霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 起死(きし)回生(くわいせい)〔二六二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第6巻 霊主体従 巳の巻 篇:第2篇 常世の波 よみ(新仮名遣い):とこよのなみ
章:第12章 起死回生 よみ(新仮名遣い):きしかいせい 通し章番号:262
口述日:1922(大正11)年01月17日(旧12月20日) 口述場所: 筆録者:嵯峨根民蔵 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年5月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
日の出神は薬草を探し出して、春日姫の毒を治した。そして、天恩郷で南天王の妃として君臨しているはずの春日姫が、なぜこのような山奥で宣伝使として旅をしているのか、問いただした。
春日姫は天恩郷を逐電してから今までの経緯を日の出神に語った。日の出神は春日姫の身の上を聞くと、両親に孝養を尽くし、夫の帰還を待つためには、モスコーに帰って家を守るのも努めである、と諭した。春姫もまた、日の出神の助言に従い、モスコーに春日姫を送っていこう、と諭した。
しかし春日姫は、いったん神の道に宣伝使として思い定めたからは、たとえ山野に屍をさらすとも、初心を枉げることはできない、と決心のほどを明らかにした。
日の出神・春姫ともに、春日姫の決心の強さに感嘆し、それ以上は何も言わずに長白山を降り、また三人三方へと宣伝の旅に散っていった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-11 17:46:09 文字数:1322 OBC :rm0612
愛善世界社版:75頁 八幡書店版:第1輯 657頁 修補版: 校定版:77頁 普及版:31頁 初版: ページ備考:
001 久方(ひさかた)の天(あめ)と地(つち)との大道(おほみち)を、002解(と)き分(わ)け進(すす)む宣伝使(せんでんし)、003世(よ)は烏羽玉(うばたま)の闇(やみ)の世(よ)を、004洽(あま)ねく照(て)らす日(ひ)の出(で)の守(かみ)、005深山(みやま)の奥(おく)に分(わ)け入(い)りて、006神(かみ)の御旨(みむね)を伝(つた)へ来(く)る、007月日(つきひ)も長(なが)き長白(ちやうはく)の、008山(やま)分(わ)け進(すす)む神司(いきがみ)の、009雄々(をを)しき姿(すがた)今(いま)ここに、010三(み)つの身魂(みたま)のめぐり逢(あ)ひ、011深(ふか)き縁(えにし)の谷(たに)の底(そこ)、012底(そこ)ひも知(し)らぬ皇神(すめかみ)の、013恵(めぐ)みの舟(ふね)に棹(さを)さして、014大海原(おほうなばら)や川(かは)の瀬(せ)を、015渡(わた)る浮世(うきよ)の神柱(かむばしら)。
016 ゆくりなくも、017ここに一男(いちなん)二女(にぢよ)の宣伝使(せんでんし)は邂逅(かいこう)したりける。018春日姫(かすがひめ)は苦(くる)しき息(いき)の下(した)よりも幽(かすか)な声(こゑ)をふり絞(しぼ)り、
019春日姫『貴下(きか)は大恩(たいおん)深(ふか)き南天王(なんてんわう)の日(ひ)の出(で)の守(かみ)にましますか。020みじめなところを御(お)目(め)にかけ、021御(お)耻(はづ)かしく存(ぞん)じます』
022と言葉(ことば)終(をは)ると共(とも)に、023息(いき)も絶(た)え絶(だ)えに又(また)もや打伏(うちふ)しにける。024日(ひ)の出(で)の守(かみ)は両眼(りやうがん)に涙(なみだ)をたたへ、025黙然(もくねん)として春日姫(かすがひめ)を打(う)ち眺(なが)めつつありしが、026ツと立(た)ち上(あが)り、027傍(かたはら)の叢(くさむら)を彼方(あなた)こなたと逍遥(せうえう)しながら、028二種(ふたいろ)の草(くさ)の葉(は)を求(もと)めきたり、029両手(りやうて)の掌(たなごころ)に揉(も)み潰(つぶ)し、030雫(しづく)のしたたる葉薬(はぐすり)を春日姫(かすがひめ)の疵所(きずしよ)にあて介抱(かいほう)したりける。
031 これは各地(かくち)の高山(かうざん)によく発生(はつせい)する山薊(やまあざみ)と、032山芹(やませり)にして、033起死(きし)回生(くわいせい)の神薬(しんやく)は、034これを以(もつ)て作(つく)らるるといふ。035日本(にほん)では伊吹山(いぶきやま)に今(いま)に発生(はつせい)し居(を)るものなり。
036 見(み)るみる春日姫(かすがひめ)は、037熱(ねつ)さめ痛(いた)みとまり腫(は)れは退(ひ)き、038たちまちにして元(もと)の身体(からだ)に復(ふく)し、039さも愉快気(ゆくわいげ)に笑顔(ゑがほ)の扉(とびら)開(ひら)きける。040ここに三(さん)人(にん)は歓喜(くわんき)極(きは)まつて、041神恩(しんおん)の厚(あつ)きに落涙(らくるい)したり。
042 日(ひ)の出(で)の守(かみ)はおもむろに春日姫(かすがひめ)に向(むか)ひ、
043日の出の守『貴女(あなた)は顕恩郷(けんおんきやう)の南天王(なんてんわう)として夫婦(ふうふ)睦(むつま)じく住(す)まはせ給(たま)ふならむと思(おも)ひきや、044思(おも)ひがけなき宣伝使(せんでんし)のこの姿(すがた)。045変(かは)り易(やす)きは浮世(うきよ)の習(なら)ひとは言(い)ひながら、046何(な)ンとして斯(か)かる深山(みやま)にさまよひ給(たま)ふぞ。047また鷹住別(たかすみわけ)は如何(いかが)はしけむ、048その消息(せうそく)を聞(き)かまほし』
049と訝(いぶ)かしげに問(と)ひけるに、050春日姫(かすがひめ)は一別(いちべつ)以来(いらい)の身(み)の消息(せうそく)を、051こまごまと物語(ものがた)り、052かつ世(よ)の終末(をはり)に近(ちか)づけるを坐視(ざし)するに忍(しの)びず、053身命(しんめい)を神(かみ)に捧(ささ)げて、054歩(あゆ)みも馴(な)れぬ宣伝使(せんでんし)の苦(くる)しき旅路(たびぢ)の詳細(しやうさい)を物語(ものがた)りけるに、055日(ひ)の出(で)の守(かみ)は言葉(ことば)を改(あらた)めて、
056日の出の守『至仁(しじん)至愛(しあい)の神心(かみごころ)を奉戴(ほうたい)し、057世(よ)を救(すく)ふべく都(みやこ)を出(い)でての艱難(かんなん)辛苦(しんく)お察(さつ)し申(まを)す。058さりながら、059女(をんな)たるものは家(いへ)を治(をさ)むるをもつて第一(だいいち)の務(つと)めとなす。060汝(な)が夫(をつと)鷹住別(たかすみわけ)の宣伝使(せんでんし)として浪路(なみぢ)はるかに出(い)でませし後(のち)のモスコーは、061年(とし)老(お)いたる両親(りやうしん)の御心(みこころ)のほども察(さつ)しやらねばなりますまい。062貴女(あなた)はすみやかにモスコーに帰(かへ)り、063父母(ふぼ)に孝養(かうやう)を尽(つく)し、064神(かみ)を祈(いの)りて、065夫(をつと)の帰省(きせい)を心(こころ)静(しづ)かに待(ま)たせたまへ』
066と勧(すす)むるにぞ、067春姫(はるひめ)はその語(ご)に次(つ)いで、
068春姫『隙間(すきま)の風(かぜ)にもあてられぬ貴(たつと)き女性(ぢよせい)の御(おん)身(み)の上(うへ)として、069案内(あない)も知(し)らぬ海山(うみやま)越(こ)えて、070神(かみ)のためとは言(い)ひながら、071御(おん)いたはしき姫(ひめ)の御姿(みすがた)、072一日(ひとひ)も早(はや)くモスコーに帰(かへ)らせたまへ。073妾(わらは)は今(いま)よりモスコーに汝(な)が命(みこと)を送(おく)り届(とど)け参(まゐ)らせむ』
074と真心(まごころ)面(おもて)に表(あら)はして、075涙(なみだ)と共(とも)に諫(いさ)めけるにぞ、076春日姫(かすがひめ)は首(かうべ)を左右(さいう)に振(ふ)り、
077春日姫『二司(おふたかた)の妾(わらは)をかばひたまふその御心(みこころ)は、078何時(いつ)の世(よ)にかは忘(わす)れ申(まを)さむ。079されど一旦(いつたん)思(おも)ひ定(さだ)めた宣伝使(せんでんし)、080たとへ屍(かばね)を山野(さんや)に曝(さら)し、081虎(とら)狼(おほかみ)の餌食(ゑじき)となるとも、082初心(しよしん)を枉(ま)ぐる事(こと)のいとぞ苦(くる)しければ』
083と二司(ふたかた)の諫(いさ)めを拒(こば)みて動(うご)く色(いろ)見(み)えざりければ、084日(ひ)の出(で)の守(かみ)も春姫(はるひめ)も、085巌(いはほ)を射抜(いぬ)く春日姫(かすがひめ)の固(かた)き決心(けつしん)に感歎(かんたん)し、086三(さん)人(にん)の司(つかさ)は相(あひ)携(たづさ)へて長白山(ちやうはくざん)を下(くだ)り、087東(ひがし)、088西(にし)、089南(みなみ)の三方(さんぱう)に宣伝歌(せんでんか)を謡(うた)ひつつ袂(たもと)を別(わか)ちたりける。
090(大正一一・一・一七 旧大正一〇・一二・二〇 嵯峨根民蔵録)
091(第一一章~一二章 昭和一〇・一・二八 於筑紫別院 王仁校正)
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