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天祥地瑞
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第75巻(寅の巻)
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第25巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 相縁奇縁
01 水禽の音
〔747〕
02 与太理縮
〔748〕
03 鶍の恋
〔749〕
04 望の縁
〔750〕
第2篇 自由活動
05 酒の滝壺
〔751〕
06 三腰岩
〔752〕
07 大蛇解脱
〔753〕
08 奇の巌窟
〔754〕
第3篇 竜の宮居
09 信仰の実
〔755〕
10 開悟の花
〔756〕
11 風声鶴唳
〔757〕
12 不意の客
〔758〕
第4篇 神花霊実
13 握手の涙
〔759〕
14 園遊会
〔760〕
15 改心の実
〔761〕
16 真如の玉
〔762〕
第5篇 千里彷徨
17 森の囁
〔763〕
18 玉の所在
〔764〕
19 竹生島
〔765〕
余白歌
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第七章
大蛇
(
をろち
)
解脱
(
げだつ
)
〔七五三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻
篇:
第2篇 自由活動
よみ(新仮名遣い):
じゆうかつどう
章:
第7章 大蛇解脱
よみ(新仮名遣い):
おろちげだつ
通し章番号:
753
口述日:
1922(大正11)年07月08日(旧閏05月14日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年5月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三人が滝にやってくると、大蛇は毒酒が回ってほとんど半死半生の体であった。郷人たちはとどめを刺そうとやっきになっている。飯依彦らが正に大蛇の鱗の隙間に槍を突き通そうとしていたところに、清公らがやってきた。
清公は、大蛇といえども天帝の分身であることを郷人たちに諭すと、大蛇の頭の上に乗って宣伝歌を歌い始めた。その歌には、郷人たちの言行心の不一致が凝って大蛇となって表れたことが歌われていた。
清公が、心に潜む悪魔を清めて教えに従った言行に立ち返るように、と歌うと、大蛇は縮小してしまい、小さな蛇となってしまった。清公は蛇に引導を渡すと、郷人たちにも、三五教に立ち返って心を根底から立直すように、と諭した。
郷人たちは清公の前に平伏した。清公は、郷人たちに地恩郷に参拝するようにと言い渡した。モンキーを案内者として、郷人たちは船に乗って参詣を果たした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-08-30 22:55:53
OBC :
rm2507
愛善世界社版:
119頁
八幡書店版:
第5輯 74頁
修補版:
校定版:
124頁
普及版:
55頁
初版:
ページ備考:
001
清公
(
きよこう
)
、
002
チヤンキー、
003
モンキーの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
004
酒
(
くし
)
の
滝壺
(
たきつぼ
)
の
前
(
まへ
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
寄
(
よ
)
り
見
(
み
)
れば、
005
さしもの
大蛇
(
をろち
)
も
毒酒
(
どくしゆ
)
に
酔
(
よ
)
ひ、
006
死物狂
(
しにものぐる
)
ひにノタ
打廻
(
うちまは
)
つた
揚句
(
あげく
)
、
007
大
(
おほい
)
に
疲労
(
ひらう
)
せしと
見
(
み
)
え、
008
ガクリと
首
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げ
口
(
くち
)
を
噛
(
か
)
み
締
(
し
)
め、
009
殆
(
ほとん
)
ど
半死
(
はんし
)
半生
(
はんしやう
)
の
姿
(
すがた
)
になつて
居
(
ゐ
)
た。
010
飯依彦
(
いひよりひこ
)
の
末裔
(
まつえい
)
飯依別
(
いひよりわけ
)
を
始
(
はじ
)
め、
011
久々別
(
くくわけ
)
、
012
久木別
(
くきわけ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
神司
(
かむづかさ
)
は、
013
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
りたる
数多
(
あまた
)
の
郷人
(
さとびと
)
を
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
め、
014
各自
(
かくじ
)
に
竹鎗
(
たけやり
)
を
持
(
も
)
ち、
015
大蛇
(
をろち
)
の
身体
(
からだ
)
を
鱗
(
うろこ
)
と
鱗
(
うろこ
)
の
間
(
あひだ
)
より、
016
力限
(
ちからかぎ
)
りに
突
(
つ
)
き
刺
(
さ
)
し、
017
殺
(
ころ
)
さむとする
真最中
(
まつさいちう
)
であつた。
018
飯依別
(
いひよりわけ
)
は
大蛇
(
をろち
)
の
身体
(
からだ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
019
飯依別
『
汝
(
なんぢ
)
此
(
この
)
郷
(
さと
)
を
日夜
(
にちや
)
に
荒
(
あら
)
し、
020
人民
(
じんみん
)
の
膏血
(
かうけつ
)
を
搾
(
しぼ
)
り、
021
あまつさへ
我
(
われ
)
等
(
ら
)
が
妻子
(
さいし
)
を
呑
(
の
)
み
喰
(
くら
)
ひ、
022
郷人
(
さとびと
)
を
悩
(
なや
)
ませし
悪神
(
あくがみ
)
の
張本
(
ちやうほん
)
、
023
天
(
てん
)
は
何時迄
(
いつまで
)
も
汝
(
なんぢ
)
如
(
ごと
)
き
悪神
(
あくがみ
)
を
赦
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
はず、
024
忝
(
かたじけ
)
なくも
真澄姫
(
ますみひめの
)
命
(
みこと
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
に
依
(
よ
)
りて、
025
汝
(
なんぢ
)
を
弱
(
よわ
)
らせ
退治
(
たいぢ
)
せむとの
我
(
われ
)
等
(
ら
)
が
計略
(
けいりやく
)
、
026
よくも
斃死
(
くたば
)
つたなア。
027
サア
是
(
これ
)
よりは
汝
(
なんぢ
)
の
肉体
(
にくたい
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
り、
028
此
(
この
)
郷
(
さと
)
の
惨害
(
さんがい
)
を
除
(
のぞ
)
かむ。
029
汝
(
なんぢ
)
も
定
(
さだ
)
めて
天地間
(
てんちかん
)
の
生物
(
せいぶつ
)
、
030
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
受
(
う
)
け
居
(
を
)
るならむ。
031
必
(
かなら
)
ず
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
今日
(
けふ
)
の
仕打
(
しうち
)
を
恨
(
うら
)
み、
032
霊魂
(
れいこん
)
中有
(
ちうう
)
に
迷
(
まよ
)
ひ、
033
再
(
ふたた
)
び
此
(
この
)
郷
(
さと
)
に
害
(
がい
)
を
加
(
くは
)
ふ
如
(
ごと
)
きことあらば、
034
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
祈念
(
きねん
)
の
神力
(
しんりき
)
にて
其
(
その
)
霊魂
(
みたま
)
を
責
(
せ
)
め
悩
(
なや
)
め、
035
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
へ
追
(
お
)
ひ
遣
(
や
)
らむほどに。
036
……サア
大蛇
(
をろち
)
、
037
霊肉
(
れいにく
)
共
(
とも
)
に
寂滅
(
じやくめつ
)
為楽
(
ゐらく
)
、
038
必
(
かなら
)
ず
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
心
(
こころ
)
を
残
(
のこ
)
してはならぬぞ』
039
と
大蛇
(
をろち
)
に
向
(
むか
)
つて
誅戮
(
ちうりく
)
の
宣示
(
せんじ
)
をなし、
040
久々別
(
くくわけ
)
、
041
久木別
(
くきわけ
)
両人
(
りやうにん
)
が
指揮
(
しき
)
の
下
(
もと
)
に、
042
数多
(
あまた
)
の
郷人
(
さとびと
)
は
声
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて
竹鎗
(
たけやり
)
をしごき、
043
鱗
(
うろこ
)
と
鱗
(
うろこ
)
の
間
(
あひだ
)
に、
044
鎗
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
を
差込
(
さしこ
)
み『
一
(
ひい
)
二
(
ふう
)
三
(
み
)
』の
掛声
(
かけごゑ
)
、
045
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
突込
(
つきこ
)
まむと
身構
(
みがま
)
へする
折
(
をり
)
しも、
046
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
と
共
(
とも
)
に
現
(
あら
)
はれたる
清公
(
きよこう
)
以下
(
いか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
047
ツカツカと
此
(
この
)
場
(
ば
)
へ
近寄
(
ちかよ
)
り、
048
清公
(
きよこう
)
『
我
(
われ
)
は
地恩郷
(
ちおんきやう
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ふ
竜宮島
(
りうぐうじま
)
の
女王
(
ぢよわう
)
、
049
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
様
(
さま
)
の
幕下
(
ばくか
)
、
050
清公
(
きよこう
)
、
051
チヤンキー、
052
モンキーと
申
(
まを
)
すもの、
053
今
(
いま
)
木蔭
(
こかげ
)
に
忍
(
しの
)
んで
承
(
うけたま
)
はれば、
054
飯依別
(
いひよりわけ
)
以下
(
いか
)
二柱
(
ふたはしら
)
郷人
(
さとびと
)
の
害
(
がい
)
を
除
(
のぞ
)
かむとして
毒酒
(
どくしゆ
)
の
計略
(
けいりやく
)
にて、
055
此
(
この
)
大蛇
(
をろち
)
を
誅戮
(
ちうりく
)
せむとし
給
(
たま
)
ふ
其
(
その
)
志
(
こころざし
)
、
056
実
(
じつ
)
に
尤
(
もつと
)
もなれども
仮令
(
たとへ
)
大蛇
(
をろち
)
と
雖
(
いへど
)
も
天帝
(
てんてい
)
の
分身
(
ぶんしん
)
分体
(
ぶんたい
)
なれば、
057
易々
(
やすやす
)
殺
(
ころ
)
すべからず。
058
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
に
向
(
むか
)
ひ、
059
如何
(
いか
)
にしても
帰順
(
きじゆん
)
せざる
時
(
とき
)
は、
060
各
(
おのおの
)
柄物
(
えもの
)
を
以
(
もつ
)
て、
061
直接
(
ちよくせつ
)
行動
(
かうどう
)
を
開始
(
かいし
)
すべきである。
062
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
待
(
ま
)
たせられよ』
063
と
制止
(
せいし
)
し
大蛇
(
をろち
)
の
頭部
(
とうぶ
)
にヒラリと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
064
盛
(
さか
)
んに
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
065
清公
(
きよこう
)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
066
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
067
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
068
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
069
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
070
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し
071
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
072
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
073
仮令
(
たとへ
)
大蛇
(
をろち
)
は
死
(
し
)
するとも
074
大蛇
(
をろち
)
の
霊魂
(
みたま
)
は
永久
(
とこしへ
)
に
075
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
残
(
のこ
)
り
種々
(
くさぐさ
)
の
076
悪
(
あ
)
しき
曲行
(
まがわざ
)
繰返
(
くりかへ
)
し
077
恨
(
うら
)
みを
晴
(
は
)
らし
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
し
078
荒
(
あら
)
び
猛
(
たけ
)
るは
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
079
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
曲神
(
まがかみ
)
も
080
善
(
ぜん
)
の
道
(
みち
)
には
敵
(
てき
)
し
得
(
え
)
ず
081
月
(
つき
)
毎
(
ごと
)
日
(
ひ
)
毎
(
ごと
)
此
(
この
)
郷
(
さと
)
に
082
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り
諸人
(
もろひと
)
を
083
悩
(
なや
)
まし
苦
(
くるし
)
む
此
(
この
)
大蛇
(
をろち
)
084
元
(
もと
)
より
悪
(
あし
)
き
神
(
かみ
)
ならず
085
遠
(
とほ
)
き
神世
(
かみよ
)
の
其
(
その
)
昔
(
むかし
)
086
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
087
真澄
(
ますみ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
国魂
(
くにたま
)
を
088
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太知
(
ふとし
)
りて
089
斎
(
いつ
)
き
祀
(
まつ
)
らせ
玉
(
たま
)
ひつつ
090
飯依彦
(
いひよりひこの
)
命
(
みこと
)
をば
091
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
定
(
さだ
)
められ
092
子々
(
しし
)
孫々
(
そんそん
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
093
祭政
(
さいせい
)
一致
(
いつち
)
の
大道
(
だいだう
)
を
094
夢
(
ゆめ
)
にも
忘
(
わす
)
れちやならないと
095
教
(
をし
)
へ
置
(
お
)
かれし
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
096
郷人
(
さとびと
)
残
(
のこ
)
らず
打忘
(
うちわす
)
れ
097
利欲
(
りよく
)
の
淵
(
ふち
)
に
身
(
み
)
を
沈
(
しづ
)
め
098
勝利
(
しようり
)
の
山
(
やま
)
に
憧憬
(
あこがれ
)
て
099
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
の
行動
(
かうどう
)
を
100
益々
(
ますます
)
盛
(
さかん
)
に
続行
(
ぞくかう
)
し
101
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
御怒
(
みいか
)
りに
102
触
(
ふ
)
れて
曲津
(
まがつ
)
を
自
(
おのづか
)
ら
103
生
(
う
)
み
出
(
いだ
)
したる
郷
(
さと
)
の
人
(
ひと
)
104
今
(
いま
)
現
(
あら
)
はれし
此
(
この
)
大蛇
(
をろち
)
105
皆
(
みな
)
郷人
(
さとびと
)
の
魂
(
たましひ
)
や
106
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
の
反映
(
はんえい
)
に
107
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたるものなるぞ
108
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つの
持
(
も
)
ち
方
(
かた
)
で
109
神
(
かみ
)
と
現
(
あら
)
はれ
鬼
(
おに
)
となり
110
大蛇
(
をろち
)
となるも
各自
(
めいめい
)
の
111
言心行
(
げんしんかう
)
の
不一致
(
ふいつち
)
ゆ
112
生
(
う
)
み
出
(
いだ
)
したるものなるぞ
113
これの
大蛇
(
をろち
)
を
竹鎗
(
たけやり
)
の
114
武器
(
ぶき
)
もて
虐
(
むご
)
く
殺
(
ころ
)
すより
115
汝
(
なれ
)
の
心
(
こころ
)
の
真底
(
しんそこ
)
に
116
潜
(
ひそ
)
める
大蛇
(
をろち
)
を
平
(
たひ
)
らげて
117
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
118
教
(
をしへ
)
の
光
(
ひか
)
り
真澄鏡
(
ますかがみ
)
119
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
よや
曲霊
(
まがたま
)
の
120
醜
(
しこ
)
の
肉体
(
すみか
)
も
忽
(
たちま
)
ちに
121
跡形
(
あとかた
)
も
無
(
な
)
く
消
(
き
)
え
行
(
ゆ
)
きて
122
鬼
(
おに
)
も
大蛇
(
をろち
)
も
影
(
かげ
)
もなく
123
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みに
124
靡
(
なび
)
き
伏
(
ふ
)
すらむ
郷人
(
さとびと
)
よ
125
かかる
大蛇
(
をろち
)
の
現
(
あら
)
はれし
126
其
(
その
)
源
(
みなもと
)
を
尋
(
たづ
)
ぬれば
127
紛
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
なき
郷人
(
さとびと
)
の
128
心
(
こころ
)
の
過
(
あやま
)
ちある
故
(
ゆゑ
)
ぞ
129
大蛇
(
をろち
)
よ
大蛇
(
をろち
)
よ
曲神
(
まがかみ
)
よ
130
汝
(
なれ
)
に
誠
(
まこと
)
の
魂
(
たま
)
あらば
131
我
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
謹聴
(
きんちやう
)
し
132
うまら
に
つばら
に
汲
(
く
)
み
分
(
わ
)
けて
133
怪
(
け
)
しき
賤
(
いや
)
しき
此
(
この
)
姿
(
すがた
)
134
行衛
(
ゆくゑ
)
も
更
(
さら
)
に
白雲
(
しらくも
)
の
135
消
(
き
)
えて
跡
(
あと
)
なき
天津空
(
あまつそら
)
136
清
(
きよ
)
く
正
(
ただ
)
しく
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
る
137
目出度
(
めでた
)
き
御代
(
みよ
)
に
逢
(
あ
)
ふならむ
138
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
139
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましまして
140
昔
(
むかし
)
の
神
(
かみ
)
の
伝
(
つた
)
へたる
141
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
142
日日
(
ひにち
)
毎日
(
まいにち
)
繰返
(
くりかへ
)
し
143
思
(
おも
)
ひ
出
(
いだ
)
して
神界
(
しんかい
)
の
144
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
てよ
郷人
(
さとびと
)
よ
145
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
らす
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
146
いかで
悪魔
(
あくま
)
の
蔓
(
はび
)
こらむ
147
悪魔
(
あくま
)
は
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
むなり
148
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
大神
(
おほかみ
)
の
149
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
経
(
たて
)
となし
150
身
(
み
)
の
行
(
おこな
)
ひを
緯
(
ぬき
)
として
151
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
152
人
(
ひと
)
と
生
(
うま
)
れし
功績
(
いさをし
)
を
153
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つに
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
154
正
(
ただ
)
しき
神
(
かみ
)
となり
変
(
かは
)
り
155
五六七
(
みろく
)
の
御代
(
みよ
)
を
造
(
つく
)
れかし
156
キリストメシヤの
再臨
(
さいりん
)
も
157
五六七
(
みろく
)
出生
(
しゆつしやう
)
の
暁
(
あかつき
)
も
158
甘露台
(
かんろだい
)
の
瑞祥
(
ずゐしやう
)
も
159
蓮華台
(
れんげだい
)
上
(
じやう
)
の
御神楽
(
みかぐら
)
も
160
神国魂
(
やまとだましひ
)
其
(
その
)
ものの
161
いづれ
変
(
かは
)
らぬ
一
(
ひと
)
つ
物
(
もの
)
162
狭
(
せま
)
き
心
(
こころ
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて
163
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
164
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べて
行
(
おこな
)
へよ
165
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
166
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
167
と
宣
(
の
)
り
終
(
をは
)
るや、
168
今迄
(
いままで
)
長大
(
ちやうだい
)
なる
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はしたる
大蛇
(
をろち
)
も、
169
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
縮小
(
しゆくせう
)
し、
170
遂
(
つい
)
には
小
(
ちひ
)
さき
蛇
(
へび
)
となりて、
171
清公
(
きよこう
)
が
足許
(
あしもと
)
を
嬉
(
うれ
)
し
気
(
げ
)
に
這
(
は
)
ひ
廻
(
まは
)
る。
172
清公
(
きよこう
)
は
尚
(
なほ
)
も
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
此
(
この
)
蛇
(
へび
)
に
向
(
むか
)
つて
鎮魂
(
ちんこん
)
を
修
(
しう
)
し、
173
清公
『
汝
(
なんぢ
)
再
(
ふたた
)
び
此
(
この
)
郷
(
さと
)
に
現
(
あら
)
はれ、
174
かかる
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
を
繰返
(
くりかへ
)
す
勿
(
なか
)
れ。
175
又
(
また
)
郷人
(
さとびと
)
も
今迄
(
いままで
)
の
心
(
こころ
)
を
根底
(
こんてい
)
より
立直
(
たてなほ
)
し、
176
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
教
(
をし
)
へ
置
(
お
)
かれし
三五教
(
あななひけう
)
を
信
(
しん
)
じ、
177
真澄姫
(
ますみひめの
)
命
(
みこと
)
の
神霊
(
しんれい
)
に
拝謝
(
はいしや
)
せば
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
心中
(
しんちう
)
に
潜
(
ひそ
)
める
鬼
(
おに
)
、
178
大蛇
(
をろち
)
は
忽
(
たちま
)
ち
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
して、
179
煙
(
けむり
)
となりて
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せむ』
180
と
宣
(
の
)
べ
終
(
をは
)
るや、
181
飯依別
(
いひよりわけ
)
、
182
久木別
(
くきわけ
)
、
183
久々別
(
くくわけ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
を
始
(
はじ
)
め
郷人
(
さとびと
)
一同
(
いちどう
)
は、
184
清公
(
きよこう
)
が
前
(
まへ
)
に
平伏
(
へいふく
)
し、
185
今迄
(
いままで
)
の
不信仰
(
ふしんかう
)
の
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
い、
186
再
(
ふたた
)
び
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
とならむことを
祈
(
いの
)
る。
187
清公
(
きよこう
)
は、
188
清公
『
地恩郷
(
ちおんきやう
)
に
三五教
(
あななひけう
)
の
梅子姫
(
うめこひめ
)
、
189
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
の
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ひて
神徳
(
しんとく
)
四方
(
よも
)
に
輝
(
かがや
)
きあれば、
190
此
(
この
)
郷
(
さと
)
の
害悪
(
がいあく
)
を
洗
(
あら
)
ひ
清
(
きよ
)
められし
謝恩
(
しやおん
)
の
為
(
た
)
めに、
191
打揃
(
うちそろ
)
ひ
参拝
(
さんぱい
)
す
可
(
べ
)
し』
192
と
命
(
めい
)
ずれば、
193
飯依別
(
いひよりわけ
)
を
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は、
194
一
(
いち
)
も
二
(
に
)
もなく
此
(
この
)
説
(
せつ
)
に
服
(
ふく
)
し、
195
モンキーを
案内者
(
あんないしや
)
として
地恩郷
(
ちおんきやう
)
に
参拝
(
さんぱい
)
することとなつた。
196
幾十
(
いくじふ
)
の
船
(
ふね
)
を
海面
(
かいめん
)
に
浮
(
うか
)
べてヒルの
港
(
みなと
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
197
船中
(
せんちう
)
は
神徳
(
しんとく
)
の
話
(
はなし
)
で
持切
(
もちき
)
りながら、
198
清公
(
きよこう
)
一同
(
いちどう
)
が
乗
(
の
)
り
来
(
き
)
たりし
船
(
ふね
)
をも
従
(
したが
)
へて、
199
タカの
港
(
みなと
)
へ
上陸
(
じやうりく
)
し、
200
参詣
(
さんけい
)
する
事
(
こと
)
となつた。
201
此
(
この
)
時
(
とき
)
神命
(
しんめい
)
に
依
(
よ
)
つて
清公
(
きよこう
)
の
乗
(
の
)
り
来
(
きた
)
りし
船
(
ふね
)
は、
202
元
(
もと
)
の
所
(
ところ
)
に
帰
(
かへ
)
され、
203
其
(
その
)
持主
(
もちぬし
)
を
求
(
もと
)
めて
色々
(
いろいろ
)
とヒルの
郷
(
さと
)
の
珍
(
めづら
)
しき
物
(
もの
)
を
与
(
あた
)
へ、
204
厚
(
あつ
)
く
謝辞
(
しやじ
)
を
述
(
の
)
べた。
205
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
206
(
大正一一・七・八
旧閏五・一四
谷村真友
録)
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