霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 暗雲(あんうん)消散(せうさん)〔二五六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻 篇:第1篇 山陰の雪 よみ(新仮名遣い):さんいんのゆき
章:第6章 暗雲消散 よみ(新仮名遣い):あんうんしょうさん 通し章番号:256
口述日:1922(大正11)年01月16日(旧12月19日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
一同は身を清めて立派な衣服を身に着け、天津祝詞を奏上した。そして美山彦を縛り上げると宣伝歌を歌った。美山彦は宣伝歌を耳にしてしきりに苦しみを覚えた。
美山彦は無念の歯噛みをなして悔しがったが、縄は強くいかんともすることができなかった。
また、大広間では一同の部下も酒に酔ったところを春日姫、春姫に縛られて、叫喚の声を発していた。
宣伝使たちは宣伝歌を歌うと、縛られた邪神の部下たちは苦しみ転げまわった。春日姫は鬼熊彦に向かって、常世城の蚊取別ではないか、と問い詰めると、果たして縛られたままに白状した。
一行はさらに宣伝歌を歌って皆に憑依していた邪神を退去させると、縄を解いた。鬼城山の面々は両手を合わせてひざまずき、宣伝使たちに神恩を感謝した。
美山彦は天教山への帰順を誓った。宣伝使たちは鬼城山を下ると、ナイヤガラの瀑布に身を清め、ふたたび諸方に遍歴を続けた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-09 23:50:42 文字数:1555 OBC :rm0606
愛善世界社版:38頁 八幡書店版:第1輯 645頁 修補版: 校定版:39頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001 ここに月照彦(つきてるひこ)、002足真彦(だるまひこ)、003春日姫(かすがひめ)、004春姫(はるひめ)は、005悠々(いういう)と温泉(おんせん)に入(い)りて心身(しんしん)を清(きよ)め、006いづれも携(たづさ)へ来(きた)れる包(つつ)みより立派(りつぱ)なる衣服(いふく)を取出(とりだ)し、007心(こころ)も身(み)をも新(あたら)しく着換(きか)へながら、008天地(てんち)に向(むか)つて恭(うやうや)しく天津(あまつ)祝詞(のりと)を奏上(そうじやう)し、009かつ感謝(かんしや)し終(をは)つて美山彦(みやまひこ)の居間(ゐま)に立現(たちあら)はれ、010細紐(ほそひも)を以(もつ)て手足(てあし)を縛(しば)り、011長柄(ながえ)の杓(しやく)に水(みづ)を汲(く)みて、012その顔面(がんめん)および全身(ぜんしん)に注(そそ)ぎ酔(ゑひ)を醒(さま)させけるに、013美山彦(みやまひこ)は驚(おどろ)いて俄(にはか)に酒(さけ)の酔(ゑひ)を醒(さま)し見(み)れば、014四(よ)人(にん)の男女(だんぢよ)は枕頭(ちんとう)に儼然(げんぜん)として控(ひか)へゐる。015夢(ゆめ)か、016現(うつつ)か、017幻(まぼろし)か、018美山彦(みやまひこ)は辺(あたり)をきよろきよろ見廻(みまは)すをりから、019春日姫(かすがひめ)は声(こゑ)をはげまし、
020春日姫『汝(なんぢ)悪党(あくたう)の張本(ちやうほん)美山彦(みやまひこ)、021妾(わらは)が宣伝歌(せんでんか)を耳(みみ)を澄(すま)して聴(き)けよ』
022といふより早(はや)く、
023春日姫『三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)に開(ひら)く梅(うめ)の花(はな)
024 開(ひら)いて散(ち)りて実(み)を結(むす)ぶ
025時鳥(ほととぎす)声(こゑ)は聞(き)けども姿(すがた)は見(み)せぬ』
026と謡(うた)ひ始(はじ)めけるに、027美山彦(みやまひこ)は頭上(づじやう)を鉄槌(てつつい)にて打(う)ち叩(たた)かるるごとく、028胸(むね)を引裂(ひきさ)かるるごとき心地(ここち)して、029苦(くる)しみ悶(もだ)えだしたり。030春日姫(かすがひめ)は声(こゑ)もさわやかに、031又(また)もや流暢(りうちやう)なる声調(せいてう)にて頻(しき)りに謡(うた)ふ。032美山彦(みやまひこ)は七転(しちてん)八倒(はつたう)目(め)をむき、033泡(あわ)を吹(ふ)き、034洟(はな)を垂(た)らし、035冷汗(ひやあせ)を滝(たき)のごとく流(なが)して苦(くる)しみもだえける。036春日姫(かすがひめ)は言葉(ことば)を重(かさ)ねて、
037春日姫『妾(わらは)かつて汝(なんぢ)を帰順(きじゆん)せしめむとして、038この山河(やまかは)を過(す)ぐる折(をり)しも、039汝(なんぢ)の部下(ぶか)の鬼熊彦(おにくまひこ)らの悪人(あくにん)現(あら)はれ来(きた)り、040妾(わらは)は女(をんな)の身(み)の遂(つひ)に衆寡(しうくわ)敵(てき)せず、041侍女(じぢよ)春姫(はるひめ)と共(とも)にこの館(やかた)に捕虜(とら)はれ、042日夜(にちや)の侮辱(ぶじよく)をうけ、043悲(かな)しみの月日(つきひ)をおくり、044大切(たいせつ)なる宣伝(せんでん)を妨(さまた)げられたるは、045千載(せんざい)の恨事(こんじ)なり。046されど至仁(しじん)至愛(しあい)の大神(おほかみ)は、047決(けつ)して悪(あく)を悪(あく)とし、048敵(てき)を敵(てき)としてきため給(たま)ふことなく、049飽(あ)くまで慈愛(じあい)の乳房(ちぶさ)を哺(ふくま)せ、050改心(かいしん)を迫(せま)らせ給(たま)ふなり。051妾(わらは)は今(いま)汝(なんぢ)を殺(ころ)さむとせば、052あたかも嚢中(なうちう)の鼠(ねずみ)のごとし。053されど五六七(みろく)神政(しんせい)の宣伝使(せんでんし)たる妾(わらは)らは、054汝(なんぢ)らごとき小人(せうじん)を苦(くる)しむるに及(およ)ばず、055慈愛(じあい)を以(もつ)て汝(なんぢ)が生命(せいめい)を救(すく)はむ。056汝(なんぢ)今(いま)より翻然(ほんぜん)として前非(ぜんぴ)を悔(く)い、057真心(まごころ)に立帰(たちかへ)らば、058汝(なんぢ)が縛(いまし)めの縄(なは)を解(と)き、059自由(じいう)の身(み)となさむ』
060と宣示(せんじ)すれば、061美山彦(みやまひこ)は無念(むねん)の歯噛(はが)みを為(な)し、
062美山彦『殺(ころ)さば殺(ころ)せ。063か弱(よわ)き女性(ぢよせい)の分際(ぶんざい)として、064われに向(むか)つてさも横柄(わうへい)なるその言葉(ことば)つき、065目(め)に物(もの)見(み)せむ』
066と縛(いまし)めの縄(なは)を引切(ひきき)らむとして藻掻(もが)きはじめたり。067されど縄(なは)は強(つよ)くして切(き)れず、068眼(め)をいからし、069恨(うら)めし気(げ)に春日姫(かすがひめ)を睨(ね)めつけ居(ゐ)たる。070このとき月照彦(つきてるひこ)、071足真彦(だるまひこ)は、
072月照彦、足真彦『アヽ美山彦(みやまひこ)、073汝(なんぢ)は吾(わ)が顔(かほ)に見覚(みおぼ)えあるか』
074と被面布(ひめんぷ)をめくれば、075美山彦(みやまひこ)は大(おほい)に驚(おどろ)き、076歯(は)をガチガチ震(ふる)はせながら、077たちまち色(いろ)蒼白(あをざ)め、078唇(くちびる)は紫色(むらさきいろ)に変化(へんくわ)したりける。
079 折(をり)しも大広間(おほひろま)に当(あた)つて叫喚(けうくわん)の声(こゑ)聞(きこ)え来(き)たる。080即(すなは)ちこの場(ば)は春姫(はるひめ)に監視(かんし)せしめ、081三(さん)人(にん)は大広間(おほひろま)に現(あら)はれ見(み)れば、082いづれの奴原(やつばら)も、083足真彦(だるまひこ)、084春日姫(かすがひめ)の二人(ふたり)に手足(てあし)を縛(しば)られたることを覚(さと)り、085おのおの声(こゑ)を放(はな)つて泣(な)き叫(さけ)ぶなりける。086三(さん)人(にん)は又(また)もや宣伝歌(せんでんか)を高唱(かうしやう)したるに、087いづれも激(はげ)しき頭痛(づつう)胸痛(きようつう)を感(かん)じ、088縛(しば)られたるまま前後(ぜんご)左右(さいう)にコロコロと回転(くわいてん)し始(はじ)めたり。089尚(なほ)も三(さん)人(にん)は宣伝歌(せんでんか)を頻(しきり)に唱(とな)へ続(つづ)くる。090酔(よ)ひつぶれたる奴原(やつばら)は、091一(いち)時(じ)に酔(ゑひ)を醒(さま)し、
092『救(たす)けて、093救(たす)けて』
094と口々(くちぐち)に叫(さけ)ぶ。095春日姫(かすがひめ)は禿頭(はげあたま)の鬼熊彦(おにくまひこ)に向(むか)ひ、
096春日姫『汝(なんぢ)は常世城(とこよじやう)において腕(かひな)を折(を)りし蚊取別(かとりわけ)ならずや』
097と尋(たづ)ぬれば蚊取別(かとりわけ)は手足(てあし)を縛(しば)られながら、
098蚊取別(鬼熊彦)『カ ト リ ワ ケ』
099とわづかに答(こた)へける。
100 ここに三(さん)人(にん)は、101いよいよ天地(てんち)の大道(たいどう)を説(と)き宣伝歌(せんでんか)を謡(うた)ひ、102遂(つひ)に彼(かれ)らに憑依(ひようい)せる邪神(じやしん)を退去(たいきよ)せしめ、103各自(かくじ)の縛(いましめ)を解(と)きやりければ、104一斉(いつせい)に両手(りやうて)を合(あ)はせて跪(ひざまづ)き、105その神恩(しんおん)に感謝(かんしや)し声(こゑ)を揃(そろ)へて天津(あまつ)祝詞(のりと)を、106足真彦(だるまひこ)の導師(だうし)の言葉(ことば)につれて、107恭(うやうや)しく奏上(そうじやう)したり。
108 その勇(いさ)ましき声(こゑ)は九天(きうてん)に轟(とどろ)きわたり、109今(いま)まで暗澹(あんたん)たりし黒雲(くろくも)の空(そら)は、110その衣(ころも)を脱(ぬ)ぎて処々(ところどころ)に青雲(せいうん)の破(やぶ)れを現(あら)はし、111遂(つひ)には全(まつた)くの蒼空(あおぞら)と化(くわ)し去(さ)りにける。
112 美山彦(みやまひこ)は、113遂(つひ)に我(が)を折(を)り帰順(きじゆん)の意(い)を表(へう)したるにぞ、114ここに四(よ)人(にん)は、115美山彦(みやまひこ)以下(いか)に天教山(てんけうざん)の教示(けうじ)を諭(さと)し、116向後(かうご)を戒(いまし)め、117悠々(いういう)として鬼城山(きじやうざん)を下(くだ)り、118ナイヤガラの瀑布(ばくふ)に一同(いちどう)身(み)を浄(きよ)め、119ふたたび宣伝使(せんでんし)として諸方(しよはう)を遍歴(へんれき)したりける。
120(大正一一・一・一六 旧大正一〇・一二・一九 外山豊二録)
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