずに(つく)りし許々多久(ここたく)(つみ)(けがれ)(めぐみ)(かぜ)吹払(ふきはら)ひ、388(たす)(たま)へ。389アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
390両手(りやうて)(あは)せ、391感謝(かんしや)(なみだ)(むせ)びながら一心(いつしん)不乱(ふらん)天地(てんち)神霊(しんれい)謝罪(しやざい)祈願(きぐわん)()めて()る。392四辺(しへん)(つつ)みし白煙(はくえん)(たちま)()れて、393四辺(あたり)()れば()如何(いか)に、394鷹鳥姫(たかとりひめ)(いほり)(まへ)(こけ)()花園(はなぞの)であつた。395何処(いづこ)よりともなく三柱(みはしら)美人(びじん)396上枝姫(ほづえひめ)397中枝姫(なかえひめ)398下枝姫(しづえひめ)は、399(たま)(ごと)顔貌(かんばせ)に、400梅花(ばいくわ)(わら)ふが(ごと)(よそほ)ひにて(あら)はれ(きた)り、401鷹鳥姫(たかとりひめ)402若彦(わかひこ)403金助(きんすけ)404銀公(ぎんこう)()()りて引起(ひきおこ)し、405(ふところ)より(ぬさ)取出(とりだ)して()(にん)(ちり)打払(うちはら)ひ、406(いた)はり(たす)けて(いほり)(うち)(すす)()る。407スマートボール、408カナンボール以下(いか)一同(いちどう)如何(いかが)はしけむ、409身体(しんたい)強直(きやうちよく)し、410(たち)はだかつた(まま)(この)光景(くわうけい)不審(ふしん)げに目送(もくそう)して()る。411(たに)木霊(こだま)(ひび)宣伝歌(せんでんか)(こゑ)412(いかづち)(ごと)(きこ)えて()た。
413大正一一・五・二七 旧五・一 松村真澄録)
文芸社文庫『あらすじで読む霊界物語』絶賛発売中!
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki